労働安全衛生・保安防災

主な取り組みの目標と実績

労働安全衛生の確保

2018年度 目標 総労働災害発生率の削減
国内グループ:1.8
A P 地域:2.2
中国地域:2.0
欧米地域:8.0
(DICグループ:4.56)
2018年度 実績 国内グループ:2.86
A P 地域:2.88
中国地域:1.41
欧米地域:7.53
(DICグループ:4.69)
評価
2019年度 目標 総労働災害発生率の削減
国内グループ:1.8
A P 地域:2.0
中国地域:1.5
欧米地域:8.0
(DICグループ:4.44)
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

労働安全衛生

安全操業こそ事業の根幹

DICグループは、安全操業こそ事業の根幹でありレスポンシブル・ケアの基盤という認識のもと、グループ全体・従業員一人ひとりが「安全第一」を共有することを基本に、労働安全衛生・保安防災に取り組んでいます。
DICグループの生産領域は多岐にわたり、化学反応を伴う工程以外にも危険物・有害物を扱う工程や回転体機器を扱う工程があります。ひとたび重大事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害を及ぼす可能性があります。
こうした事態を起こさないよう「職場のリスク低減、安全基本動作の徹底、安全感度の高い人材育成」を重点課題と位置づけ、安全基盤の強化や安全文化の向上によるグループ全体の保安力向上に力を注いでいます。

安全操業の啓発ポスター(3言語)。社長自らモデルとなり国内外の事業所に掲示
安全操業の啓発ポスター(3言語)。社長自らモデルとなり国内外の事業所に掲示

推進体制

DICグループでは、地域ごとに目標を設定し、DIC本社レスポンシブルケア部と地域統括会社が一体となってグループ会社のリスクアセスメント、事故災害の分析と改善策の推進に取り組み、労働安全衛生の継続的なレベルアップを図っています。

2018年度の主な活動

01「マンスリー・レポート」で地域ごとのデータを見える化

DICグループは、国や地域ごとに異なる法規制や労働環境・慣習の中で多種多様な事業を展開しています。業種によっても設備・機械、取り扱う原材料が異なり、事故災害が発生するリスクに差があります。そのため、世界中のグループ会社が一体となって活動をレベルアップするには、各地域(日本、中国、アジアパシフィック、欧米)の実情に即した「基準や指標(モノサシ)」を整備することが重要です。
DICグループでは、地域ごとに事故・災害・通報などの定義づけを行い、労働安全に関する統計(従業員数・労働時間数・休業件数、不休業件数・火災爆発件数・休業日数・作業復帰までの日数・総労働災害発生率・度数率・休業災害千人率・百万時間あたりの休業日数など)をとって情報共有を図っています。これにより各グループ会社は安全操業の度合いを客観的に比較評価し、国・地域ごとに精度の高い目標設定や改善プログラムを策定しています。
また、2015年度から中国およびアジアパシフィック各社の労働安全衛生データを1ヶ月ごとに集計して「マンスリー・レポート」を発行。これにより各国・地域の月次労働時間数・休業件数・災害発生率などを迅速に把握・比較検討でき、DICグループ全体のマネジメントや各地域のパフォーマンス向上に活用しています。
さらに、2018年度には各データをクラウド上に記録・蓄積して一元管理する取り組みに着手しています。

マンスリー・レポート

マンスリー・レポート

02リスクの低減

DICグループでは生産プロセスや設備・装置に潜むリスク、化学物質のハザードを把握し、事故や労働災害の未然防止活動を計画的に進めています。また、国内DICグループでは新規設備の導入や改造、工程変更時をとらえリスクアセスメントを行うガイドラインを制定し、リスクの低減活動を継続しています。
また、国内DICグループでは2015年から化学物質に関係するリスク低減に向け、厚生労働省の指針に沿ってリスクアセスメントを計画的に推進する体制を構築しました。具体的には、評価手法も含めたDIC独自のアセスメントガイドラインを2016年に策定し、労働安全衛生法で定める対象物質について危険性・有害性を評価してリスク低減策の検討(取扱方法や設備の改善など)を進めています。
各事業所では化学物質リスクアセスメント推進体制を整え、3ヶ年計画を立てて活動しています。リスクアセスメント進捗状況は安全環境監査で確認しています。

TOPICS

パワーアシストスーツの装着体験会を実施

2018年10月、館林工場でパワーアシストスーツ「HAL」の装着体験会が行われ、千葉工場や埼玉工場からも社員が参加しました。生産統括本部では働き方改革の一つとして、生産現場での女性活躍や働きやすい職場・作業環境の提供、生産性の向上を目指し、活動の一環として「HAL」の導入を検討中です。
「HAL」は、CYBERDYNE(サイバーダイン)社が開発した身体機能を改善・補助・拡張できるサイボーグ型ロボットスーツで、軽量コンパクト(3kg)の上腰への負担が最大40%軽減されます。装着体験会では10名が参加し、重量物(25kg紙袋)の取り扱いを体感しました。参加者からは「思った以上に腰への負担が低減する」「長期間の使用でさらに効果が期待できる」などの意見が寄せられました。
今後、各製造現場の作業分析と実務での試験運用を行います。また、現行モデルは防爆仕様ではないため、非危険物工場から導入検討を進め、防爆タイプが完成後、危険物工場へも展開する予定です。

