労働安全衛生・保安防災

主な取り組みの目標と実績

労働安全衛生の確保

2020年度 目標 総労働災害発生率の削減
 国内グループ:1.80
 中国地域:1.20
 AP地域:2.00
 欧米地域 :8.00
( DICグローバル:4.51)
2020年度 実績 国内グループ:2.51
中国地域:2.29
AP地域:1.13
欧米地域:5.63
(DICグローバル:3.56)
評価
2021年度 目標 総労働災害発生率の削減
 国内グループ:1.80
 中国地域:1.00
 AP地域:1.50
 欧米地域 :8.00
 (DICグローバル:4.35)

保安防災の確保

2020年度 目標
  • 重大事故(全焼火災等)の防止
  • ICCA基準に基づくプロセス事故数の把握継続
2020年度 実績
  • 重大事故の件数:無し
  • 国内DICグループのプロセス事故を把握
評価 ★★
2021年度 目標
  • 重大事故の防止継続
  • プロセス事故の把握継続
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

方針および推進体制

基本的な考え方

安全操業最優先を経営の基本とし、無事故無災害の達成および労働安全衛生水準の向上を追求します。

安全操業は、DICグループの持続可能な成長を支える事業の根幹であり、レスポンシブル・ケア活動における重要な基盤の一つです。その実現に向けて、DICグループ全体・従業員一人ひとりが「安全第一」を共通認識として、労働安全衛生・保安防災に取り組んでいます。
DICグループの生産領域は多岐にわたり、化学反応を伴う工程以外にも危険物・有害物を扱う工程や回転体機器を扱う工程があります。ひとたび重大事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害をもたらす危険性があります。こうした事態を起こさないようDICでは、労働安全衛生マネジメントシステムの認証取得を推奨し、リスクアセスメントに基づき「職場のリスク低減、安全基本動作の徹底、安全感度の高い人材育成」を重点課題に位置づけ、安全基盤の強化や安全文化の醸成に向けたグループ全体の保安力向上に努めています。

安全操業の啓発ポスター(3 言語)。社長自らモデルとなり国内外の事業所に掲示
安全操業の啓発ポスター(3 言語)。社長自らモデルとなり国内外の事業所に掲示

推進体制

サステナビリティ委員長(社長執行役員)を最高責任者とし、事業会社および工場・研究所の安全環境グループと本社レスポンシブルケア部が連携をとりながら、安全衛生活動を推進しています。定期的に各事業所等の安全環境グループとの会合や情報交換を実施し、重点課題および目標の達成状況を確認し進捗を管理しています。また、海外DICグループにおいては、地域ごとに目標を設定し、DIC本社のレスポンシブルケア部と地域統括会社が一体となってグループ会社のリスクアセスメント、事故災害の分析と改善策の推進に取り組み、労働安全衛生の持続的なレベルアップを図っています。

TOPICS

経営層が率先して安全活動を推進

経営層自らが率先して「安全第一」を推進することが重要と考え、毎月1回、古田生産統括本部長(常務執行役員)が「過去事例から学び、実践しよう運動」の原稿を自ら作成し、国内関係会社を含めた全事業所長等に配信しています。内容は、直近に起きた事故災害の事例や、時期的に起きやすい事故災害(熱中症、冬の静電気)を話題にするなど、過去の事例を基に分析し、対策を喚起したものです。月1回、各事業所の朝礼において読み上げるなどして、従業員に対して共通認識化を図っています。

2020年度の主な活動と実績

労働災害の発生状況

DICグループでは、労働災害について各地域で目標を設定し、ゼロ災害に向けた取り組みを推進しています。具体的には、100万労働時間当たりの労働災害死傷者数(不休業災害+休業災害)を「総労働災害発生率」(TRIR, Total Recordable Incident Rate)と定義し、各地域で目標を設定しています。
2020年の実績は、国内DICグループのTRIRの目標値1.80に対し、実績は2.51(前年度比86%)と目標未達でした。休業災害者数は5人でした。
一方、海外を含めたDICグループの総労働災害発生率(TRIR)は、2020年度は3.56(前年度比93%)と目標(4.51)達成となりました。休業災害者数は70人でした。
今後はさらに休業災害の発生原因を徹底的に分析し、作業改善に反映するなど事故災害の予防に努めていきます。なお、2020年度は、海外を含めたDICグループにおいて、労働災害による死亡はありませんでした。

