BCM・危機管理
事業を取り巻くリスクの低減、発生防止に向けて
主な取り組みの目標と実績
DICグループの事業継続性の確保
年度 | 目標 | 実績 | 評価 |
---|---|---|---|
2024 | BCMSの推進 |
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★★★ |
グローバル危機管理体制の整備強化 |
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★ | |
2025 | BCMの推進 | ― | ― |
危機管理体制の整備強化 | ― | ― |
- 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
[評価マークについて] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力
- 事業継続計画書(BCP: Business Continuity Plan)
事業継続マネジメント(BCM: Business Continuity Management)
事業継続マネジメントシステム(BCMS: Business Continuity Management System)
BCM・危機管理の基本的な考え方
DICグループでは、大規模地震・台風・水害などの自然災害、新型感染症、工場における爆発・火災・漏えいの事故など、事業継続に支障を来たすおそれのあるリスクをBCMの想定対象としています。これらにより発生する危機的な事象の可能性と経営に与える影響度などを総合的に評価し、重要度の高いものから対策に取り組んでいます。
また、本社対策本部・事業対策本部・現地対策本部の3つの対策本部構成による体制の整備や、主要製品のBCP策定など、BCM・危機管理対応策の策定や改善、情報の更新などにも継続的に取り組んでいます。
BCMについて
BCPの推進体制
DICでは、重大災害等発生時の危機管理規則を全社マニュアルとして整備し、その下位マニュアルとしてBCPを策定しています。具体的には、製品本部ごとに重要度の高い製品を選定し、重要度の高いリソースから優先的に対応策を策定、BCPに反映しています。
また、生産拠点を持つ国内すべての非上場連結子会社にもBCMを展開し、DIC本体と同様に、製品本部の戦略のもと、優先度の高いリスクを対象としたBCPを策定しています。
海外DICグループにおいても国内と同様に、製品本部の戦略のもと、BCMを推進しています。
2024年度のBCM活動
事故・災害に適切に対応するためには、BCMを理解し、策定したBCPを適切に運用することが必要です。それには教育・訓練が欠かせないことから、DICではBCPの運用に関わる関係者への教育・啓発に注力しています。2024年はBCPの実効性向上のために改定したBCP雛形に関する説明会を開催し、当社のBCPに関する理解や策定に向けたガイダンスを実施しました。また、毎年、専門家の監修・指導による、経営層を対象とした本社対策本部メンバーへの演習・図上訓練を実施しています。
2024年度の演習では、南海トラフ地震を想定した大地震による複数拠点同時被災のケースを取り上げました。本社対策本部・製品本部・工場間でオンラインの災害等情報管理ポータルシステム「DIC BCPortal」での報告や対応協議を行うなど、迅速かつ適切な課題対処を目指したBCP連携訓練を行いました。
DICアジアパシフィック社ではDICの「重大災害等発生時の危機管理規則」の下位マニュアルであり、BCPの策定活動の展開も見通す内容となる「Crisis Management Plan」を定め、統括するグループ会社の実践ステップを具体的に定めています。
DICチャイナ社が統括するグループ会社では、優先度が高い重要製品について既にBCPが策定されています。
サンケミカル社においても緊急対応規則やシステム系のBCPが既に整備されています。
BCPの形骸化防止と実効性の向上への取り組み
DICでは、BCPが形骸化しないようBCPの実効性の維持に努めています。具体的には、各製品本部が定める個別のBCP内容が最新の状態であり、機能するものであるかを確認するため、毎年、役員をはじめとするメンバーによるBCP更新ヒアリングを開催し、策定されたBCPの形骸化を防止しています。
2024年度のヒアリングにおいても、製品本部ごとにBCPの内容を精査し、更新状況を確認するとともに、改善点や今後の課題の確認などを通じ、次年度以降の改善に向けた整理を行いました。
危機管理
緊急対応訓練の実施
DICでは、毎年、前出の本社対策本部訓練、従業員の安否確認通報訓練、事業所間の緊急無線通報訓練、事業所別の総合防災訓練などを実施し、いつ災害が発生しても被害を最小限にとどめ、速やかな復旧により事業を円滑に継続できる体制の整備と維持に努めています。前出の「DIC BCPortal」は、事業所が実施する防災訓練などでの情報共有訓練にも大いに活用されています。
災害等情報管理ポータルシステム「DIC BCPortal」の運営
「DIC BCPortal」は、2024年度も運営上の課題に対し、より安定した運用のための改善を行いました。具体的には、迅速かつ的確な情報共有ができるように初動の手順について改めて簡易マニュアルを整備するとともに、発災事業所による報告の誤操作を防止するための操作メニューの名称変更を実施しました。また、対象とする国内関係会社の拡充を行いました。
大規模災害時における地域対応
日本は世界有数の地震大国であり、地震発生時の防災・減災への取り組みが社会の重要課題となっています。
DIC本社が位置するディーアイシービルは、東京都中央区日本橋に立地しています。このエリアには大型の商業施設やオフィスビルが集積しているため、例年、当ビル周辺の空地において地域ぐるみで総合防災訓練を実施しています。
最新の免震設計が施されたディーアイシービルは、東京都中央区の帰宅困難者一時滞在施設に指定されています。大震災が発生した際には地域と連携した帰宅困難者対応を行うべく、DICは中央区帰宅困難者支援施設運営協議会会員として日頃より活動しています。
また、2024年は、国や自治体が推進する大規模災害時の「一斉帰宅抑制」実施の基本原則に協力するために、事業所や関係会社を含めた当社グループとしてのポリシーおよび実行内容をまとめ、従業員に周知しました。
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