取引先とDIC ~持続可能な調達 12 つくる責任 つかう責任

主な取り組みの目標と実績

持続可能な調達の推進

2018年度 目標 中国産原材料について、取引先に対し、特に昨今厳しくなる環境規制への対応状況を詳しく点検し、各課題への対策により、調達リスクを低減する
2018年度 実績 中国の重要原料サプライヤー11社を訪問調査し、サステナビリティの観点より課題を把握した。調達リスクの高い一部の原料については中国以外のサプライソースを検討、リスク低減を図った
評価 ★★
2019年度 目標 粗原料も含めた中国依存度が高い重要原料の中国サプライヤーに対し、環境規制対応を含むサステナビリティを詳しく点検し、各課題への対策に依り、調達リスクを低減する
2018年度 目標 アジアの取引先に対し、事業継続の観点から設備老朽化への対応状況等、詳細調査を通じ、リスクの把握と対策により安定調達を実現する
2018年度 実績 インドサプライヤー調査に着手したが、他地域も含めたサプライヤーの詳細調査は来期の課題とした
評価 ★★
2019年度 目標 ESGの観点を含め中国以外の新規サプライソースを探索・発掘し、ソースの多様化に依る調達リスクの低減を図る
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

持続可能な調達の基本的な考え方

DICグループは、グローバルな人権の課題、気候変動や水リスクなどの環境課題に関して、昨今サプライチェーンを通じた取り組みが社会の要請として高まっていることを踏まえ責任ある調達活動を行っています。
DICグループでは、サプライチェーンにおける社会的責任を果たすために、「DICグループ購買に関する方針」(2008年制定)および、これに基づき定めた「購買管理規程」と、各取引先への要請事項を明記し、2010年に制定した「DICグループCSR 調達ガイドライン」(現DICグループサステナビリティ調達ガイドライン(2020年2月改訂))を用いて、持続可能な調達に向けた改善・取り組みを推進しています。この活動は、日本、米欧州、中国、アジアパシフィック地区でグローバルに進めています。

持続可能な調達の基本的な考え方

DICグループ購買に関する方針

DICグループの基本理念を実現するための行動方針に則って、購買部門は、取引先との購買活動において以下の購買に関する方針を実践いたします。

  • 公正・透明な取引
    DICグループは、従来の商習慣にとらわれることなく、グローバルな見地から国内外の取引先に対して、公正で開かれた購買を行います。
  • 適正な購買と信頼関係の構築
    DICグループは、国内外の関連法規・社会規範を遵守し、適正な品質・価格を追求して取引先と良きパートナーとしての安定的な相互信頼関係を構築し、共存共栄を図ります。
  • 環境・安全への適合
    DICグループは、模範的な企業市民として、環境・安全・健康・品質に責任を持ち、社会の変化を常に意識し、地球環境に配慮した購買を実践します。
  • 新たな価値創造への挑戦
    DICグループは、社会が求める新たな価値に高いレベルで応えるために、価値の創造を共有できる取引先と積極的に挑戦し、共に持続的な発展を目指します。

DICグループサステナビリティ調達ガイドライン

  • 法令・社会規範の遵守と健全な事業経営の推進
  • 人権の尊重及び労働環境の整備
  • 安全衛生の確保
  • 環境への配慮
  • 情報セキュリティ対策
  • 適正な品質・安全性及び技術の向上
  • 安定供給と変化に対する柔軟な対応
  • サステナビリティの推進と持続可能な調達の取り組み

