コーポレート・ガバナンス
コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
DICグループは、コーポレートガバナンスを「企業の持続的な成長・発展を目指して、より健全かつ効率的な経営が行われるよう、経営方針について意思決定するとともに、経営者の業務執行を適切に監督、評価し、動機づけを行っていく仕組み」ととらえています。また、株主、顧客をはじめとするステークホルダーの信頼を一層高め、企業価値の向上を追求することを目的として、経営体制を強化し、その監視機能を充実させるための諸施策を推進しています。
コーポレートガバナンスに関する方針
当社は、上記の基本的な考え方に基づき「コーポレートガバナンスに関する方針」を制定し、その内容を開示しています。
また、コーポレートガバナンス・コードの各原則について、全て実施しております。
機構改革に伴うコーポレートガバナンスの進化
DICは2026年度の機構改革により、グローバル運営体制(GOM)へと再編し、事業部門への権限委譲を進めます。 一方で、グローバル経営の基盤をさらに強固にするために、取締役会のモニタリングボード化の検討を進めます。
■ 機構改革のポイント
取締役会やグローバル運営体制(GOM)、内部監査部門等において以下の改革を決定しました。
- 取締役会の体制について、グローバル運営体制(GOM)への移行により執行への権限委譲を進めることで、取締役会はモニタリングボード化の検討を本格的に進める。
- 2026年度をその検証期間と位置づけ、その間、取締役会の構成員数を9名体制から7名体制とする。
- グローバル運営体制(GOM)への移行状況を踏まえ、取締役会の果たす役割を見極めた上で、2027年度以降の取締役の員数、構成メンバー、監査等委員会設置会社への移行の是非を検討する。
- 機能ごとにグループCxOを設置することとし、2026年度はグループCFO(最高財務責任者)、グループCTO(最高技術責任者)、グループCSO(最高戦略責任者)、グループCHRO(最高人事責任者)を設置する。
- 内部監査部門を強化するため、ESG部門内の内部統制部を独立させて社長直下とする。これに伴い、内部監査部に改称し、法務総務部門長の担当とする。
- 新美術館のオープンに向けた一連の業務、およびDIC川村記念美術館の施設管理を遂行する組織として、新美術館準備室を経営戦略部門の中に新設する。
コーポレートガバナンス体制図
(2026 年1 月1 日現在)
■ 現状のコーポレートガバナンス体制を採用する理由
当社は、執行役員制度を導入することにより、経営と執行を分離し、業務執行の迅速化と責任の明確化を図っています。また、独立性の高い社外取締役4名を取締役会に加え、経営者の業務執行に対する監督機能を強化しています。さらに、社外取締役4名をメンバーに含む「役員指名委員会」、「役員報酬委員会」および「価値共創委員会」を設置し、役員候補者の選任、役員報酬の決定および企業価値の向上にあたり、 外部の客観的な意見が反映されるようにしています。
また、弁護士および公認会計士である社外監査役2名を含めた4名の監査役が会計監査人および内部監査部門と連携しながら監査を行っています。以上のように、コーポレートガバナンスが有効に機能する体制を構築しています。
■ 取締役会および各委員会について
DICのコーポレートガバナンス体制における各種の機関の概要と活動は以下のとおりです。2026年度の体制の特徴として、「経営会議」が新設されました。
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取締役会
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役員指名委員会
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役員報酬委員会
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価値共創委員会
価値共創委員会は、高次かつ広範な見地から企業の社会に対する役割を議論するとともに、長期的な企業価値の向上に資する外部の視点から取締役会に助言することを目的に、2024年4月に設置しました。委員は、独立社外取締役4名で構成され、審議テーマに応じて外部有識者を招聘します。2025年度は4回開催し、3名出席の1回を除いて全委員が出席しました。
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監査役会・監査役
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会計監査人
