業績の説明
(1) 当第1四半期連結累計期間の業績全般の概況
(単位:億円)
| 前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前年同期比 | 現地通貨ベース 前年同期比 |
|
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 2,621 | 2,825 | +7.8% | +1.8% |
| 営業利益 | 131 | 245 | +87.7% | +75.7% |
| 経常利益 | 99 | 239 | +141.4% | - |
| 親会社株主に帰属 する四半期純利益 |
61 | 192 | +214.7% | - |
| EBITDA | 244 | 393 | +61.0% | - |
| US$/円(平均) | 152.46 | 156.49 | +2.6% | - |
| EUR/円(平均) | 160.52 | 183.01 | +14.0% | - |
EBITDA:親会社株主に帰属する四半期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額
当第1四半期連結累計期間(2026年1月~3月)における当社グループの売上高は、前年同期比7.8%増の2,825億円でした。
- 直近の世界経済は、中東情勢の緊迫化による物流やサプライチェーンの混乱が原油並びにエネルギーコストの高騰やナフサ由来の石油化学製品の供給懸念をもたらしており、これらに伴う各地域での物価への影響を含め、先行きが不透明な状況となっています。
- このような経済環境下において、当社グループが特に成長分野と定める顧客業界の市況については、電気・電子を中心とするデジタル分野のうち、半導体市場は旺盛なAI半導体需要を中心に好調を維持し、ディスプレイ市場はパネルメーカーの稼働状況が今夏のサッカーワールドカップに伴う薄型テレビ需要の増加を見越して上向き傾向にあります。モビリティを中心とするインダストリアル分野※における自動車市場では、目下の中東情勢を受けて、様々な国で電気自動車(EV)の販売台数が増加傾向となった一方で、日本の自動車メーカーによる中東向けの自動車輸出台数が減少するなど、需要構造に対する影響が見られました。
- こうしたなか、当社グループの出荷動向に関しては、エポキシ樹脂、工業用テープ、UV硬化型樹脂などデジタル分野における高付加価値製品の出荷が好調に推移し、カラー&ディスプレイのカラーフィルタ用顔料も前年同期比で増加しました。また、パッケージ用インキや樹脂の一部製品について、海外を中心に中東情勢の長期化を懸念した顧客による在庫積み増しの動きが見られました。
営業利益は、前年同期比87.7%増の245億円でした。デジタル分野を中心に高付加価値製品の出荷を伸ばしたことに加えて、各セグメントにおいて適切な価格対応の実施とコスト管理の徹底に努めました。また、ドイツにおける顔料拠点に関して、法令上必要となる前提で過年度に計上した修繕に関する負債が不要になったことに伴い、58億円の取崩しをしたことなどが一時的な増益要因となりました。
経常利益は、前年同期比141.4%増の239億円でした。新興国通貨安に伴う為替差損が減少しました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、214.7%増の192億円でした。美術品売却益を計上するなど、特別利益が前年同期比で増加しました。
EBITDAは、前年同期比61.0%増の393億円でした。
- インダストリアル分野とは、自動車、鉄道、船舶などのモビリティ用途と建設機械、産業機械などの一般工業用途に係る製品分野の総称です。
(2)当第1四半期連結累計期間のセグメント別業績
(単位:億円)
| セグメント | 売上高 | 営業利益 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前年 同期比 |
現地通貨 ベース 前年同期比 |
前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前年 同期比 |
現地通貨 ベース 前年同期比 |
|
| パッケージング& グラフィック |
1,340 | 1,452 | +8.4% | +2.4% | 67 | 83 | +25.0% | +18.7% |
| カラー&ディスプレイ | 686 | 697 | +1.5% | △5.1% | 28 | 85 | 3.0倍 | 2.7倍 |
| ファンクショナル プロダクツ |
708 | 767 | +8.4% | +4.1% | 52 | 91 | +75.3% | +67.8% |
| その他、全社・消去 | △113 | △91 | - | - | △16 | △13 | - | - |
| 計 | 2,621 | 2,825 | +7.8% | +1.8% | 131 | 245 | +87.7% | +75.7% |
(注)当社は、2026年12月期を起点とする長期経営計画「DIC Vision 2030」Phase2において、「資本効率の改善によるキャッシュ創出の最大化」を重点テーマの一つとして挙げており、達成度を測る指標の一つとして2030年度のROIC目標値を報告セグメント別に設定し、資本コストを上回る高い資産・資本効率の実現に取り組んでいます。 これに伴い、各報告セグメントの資産・資本効率をより的確に反映するため、当第1四半期連結会計期間より、セグメント情報の集計方法を変更しています。
なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の集計方法により作成したものを記載しています。
[パッケージング&グラフィック]
| 前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前年同期比 | 現地通貨ベース 前年同期比 |
|
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,340 億円 | 1,452 億円 | +8.4% | +2.4% |
| 営業利益 | 67 億円 | 83 億円 | +25.0% | +18.7% |