持続可能な調達の推進

DICグループでは、「DICグループ購買に関する方針」に基づきJEITA等のガイドブックを参考に2010年に「DICグループCSR調達ガイドライン」を定めましたが、持続可能な調達に対する社会の要請や変化に対応するため、名称の変更を含めた改訂を行いました。具体的には人権方針の策定、化学物質の管理や環境負荷の低減、水資源やエネルギーの効率的な利用、中長期的な温室効果ガスの排出量削減目標設定、安定供給を目的とした事業継続計画の策定などが主な改訂項目となります。このガイドラインへの適合を取引先に求めて、「DICグループサステナビリティ調達ガイドブック Ver.3 (2020年2月改訂)」(以下本ガイドブック)を作成しています。 本ガイドブックを用いて国内外の取引先へのアンケートおよび訪問調査などを行い、取引先に対する啓発とともに改善活動を行っています。なお、新規取引先に関しては、選定に際しサステナビリティ調査の結果を考慮する仕組みが有ります。また「DICグリーン調達ガイドライン」により、取引先に対し化学物質の厳正な管理を要請するとともに、①環境負荷のより少ない製品の開発と紹介 ②メーカーにおけるグリーン調達の推進 ③調達品およびその梱包材・物流・生産・工事等における、省資源化・省エネルギー化・減量化・長寿命化・CO2排出量削減等環境負荷の低減、などを求めています。
こうした取り組みは取引先との関係強化につながる有効な機会となっています。

  • JEITA:一般社団法人電子情報技術産業協会(Japan Electronics and Information Technology Industries Association)の略。

DICグリーン調達ガイドライン

DICでは「DICグループ購買に関する方針」のもと、「DICグループグリーン調達ガイドライン」(下記7つの有害性の高いカテゴリー※1の有害物質を含有した原料は調達しない)を制定し、①「DIC原材料調査票」(成分の詳細情報把握) ②「Safety Data Sheet 」およ び③「chemSHERPA」※2さらに④「DICグループグリーン調達ガイドライン調査票」の提出を原料購買時に義務づけ、懸念物質の体系立てた排除を実行しています。また、別途「紛争鉱物調査票」の提出も要請しています。

  • 7 つの有害性の高いカテゴリー:
    ①労働安全衛生法55 条「製造等が禁止される有害物質」、②化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)「第一種特定化学物質」、③化学物 質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)「監視化学物質」、④特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律「既に製造が禁止された特定化学物質」(モントリオール議定 書における「オゾン層破壊物質」と同じ)、⑤大気汚染防止法「特定粉じん」、⑥毒物及び劇物取締法「特定毒物」、⑦ストックホルム条約「附属書A」で定める物質。
  • chemSHERPA:
    サプライチェーン全体で利用可能な製品含有化学物質の情報伝達のためのスキームで、サプライチェーンにおける製品含有化学物質情報の確実かつ効率的な伝達のためにデザインされ、DIC では2017 年下期よりchemSHERPA の運用を開始。

新規取引先に関する事前評価

DICでは、新規取引先に対し、上記①~④および「紛争鉱物調査票」の提出をお願いするとともに、サステナビリティの観点も含め総合的に評価 しています。

取引先への持続可能な調達アンケートの実施

DICグループは、取引先に対し「DICグループサプライチェーンCSR 推進ガイドブック」(現DICグループサステナビリティ調達ガイドブックVer.3(2020年2月改訂))に包含されているサステナビリティ調達回答シートを用いたアンケート調査を行い、これを通じてサステナビリティの推進状況を確認しています。このアンケート内容は、「DICグループサステナビリティ調達ガイドライン」の8項目をさらに細分化し、人権尊重や労働環境への配慮、ISO9001やISO14001の取得、グリーン調達の実施、温室効果ガスの排出量削減、水資源やエネルギーの効率的な利用、事業継続計画の策定、二次取引先へのサステナビリティ推進など45の項目から構成されています。

アンケート結果の分析とフィードバック

DICグループサプライチェーンCSR推進ガイドブックVer.2(2013年7月改定)を用い、2019年度は11社の調査を実施し、2013年11月~2019年12月で原材料購買金額の90%以上を占める取引先764社からアンケートを回収しました。アンケートの分析・評価結果を各社にフィードバックするとともに、取り組みが不十分な項目については、訪問調査や書面にて適宜改善要請をしています。2020年度は改訂版ガイドブックを用いて調査しています。

フィードバック実績
フィードバックシート

フィードバックシート

評価分布図(764社)

評価分布図(764社)

サステナビリティ推進を目的とした訪問調査

DICは持続可能な調達に対する理解の促進を目的とし、2011~2019年で計102社の国内外取引先に対し、訪問または紙面調査を実施しました。アンケートの自己評価に基づき、その内容を確認した上で、取引先と課題に対し改善のための協議をしています。同時に環境・社会・ガバナンスに関するDICグループの取り組み事例を紹介し、取引先のサステナビリティを推進しています。