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内部監査部門
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経営会議(新設)
経営会議は、業務執行にかかる審議事項のうち、事業撤退やM&A等の重要事項を審議することを目的に、2026年1月に新設しました。構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、事業部門長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当会議の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。
経営会議の審議事項以外で当社グループの業務執行にかかる重要な事項の審議については、執行会議が審議しています。
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執行会議
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サステナビリティ委員会
サステナビリティ委員会は、サステナビリティにかかる方針および活動計画の策定並びに活動の評価・推進に加えて、サステナビリティ方針の内容を承認する他、当委員会が必要と認めた重要事項を審議し決定します。2025年度は4回開催しました。
構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、事業本部長、地域統括会社社長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当委員会の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。
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品質委員会
品質委員会は、国内DICグループの品質マネジメント状況の報告および進捗管理を行うとともに、国内DICグループの品質方針、重要施策、重要課題の審議機関として、原則として四半期に1回開催しています。構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、事業本部長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当委員会の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。
■ コーポレートガバナンスの強化の変遷
DICでは、監督と執行の分離により、執行スピードの迅速化と、企業価値向上に資する取締役会のモニタリング機能を強化してきました。「DIC Vision 2030」Phase2の初年度となる2026年度以降、それをさらに強める方針です。
コーポレートガバナンスの強化の変遷
| 項目 | 策定・導入年度 |
|---|---|
| 取締役の任期の変更(2年→1年) | 2002年 |
| 執行役員制度の導入 | 2004年 |
| 退職慰労金制度廃止 | 2005年 |
| 役員報酬委員会の設置 | 2006年 |
| 社外取締役の選任(2名) | 2008年 |
| 役員報酬委員会・役員指名委員会の設置 | 2009年 |
| サステナビリティ委員会の設置 | 2014年 |
| 「コーポレートガバナンスに関する方針」策定 (社外役員の独立性に関する基準を含む) | 2016年 |
| 社外取締役増員(2名→3名) | 2017年 |
| 業績連動型株式報酬制度導入 | 2017年 |
| 品質委員会の設置 | 2020年 |
| 社外取締役増員(3名→4名) | 2024年 |
| 価値共創委員会の設置 | 2024年 |
| 社外取締役比率過半数 | 2026年 |
| 経営会議の設置 | 2026年 |
取締役会の体制・運営
■ 取締役会の体制・活動
DIC取締役会は、経営方針決定の迅速化および企業統治の強化の観点から、社外取締役4名(うち2名は女性、1名は外国人)を含む7名の取締役で構成されます。
原則として月1回開催しており、会社法で定められた事項および取締役会規程で定められた重要事項の決定を行うとともに、業務執行状況の報告がなされ、業務執行を監督しています。
2025年度は14回開催し、全回で全員出席しました。
■ 取締役会の構成
取締役会は、代表取締役社長が議長を務め、重要な業務執行を決議します。経営の監督の実効性を確保するために必要な知識・経験・能力のバランスを勘案し、独立性を有する社外取締役と、当社グループの事業に精通する者から構成しています。役員指名委員会においてスキル・マトリックスに示す専門性・経験を勘案の上、取締役候補者を選任しており、経営陣への権限委任を前提として適切な規模とします。
