コーポレート・ガバナンス

コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方

DICグループは、コーポレートガバナンスを「企業の持続的な成長・発展を目指して、より健全かつ効率的な経営が行われるよう、経営方針について意思決定するとともに、経営者の業務執行を適切に監督、評価し、動機づけを行っていく仕組み」ととらえています。また、株主、顧客をはじめとするステークホルダーの信頼を一層高め、企業価値の向上を追求することを目的として、経営体制を強化し、その監視機能を充実させるための諸施策を推進しています。

コーポレートガバナンスに関する方針

当社は、上記の基本的な考え方に基づき「コーポレートガバナンスに関する方針」を制定し、その内容を開示しています。

コーポレートガバナンス体制

当社は、監査役設置会社であり、取締役会および監査役会を置いています。
この他に、執行役員制度を導入するとともに、役員指名委員会、役員報酬委員会、価値共創委員会、執行会議、サステナビリティ委員会、品質委員会およびWSR2020委員会を設置しています。

コーポレートガバナンス体制図
  • 取締役会

    DIC取締役会は、経営方針決定の迅速化および企業統治の強化の観点から、社外取締役4名(うち2名は女性、1名は外国人)を含む10名の取締役で構成されます。原則として月1回開催しており、会社法で定められた事項および取締役会規程で定められた重要事項の決定を行うとともに、業務執行状況の報告がなされ、業務執行を監督しています。

  • 役員指名委員会

    役員指名委員会は、役員候補者の選任等の決定手続の客観性を高めるため、取締役、監査役、執行役員等の選任および解任案を決定します。取締役会に提出する機関として設置され、必要に応じて開催しています。委員は、独立社外取締役4名を含む6名の取締役で構成され、委員長は独立社外取締役が務めています。

  • 役員報酬委員会

    役員報酬委員会は、役員報酬の決定手続の客観性を高めるため、取締役会の一任を受け、取締役および執行役員等の報酬等の額を決定する機関として設置され、必要に応じて開催しています。委員は、独立社外取締役4名を含む6名の取締役で構成され、独立社外取締役が委員長を務めています。

  • 価値共創委員会

    価値共創委員会は、高次かつ広範な見地から企業の社会に対する役割を議論するとともに、長期的な企業価値の向上に資する外部の視点から取締役会に助言することを目的に、2024年4月に新設しました。委員は、独立社外取締役4名で構成され、審議テーマに応じて外部有識者を招聘します。

  • 執行会議

    執行会議は、当社グループの業務執行に係る重要な事項の審議機関として原則として月2回開催しています。構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、製品本部長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当会議の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。

  • サステナビリティ委員会

    サステナビリティ委員会は、サステナビリティに係る方針および活動計画の策定並びに活動の評価・推進に加えて、サステナビリティ方針の内容を承認する他、当委員会が必要と認めた重要事項を審議し決定します。2023年はサステナビリティ委員会を4回開催しました。構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、製品本部長、地域統括会社社長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当委員会の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。

  • 品質委員会

    品質委員会は、国内DICグループの品質マネジメント状況の報告および進捗管理を行うとともに、国内DICグループの品質方針、重要施策、重要課題の審議機関として、原則として四半期に1回開催しています。構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、製品本部長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、監査の一環として監査役1名が出席しています。当委員会の審議内容および結果については、取締役会に報告しています。

  • WSR2020委員会

    WSR2020委員会は、当社グループ社員の働き甲斐と生産性向上を目的として、働き方改革に関わる施策、投資計画等の審議機関として、原則として四半期に1回開催しています。
    構成メンバーは、社長執行役員、副社長執行役員、部門長、統括本部長、製品本部長等の取締役会が選任した執行役員等からなり、当委員会の審議内容および結果のうち重要性の高い事項については、取締役会に報告しています。

  • 監査役会・監査役

    監査役会は、社外監査役2名(うち1名は女性)を含む4名の監査役で構成され、原則として月1回開催しています。監査役会においては、監査方針、監査計画等について審議、決議する他、各監査役が監査実施結果を報告しています。
    監査役は、取締役会、執行会議、サステナビリティ委員会その他重要な会議へ出席する他、代表取締役と定期的に情報・意見の交換を行い、取締役、執行役員および従業員から業務遂行状況を聴取しています。また、監査役直轄組織として監査役室を設置し、監査役職務の補助のための専属のスタッフを置いています。
    常勤監査役の二宮啓之氏は、長年当社およびグループ会社の財務・経理業務を担当し、経理部長、財務経理部門長を歴任しています。常勤監査役の北村俊伸氏は、当社の経理、財務部門を担当し、中国地域統括会社副総経理・CFO等を歴任しています。社外監査役の名倉啓太氏は、弁護士としての企業法務における知見に加え、税理士法第51条に基づく通知税理士として税理士業務に従事しています。社外監査役の岸上恵子氏は、公認会計士の資格を有し、監査法人で長年会社の会計監査に携わっています。4名とも財務および会計に関する十分な知見を有しています。

