リスクマネジメント
リスクマネジメントに関する基本的な考え方
DICグループが長期経営計画「DIC Vision 2030」における成長シナリオを実現するためには、かつてなく多様で複雑なリスクを体系的にマネージしていくことが必要です。経営環境の変化やリスクの多様化に適切かつ柔軟に対応するとともに、これらのリスクの発生可能性と、リスクが顕在化することによる事業への影響とを速やかに把握、認識し、顕在化の未然防止、および顕在化した際に生じる影響の最小化を図るため、DICグループはリスクマネジメント活動を進めています。
リスクマネジメントに関する方針
DICグループは、リスクマネジメントの一貫した取り組みを企業風土、経営計画策定に組み込むことにより、運用面と戦略面での意思決定および経営資源配分を支援するとともに、コーポレートガバナンス体制の構築と責任あるリスクテイクにつなげることを目的として、「リスクマネジメントに関する方針」を制定しています。
リスクマネジメント体制
サステナビリティ委員会の下部組織として、リスクマネジメント担当役員を部会長とするリスクマネジメント部会を設置し、DICグループにおける統合的リスクマネジメント体制の強化を図っています。
リスクマネジメント部会は、DICグループにおけるリスクマネジメント活動が適切に実行されるよう、効果的な運用を計画、推進するとともに、取締役会やサステナビリティ委員会に対し、少なくとも年に一度は活動内容を報告します。
なお、特定のリスク領域に対処するためには、必要に応じてリスクマネジメント部会の下に分科会を設置することがあります。

リスクマネジメントに関する取り組み
リスクマネジメント部会は、役員、部門長等を評価者とするリスクアセスメントを年度末に実施し、集計、分析した結果を翌年初めにサステナビリティ委員会および取締役会へ報告の上、当年度のDICグループの重大リスクを特定します。各重大リスクには主管部署等をリスクオーナーとして配置し、対策計画を遂行します。各リスクオーナーは、その進捗や結果をリスクマネジメント部会に適宜報告します。報告を受けたリスクマネジメント部会は、リスクオーナーに必要な支援を行うとともに、対策結果を評価、検証し、是正、改善を図ります。これらの一連の活動やその成果を年度末にサステナビリティ委員会および取締役会へ報告して共有した後、次年度活動に向けた課題や目標を設定します。また、必要に応じてマネジメントシステムを修正した上で、次年度のリスクアセスメントにつなげます。
これらの活動成果や環境変化等を反映したリスクの状況については、有価証券報告書等を通じて開示しています。
リスクマネジメントのPDCAサイクル
リスクマネジメント部会が主導し、1年間でPDCAを効果的に回しながら実効性向上を図っています。

事業等のリスク
当社グループは中長期に会社の業績に大きな影響を与える重要課題(マテリアリティ)を定めています。これらの重要課題については、確実で効率的な対応を心がけつつ、2022年スタートの長期経営計画「DIC Vision 2030」(注1)における事業の推進に役立てています。また、経営環境の変化やリスクの多様化に適切かつ柔軟に対応するとともに、潜在的なリスクが顕在化することによる事業への影響を速やかに最小限に抑えるため、当社グループのサステナビリティ経営の諮問機関であるサステナビリティ委員会の下部組織であるリスクマネジメント部会が中心となって、リスクマネジメント活動を進めています。広範なリスクから、リスクアセスメントによって発生可能性と影響度で評価し、当社グループにとっての主要なリスクを特定しています。特定されたリスクのうち、特に重要なリスクにはリスクオーナーを設置して対策を講じ、リスクマネジメント部会が進捗や成果を確認しています。これらの活動全般については、サステナビリティ委員会や取締役会で適宜報告するとともに、適切なモニタリングを行っています。
後述する主要なリスクについては、当社グループのマテリアリティ(注2)をベースにリスクマネジメント部会で実施する調査結果を踏まえて、各リスクが顕在化した場合に、当社グループのビジネス及びステークホルダーに与え得る影響度合いを大、中、小に分類しています(注3)。
なお、将来に関する事項についての記載は、当連結会計年度末現在における判断に基づくものであり、また当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
- (注1)長期経営計画「DIC Vision 2030」の詳細は、https://www.dic-global.com/ja/ir/management/plan.htmlをご覧ください。
- (注2) マテリアリティの詳細は、DICレポート(統合報告書)
https://www.dic-global.com/ja/csr/annual/をご覧ください。 - (注3)各リスクが顕在化する可能性や時期など表中における項目の詳細は以下のとおりです。可能性(当連結会計年度末現在における各リスクが将来的に顕在化する可能性)
可能性(当連結会計年度末現在における各リスクが将来的に顕在化する可能性)
高: | 可能性が高い |
中: | 可能性が中程度 |
低: | 可能性が低い |
時期(当連結会計年度末現在における各リスクが顕在化し得る時期やタイミング)
長期: | 5年超 |
中期: | 3、4年程度 |
短期: | 2年以内 |
不明: | 顕在化するタイミングが予想できない |
区分(発生要因別の当社グループにおける管理上のリスク区分)
①: | 発生防止を自社でコントロールできない外部環境リスク |
②: | 会社のマネジメントで発生防止対策を取り得るコーポレートリスク |
③: | 事業の中で認識すべきビジネスリスク |
関連(長期経営計画「DIC Vision 2030」で定めた事業戦略との関連)
A: | 成長実現に向けた事業ポートフォリオの変革 |
B: | グローバル経営、ESG経営及び安全経営を下支えする経営基盤の強化 |
C: | キャッシュ・フローマネジメント |
他: | 事業戦略の関係なし |
顕在化した場合に影響があるリスクについては、以下の19項目となります。