さらに、当社グループのグローバルな事業活動に対応するため、取締役会構成員の多様化を図ります。取締役会構成員のうち3名(社外取締役2名、社外監査役1名)は女性、1名(社外取締役1名)は外国人です。
取締役会のモニタリングボード化への本格検討の一貫で、取締役会の構成員数が9名体制から7名体制となりました。取締役会の果たす役割を見極めた上で、2027年度以降の取締役の員数、構成メンバー、監査等委員会設置会社への移行の是非を検討します。
■ 2026年4月1日現在の役員構成
| 社内 | 社外 | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 取締役 | 3名(5名) | 4名 | 7名(9名) |
| 監査役 | 2名 | 2名 | 4名 |
| 合計 | 5名(7名) | 6名 | 11名(13名) |
※カッコ内は2025年4月1日現在の人数。記載がない項目は変化なし。
■ 経営陣への委任の範囲
取締役会は、株主総会の招集、重要な組織・使用人に関する事項、事業計画の承認など、取締役会で決議すべき事項を取締役会規程において明確化し、それ以外の事項については、取締役会で定めた稟議規程に基づき、金額基準等による重要 度に応じて経営陣に委任します。経営陣は、重要な事項については経営会議または執行会議で審議します。
■ 社外取締役および社外監査役の員数および役割
当社の社外取締役は4名、社外監査役は2名です。
社外取締役4名は、長年にわたり会社経営に携わっており、経営者としての豊富な経験や見識を当社の経営に反映させることができ、取締役会に出席する他、役員指名委員会、役員報酬委員会および価値共創委員会のメンバーとして、当社から独立した立場から当社の経営の監視にあたり、コーポレートガバナンスの強化の役割を果たすことができると考えています。
社外監査役2名は、企業の会計・法務分野において活躍する弁護士および公認会計士として、当社グループの経営に対する専門的、多角的、独立的な視点からの監査機能の強化に資することができると考えています。
役員指名委員会の体制・活動内容と後継者計画
■ 役員指名委員会の体制
役員候補者の選任等の決定手続の客観性を高めるため、取締役、監査役、執行役員等の選任および解任案を決定し、取締役会に提出する機関として、役員指名委員会を設置しています。その委員は、独立社外取締役4名を含む6名以内の取締役により構成され、独立社外取締役が委員長を務めています。
■ 役員指名委員会の構成(2026年4月1日現在)
| 社内 | 社外 | 合計 | 社外取締役の比率 | |
|---|---|---|---|---|
| 取締役 | 2名 | 4名 | 6名 | 66.7% |
■ 活動について
役員指名委員会においては、役員等の選任および解任案を決定する他、グループCEOの選任プロセスやスキル・マトリックスに関する事項等を審議しています。2025年度は3回開催し、全委員が出席しました。
| 2025年6月26日 | 来年度(2026年3月)の取締役メンバーの検討について |
|---|---|
| 2025年9月30日 | 来年度(2026年3月)の取締役会の体制について |
| 2025年10月24日 | 取締役、監査役の異動、執行役員の選任、退任について |
■ 後継者計画(サクセッションプラン)
当社では継続的な事業発展および人材可視化を目的として、 後継者計画の策定を全社的に推進しています。
2025年度は具体的に以下の2点に取り組みました。
1.当社および国内・中国・アジアパシフィック地域関係会社における約100の主要ポジションを対象に、2024年度に設定したTo Be(あるべき姿)の要件も活用し、後継者計画を策定しました。併せて、候補人材に対するタレントレビューを実施し、育成計画について関係部門と協議を行いました。これらの取り組みを基盤として、策定した計画の確実な実行に向け、候補人材の計画的な育成と能力開発の強化に努めていきます。
2.当社グループのグローバルビジネスを牽引する次期トップリーダーの育成計画の一環として、「グローバルマネジメントアクセラレーター(GMA)」を実施しました。第1期プログラムでは、2025年に海外拠点での集合研修や海外有名大学の短期間教育プログラムへの派遣を実施しました。また、2025年秋には対象地域・人数を拡大し、第2期プログラムを開始しました。卒業生は次期トップリーダーとしての能力を発揮し、重要ポジションを担う人材へと成長することが期待されています。
役員報酬委員会および役員報酬
■ 役員報酬委員会の体制
