DICグループのマテリアリティ

事業活動におけるマテリアリティ

事業活動におけるマテリアリティ

マテリアリティ(重要課題)の抽出

事業活動におけるマテリアリティ

M&Aによる事業拡大、成長領域へのシフト

DICグループでは、半導体の製造工程に欠かせないフォトレジスト材料の事業拡大を重要戦略の一つに位置づけ、最先端の半導体フォトレジストポリマの開発に取り組んできました。2023年には低金属化・高純度化を実現する優れた製造技術を保有するPCAS Canada社が新たに仲間となりました。PCAS社の製造技術と、当社の強みである合成技術を融合することで、技術革新が継続する半導体市場のニーズに応え、社会のデジタルイノベーションに貢献することを目指します。
DICグループでは、オーガニック成長のみならずM&Aを通じ、社会的価値に配慮した事業へポートフォリオの変革を進めていきます。

新たなバイオマスボイラーの稼働開始

当社主力工場の一つである鹿島工場では有機顔料やベースインキ、金属石鹸、自動車の車体軽量化に欠かせないPPS(ポリフェニレンサルファイド)樹脂を生産しており、これに要するエネルギー使用量は国内事業所(工場・総合研究所)の中で最大となっています。このため、鹿島工場では早くから省エネや再エネ設備導入などの地球環境保全活動に注力してきました。2023年には新たなバイオマスボイラーの稼働が開始し、太陽光発電、風力発電などを含め、年間約3.6万トンのCO₂排出量を削減する見込みです。
DICグループは、「2050年度カーボンネットゼロ」の実現を目指し、今後も引き続き環境負荷の低い設備の積極的な導入、省エネ活動の推進、条件の適した拠点への再生可能エネルギーの導入などCO₂排出量削減に向けた取り組みを加速していきます。

食品トレーの完全循環型リサイクルに向けた検討開始

DICグループでは、ポリスチレン(以下PS)製食品トレーの完全循環型リサイクルの実現に向け、2020年より株式会社エフピコと協業してきました。
DIC独自の溶解分離プロセス(Dic法:Deinking chemicalprocess)の開発に成功し、これまで再生利用が限定的となる色付きトレーについても、「トレーtoトレー」のリサイクルが可能になりました。完全循環型リサイクルの実現にはエコシステムの構築は必須です。このため、2023年には環境に配慮したまち作りを推進している四日市市と包括連携協定を締結し、試験的な社会実装を開始いたしました。
DICグループでは化学領域を超え、社会との対話を通じて、循環型社会の創出に貢献します。

包括連携協定締結式の様子(2023年7月)

包括連携協定締結式の様子(2023年7月)
左:四日市市長 森智広氏
右:当社代表取締役社長執行役員(当時)猪野薫

グローバル基幹システムの再構築プロジェクト実施

DICグループは、日本をはじめとしたアジア、欧米を中心にグローバル展開しています。その広がりは世界62の国・地域に及び、顧客、仕入先、物流といった膨大な情報を取り扱っています。市場環境の変化が著しい状況下において、これまで以上に迅速・的確にグローバルでの経営・事業運営を行うためには、データやテクノロジーの活用は必要不可欠です。2022年よりグローバル基幹システムの再構築に着手しており、2024年には実運用を開始する予定です。これにより、多面的な市場分析による経営管理や事業運営における迅速な意思決定、業務プロセスの最適化を実現します。
DICグループは、デジタル技術の活用によりグローバルでの企業体質の強化を進めていきます。

その他の重要項目

マテリアリティの抽出を通じて、DICグループでは次の各項目が経営に大きな影響を与える課題と認識しています。
事業活動を通じた強化・対応を図っていきます。

環境 プロダクト・スチュワードシップ、環境負荷の低減、知的財産戦略
環境と社会 パートナーシップの強化
社会 顧客・市場とのコミュニケーション、地域コミュニティへの貢献、パンデミックへの対応
ガバナンス 資本効率の最適化、事業継続の確保、政治・地政学変動、情報セキュリティ、税務リスクへの対応、為替変動への対応
彩りある快適な社会の実現