マネジメントシステム

基本的な考え方

DICグループは、労働安全衛生、保安防災、環境保全、化学品・製品安全、社会との対話、物流安全の各活動に関して、システムとして統一的に運用します。

ISOマネジメントシステム

01環境マネジメントシステムISO14001の導入状況

環境マネジメントシステムに関しては、国際規格としてISO14001を導入しています。2024年12月末時点で、DICグループのISO14001の生産数量に対する取得率は67%となっています。

02安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001/ISO45001の導入状況

安全衛生マネジメントシステムとしては、世界共通基準として認知されているOHSAS18001もしくはISO45001を導入しています。特に、AP地域は多くの国にわたって操業しており、それぞれの文化や言語などの多様性に加え、労働安全衛生に関する認識レベルにも違いがあるため、安全衛生マネジメントシステムの導入を積極的に支援しています。2024年12月末時点で、AP地域の19事業所が安全管理システム(ISO45001/OHSAS18001等)を取得済みであり、生産数量に対する取得率は96%です。

情報管理システム(DECS)

日本・中国・AP地域のDICグループでは2019年度から、クラウドサービスを利用したデータ収集システム「DIC ESHデータ収集システム」(DECS: DIC ESH Data Collection System)を導入し、情報管理を一元化しています。データ集計項目としては「労働安全衛生」、「気候変動」、「水資源」、「廃棄物」などです。これによりデータ集計の迅速化、省力化を実現するとともに、第三者検証においてデータの信頼性を向上することにも貢献しています。
一方、欧米地域においてはSun Chemical社(米国、以下「サンケミカル社」)が別のシステムで情報管理を行っています。互いの情報を相互運用することにより、グローバルで情報管理を行っています。

レスポンシブル・ケア教育

国内DICグループは、化学物質を取り扱う企業として、安全環境活動を含むレスポンシブルケア活動に関し、新入社員研修やキャリア採用研修でその重要性を説き、さらに昇格時における階層別研修にて継続的に教育しています。

対 象 内 容
新入社員 講義 + 安全体感教育
キャリア入社社員 講義
一般社員 各階層昇格者 講義
管理職 昇格者 講義
新任グループ会社社長 講義
海外赴任者 講義
高専インターンシップ 講義

安全環境監査

1. 安全環境監査の推進体制

DICグループでは、それぞれの事業会社と工場・研究所のレスポンシブル・ケア活動が正しく機能していることを評価するため、安全環境監査を定期的に実施しています。

国内DICグループでは構成メンバーとして、レスポンシブル・ケア(RC)部員を中心に、製造を統括する執行役員、労働組合推薦の組合員が参加します。そして、安全施策の実施状況や前回監査からの改善状況等を監査しています。

海外DICグループでは、各地域統括会社のESH担当者が活動の進捗状況を現場で確認し、各事業所のレスポンシブル・ケア活動のレベルアップを図っています。

2. 2024年度の安全環境監査の活動と実績

国内DICグループにおいては、2024年度は大規模事業所である、DICの9事業所とDICグラフィックス株式会社の2事業所に対して監査を実施しました。監査の方法としては、工場の管理レベルを確認する「システム監査」や、現場を中心に確認する「現場監査」、臨時的に工場の保安防災/労働災害防止のマネジメントシステム、再発防止、減災への取り組み状況を確認する「特別監査」、また外部コンサルティング会社による「コンプライアンス監査」があります。これらの監査により、事業所における安全環境管理レベルの改善、製造現場での危険源発掘、そして法令遵守レベルの改善を行いました。

また、DICグラフィックス(株)を除く国内DICグループ8事業所に関しても、システム監査と現場監査を実施し、安全環境管理のレベルアップを図りました。
海外DICグループでは、各地域統括会社のESH担当により安全環境監査を実施しています。 中国地域では13事業所の監査を実施しました。欧米・アフリカ地域を統括するサンケミカル社では37事業所の監査を実施しました。

2024年度 安全環境監査実施概要
国内 海外
DIC DICグラフィックス(株) その他国内DICグループ 中国地域 アジアパシフィック地域 欧米地域
9事業所 2事業所 8事業所 13事業所 0事業所 37事業所
19事業所 50事業所

法規制違反・行政処罰関連

2024年度は、中国地域でレスポンシブル・ケア関連の罰金が6件発生しました。
行政処罰を受けた内容については対応を行いました。併せて再発防止に向けた取り組みも対応済です。

