デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進

イントロダクション

DICグループでは、2017年より技術部門・生産部門を皮切りにデジタル化の取り組みを開始しました。2020年に専門部署としてDX推進部を設立し、従来の部門単位の取り組みに加えて、複数部門間のデータ連携などを進めています。まず全社業務の効率化や人材育成を進め、将来の企業形態やビジネスモデルの変革につなげていきます。
以下に、主な取り組みについて記載いたします。

技術・R&D部門の取り組み

技術・R&D部門では、2017年より機械学習自動化プラットフォームを導入し、2018年から一部の材料開発でAI(MI)を活用する取り組みを進めてきました。
2021年1月には、AI(MI)専用人材を組織化してデータサイエンスセンター(DSC)を新設し、新製品・新技術開発へのAI(MI)活用や、AI活用による全社業務効率化の取り組みを本格的に開始しました。
今後、社内人材の育成強化、外部機関との協業推進、AI基盤関連への積極投資を行い、DSC組織の拡大・発展と、ValueTransformation(質的転換による事業体質強化)とNew Pillar Creation(社会の課題・変革に対応した新事業創出)の2つの基本戦略に関連した新製品の開発期間の半減と重要開発テーマ数の倍増の実現を目指してまいります。

  • MI :“Material Informatics(マテリアルインフォマティクス)”の略で、統計分析などを活用したインフォマティクス(情報学)の手法により、大量のデータから新素材を探索する取り組み。

生産部門のスマート工場実現に向けた取り組み

生産部門ではFA(ファクトリーオートメーション)による工場における生産工程の自動化と併せて、「スマート工場」実現に向けて社外・社内との協業をさらに進め、OT(制御系)ネットワーク環境構築によるインフラ整備、デジタル化を「手段」としたキープロセス革新や、AI技術等を活用した技能伝承の先進的な取り組みを本格化させています。また、生産部門DXのムーブメントをさらに推進するために「生産部門全社デジタル化WG」活動を発足し、総合力を結集させてスマート工場の実現に向けて取り組んでいます。

  • スマート工場:工場の生産ラインにある機械や設備にIoT(Internet of Things)を搭載し、ネットワークに接続させ、品質・状態などの様々な情報の「見える化」や生産の最適化・効率化を実施する工場のこと。
キープロセス革新を始めとした8 個の要素でスマート工場化を実現

AI技術を駆使した自動化、生産活動の見える化によるオペレーション業務の効率化

Excelや手書き帳票等で作成している生産日程編成作業について、生産スケジューラを国内外の一部事業所に導入し、日程編成スキルのシステム化、業務時間短縮等、効果検証を開始しています。またペーパーレス電子帳票、ダッシュボードによる稼働状況の可視化および業務引継ぎ円滑化などオペレーション業務の効率化への活動を進めています。

デジタルツインを活用した少量多品種バッチプロセスの最適化に向けた取り組み

ポリマ製造工場では労働負荷低減、生産性・品質向上を目的に、少人数で安定生産できる集中監視体制構築を目指してOTネットワーク環境構築によるインフラ整備を進めています。さらに社外との協業でのAI・IoT 技術による高度なシミュレーション機能を持つデジタルツインを活用した少量多品種バッチプロセスの最適化を図り、キープロセス革新や⾃動最適運転の実現に向けた革新的な生産技術確立への挑戦に取り組んでいます。

  • デジタルツイン:実在の環境を仮想空間に構築し、リアルなシミュレーションを可能にする技術。
キープロセス革新を始めとした8 個の要素でスマート工場化を実現

熟練者の暗黙知とAI 技術の融合による次世代の技術伝承に向けた取り組み 

顔料製造工場をモデル工場に選定してオープンイノベーションを有効活用させ、熟練者が長年の経験の中で培ってきた暗黙知を教師型AIにより汎知化し、次世代に繋げる新たな技術伝承への取り組みを進めています。また滋賀工場では新プラントの立ち上げ支援として、スマートグラスを活用して海外設備メーカーよりハンズフリーで遠隔支援を受けながらの作業が実現されています。

  • 汎知化(はんちか): スペシャリストが持つ「専属知、専門知」を次世代にとって分かりやすい活用形体に変換すること。
教師型AI による技術伝承/スマートグラスによる遠隔作業支援

営業・デジタルマーケティングの取り組み

営業・マーケティング分野では、コロナ禍における効率的なマーケティング・営業活動を実施すべく、オンライン展示会の開催、MAを活用した効率的なマーケティング活動の推進に取り組んでいます。2021年2月にはTOKYO PACK 2021への出展に併せ、『リアルとネットの融合展』を開催しました。当社ウェブサイト内に開設した「オンライン展示会」で約50種類のパッケージ関連製品とソリューションの提案を行い、多くのお客様にご来訪いただきました。DICグループ内の営業活動においては、営業活動の見える化・効率化、部門間・グローバルでの情報共有・活動連携による顧客サービスの迅速化・成約率向上、蓄積した営業情報の分析・活用を目的としてSFA(セールスフォースオートメーション)の導入を促進しています。

  • MA:マーケティングオートメーションの略で、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成なども含めたマーケティング施策をサポートするためのツールやソフトウェア。

人材育成の取り組み

様々な取り組みを進める上で必要となる人材育成にも注力しています。2020年より「データサイエンティスト育成研修」、「データ利活用研修」をそれぞれ開始いたしました。「データサイエンティスト育成研修」では、社内外の研修を通じて2023年までにデータサイエンティストの拡充を目指してまいります。「データ利活用研修」では、経営層向けセミナー・研修から一般社員向けレベル別データ利活用カリキュラムまで教育体制を整備し、各階層におけるデータ利活用リテラシーの向上を目指しています。