長期経営計画
当社は、2022年2月18日に公表しました長期経営計画「DIC Vision 2030」(2022年度~2030年度)について、Phase1最終年度である2025年度計画値(以下「Phase1計画値」)を以下のとおり見直しました。
「DIC Vision 2030」Phase1計画値の見直し
(単位:億円)
2023年12月期 実績 |
2024年12月期 計画 |
2025年12月期(Phase1計画値) |
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当初計画 | 見直し計画 | |||
売上高 営業利益 |
10,387 179 |
11,000 300 |
11,000 800 |
11,500 400 |
見直しの背景
当社は、2022年度から2025年度までの4年間をDIC Vision 2030の「目指す姿」の実現に向けた基盤づくりの期間(Phase1)と位置付け、これまでに多くの研究開発投資や事業買収を行い、可能性の探索を進めてまいりました。これにより多くの成果や可能性を創出した一方で、経営資源の分散と拡散したテーマの取捨選択の遅れもあり、Phase1計画値に対して収益化が進まず、乖離が見られています。また、DIC Vision 2030策定後に発生したロシアによるウクライナ侵攻をはじめとする地政学リスクの高まりや世界的なインフレの進行等、外部環境の急速な変化も、買収事業の収益化の遅れをはじめ、計画達成を困難な状況としています。こうした状況を踏まえ、Phase1計画値を見直すこととしました。
計画見直しの概要
DIC Vision 2030の「目指す姿」及び基本方針に変更はありませんが、現状を踏まえメリハリのある経営資源の配分を徹底し、特に以下の課題に留意してPhase1の計画を進めてまいります。
- 経営資源の最適配分
- 次世代・成長事業の早期創出
- 買収事業の成果の具現とシナジーの追求
- 構造改革事業の合理化促進
- サステナビリティ戦略の効率的な推進
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について
資本効率の改善に向けた方針と目標
当社は、資本コスト(資本収益性)の改善を重要な経営課題と認識し、選択と集中による資本効率の改善に取り組んでいます。改善に向けた具体的な⽬標としましては、当社の現状を踏まえ、加重平均資本コスト(WACC)以上となるROIC⽔準4.0〜5.0%並びに株主資本コスト以上となるROE⽔準7.0〜8.0%(いずれも2026年度)を掲げています。
23年度実績 | 26年度目標と考え方 | ||
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ROIC | 1.5% | 4.0~5.0% ≧ WACC | 構造改革の推進や経営資源配分の見直しによって早期改善を目指す |
ROE | ▲10.6% | 7.0~8.0% ≧ 株主資本コスト | 26年度は通過地点として、資本効率の改善を図り企業価値向上を目指す |
資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応
当社は、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として、以下の具体的な取り組みを実⾏してまいります。
- メリハリのある経営資源の配分を徹底
- C&E事業の構造改⾰による収益改善とシナジーの追求
- 不採算事業およびノンコア事業からの撤退
- 政策保有株式やその他資産の圧縮により、バランスシートをスリム化
- ネットD/Eレシオ 1.00~1.10倍を⽬標に、格付A格を維持できる財務運営
- 1株当たり100円を配当下限の設定。追加キャッシュ創出の場合は、株主還元にも充当
- 業績の安定化、配当の下限設定による配当⾦への信頼性向上などの取り組みにより、資本コストの低減を実現
- ⾼次かつ広範な⾒地から企業の社会に対する役割を議論するとともに、⻑期的な企業価値の向上に資する外部の視点から取締役会に助⾔することを⽬的に、価値共創委員会を新設
- メンバーは、独⽴性・客観性を重視し、社外取締役および社外有識者により構成
- 審議テーマは、ROICの改善策や保有資産の有効活⽤策、美術館運営といった、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応関連事項全般
事業ポートフォリオ変⾰の推進
キャッシュ・アロケーション⽅針の明確化
資本コストの低減
企業価値の向上に向けた取組みの強化
長期経営計画見直しに関する資料
長期経営計画「DIC Vision 2030」の見直しの詳細は、以下をご覧ください。
新経営ビジョンおよび長期経営計画「DIC Vision 2030」の策定について
当社は、2022年2月18日付で新経営ビジョンおよびその実現に向けた長期経営計画「DIC Vision 2030」を策定しました。詳細につきましては、以下をご覧ください。