役員報酬委員会は、役員報酬の決定手続の客観性を高めるため、取締役会の一任を受け、取締役および執行役員等の報酬等の額を決定する機関として設置され、必要に応じて開催しています。その委員は、独立社外取締役4名を含む6名以内の取締役により構成され、独立社外取締役が委員長を務めています。
■ 役員報酬委員会の活動
2025年度は3回開催し、取締役および執行役員等の報酬額の決定等を行い、全委員が出席しました。
| 2025年12月9日 | 今後の役員報酬の方向性、 |
|---|---|
| 2025年12月23日 | 基準となる総報酬額・報酬構成の見直し、 |
| 2026年2月24日 | 2025年度役員賞与個別金額の決定、 |
■ 役員報酬委員会の構成(2026年4月1日現在)
| 社内 | 社外 | 合計 | 社外取締役の比率 | |
|---|---|---|---|---|
| 取締役 | 2名 | 4名 | 6名 | 66.7% |
■ 役員報酬制度の変更・改定
2026年1月より、変動報酬の比率が高い報酬構成に変更します。ガバナンスの透明性と競争力を確保するため、総報酬に占める株式報酬の割合を高めます。
賞与と株式報酬に用いる業績指標についても、企業価値の向上および株主価値の最大化へのインセンティブを高めるため、賞与には、連結営業利益にROIC改善率を加えます。また、株式報酬は、連結営業利益と親会社株主に帰属する当期純利益に加えて、相対TSRとROE改善率をKPIとします。
なお、業績連動報酬については執行役員を兼務する取締役を支給の対象としており、会社の業績に応じて、執行役員としての個々の職務遂行実績を重点的に評価し、支給します。
代表取締役社長および代表取締役副社長の報酬割合の改定
取締役の報酬
| 固定報酬 | 月額報酬 | ・月例の固定報酬 ・役位ごとの役割の大きさや責任の範囲に基づき支給 |
|---|---|---|
| 業績連動報酬 | 賞与 (短期インセンティブ) | ・事業年度の業績を勘案し、年1回支給 ・連結営業利益の目標達成度と個人評価による係数により支給額を決定 ・2026年度より賞与支給額決定にかかる業績指標にROICを追加 |
| 株式報酬 (長期インセンティブ) | ・事業年度の業績を勘案し、株主総会開催日に株式報酬ポイントを付与 ・連結営業利益・親会社株主に帰属する当期純利益の目標達成度により付与ポイント数を決定 ・2026年度より付与ポイント数決定にかかる業績指標に、相対TSRおよびROE前年比改善率を追加 |
取締役の構成およびスキル・マトリックス
※社外取締役
■ 取締役会全体としての能力、多様性等の考え方
取締役会は、経営の監督の実効性を確保するために必要な知識・経験・能力のバランスを勘案し、独立性を有する社外取締役と、当社グループの事業に精通する者から構成し、経営陣への権限委任を前提として適切な規模とします。さらに、当社グループのグローバルな事業活動への対応や、ダイバーシティを考慮した事業運営を推進するため、女性や外国人の取締役への登用など、取締役会構成員の多様化を図ります。
| 氏名 | 地位 | 専門性・経験 | |||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 企業経営 | 財務・会計・投資・M&A | 法務・リスク管理・ガバナンス | グローバル経験 | サステナビリティ・ESG・CSR | 技術・研究開発・生産・品質 | IT・DX | 人事・労務・組織 | マーケティング・営業・購買 | 新規事業・イノベーション | ||
| 池田 尚志 | 代表取締役 社長執行役員 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 古田 修司 | 代表取締役 副社長執行役員 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 浅井 健 | 取締役 専務執行役員 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 藤田 正美 | 社外取締役 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 齊藤 史郎 | 社外取締役 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| Donna Costa | 社外取締役 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| ランドバーグ史枝 | 社外取締役 | ● | ● | ● | ● | ● | |||||
| 北村 俊伸 | 常勤監査役 | ● | ● | ● | ● | ||||||
| 二宮 啓之 | 常勤監査役 | ● | ● | ● | ● | ||||||