データ集

テーマ 項目 単位 バウンダリー 第三者検証 2022年度
実績
2023年度
実績
2024年度
実績
労働安全衛生 総労働災害度数率
TRIR
人/100 万時間 日本 2.23 2.09 1.93
中国 0.79 2.06 0.9
AP 1.21 1.11 1.28
欧米 6.33 4.53 5.7
グローバル※1 4.00 3.00 3.51
休業災害度数率 人/100 万時間 日本 0.45 0.99 0.36
中国 0.53 1.31 0.45
AP 0.99 0.99 1.16
欧米 3.36 2.49 3.35
グローバル※1 2.07 1.73 2
死亡災害死者数 日本 0 0 0
中国 0 0 0
AP 0 0 0
欧米 0 0 0
グローバル※1 0 0 0
休業災害負傷者数 日本 4 9 3
中国 2 7 2
AP 9 9 10
欧米 70 50 67
グローバル※1 89 76 83
不休業災害負傷者数 日本 16 10 13
中国 1 4 2
AP 2 1 1
欧米 62 41 47
グローバル※1 83 56 63
保安防災 プロセス事故件数 日本 3 7 12
プロセス事故率 件/20 万時間 日本 0.050 0.124 0.229
環境汚染 VOC ton 日本 200 191※2 176
PRTR 排出量(大気・水・土壌) ton 日本 234 204※2 179
NOx ton 日本 172 133 108
SOx ton 日本 13.3 5 1.8
COD ton 日本 854 768 636
廃棄物合計
(有害+ 非有害)
 発生量 ton 日本 41,422 39,790 34101
海外 76,851 68,815 79739
グローバル 118,273 108,604 113840
工場排出量 ton 日本 31,627 30,238 27759
海外 70,756 62,373 72495
グローバル 102,383 92,611 100254
リサイクル処理量 ton 日本 16,725 15,506 15261
海外 29,589 25,596 25641
グローバル 46,314 41,103 40902
熱回収処理量 ton 日本 20,849 20,371 13397
海外 12,001 23,691 30215
グローバル 32,850 44,062 43612
非熱回収処理量(単純焼却等) ton 日本 3,675 3,745 5244
海外 18,221 8,009 11195
グローバル 21,895 11,754 16440
埋立量 ton 日本 173 167 199
海外 17,041 11,518 12687
グローバル 17,214 11,686 12886
有効利用率 % 日本 91% 90.2% 84
海外 54% 71.6% 70
グローバル 67% 78.4% 74.2
有害廃棄物
(特別管理廃棄物)
 発生量 ton 日本 8,268 8,585 7465
海外 47,546 40,375 47788
グローバル 55,815 48,960 55253
工場排出量 ton 日本 7,069 7,417 7465
海外 41,495 33,975 40650
グローバル 48,564 41,392 48115
リサイクル処理量 ton 日本 2,945 3,084 2962
海外 18,952 14,372 14217
グローバル 21,897 17,456 17179
熱回収処理量 ton 日本 4,597 4,077 3447
海外 9,935 21,053 26875
グローバル 14,532 25,130 30321
非熱回収処理量(単純焼却等) ton 日本 707 1,402 1024
海外 15,375 2,980 4336
グローバル 16,083 4,382 5360
埋立量 ton 日本 19 23 32
海外 3,283 1,970 2360
グローバル 3,303 1,993 2392
取水量 表層水 1,000m³ 日本 9,789 8,225 26
海外 19,699 15,372 16367
グローバル 29,487 23,597 16393
地下水 1,000m³ 日本 6,403 6,210 1512
海外 2,278 1,820 2507
グローバル 8,681 8,030 4019
雨水 1,000m³ 日本 0 0 0
海外 163 117 139
グローバル 163 117 139
他組織の廃水 1,000m³ 日本 0 0 0
海外 0 0 0
グローバル 0 0 0
市水・工業用水 1,000m³ 日本 11,441 10,997 11526
海外 4,771 4,404 4409
グローバル 16,212 15,401 15935
その他 1,000m³ 日本 19 18 20
海外 47 52 50
グローバル 66 70 70
取水量合計 1,000m³ 日本 27,651 25,450 13085
海外 26,957 21,765 23473
グローバル 54,608 47,215 36558
排水量 河川 1,000m³ 日本 15,879 14,164 1493
海外 2,067 1,418 1854
グローバル 17,946 15,581 3347
1,000m³ 日本     6970
海外     0
グローバル     6970
外部処理施設(下水処理施設) 1,000m³ 日本 3,367 3,156 3010
海外 750 753 520
グローバル 4,117 3,910 3530
地下水 1,000m³ 日本 1 1 1
海外 7 7 3
グローバル 8 8 4
第三者利用 1,000m³ 日本 0 0 0
海外 0 0 0
グローバル 0 0 0
その他 1,000m³ 日本 0 0 0
海外 22,077 17,305 19926
グローバル 22,077 17,305 19926
排水量合計 1,000m³ 日本 26,135 23,886 11473
海外 24,901 19,483 22305
グローバル 51,036 43,369 33778
取水量
(水リスク拠点)
表層水 1,000m³       1759
地下水 1,000m³       172
雨水 1,000m³       135
多組織の排水 1,000m³       0
市水・工業用水 1,000m³       74
その他 1,000m³       0
取水量合計 1,000m³       2139
排水量
(水リスク拠点)
河川 1,000m³       1512
1,000m³       0
外部処理施設
(下水処理施設)
1,000m³       46
地下 1,000m³       1
第三者利用 1,000m³       0
その他 1,000m³       96
排水量合計   グローバル     1655
水消費量 水消費量合計 1,000m³ グローバル 3,572 3,846 2780
ISO14001 取得率 % グローバル 78 68 67
  • グローバル:日本、中国、AP、欧米にその他地域含む
  • 集計期間:2022年4月から2024年3月まで