  • 内部監査部門

    当社グループの内部監査部門(日本、アジア・オセアニア地域、中国地域、米州・欧州・中東・アフリカ)は、定量的および定性的なリスク評価に基づき年度監査計画を策定し、執行会議での承認をもってこれを確定するとともに、その計画を監査役会に報告して重点確認項目等の指示を受け、内部統制状況のモニタリングを含む内部監査を実施しています。

  • 会計監査人

    会計監査人には、有限責任監査法人トーマツが選任されています。当社は、当該会計監査人に正確な経営情報を提供し、公正な会計監査が実施される環境を整備しています。
    監査役、会計監査人および内部監査部門は、それぞれ独立した監査を実施していますが、相互に定期的に連絡会議を開催するなどにより緊密な連携を図っており、合同での監査など効率的で実効性のある監査の実施に努めています。

委員会の状況

現状のコーポレートガバナンス体制を採用する理由

当社は、執行役員制度を導入することにより、経営と執行を分離し、業務執行の迅速化と責任の明確化を図っています。また、独立性の高い社外取締役4名を取締役会に加え、経営者の業務執行に対する監督機能を強化しています。さらに、社外取締役4名をメンバーに含む「役員指名委員会」、「役員報酬委員会」および「価値共創委員会」を設置し、役員候補者の選任、役員報酬の決定および企業価値の向上にあたり、外部の客観的な意見が反映されるようにしています。
また、弁護士および公認会計士である社外監査役2名を含めた4名の監査役が会計監査人および内部監査部門と連携しながら監査を行っています。
以上のように、コーポレートガバナンスが有効に機能する体制を構築しています。

内部統制システム

01内部統制システムおよびリスク管理体制の整備・運用の状況

当社は、当社グループが「The DIC Way」に則った経営を行うに当たり、会社法に基づき、内部統制システムを以下のとおり整備・運用しています。

  • 当社グループの取締役および使用人が遵守すべきコンプライアンスに関する基準として、「DICグループ行動規範」を定め、その周知徹底を図っています。
  • 当社グループ共通の内部通報制度を制定し、業務上の情報伝達経路とは独立した複数のルートからなるコンプライアンスに関する通報窓口を設け、国内外からの通報に速やかに対応できる仕組みを整備しています。
  • 当社グループにおいて、取締役の職務が適正かつ効率的に執行される体制を確保するため、組織および権限に関する規程を制定しています。
  • 当社グループの経営方針および経営戦略に基づき、長期経営計画・年度予算を策定、周知することで当社グループの目標を共有しています。これらの進捗状況については取締役会に報告しています。
  • 取締役の職務の執行に係る情報を記録し、文書管理に関する規程に基づき適切に保存および管理しています。また、情報管理体制に関する規程を制定し、当社グループにおける秘密漏えいの防止体制を整備しています。
  • 「リスクマネジメントに関する方針」を定め、当社グループの経営に重大な影響を及ぼすリスクを認識、評価し、優先順位を決めて適切に対応しています。
  • 子会社ごとに事業遂行および経営管理の観点から所管部門を定め、また、各子会社に取締役を派遣することによって各社の業務執行を監督しています。
  • 子会社における重要案件等、当社の承認、当社への報告が必要な事項を明確にしています。

02反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその整備状況

当社グループは、「DICグループ行動規範」において、反社屈しないことを基本方針としています。
反社会的勢力による不当要求等に対しては、当社総務人事部を統括部署とし、当社の各事業所および国内の当社グループ会社に防止責任者を設置し、弁護士や警察等と連携して毅然とした対応をとります。また、「反社会的勢力対応マニュアル」を配布し、社内への周知徹底を図ります。