| 名倉 啓太 | 社外監査役 | ● | ● | ● | ● | ||||||
| 岸上 恵子 | 社外監査役 | ● | ● | ● | ● | ||||||
| 檜山 聡 | 補欠社外監査役 | ● | ● | ● | ● | ||||||
監査役会および監査役
※社外監査役
■ 監査役会・監査役
監査役会は、社外監査役2名(うち1名は女性)を含む4名の監査役で構成され、原則として月1回開催しています。監査役会においては、監査方針、監査計画等について審議、決議する他、各監査役が監査実施結果を報告しています。
監査役は、取締役会、経営会議、執行会議、サステナビリティ委員会その他重要な会議へ出席する他、代表取締役と定期的に情報・意見の交換を行い、取締役、執行役員および従業員から業務遂行状況を聴取しています。また、監査役直轄組織として監査役室を設置し、監査役職務の補助のための専属のスタッフを置いています。
常勤監査役の二宮啓之氏は、長年当社およびグループ会社の財務・経理業務を担当し、経理部長、財務経理部門長を歴任しています。常勤監査役の北村俊伸氏は、当社の経理・財務部門を担当し、中国地域統括会社副総経理・CFO等を歴任しています。社外監査役の名倉啓太氏は、弁護士としての企業法務における知見に加え、税理士法第51条に基づく通知税理士として税理士業務に従事しています。社外監査役の岸上恵子氏は、公認会計士の資格を有し、監査法人で長年会社の会計監査に携わっています。4名とも財務および会計に関する十分な知見を有しています。
■ 内部監査部門
当社グループの内部監査部門(日本、アジア・オセアニア地域、中国地域、米州・欧州・中東・アフリカ)は、定量的および定性的なリスク評価に基づき年度監査計画を策定し、社長執行役員の承認をもってこれを確定するとともに、その計画を監査役会に報告して重点確認項目等の指示を受け、内部統制状況のモニタリングを含む内部監査を実施しています。
■ 会計監査人
会計監査人には、有限責任監査法人トーマツが選任されています。当社は、当該会計監査人に正確な経営情報を提供し、公正な会計監査が実施される環境を整備しています。
監査役、会計監査人および内部監査部門は、それぞれ独立した監査を実施していますが、相互に定期的に連絡会議を開催するなどにより緊密な連携を図っており、合同での監査など効率的で実効性のある監査の実施に努めています。
■ 内部統制システム・リスク管理体制の整備・運用
当社は、当社グループが「The DIC Way」に則った経営を行うにあたり、会社法に基づき、内部統制システムを以下のとおり整備・運用しています。
- 当社グループの取締役および使用人が遵守すべきコンプライアンスに関する基準として、「DICグループ行動規範」を定め、その周知徹底を図っています。
- 当社グループ共通の内部通報制度を制定し、業務上の情報伝達経路とは独立した複数のルートからなるコンプライアンスに関する通報窓口を設け、国内外からの通報に速やかに対応できる仕組みを整備しています。
- 当社グループにおいて、取締役の職務が適正かつ効率的に執行される体制を確保するため、組織および権限に関する規程を制定しています。
- 当社グループの経営方針および経営戦略に基づき、長期経営計画・年度予算を策定、周知することで当社グループの目標を共有しています。これらの進捗状況については取締役会に報告しています。
- 取締役の職務の執行に係る情報を記録し、文書管理に関する規程に基づき適切に保存および管理しています。また、情報管理体制に関する規程を制定し、当社グループにおける秘密漏えいの防止体制を整備しています。
- 「リスクマネジメントに関する方針」を定め、当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクを認識、評価し、優先順位を決めて適切に対応しています。
- 子会社ごとに事業遂行および経営管理の観点から所管部門を定め、また、各子会社に取締役を派遣することによって各社の業務執行を監督しています。
- 子会社における重要案件等、当社の承認、当社への報告が必要な事項を明確にしています。
社外取締役メッセージ
社外取締役
Donna Costa
1987年8月 Cleary Gottlieb Steen & Hamilton LLP 入所
1996年2月 Mitsubishi Chemical America, Inc. ジェネラル・カウンセル
2015年4月 Mitsubishi Chemical Holdings America, Inc.(現Mitsubishi Chemical America, Inc.)プレジデント
2017年4月 Mitsubishi Chemical Holdings Europe GmbH(現Mitsubishi Chemical Europe GmbH)プレジデント
