品質
品質の向上と顧客満足の追求
主な取り組みの目標と実績
品質の確保
2023年度 目標 | 顧客および社会から信頼される製品を提供するために、品質保証部門の役割を踏まえ、品質と顧客に対する理解を深耕する |
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2023年度 実績 |
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評価 | ★★ |
2024年度 目標 | 新体制下での役割の浸透 |
2023年度 目標 | 当事者意識の醸成を企図し、マネジメントによる担当業務の落とし込みを実践する |
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2023年度 実績 |
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評価 | ★★ |
2024年度 目標 |
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- 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
[ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力
基本的な考え方
DICグループは「The DIC Way」および「サステナビリティ基本方針」に基づき、「安全・環境・健康に関する方針」と「品質に関する方針」を事業活動の両輪と位置づけ、顧客および社会の要求に合った製品・サービスを提供することを追求しています。
品質に関する方針
常に信頼される製品を提供して顧客と社会品質に関する方針の繁栄に貢献する。(2015年5月改定)
推進体制
国内DICグループは、高い機動力と総合力を発揮するため、事業を推進する製品本部を縦軸に、技術統括本部や生産統括本部を横軸に置いた「マトリックス型組織」としており、品質組織は生産統括本部に所属しています。
また、品質に関する方針のもと、毎年社長が社員に向けて品質保証の重要性を喚起しています。加えて、「すべての基本は安全操業と品質保証である」との生産部門担当役員のメッセージを強く発信しながら啓発や教育を繰り返すとともに、全社員が品質に関わる当事者意識を持ってQMS(品質管理システム)の正しい運用を徹底し、品質の改善に取り組んでいます。
副統括本部長(品質統括)を品質トップとしつつ、2024年は体制を変更し、事業所の品質保証グループは事業所長の直下で、製品品質を守ることに主眼を置いた活動に専念し、一方で、本社品質保証部・品質管理部は事業所および製品本部が抱える課題を吸い上げ、最善策を講ずるとともに、ガバナンスの強化に努めています。
実務面においては、社長は品質委員会を四半期ごとに主催し、DICグループ全体を視野に入れ、国内DICグループの品質マネジメントに直接関与しています。同委員会では、品質にかかる方針や重点施策を策定し、製品本部長および各部門長はこれらの実施状況を報告します。品質委員会の結果は、取締役会に報告され、適切に監督されています。
品質保証と品質向上に向けた活動
品質委員会で決定された方針や重要施策を品質保証部と品質管理部が推進し、品質マネジメント水準の向上に取り組みます。品質の不適合※に対しては是正処置と再発防止を徹底し、お客様の満足度向上に取り組んでいます。
01お客様を重視した品質保証活動
品質保証部は主に次の役割を担います。
- 主として、国内DICグループの品質にかかる方針および重要施策の立案と展開
- QMS(品質マネジメントシステム)に適合した運用遵守の推進と品質監査
- 苦情・クレーム、不適切事案※にかかる重大性の判定と社外対応
- 顧客を重視し、コンプライアンスを遵守するマインドの醸成
- 不適合と不適切
・不適合とは、規格・条件などに完全に一致していないこと。
・不適切事案とは、法令・規制もしくは顧客との取り決めに合致していない製品が出荷される事案。
DICグループはお客様が安心して、かつ満足してお使いいただける高品質な製品を提供し続けるために、製品企画から設計開発、原材料調達、製造、製品保管、販売に至るすべてのプロセスにおいて、お客様から要求された品質の実現および維持改善に取り組んでいます。
国内DICグループは定期的な品質監査および事業所の内部監査を実施し、QMSに適合した運用の遵守に向け、適切に監視と点検を行い、お客様からさらなる信頼を得るための仕組みや手順を改善・定着させる活動を継続しています。
2023年度からは、品質監査において、設計品質の具現化、製造時のトラブル対応、工程管理手法等に着目し、さらに安定したモノづくりができるよう活動しています。
02品質を維持向上するための活動
品質管理部は主に次の役割を担います。
- 品質にかかる教育の立案と実施および評価
- 国内グループ会社含む各事業所の品質関連業務の適正な運用の管理・監督
- 品質管理業務プロセスと品質検査業務プロセスのDX推進
また、各事業所のベストプラクティスの表彰や共有を通じて、業務の効率化、業務の質の向上、ヒューマンエラー防止等により、品質管理および検査業務プロセスの進化を推進します。
品質保証部/品質管理部/事業所品質保証グループでは、我々こそがお客様に安全と安心を安定的に提供する「品質の番人」であるという自負とプライドを持って、日々仕事に取り組んでいます。
03コンプライアンスを重視した活動
コンプライアンスは何にも勝るDICグループの優先価値という認識のもと、DICは、「お客様にご満足いただける製品」を提供し、「社会に貢献」するために、社員一人ひとりが品質を守る当事者として業務に取り組む企業風土が欠かせないと考えています。
2020年度以降、工場長を皮切りに、お客様と直接対話する機会の多い技術および営業部門のリーダーに対して「ISO9001トップマネジメント研修」を実施しています。概念的な研修ではなく、具体的な事例を教材として用い、生産活動には直接関与しなくとも、品質を守る当事者として考え、行動することの重要性を繰り返し共有します。
さらに、2020年度以降、品質不適切事案の再発防止の取り組みとして、国内DICグループを対象に自社不適切事例を教材とした「品質コンプライアンス」のe-ラーニングを実施しています(受講率100%)。加えて、品質意識向上に向けた新たな取り組みとして、2022年から品質に関するトピックスや社外事例を紹介する「品質なんでも講座」を発信しています。今後も、全社員が品質に関する役割を再認識し、当事者意識を確実に高めることのできる取り組みを充実させていきます。
04課題に対して適切に対処する仕組み
社長が主催する「品質委員会」に対し、副統括本部長(品質統括)が主催する全社品質会議は、国内DICグループの方針および重要施策をより具体的な方策に転換して伝達し、その実施状況を監督するとともに、事業所および製品本部が抱える課題に対して、最善策を講じます。
製品本部長が主催する製品本部品質会議は、お客様の満足度を追求します。お客様に対して新たな価値を提案するとともに、お客様の要望されるBCM(Business Continuity Management)や変更管理にも対応しています。
一方、事業所長が主催する事業所品質会議は、QMSを適切に運用し、品質の改善を推進します。不適合品に対して原因を追究し、是正および再発防止、さらには未然防止等のための取り組みについて計画を策定し、その実行管理をします。
これらの会議体に品質保証部と品質管理部は積極的に参画し、課題に対しては適切かつ迅速に対処します。
05グローバルDICグループの連携
現状は、取得済のISO9001等に基づいて、各現地法人が品質に関するオペレーションを実施しています。
2024年は、「アジアパシフィック地域」・「中国地域」との連携強化を企図した仕組みの検討並びに、Sun Chemical社との将来の連携を見据えた情報収集を進めます。