  • 従業員とパートタイム・契約社員までを対象とし、報告しています。
  • TRIR:以前は「100万労働時間当たりの労働災害件数」と定義していましたが、2020年度より「100万労働時間当たりの労働災害死傷者数」の定義に変更いたしました。それに伴い、表の2018年度、2019年度の数値も修正しました。
2018 〜2020 年度の休業災害

安全文化の醸成に向けた取り組み

「安全第一」をDICグループの共通認識とするために、安全文化の醸成に取り組んできました。2011年度からは、DICとDICグラフィックス(株)の工場安全担当者が安全に関する分科会を発足させ、方針・施策を議論し、当社のレスポンシブル・ケア活動に反映させています。

取り組み内容2012-2020
「安全基本動作」をイラスト化した輪読用冊子(日本語・英語・中国語)

「安全基本操作」輪読している様子(小牧工場)

労働災害防止に向けた基盤整備

労働安全衛生データ「マンスリー・レポート」の集計・発行

DICグループは、国や地域ごとに異なる法規制や労働環境・慣習の中で多種多様な事業を展開しています。事業ごとに設備・機械、取り扱う原材料が異なり、事故災害の発生するリスクにも差があります。そのため、DICグループ全体の活動をレベルアップするには、各地の実情に即した「基準や指標(モノサシ)」を整備することが重要です。
DICグループでは、地域ごとに事故・災害・通報などの定義づけを行い、労働安全に関する統計データを集計し、DICグループ内で情報共有を図っています。これにより各DICグループ会社では、安全操業の度合いを客観的に比較・評価でき、国・地域ごとに精度の高い目標設定や改善プログラムの策定に役立ています。
2015年度からは、中国およびアジアパシフィック各社の労働安全衛生データを毎月集計し、「マンスリー・レポート」を作成しています。国・地域ごとの労働時間数・休業件数・災害発生率などを月次で把握および比較・検討できることによって、DICグループ全体のマネジメントや各地域のパフォーマンス向上に役立っています。
2019年度からは、各データをクラウド上に記録・蓄積して一元管理する統合ITシステム「DIC ESH Data Collection System(DECS)」を導入し、マンスリー・レポートをシステム上で運用しています。

Monthly report

マンスリーレポート

リスクアセスメントの実施

DICグループでは、生産プロセスや設備・装置に加え、化学物質に潜む危険性を特定し、事故や労働災害の未然防止活動を計画的に進めています。
国内DICグループでは、新規設備の導入や改造、工程変更の際に、設計から操業の範囲で、従業員および地域社会に及ぼす影響を特定・評価するリスクアセスメントのガイドラインを制定し、リスクの低減活動を継続しています。2015年からは、化学物質に関係するリスク低減に向け、厚生労働省の指針に沿ってリスクアセスメントを計画的に推進する体制を構築しました。具体的には、評価手法も含めたDIC独自のリスクアセスメントガイドラインを2016年に策定し、労働安全衛生法で定める対象物質について危険性・有害性を評価し、リスク低減策の検討(取扱方法や設備の改善など)を進めています。

TOPICS

DICグラフィックス株式会社九州製造課が日本化学工業協会安全表彰「安全優秀賞」を受賞

DICグラフィックス株式会社・東京工場製造グループ九州製造課は、日本化学工業協会が実施する「第44回日化協安全表彰」において「安全優秀賞」 を受賞しました。この受賞は、同製造課が安全活動に真摯に取り組み安全文化を醸成した結果、無災害年数を50年9ヶ月継続していることが高く評価され、今後も無災害を継続することが期待されたものです。

〈無災害期間〉
操業年月: 1958年12月操業開始
安全成績: 無災害記録時間 336.2万時間
無災害年数 50年9ヶ月

〈安全優秀賞受賞 喜びの声〉
このたび、日本化学工業協会による安全表彰会議の審査において、安全優秀賞を受賞することになりました。この受賞は、これまで九州製造課に携わってくださった皆様が、安全に対し真摯に向き合い活動してきた証であり、身の引き締まる思いです。50年を超える長期間、無災害継続のためご尽力いただいた諸先輩に感謝申し上げるとともに、この受賞を機に改めて安全の重要性を全員で理解し、「安全最優先」を合言葉に無災害を継続してまいります。