同年4月 株式会社三菱ケミカルホールディングス(現三菱ケミカルグループ株式会社)執行役員
2020年10月 Gelest, Inc. 取締役
2024年3月 当社社外取締役(現在に至る)
多様な視点を通じてグローバルな成長を推進する
日本企業の米国法人で初の法務責任者として入社し、法務の枠を超えて専門性を広げ、女性経営幹部としてグローバルビジネスに携わってきました。4大陸で勤務した経験を通じ、多様な視点がより良い意思決定やイノベーションの促進につながることを実感しました。日本では人口減少や国内成長鈍化に伴い国際展開の重要性が高まる中、多様な経験の活用が求められています。取締役である私の重要な役割の一つは自身のバックグラウンドに基づくグローバル経験を取締役会で共有し、DICの多様で豊かな人材の視点を的確に捉え、活かすことです。
DICが早期にグローバル市場へ進出し、幅広いプレゼンスを確立していることは大きな強みです。この強みを最大化するためにも海外事業のスキルや知見をグローバル経営に取り込み、各市場の特性や実情を踏まえた経営の実践が不可欠です。この点で、マシュー・ゴールドバーグ氏のグループCHRO任命は真の変革への姿勢を示したといえます。米国、欧州、アジアにわたる豊富な経験を有する同氏は、多様な視点と優れた知見や手法をもたらす人材として大いに期待されます。
前提を問い直し、ガバナンスを強化・成長を促進
私が取締役会の議論で一番重視しているのは、従来のやり方を問い直すこと。日本企業は信頼、協調性、長期思考といった文化に強みを持つ一方、内外の環境変化への対応が遅れる場合があります。競争力を失うリスクを認識して常識を問い直し、新たなアイデアや手法を積極的に取り入れる企業文化の醸成に努めています。これに併せ、成長に向けたコーポレートガバナンス強化に着実に取り組んでいます。特に「DIC Vision 2030」Phase2の策定にあたり、取締役会では経営陣が示した前提や目標は十分な根拠に基づいているか、実現可能かつ十分挑戦的な水準かなどを徹底検証し、達成方法についても議論を重ね、計画が確かな基盤に支えられ、株主の期待や外部リスクを的確に反映していることを目指しました。地政学リスクや社会的要因の変化、気候変動などの複雑性を踏まえ、2030年以降の持続的成長に向けた長期ビジョン検討など、将来の成長に向けて現状に挑戦し続けることが、取締役会の継続的な重要テーマとなっています。
ガバナンスはパフォーマンス向上の原動力
ガバナンス改革は経営計画実現の中核です。DICは本社 と現地の経営のバランス適正化のため、グローバル運営体制 (GOM)に移行中です。本社主導の経営は専門性や効率性の 向上、シナジー創出への監督機能を発揮する一方、事業活動 は顧客ニーズや競争環境、実務を深く理解した現地市場に根 ざすべきと認識しています。効果的なグローバルガバナンスと は現地経営への信頼を基盤に規律ある監督・支援を組み合わ せること。このバランスの実現はDICのグローバルな事業基 盤をより効果的にし、組織全体の説明責任を果たします。
経営計画が信頼性の高い前提に基づき、ROEやROICを含む目標を達成できるよう、取締役会は説明責任強化に注力しています。より実効性の高い取締役会改革の一環で、社外取締役のみでガバナンスや重要テーマを定期的に議論しています。また筆頭社外取締役選任、社外取締役トレーニング拡充の他、社外取締役が初めて機関投資家面談に参加するなど、透明性と投資家とのエンゲージメント向上も図っています。
資本効率の継続的改善と企業価値向上は最重要課題の一つ。そこで、監督と執行をより明確に区分し、監督機能を強化中です。資本効率向上、リスクマネジメント、経営陣の業績に対する説明責任を重視し、さらには監査等委員会の設置を検討中。監査の視点を取締役会の議論に取り入れて内部監査機能を強化することは、内部統制やリスクマネジメント、組織パフォーマンスの向上に資すると考えています。
社外取締役
藤田 正美
1980年4月 富士通株式会社入社
2012年6月 同社代表取締役副社長
2016年4月 株式会社富士通マーケティング(現富士通Japan株式会社)代表取締役社長
2019年1月 同社顧問
同年4月 新光電気工業株式会社執行役員副社長
同年6月 同社代表取締役社長
2021年6月 同社代表取締役会長(2025年6月退任)
2023年3月 当社社外取締役(現在に至る)
透明なプロセスとモニタリングが肝
私は過去に人事部門担当としてサクセッションプラン改革に携わってきました。資本市場をはじめとする「外部への意識」が強まっている今、サクセッションプランで重要な点は社外取締役を中心に構成する指名委員会が後継者指名を担うことはもちろん、透明な「プロセス」が整備されていて、そのプロセスに基づいて運用されているかを「モニタリング」することです。そのためにも、社外取締役と執行側の間にある情報の非対称性を取り払っていくことが肝となります。