社外取締役および社外監査役

01社外取締役および社外監査役の員数および役割

当社の社外取締役は4名、社外監査役は2名です。
社外取締役4名は、長年にわたり会社経営に携わっており、経営者としての豊富な経験や見識を当社の経営に反映させることができ、取締役会に出席する他、役員指名委員会、役員報酬委員会および価値共創委員会のメンバーとして、当社から独立した立場から当社の経営の監視にあたり、コーポレートガバナンスの強化の役割を果たすことができると考えています。
社外監査役2名は、企業の会計・法務分野において活躍する弁護士および公認会計士として、当社グループの経営に対する専門的、多角的、独立的な視点からの監査機能の強化に資することができると考えています。

02社外取締役および社外監査役の独立性に関する基準

当社は、社外取締役または社外監査役を選任するための当社からの独立性に関する基準を、以下のとおり定めています。当社の社外取締役および社外監査役は、同基準に基づき、一般株主と利益相反が生じるおそれはないと判断しており、いずれも株式会社東京証券取引所が定める独立役員に指名しています。

独立社外役員の独立性判断基準

当社は、独立社外役員を選任するに当り、以下のような関係にある者については独立性が認められないと判断する。

  • 現在または過去10年間において、当社および当社の連結子会社(以下当社グループという)の業務執行者であった者
  • 過去3年間において、以下の1~8のいずれかに該当していた者
    • 当社グループの主要な取引先(一事業年度の取引額が、当社グループの売上高の3%を超える取引先)またはその業務執行者
    • 当社グループを主要な取引先(一事業年度の取引額が、当該取引先の連結売上高の3%を超える取引先)とする者またはその業務執行者
    • 当社の議決権の5%以上を有する株主またはその業務執行者
    • 当社グループの主要な借入先(一事業年度の借入額が、当社グループの総資産の3%を超える借入先)またはその業務執行者
    • 当社グループから年間1,000万円を超える寄付を受けた者または受けた団体に所属する者
    • 当社グループの会計監査人もしくは会計参与である会計士等または監査法人等の社員、パートナーもしくは従業員である者
    • 上記6)に該当しない者であって、当社グループから役員報酬以外にコンサルタント、会計士、弁護士等専門的サービスを提供する者として年間1,000 万円を超える報酬を受けた者またはコンサルタント、会計士、弁護士等専門的サービスの対価としてその連結売上高の3%を超える報酬を受けた団体に所属する者
    • 当社の業務執行者が他の会社の社外役員に就任している場合における当該他の会社の業務執行者
  • 上記1および2に掲げる者の配偶者または二親等以内の親族
  • 当社の社外役員としての在任期間が8年を超えた者

03社外取締役および社外監査役に対するサポート体制

取締役会の開催にあたっては、取締役、常勤監査役と同様、社外取締役と社外監査役に資料の事前配付が行われています。また、社外取締役に対しては、担当役員が事前に付議事項について説明を行い、社外監査役に対しては、常勤監査役が必要に応じて事前説明を行っています。

コーポレートガバナンス体制に関するその他の取り組み

01取締役会の構成

  • 取締役会は、代表取締役会長が議長を務め、重要な業務執行を決議します。経営の監督の実効性を確保するために必要な知識・経験・能力のバランスを勘案し、独立性を有する社外取締役と、当社グループの事業に精通する者から構成しています。役員指名委員会においてスキル・マトリックスに示す専門性・経験を勘案の上、取締役候補者を選任しており、経営陣への権限委任を前提として適切な規模とします。
    さらに、当社グループのグローバルな事業活動に対応するため、取締役会構成員の多様化を図ります。なお、取締役会構成員のうち3名(社外取締役2名、社外監査役1名)は女性、1名(社外取締役1名)は外国人です。

  • 取締役会の役員構成

取締役会の構成

  社内 社外 合計 社外役員の比率
取締役 社内:6名 社外:4名 合計:10名 社外役員の比率:40.0%
監査役 社内:2名 社外:2名 合計:4名 社外役員の比率:50.0%
合計 社内:8名 社外:6名 合計:14名 社外役員の比率:42.9%

取締役・監査役の構成 各役員のスキル・マトリックス

現在の取締役・監査役のスキル・マトリックスは下記のとおりです。

取締役・監査役の構成 各役員のスキル・マトリックス

02役員報酬について

当社の取締役報酬は、取締役会で決議された役員規程に定める、取締役の個人別の報酬等の内容に係る決定方針に基づき、役員報酬委員会において、市場性や会社の業績、個人の資質や職務遂行能力、職務遂行実績や社員給与とのバランス等を考慮して決議されます。
取締役の報酬の構成は、「基本報酬」と連結業績および個人の目標達成度に応じた「賞与」、並びに中長期的な業績向上と、企業価値の増大に貢献すべく、取締役の意識を高めること、株主と同じ目線を持たせることを目的とした「株式報酬」で構成されています。なお、賞与と株式報酬については、執行役員を兼務する取締役を支給対象とし、それ以外の取締役および社外取締役については、基本報酬のみを支給しています。
監査役の報酬は、基本報酬のみで構成され、監査役会で定めた内規に基づき、当社取締役報酬とのバランス、監査役報酬の市場性を考慮して、監査役全員の協議により決定しています。

