ESG部門長メッセージ

執行役員ESG部門長 虎山 邦子

全社員の強みを最大限に活かしつつ
「DICのサステナビリティ」をさらにレベルアップ

執行役員
ESG部門長
虎山 邦子

DIC Vision 2030の2年目がスタートしました。この長期経営計画でサステナビリティは一段と重要な位置づけとなり、DICグループの事業活動を通じた“社会の持続的繁栄に貢献する事業ポートフォリオの構築”と“地域環境と社会のサステナビリティ実現に貢献する”ことを至上命題としています。特にサステナビリティについては、以下の3つの柱が重要です。

サステナブル製品・気候変動・循環型経済の3テーマ

1つ目は、DICとして定めた社会課題の解決に貢献できる「サステナブル製品」を2030年に売上高の60%にすることです。そもそもサステナブルな製品とは何なのか、私たちは事業を通じて何が提供できるのかというテーマに対して常に向き合い、急速に変容する時代とともにサステナブル製品も進化させていくことを念頭に、グループ社員と協働で目標に向かって邁進したいと思っています。

2つ目は気候変動への対応です。中でも「2030年までにCO2排出量を50%削減する(2013年度比、Scope1,2)」という目標については、グリーン電力へのシフトなどの取り組みを積極的に進めています。製造工程の見直しや電化の推進、そして長期的にはクリーンエネルギーを自ら作ることなども念頭に活動を加速しています。もちろん生産に携わる各事業所やオフィスなどの非製造部門における日々の省エネ活動も不可欠な取り組みであり、知恵を出し合いながら国内外のグループ会社と一体感を持って進めていきます。

3つ目のサーキュラーエコノミー(循環型経済)に関しては、ヨーロッパで資源効率化へのロードマップの作成が進むなど地域による温度差が拡大しています。そのため、それぞれの地域で目指す目標が変わっていくのか、それとも単にスピードが異なるだけなのか、その推移を注視しつつもDICが取り組んでいる「ポリスチレンの完全循環型リサイクル」などは早期の社会実装に注力していきます。

社員の強みを可視化して働き甲斐と生産性の向上へ

ダイバーシティについては、働き甲斐と生産性を向上させる目的から始まった「WSR2020」活動の一環として、女性活躍推進、外国人社員の定着・活躍の推進とともに、2022年度はグループ会社も含む日本の全社員を対象に『強みの資質』を見える化するプロジェクトを推進しました。その成果を各自が仕事に反映できるように研修やe-ラーニングを通じて自らの強みを深堀りし、上長との1on1ミーティングなどを通じてより効果的に仕事につなげる活動も行っています。これらが社員の働き甲斐をより高め、さらには心身ともに健康で充実した日々を実感できる「ウェルビーイング」につながることと信じています。

このように日々の活動は地道で、すぐに成果が現れない取り組みも少なくありません。しかし、そうした活動の積み重ねこそが会社の形を少しずつ変え、社会の姿をも変えていくことを感じながら、DICグループの仲間とともに日々の業務を推進してまいります。