Management’s Commitment

安全優秀賞を受賞した九州製造課のメンバー

Management’s Commitment

四日市工場が「優良安全事業場賞」を受賞

2019年10月、DIC四日市工場は一般社団法人三重労働基準協会連合会から「優良安全事業場賞」を受賞しました。受賞の理由には、四日市工場において15年以上(2019年9月現在で5,562日)にも及ぶ無事故無災害の実現と、これまでの「安全衛生パトロールの実施」や「年間教育計画に基づく安全教育および設備・化学物質のリスクアセスメント実施」などの労働安全衛生活動が高く評価されたことがあげられます。
今後も、DICグループおよび化学業界の模範となれるよう、積極的な労働安全衛生活動を継続していきます。

教育・訓練

工場の安全と環境を守るe-ラーニング講座

DICグループでは、労働安全衛生・保安防災のレベル向上を継続して図っていくには、社員一人ひとりが化学物質や製造プロセス、法規制などに関する幅広い知識を習得していく仕組みを構築することが重要と考えています。その仕組みの一つとして、2016年度にインターネットを活用したe-ラーニング講座を導入しました。
工場の操業に関わる重要な法令として「消防法」「大気汚染防止法」「高圧ガス保安法」などを受講科目に選定し、レスポンシブルケア部員や各事業所の安全環境担当者、製造部門担当者の視点から、教材の有効性も確認しています。最大16講座あり、80点以上で修了認定となっています。
2017年度からは、国内DICグループでの本格運用を開始し、2020年度まで、延べ700名が受講しました。
また、2020年度より受講科目に「静電気」を追加し、運用を開始しました。

安全感度の高い人材の育成、安全基本動作の徹底と危険予知トレーニング(KYT)

DICグループでは安全感度の高い人材育成に向け、「安全基本動作」、「労働災害事例集」などのガイドブックや「技術・研究部門の安全指針」、「SDS(安全データシート)」を用いて、安全および化学物質の取り扱いに関する教育を定期的に実施しています。
海外においても、「安全基本動作」などのガイドブックは多言語に翻訳し、中国およびアジアパシフィック地区で広く利用されています。この「安全基本動作」ガイドブックは、10年ごとに見直しを行っています。2018年度は、最新の第5版をもとにアニメーション動画を作成し、海外向け教育ツール(中国語版・英語版)として活用を始めました。
また近年はグループ会社の国内外を問わずKYTや安全体感教育にも力を注いでいます。KYTは危険に対する感性を向上させる有効な手段です。国内DICグループにはすべて普及させることができ、中国・アジアパシフィック地区への導入を加速させている状況です。

安全基本動作ウェブサイト

安全基本動作ウェブサイト

保安防災

方針および体制

基本的な考え方

化学プラントが火災・爆発・有害物質の漏えいなどの事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ地域社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員には健康被害をもたらす可能性があります。DICグループでは、こうした事態を未然に防ぐ保安管理体制を構築し、関係法令を遵守した設備を整え、確実な運転・操作と設備の保全管理を行うとともに、万一の事態に備えた防災訓練や地震対策などを計画的に実施しています。
安全な生産設備の構築に向けては、開発から廃棄に至る全ライフサイクルに対してリスクアセスメント(RA)を推進しています。
2013年には「DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM)」を制定し、4つの手法と実施時期の明示のもと、各事業所で計画的にリスクアセスメントを進めています。また、BCP(事業継続計画)の観点からは、2016年度に重点リスクを特定し、緊急対応訓練など対応力の強化を図っています。

  • DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM):生産および研究開発業務におけるリスクの包括的把握と継続的な低減を目的に、取り扱う化学物質や生産工程・生産フォーミュラ、機械設備、作業行動に関わるリスクアセスメントの実施時期や実施体制を示したもの。

推進体制

サステナビリティ委員長(社長執行役員)を最高責任者とし、事業会社および工場・研究所の安全環境グループとレスポンシブルケア部が連携し、保安防災活動を推進しています。定期的に各事業所等における安全環境グループとの会合や情報交換を実施し、重点課題および目標の達成状況を確認するなど、進捗を管理しています。

2020年度の主な活動と実績

プロセス安全管理

プロセス安全事故については、2019年度より、ICCA(国際化学工業協会協議会)ガイドラインに基づき国内事業所を対象に発生件数の把握を開始しました。2020年度は4件発生し、20万労働時間当たりの発生件数は0.073件でした。