2023年度に支払った報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

区分 報酬等の総額(百万円) 報酬等の種類別の総額(百万円) 対象となる役員の員数
基本報酬(固定報酬) 賞与(金銭報酬) 株式報酬(非金銭報酬)
取締役
(社外取締役を除く)
290 265 4 21 6名
監査役
(社外監査役を除く)
60 60 - - 2名
社外役員 77 77 - - 7名

03取締役会の実効性評価

取締役会は、毎年、取締役会の実効性について全取締役および監査役が実施した自己評価の結果を分析・評価します。
2023年度においては、取締役会で決定した自己評価や取締役会の運営等に関する質問事項について、取締役・監査役全員に回答を求めるとともに、回答内容等について個別にインタビューを実施し、その結果に基づき取締役会で分析・評価を行いました。
その結果、社外役員を中心として自由かつ活発な議論が行われ、取締役会において適切に審議がなされていることを確認しました。
また、2022年度の評価で指摘された課題についても、長期経営計画や大型投資案件の進捗状況に関する定期的な説明・審議の場を設けて議論の充実を図るとともに、外国人執行役員の説明機会増加やリスク管理体制の再構築等を図ったことから、当社の取締役会の実効性は確保されていると判断しています。
2024年度は、取締役会の一層の実効性向上を図るため、長期経営計画「DIC Vision 2030」を見直し、主要施策の進捗確認を引き続き行うとともに、社外取締役を対象とした事業概要等に関する説明機会を計画的に設定することにより、当社実情に関する理解促進を通じた討議のさらなる充実化に取り組みます。
また、当社ならではのガバナンスの在り方に関する議論も重ねながら、具体的な効果創出等に取り組むこととし、今後も改善に努めます。

その他の取り組み

01中核人材の登用等における多様性の確保

当社はダイバーシティを通じて多様性を互いに理解・尊重することにより、創造的な思考を生む企業文化を醸成し、すべての社員にとって働き甲斐のある職場づくりを通じて新しい価値観を経営に反映させる「ダイバーシティ経営」を推進しています。「サステナビリティ基本方針」においても多様性の尊重を規定しています。
また、中核人材の登用における多様性の確保に関する測定可能な目標として、「国内女性管理職比率」および「国内外国人社員比率」の目標を設定し、統合報告書に具体的な実績値を掲載しています。
さらに、多様性の確保に向けた人材育成方針と社内環境整備方針に関しては、「多様な人材を適所適材に配置し、発揮される能力を最大化するための環境を整備する」との方針を示し、ダイバーシティ担当役員を配置して体制整備に努めています。
長期経営計画では、人的資本経営強化のための3つの重点施策として「人材育成」「人的流動性(採用・サクセッション)」「エンゲージメント向上・組織力強化」を掲げるとともに、重要会議であるWSR2020委員会において「生産性の向上」と「働き甲斐の向上」の実現を目指した、新しいワークスタイルへの刷新を進めています。これらの実施状況も統合報告書等に掲載しています。

02サステナビリティの取り組みなど

当社は、自社のサステナビリティについては、環境・社会性・ガバナンスの観点から、化学企業として取り組むべき3種類・13の活動テーマを定め、その活動計画推進状況を統合報告書の「DICグループのサステナビリティの取り組み」に開示しています。
さらに当社は、2006年1月にレスポンシブル・ケア世界憲章支持宣言書、2010年12月に国連グローバル・コンパクトに署名しています。2019年5月にTCFD提言の趣旨に賛同し、2022年4月には企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)への参加を表明し、翌2023年11月には生物多様性に関する方針を策定しました。気候変動に関しては、2021年6月に「2050年度カーボンネットゼロ」というスローガンを掲げ、2023年2月にはWell Below 2°C水準でSBTイニシアチブより認定を取得しました。

コーポレートガバナンスの強化の変遷

コーポレートガバナンスの強化の変遷