私が2023年3月にDICの社外取締役に就任してから、2024年1月に池田尚志社長が就任するまで、後継者指名のプロセスに参画しましたが、DICは既に中長期にわたるサクセッションプランを実施しており、それに沿ったCEOの要件も明確にしていました。
DICの役員指名委員会の委員長を務めている身として、次の後継者選定に向けて、サクセッションプランの運用がなされているかのモニタリングには特に注力したいと思います。なお、CEOの選解任のうち、選任プロセスは整備されている半面、解任プロセスについてもある程度の基準を作成することが必要と認識しており、その対応に努めていきます。
社外取締役の高い専門性が強み
DICの社外取締役の特徴として、スキル・マトリックスに対応した専門性の高さがあげられます。経営、人事、法務、研究開発、財務、グローバルオペレーションなどで事業会社の責任者を務めた経験を有する人々で構成されていることから、互いの深い知見を活かし合うことで、高度かつ広範な視点でDICにおけるリスクと機会の議論を深めています。
取締役会では審議に多くの時間を割いています。本会議の前に執行側の説明があり、そこで出た社外取締役の質問や提言を反映した内容が本会議で議論されます。なお、会議後は社外取締役のみで振り返りを行い、情報開示の不足部分などを適宜、執行側にフィードバックしています。
リスクテイクを促すガバナンスへ
コーポレートガバナンスの要諦は、コンプライアンスなどの強化だけでなく、CEOを含む執行側の「リスクテイク」を後押しすること。その一環として、例えば、DICの事業ポートフォリオについて、資本収益性や成熟度合いなどの観点から、さらに踏み込んだ整理が必要な点を指摘しました。併せて、特定の投資戦略が想定どおりに進まなかった際に取るべき対応についても、踏み込んで議論するように促してきました。
こうした議論を通じ、長期経営計画「DIC Vision 2030」Phase2において、「中核事業」と「成長事業」という事業の区分けが新たに設けられ、事業ポートフォリオの中で、収益の基盤となる領域とリスクテイクすべき領域が明確化されました。
取締役会のモニタリングボード化へ
DICは2027年度以降、監査等委員会設置会社への移行の是非を検討しており、執行側への権限移譲を進め、取締役会のモニタリングボード化が想定されます。社外取締役と執行側との間の情報の非対称性をさらに解消していく必要があります。
そのためには、DICの事業活動領域における投資がリターンを生むまでの期間や、その事業特有のリターン・リスクなどについて、取締役会と執行側がより密接に情報共有していく必要があります。加えて、執行側が意思決定できる範囲の設定も重要です。事業・市場規模の大小という基準だけでは、今は市場規模が小さくとも将来大きく成長しえる新規領域への投資判断を巡る議論が抜け落ちてしまう懸念があります。DICの長期的な企業価値向上に資するモニタリングのあり方を議論していきたいと思います。
取締役会の実効性
DICにおける取締役会の実効性評価、社外取締役・社外監査役のサポート体制および独立性判断基準は以下のとおりです。
■ 取締役会実効性評価の方法
取締役会は、取締役会の実効性について、取締役および監査役の全員による評価の結果を、毎年1回、定期的に分析・評価しています。2025年度に関しては、自己評価や取締役会の運営等に関する質問事項について、2025年12月に取締役および監査役の全員に質問票への回答を求めました。その結果を踏まえ、2026年1月から2月にかけ、取締役会事務局から取締役および監査役の全員に対し、個別にインタビューを実施しました。これらの結果を取締役会事務局が分析・評価しました。それをもとに、3月の取締役会で十分な審議を行った上で、2025年度実効性評価を取りまとめるとともに、2026年度の取締役会に関する改善のポイントや取り組みの計画を策定しました。
■ 2025年度の評価結果
2025年度においては、取締役および監査役の自己評価の点数は概ね前年度並みの結果でした。全般的には、社外役員を中心に自由かつ活発な議論が行われていること、必要な議案について適切に審議がなされていることを確認しました。また、2024年度の実効性評価で指摘された課題については、大型M&A案件に関する現況報告の定例化や価値共創委員会の活動を継続するとともに、資料提供の早期化を通じた取締役会の運営の効率化や審議の充実化等を図ったことから、当社の取締役会の実効性は確保されていると判断しています。
■ 2026年度の課題