売上高は、前年同期比8.4%増の1,452億円でした。食品包装を主用途とするパッケージ用インキは、日本では物価高に伴う消費の落ち込みによって出荷が減少し、減収となりました。米州・欧州では景気停滞の影響を受けて出荷が伸び悩みましたが、価格対応により増収を確保しました。アジア他では中国を中心に中東情勢を見越した顧客による在庫積み増しの動きが見られたなか、各国で拡販に努め数量を伸ばした結果、増収となりました。商業印刷や新聞を主用途とする出版用インキは、各地域で構造的な出版需要の減少が続くなか、トレーディングカードなどで使用されるUVインキが各地域で伸長したことや欧州において競合他社のシェアを獲得したことなどで出荷が増加し、増収となりました。デジタル印刷に使用されるジェットインキは、顧客による一時的な在庫調整の影響が見られたものの、出荷が堅調に推移し増収となりました。食品トレーなどで使用されるポリスチレンは、中東情勢を見越した顧客による在庫積み増しの動きもあり、出荷が前年を上回りました。
営業利益は、前年同期比25.0%増の83億円でした。中東情勢に伴う顧客による在庫積み増しの動きが見られたなか、高付加価値製品の拡販と適切な価格対応に努めた結果、全ての地域で増益となりました。
[カラー&ディスプレイ]
| 前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前年同期比 | 現地通貨ベース 前年同期比 |
|
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 686 億円 | 697 億円 | +1.5% | △5.1% |
| 営業利益 | 28 億円 | 85 億円 | 3.0倍 | 2.7倍 |
売上高は、前年同期比1.5%増の697億円でした。現地通貨ベースでは5.1%の減収となりました。売上の割合が大きい製品のうち、塗料用顔料は北米での寒波の影響を受けて受注が落ち込み、出荷が減少しました。一方でプラスチック用顔料は欧州と北米を中心に顧客への拡販が進み出荷が増加しました。高付加価値製品については、ディスプレイ用途であるカラーフィルタ用顔料は、パネルメーカーの稼働状況が改善傾向となり、前年を上回る出荷となりました。化粧品用顔料は、付加価値の低い一部製品の販売を戦略的判断により終了した影響もあり、減収となりました。スペシャリティ用顔料は、農業向けを中心に前年を上回る出荷となりましたが、品目構成などにより減収となりました。上記以外では、円安による為替換算影響が海外の売上高を押し上げました。
営業利益は、前年同期比3.0倍の85億円でした。現地通貨ベースで減収となるなか、ドイツにおける顔料拠点に関して、法令上必要となる前提で過年度に計上した修繕に関する負債が不要になったことに伴い、58億円の取崩しをしたことなどが一時的な増益要因となりました。
[ファンクショナルプロダクツ]
| 前第1四半期 連結累計期間 |
当第1四半期 連結累計期間 |
前年同期比 | 現地通貨ベース 前年同期比 |
|
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 708 億円 | 767 億円 | +8.4% | +4.1% |
| 営業利益 | 52 億円 | 91 億円 | +75.3% | +67.8% |
売上高は、前年同期比8.4%増の767億円でした。デジタル分野については、半導体のパッケージ基板や封止材を主用途とするエポキシ樹脂は、AI半導体の旺盛な需要に伴い、絶縁材料に使用される活性エステル型硬化剤などの出荷が好調であった結果、増収となりました。スマートフォンなどのモバイル機器を主用途とする工業用テープは、メモリ不足による市況の影響が懸念されましたが、ハイエンド機種を中心に採用を拡大し、需要を着実に取り込んだことで、増収となりました。インダストリアル分野については、主力製品であるPPSコンパウンドはモビリティ関連用途と住設機器用途いずれも出荷が好調に推移し、増収となりました。これら以外では、海外を中心に一部の樹脂製品において、中東情勢の長期化を見越した顧客による在庫積み増しの動きが見られました。
営業利益は、前年同期比75.3%増の91億円でした。全般的に出荷が好調であったなか、特にデジタル分野における高付加価値製品の拡販が進んだことで大幅な増益となりました。
(3)当第2四半期連結累計期間及び通期の業績見通し
(単位:億円)
| 前第2四半期 連結累計期間 実績 |
当第2四半期 連結累計期間 見通し |
前年同期比 | 前期実績 | 通期見通し | 前年同期比 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 5,232 | 5,600 | +7.0% | 10,522 | 11,000 | +4.5% |
| 営業利益 | 270 | 290 | +7.5% | 522 | 560 | +7.3% |
| 経常利益 | 203 | 255 | +25.6% | 442 | 480 | +8.5% |
| 親会社株主に帰属 する当期純利益 |
131 | 170 | +29.9% | 324 | 330 | +2.0% |
| EBITDA | 491 | - | - | 1,093 | 1,110 | +1.6% |
※前回見通し(2026年2月16日開示)から変更ありません。
当社は目下の中東情勢によって想定される原料調達リスクや物価上昇圧力に対し、グループ全体をあげて必要となる原料の確保、原料コストの上昇に対するタイムリーな価格対応、追加のコスト削減策の実施などに取り組み、業績への影響の最小化を図っていきますが、その影響額を現時点で合理的な金額に算定することが困難であることから、当第2四半期連結累計期間及び通期の業績見通しについては2026年2月16日に公表した数値を据え置きます。今後、合理的な算定が可能となった段階で速やかに公表します。
業績の見通しは、現時点で入手可能な情報に基づき、当社が判断したものであり、潜在的なリスクや不確定要素が含まれています。業績に影響を与え得る重要な要素としては、国内外の経済情勢、市場の動向、原材料価格や金利、為替レートの変動などのほか、紛争・訴訟、災害・事故などのリスクがあり、また、事業再構築に伴う一時損失が発生する可能性があります。ただし、業績に影響を与え得る要素はこれらに限定されるものではありません。