保安力向上への取り組み

設備の安全性評価

DICグループの工場では、化学反応を行うプラントからプレス機などの加工系設備まで、用途に応じた様々な装置が稼働しています。工程変更や装置の改造・更新の際には、より安全な工程および生産設備の構築に向け、フォーミュラー・工程および機械設備の「RAガイドライン」をもとに、工程の設計・建設、運転・維持、廃棄に至るまでの各段階で安全性評価を行っています。2015年度には、機械設備の「RAガイドライン」の理解と利便性の向上を図るため、見直し・改訂を行うとともに、静電気による災障害の予防に向けた教育資料の充実化を図りました。

事故災害分析とタイムリーな情報提供

DICでは、社内で発生した様々な事故や災害、トラブル事例を収集・分類し、「事故事例集」や「労働災害事例集」としてデータベース化しています。事例集は、事故やトラブルの原因、安全のチェックポイントと対策を分かりやすく示し、DICおよび国内外DICグループ各社に配信するなど安全教育の場で広く活用しています。

保安力向上センターによる評価

保安力とは、事業所の安全レベルを保つ力のことです。DICでは、自らの保安力を客観的に評価し改善・強化へと結びつけるツールとして、2013年度から「保安力評価システム」の運用を開始しています。この評価システムは安全工学会と化学産業に携わる技術者が、業界共通のモノサシとして活用するために開発したもので、「保安力向上センター」の会員会社で運用しています。
DICでは、2014年に鹿島工場、2017年に四日市工場と埼玉工場、2018年に小牧工場と堺工場、2019年に千葉工場と館林工場、2020年度には北陸工場と、すべての工場が審査を受けました。各工場では評価結果を受け、さらなる改善の取り組みへとつなげています。
また、2019年12月には、それまで実施した6工場分の総括が「保安力向上センター」から社長へ報告され、経営陣と保安防災に対する課題の共有化を図りました。

  • 保安力評価システムは、「安全基盤」(技術的項目)、「安全文化」(組織文化運営管理)に関する質問で構成されているもの。

TOPICS

DICグラフィックス株式会社群馬工場が「優良危険物関係事業所」を受賞

2020年6月、DICグラフィックス株式会社群馬工場は、全国危険物安全協会より「優良危険物関係事業所」として表彰されました。全国で49事業所が受賞し、群馬県では同社群馬工場のみとなっています。同賞は、毎年6月に東京で開催される危険物安全大会における危険物保安功労者等表彰式で全国表彰されるもののひとつですが、2020年はコロナウイルス感染拡大防止のため、同大会が中止となり、群馬県館林消防署にて福地消防長より代行授与されました。この受賞は、DICグラフィックス株式会社群馬工場が危険物を多量に扱う事業所として、日頃よりその取り扱いおよび保管に細心の注意を払っており、そのことが高く評価されたものです。
群馬工場は、今表彰を励みに今後も工場一丸となって危険物の安全管理に努めていきます。

静電気災害防止の取り組み

静電気は、化学企業においては、火災事故の発生原因になるため、国内DICグループでは、2017年より専門家による指導会を各事業所で開 催してきました。2019年度は、この取り組みを海外にも展開し、インドネシアにおいて、静電気安全指導会を開催しております。講師はDIC国内工場で実績のある外部講師に依頼し、下記関係会社にて3月に開催しました。
静電気安全指導会では、①場内静電気対策状況視察、②静電気座学講演会、③視察時における改善箇所の確認の三部構成で実施されました。
また、座学会が同日に開催され、実演による静電気スパークの体感によって、人が感じるスパークの強さと着火に必要な最小エネルギーの関係などを学びました。現場視察では「アース(接地)」について、どのように接地すると有効であるのか具体的な説明を受け、静電気火災の対策を学習しました。
参加者は、実演を交えた座学と、静電気スパーク対策を中心に行われた現場視察を通じて、ビデオ教育では得られない静電気に関する知識を学び得ることができました。

緊急対応訓練の実施

DICグループの生産拠点では、日常の保安パトロールや設備の定期点検、BCP(事業継続計画)の観点から、万一の事態を想定した様々な緊急対応訓練を計画的に実施しています。

堺工場 特別防災区域協議会防災訓練

堺工場 特別防災区域協議会防災訓練

東京工場 防災訓練

東京工場 防災訓練

TOPICS

DIC堺工場南海トラフ巨大地震を想定した総合防災訓練を開催

2019年9月、堺工場で堺・泉北臨海特別防災地区総合防災訓練が開催されました。DICを含めた特防協加盟企業のほか、大阪府など官民一体となって約220名が参加しました。
訓練では、震度5弱の南海トラフ巨大地震と大津波の発生によって、工場内タンクが破損し、タンク内部の溶剤が防油堤へ漏えいすることで火災が発生、という想定のもと訓練が行われました。日頃積み重ねてきた「大津波警報発生直後の設備の安全確認と停止措置」、「従業員の安全誘導」、「消防への災害状況の報告」、「負傷者救出訓練」、「消火活動」などの措置が、堅実に発揮されていました。