当社は、取締役会の監督機能の強化、意思決定の迅速化、社外取締役の活用を通じたガバナンスの高度化等を図るために、取締役会のモニタリングボード化を進めています。このような中、2026年度は、執行への権限委譲をさらに進めるとともに、取締役会においては企業戦略に関する議論を充実させます。また、経営方針や事業戦略とリンクした形でのサステナビリティに関する議論の充実化等にも取り組みます。さらに、モニタリングボード移行後の取締役会のあるべき姿に関する議論も重ねながら、具体的な効果創出等に向けて取り組むこととし、今後も取締役会のさらなる実効性向上に努めます。
■ 社外取締役および社外監査役に対するサポート体制
取締役会の開催にあたっては、取締役、常勤監査役と同様、社外取締役と社外監査役に資料の事前配付が行われています。また、社外取締役に対しては、担当役員が事前に付議事項について説明を行い、社外監査役に対しては、常勤監査役が必要に応じて事前説明を行っています。
■ 独立社外役員の独立性判断基準
独立社外役員を選任するにあたり、以下のような関係にある者については独立性が認められないと判断する。
- 現在または過去10年間において、当社および当社の連結子会社(以下当社グループという)の業務執行者であった者
- 過去3年間において、以下の①~⑧のいずれかに該当していた者
①当社グループの主要な取引先(一事業年度の取引額が、当社グループの売上高の3%を超える取引先)またはその業務執行者
②当社グループを主要な取引先(一事業年度の取引額が、当該取引先の連結売上高の3%を超える取引先)とする者またはその業務執行者
③当社の議決権の5%以上を有する株主またはその業務執行者
④当社グループの主要な借入先(一事業年度の借入額が、当社グループの総資産の3%を超える借入先)またはその業務執行者
⑤当社グループから年間1,000万円を超える寄付を受けた者または受けた団体に所属する者
⑥当社グループの会計監査人もしくは会計参与である会計士等または監査法人等の社員、パートナーもしくは従業員である者
⑦上記⑥に該当しない者であって、当社グループから役員報酬以外にコンサルタント、会計士、弁護士等専門的サービスを提供する者として年間1,000万円を超える報酬を受けた者またはコンサルタント、会計士、弁護士等専門的サービスの対価としてその連結売上高の3%を超える報酬を受けた団体に所属する者
⑧当社の業務執行者が他の会社の社外役員に就任している場合における当該他の会社の業務執行者
- 上記1および2に掲げる者の配偶者または二親等以内の親族
- 当社の社外役員としての在任期間が8年を超えた者
DICグループの執行体制
DICは2026年度の機構改革により、グローバル運営体制(GOM)に移行しました。現行の3事業部門について、全地域を包含するグローバル事業部門体制に再編し、権限委譲を進めます。その一環でコーポレート部門についても、グループCxOを設置するなど、グローバル全体を統括するコーポレート領域の責任者と、事業部門の責任者の役割を明確化しました。
執行会議
執行会議は、当社グループの業務執行にかかる重要な事項の審議機関として原則として月2回開催しています。構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、事業本部長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当会議の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。
※2026年度より経営会議を新設しています
関連リンク
政策保有株式に関する方針
当社は、当社の持続的な成長や中長期的な企業価値向上に資すると合理的に判断される場合に限り、関係会社を除く上場株式の政策保有を行う場合があります。
株式の政策保有に際しては、毎年、取締役会において、個別の政策保有株式について保有目的、保有に伴う便益が資本コストと見合っているか、保有しない場合のリスク等を精査のうえ、保有の適否を検証します。保有意義が希薄であると判断される場合は、原則として縮減対象とします。
当社は、2023年3月3日の取締役会にて、2022年12月末における全ての保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式について、上記の検証方法に基づき保有の適否を検証しました。検証の結果、一部の株式については保有意義が乏しいことを確認しましたので、市場への影響等に配慮しつつ、今後縮減を図ります。なお、保有の合理性があると判断された株式についても、状況の変化に応じて保有の妥当性が認められないと考える場合には、縮減等の見直しを行います。2026年度までに純資産に対する同株式の保有比率(時価総額)を4%以下とすることを目標に、更なる削減に取り組みます。
