マテリアリティの分析

DICグループでは、会社のパフォーマンスに大きな影響を与える可能性のある重要課題(マテリアリティ)を改めて議論し整理いたしました。
確実で効率的な重要課題への対応を心がけ、中期経営計画「DIC111」と、さらにそれより先の「成長シナリオ」をイメージしながら、事業の推進に役立てていきます。

マテリアリティ分析のプロセス

課題の抽出

① GRIガイドライン(スタンダード)、② 中期経営計画「DIC111」、③ 事業活動における重要なリスク・機会、などをもとにDICグループにとって重要と考えられる項目を抽出しました。

マテリアリティ分析

DICグループのサステナビリティ委員会メンバー、各サステナビリティ・テーマを主導する実行主体部署長、各事業所長、およ び米国・アジア等グローバルな拠点におけるマネジメント層が「自社」および「ステークホルダー」双方の視点での重要性評価を行い、その後サステナビリティ部会と委員会で複数回の議論を行った上、DICグループにおけるマテリアリティの特定を行いました。
今回のマテリアリティ分析において、「ビジネスの前提となる基盤事項」(保安防災と労働安全衛生、人権の尊重、コンプライアンス等)はマトリックス表とは分けて記載しています。

①DICグループのビジネスにおける重要性

「リスク」と「ビジネス機会」のそれぞれの側面から、各項目が現在および将来のDICグループに与える影響度を評価しました。

②ステークホルダーにおける重要性

DICグループの主要な外部ステークホルダー(「顧客」「サプライヤー」「地域・社会」「投資家」)の関心度合いと、ステークホルダーに与える影響度を評価しました。またESGに関する代表的な金融系評価機関各社(DJSI / FTSE / MSCI / SASBの各機関)がDICグループに求める重要項目の観点を客観的な社外視点として評価の参考に加えました。

マテリアリティ最重要課題の抽出

DICグループは、中長期に会社のパフォーマンスに大きな影響を与える重要課題(マテリアリティ)を2019年スタートの中期経営計画「DIC111」に合わせ改めて特定いたしました。
最重要課題とした4つのテーマについて、目標とその活動の進捗を報告いたします。

DICグループのマテリアリティ・マトリックス

DICグループのマテリアリティ・マトリックス

マテリアリティ抽出プロセス

サステナビリティ委員会と部会メンバー、各事業所長、グローバル拠点のマネジメント層が参画して、GRIスタンダード等のグローバルなガイドラインや社会要請、リスクマネジメント、そして中期経営計画「DIC111」等より課題を抽出の上、評価と複数回の議論を通じてマテリアリティの特定を行いました。

最重要課題

01持続可能な事業体質への転換

最重要課題の理由マクロ環境変化への適応を高めること、また社会的価値並びにサステナビリティに配慮した事業への質的な転換を図ることを当社の持続的成長の柱として推進します。
目標/KPI各事業部門においてValue Transformationの方針を打ち出し、具体的施策を策定。施策の進捗率を定期的に管理し、PDCAを回す。
進捗情報2020年は新型コロナウイルスの影響を受けるも、各事業部門において重要施策を着実に実行。2021年は、取り組み中の案件の成果を確実に刈り取ると同時に、外部環境の変化を見越した新規テーマの策定を進め、ポートフォリオ転換を加速します。

02プロダクト・スチュワードシップ

最重要課題の理由化学製品をライフサイクルに沿って管理していくには他産業との連携が今後ますます重要になります。お客様への製品安全性の開示とコミュニケーションを円滑に進められる運営体制のグローバルな整備がプロダクト・スチュワードシップ※1文化を醸成する基盤と認識し、化学物質情報管理体制の整備と設計段階から環境負荷物質削減を図るサステナビリティ指標の運用化に取り組みます。
目標/KPI1)グローバル化学物質情報管理プロジェクト(GCIP※2)の実施
  ① 2021年:新グローバル化学物質情報管理システムの国内DICグループ各社での運用を開始。
  ② 2024年:DICグループ(米国サンケミカル社を除く)へのシステム展開を完了。
2)サステナビリティ指標の設計と運用開始
  ① 2020年:DICから試験運用を開始。
  ② 2021年:DICグループに本格運用を開始。
進捗情報 1)グローバル化学物質情報管理プロジェクト(GCIP)の実施
 ・業務プロセスの見直し結果を反映した新グローバル化学物質情報管理システム(CIGNAS)の稼働前テストを開始。2021年7月、日本先行稼働を予定。
 ・2020年度に中国稼働に向けた推進チームを中国関係会社内に設置。活動を開始。
2)サステナビリティ指標、試行運用による課題抽出と最終形の確定
自社の強みと重要な社会課題という2つのキーワードを新たに導入し、評価方法を修正、製品群の最終評価を行い、目指すポートフォリオ転換の方向性を明確にしました。
  • プロダクト・スチュワードシップ:製商品の揺りかごから墓場まで(調達、生産、流通、廃棄)の全ライフサイクルにわたって、環境・安全・健康への影響をモニター化し、トータルでの製品・サービスや事業を提供しようとするものです。
  • GCIP:Global Chemical Information management Project

03気候変動への対応

最重要課題の理由事業活動を進める上で気候変動への対応が極めて大きな要素となってきていることを認識し、生産活動を通じた CO₂排出量削減、低炭素事業の推進、TCFDへの対応の切り口で取り組みます。
目標/KPI 1)生産活動を通じたCO₂排出削減目標の達成(Scope1 & Scope2) : 2013年~2030年 30%削減
2)低炭素事業の推進 : 2021年度売上げ25%増(2018年度比)
3)TCFDへの対応 : TCFDシナリオ分析の実施と開示(気候変動の低減と適応)
※ 省エネ低炭素化が推進しやすい仕組み作り ⇒ インターナルカーボンプライシング制度の導入Scope3の取り組み強化
進捗情報 ・2020年、排出するCO₂に価格づけを行い、気候変動リスクを定量的に把握し、またCO₂排出削減に対してインセンティブとなるように、インターナルカーボンプライシング制度(ICP)の導入を決定しました。2021年度より新規投資案件からICPを導入し、設備投資で得られる効果にCO₂削減コストを付加できる仕組みを構築しました。
・プラスチック食品包装容器などに用いられるポリスチレンの完全循環型リサイクルへの社会実装に向けた検討を本格化。
・新たな目標設定:「2050年カーボンネットゼロ」および「2030年50%削減目標」(2013年度比)を設定し発表。
・2020年度CO₂排出実績(Scope1 & Scope2)
Response to climate change

04新製品開発力強化・新事業創出

最重要課題の理由社会課題、社会変革と当社のコンピタンスとの交点を重点領域と定め、社会課題解決に貢献する新たな事業の柱を構築します。
目標/KPI2025年 営業利益100億円
進捗情報2020年度はDICが保有する有機材料の化学構造設計技術を応用し、デンタル用途の光造形型3Dプリンタ用材料を上市しました。また電子機器等の放熱用途で用いられる特殊形状アルミナフィラーを開発し、無機材料で新たな領域に事業を拡大するための足がかりを築きました。