グローバルな取り組み

2019年度は、日本、中国地区の購買担当者が協働し中国における重要分野の取引先に対しサステナビリティアンケートの回答をもとに訪問または紙面調査を実施しました。また取引先と共にサプライチェーン上の環境規制問題などについて認識を深め、改善策に取り組みました。
サンケミカル社とは、サステナビリティ委員会等で持続可能な調達に対する今後の取組み施策について継続的に情報交換しています。
2020年度は、アジアパシフィック・中国地区の子会社による改訂版ガイドブックを用いた調査も計画しています。

持続可能な原料への取り組み

DICグループは、中長期的な視点で持続可能な原料への取り組みを推進しています。再生可能原料についても、気候変動・資源保護に配慮し社内で様々な検討がなされています。DICグループは、今後も持続可能な原料への取り組みをグローバルなサプライチェーンを活かし、推進してまいります。

VOICE

継続的な改善に取り組み「持続可能な調達」を推進します

サイアムケミカルインダストリー社 購買部 Wantanee Prodpran

私は、タイのサイアムケミカル(SCI)の購買部門で約24年間働いていますが、 昨今、企業は持続可能性を実現する意識の向上など、ますます多様な課題に直面しています。SCIの購買部門は、CSRから発展したDICグループの「サステナビリティ方針」に基づき、社会的要求を的確にとらえた活動をさらに推進することにしました。そのため購買活動には、取引先やお客様などと協力してサプライチェーン上の環境や社会的負荷を軽減する責任があります。そして、お客様は、品質、コスト、納期の条件だけではなく環境および社会的な側面のガバナンスも要求しています。
2019年2月、SCIはEcoVadis社から銀メダルの評価を獲得しました。今後も現在の状況に満足することなく、継続的な改善活動を通じてサプライチェーンを強化することで、金メダルの評価へとステップアップしたいと考えています。実現することは簡単ではありませんが、お客様や社会の要求は絶えず変化するため、これに対応した持続可能な調達を実現することが必要と考えています。私は持続可能な調達について理解を深め、取引先とDICグループ双方の情報交換を促進し、より先進的な持続可能な調達を実現したいと思います。

サイアムケミカルインダストリー社 購買部 Wantanee Prodpran

持続可能な調達を実現したのは、取引先とのWIN-WINの関係

上海迪愛生貿易有限公司 グループ購買 購買主任 柯 崎

私は中国地区の原料購買業務に携わっています。CSRについては社内研修等を通じて知識を習得し、取引先に対しCSRの推進を依頼してきました。しかしながら、その重要性を取引先にどの様に分かりやすく伝えるか、SAQ(Self-Assessment Questionnaire)のアンケート調査の結果のみから実際の活動状況を把握することは容易ではありませんでした。
2016年に取引先6社を訪問した際、まず、従来の品質、価格、納期(Quality, Cost, Delivery)を主体とした調達基準が、新たな社会の要請に基づき、環境、社会、ガバナンス(Environment, Social, Governance)の要素にも配慮する必要があることを説明し、理解を得ました。さらに取引先とCSRに関する取り組み内容について意見交換することで、取引先の優れた取り組みが判明したり、CSRに対する理解が不十分な取引先の場合、DICの取り組み事例を紹介するなど、お互いにWIN-WINの関係を構築することが可能となり、持続可能な調達につながることを実感しました。

上海迪愛生貿易有限公司 グループ購買 購買主任 柯 崎

取引先への訪問調査による持続可能な調達の推進

購買部 主任 林 美保

私は購買部に所属し原料調達の業務に携わっていますが、持続可能な調達に向け重要原料に関しては定期的なサプライヤー訪問調査を心がけています。実際の調査に立ち会うとCSR調達アンケートだけでは分からないサプライヤーの取り組みを実感できます。私が訪問した会社は、法令リスクの洗い出しや、コンプライアンス・下請法勉強会等を実施し、会社全体でコンプライアンス活動を非常に重視している姿勢が肌で感じられました。また、生産現場を視察し、徹底した工程管理や複数拠点での生産によるBCP対策等を確認でき、購買先との信頼関係をより一層強めることができました。

購買部 主任 林 美保

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