  • 石油化学コンビナート等災害防止法に基づき組織されている堺・泉北臨海特別防災地区協議会(特防協)が主催。

安全体感教育

DICでは、2012年に10トントラックで国内を巡回する移動式安全体感機材を導入し、安全体感教育を本格化させてきました。2013年からは、常設設備を国内6ヶ所に加え、中国(3ヶ所)、台湾、マレーシア、インドネシア、インド、タイに設置するなど、国内外への展開を進めてきました。こうした取り組みを通して、国内DICグループの度数率が、以前のレベルから半減するなど、大きな効果として現れてきました。
DICグループの安全体感教育では、通常の生産活動において一般的に発生しやすいとされている動力機器への“はさまれ”や“巻き込まれ”、高所からの墜落・転落、カッターでの切創などの災害事例を、社員が疑似体験します。この体験を通じて、危険敢行性(危険の受け入れやすさ)を低下させ、危険感受性(危険に対する敏感さ)を高めることで、潜在的な危険に対して「自ら考え、行動し、自分と仲間を守る」という意識変革を目指しています。
2020年度は、2月に講師養成会を実施したものの、その後COVID-19が感染拡大したため、安全体感教育自体は実施できませんでした。今後を見据え、動画化も検討中です。2020年度までの安全体感教育の受講者数は、国内で延べ9千人、海外で6千人程度です。

安全体感教育受講者数

国内グループ会社の取り組み

2014年に事故災害の疑似体験が可能な教育施設「埼玉安全体感研修センター」を開設し、新人教育や階層別教育プログラムで活用しています。DIC本社およびDICグラフィックス株式会社では、同年から新入社員教育カリキュラムに「安全体感教育」と「危険予知トレーニング(KYT)」を必須項目とし、経験の浅い従業員の被災率ゼロを目指しています。また、千葉・堺・北陸・埼玉・鹿島などの各工場では、独自の安全体感機器やカリキュラムを整え、安全文化の醸成を図っています。
2015年には、移動巡回用として小型化した6種類の安全体感機器の、各事業所への貸出しを開始しました。また、教育指導の担 当講師を各事業所の複数の社員が担えるよう、レスポンシブルケア部では「講師ライセンス制度」を設け、講師養成にも注力しています。

新人社員研修(埼玉工場)

新人社員研修(埼玉工場)

転倒災害の体感教育(埼玉安全体感研修センター)

転倒災害の体感教育(埼玉安全体感研修センター)

VOICE

安全体感教育講師養成研修への参加者の声

DIC 鹿島工場 安全環境グループ 石川 哲也

過去に、鹿島工場で開催された体感教育には、受講者の立場で参加の経験はありました。今回は、安全体感教育第2種講師養成研修への参加となり、研修においては、担当に割り振られた体感教育項目の指導要領の作成から受講者への講習の実践を行いました。
体感教育講師の経験は初めてです。体感教育のポイントである「気づき」の感性向上を目指し、講師はその場での危険のポイントを明確にせずに、受講者が感じたことを現場へ持ち帰って議論するために、ヒントを講習時に与える講義の手法とその難しさを知り、貴重な体験をさせていただきました。
今後の安全活動において、自分自身が受講者に「今回の講義のポイントが何だったのか?」の気づきを促せるような講義ができるよう、日々考え、努力していきたいと思います。

DIC 鹿島工場 安全環境グループ 石川 哲也

海外DICグループ会社の取り組み

海外のDICグループでは、「安全体感機器」の導入を推進しています。中国地区では、南通迪愛生色料、迪愛生広州油墨、常州華日新材(中国)社、迪愛禧佳龍油墨(台湾)社に設置、AP(アジアパシフィック)地区ではDIC Compounds Malaysia社、DIC ASTRA Chemicals社(インドネシア)、Siam Chemical Industry社(タイ)、DIC India, Noida工場(インド) に設置しています。
これらの生産拠点では、周辺の関係会社の従業員向けにも安全体感講習の開催や講師の養成に取り組んでいます。