パワーアシストスーツ「HAL」

パワーアシストスーツ「HAL」

パワーアシストスーツ装着体験会

パワーアシストスーツ装着体験会

パワーアシストスーツ装着体験会

03工場の安全と環境を守るe-ラーニング講座

DICグループは、労働安全衛生・保安防災のレベル向上を図るには、社員一人ひとりが化学物質や製造プロセス、法規制などに関して幅広い知識を習得することが重要と考えています。
そこで2016年度にインターネットを活用したe-ラーニング講座を試験導入し、「消防法」「大気汚染防止法」「高圧ガス保安法」など工場操業にかかる重要な法令を選定の上、レスポンシブルケア部員、各工場の安全環境担当者、製造部門等の視点から教材の有効性を確認。2017年度から、国内DICグループで正式に運用を開始し、137名が登録して法令教育プログラムを受講(最大16講座・80点以上で修了認定)。2018年度は276名が受講しました。

e-ラーニング講座の受講画面

04安全感度の高い人材の育成、安全基本動作の徹底と危険予知トレーニング

DICグループでは安全感度の高い人材育成に向け、「安全基本動作」、「技術・研究部門の安全指針」、「SDS(安全データシート)」、「労働災害事例集」などを用いて、安全教育や化学物質の取り扱いに関する教育を定期的に実施しています。特に近年は、国内外のグループ会社を問わず危険予知トレーニング(KYT)や安全体感教育に力を注いでいます。「 安全基本動作」を多言語化する中で、韓国・マレーシアでは現地従業員が自主的に韓国語・マレー語に翻訳しました。英語版と中国語版の「安全基本動作」は本社で翻訳し、中国およびアジアパシフィック地区で広く利用されています。
また、「安全基本動作」は10年ごとに見直しを行い、2018年度には最新の第5版をもとにアニメーション動画を作成し、海外向け教育ツール(中国語版・英語版)として活用をはじめています。
危険予知トレーニング(KYT)は危険に対する感性を向上させる有効手段として国内DICグループに普及し、中国地区・アジアパシフィック地区でも導入を加速しています。

安全基本動作ウェブサイト

安全基本動作ウェブサイト

05安全体感教育の推進

DICでは、2012年の10tトラックで国内を巡回する移動式安全体感機材の導入を皮切りに、安全体感教育を本格化させてきました。2013年からは、常設設備を国内(6ヶ所)に加え、中国(3ヶ所)、台湾、マレーシア、インドネシア、インド、タイに設置し、国内外への展開を進めてきました。このような取り組みを通して、国内グループ会社の休業災害度数率※は、以前のレベルから半減するなど大きな効果が現れています。
DICグループの安全体感教育は、日常の生産活動において一般的に発生しやすいとされている動力機器へのはさまれや巻き込まれ、高所からの墜落・転落、カッターでの切創などの災害事例を疑似体験することで、危険敢行性(危険の受け入れやすさ)を低下させ、危険感受性(危険に対する敏感さ)を高めることで、潜在的な危険に対し「自ら考え、行動し、自分と仲間を守る」という意識変革を起こすことを目指しています。

  • 100万延べ労働時間あたりの労働災害による死傷者数をもって、労働災害の頻度を表すもの。

国内グループ会社の取り組み

2014年には多種多様な事故を疑似体験できる教育施設「埼玉安全体感研修センター」を開設し、新人教育や階層別教育プログラムに組み入れています。また、千葉・堺・北陸・埼玉・鹿島などの各工場でも、自前の体感機器やカリキュラムを整え、安全文化の醸成を図っています。
さらに経験の浅い従業員の被災率低減を目的に、同年からDIC本社およびDICグラフィックスを中心に、新入社員教育カリキュラムに安全体感教育と危険予知トレーニングを必須項目に組み入れています。
2015年には移動巡回用に6種類の体感装置を小型化して各事業所に貸し出し、各職場への巡回教育に活用しています。
また、指導を担当する講師は各事業所の社員が担い、レスポンシブルケア部では「講師ライセンス制度」を設けて講師養成に注力しています。

危険予知訓練の研修(新入社員研修)

危険予知訓練の研修(新入社員研修)

「チェーンとギアによる巻き込まれ」体感

「チェーンとギアによる巻き込まれ」体感

VOICE

危険感受性を高め、自ら考え・改善することが大事だと認識しました

DIC 北陸工場 安全環境グループ主任 砂田 泰

DICにおける事故・災害発生件数は増加傾向にあり、災害速報を見ても非常に残念に感じる発生原因が多く、危険感受性を向上させる必要を強く感じる中で、RC部認定の危険体感第2種講師養成研修を受講させていただきました。危険体感教育は北陸でも行っており、講師として教育してきた経験はありましたが、基本は「してはいけない」を中心に話しをしていました。しかし、第2種講師養成の研修を受けて感じたことは受講者が「自ら感じて、職場に戻って改善点がないか考えてもらう」ことが一番大事だと気づかされました。講師の方も自分の意見を押しつけず、自ら考えられるよう巧みに誘導されており、とても参考になりました。今後は危険体感教育を通じ受講者の危険感受性を高め、自ら考え・改善することで、「残念」な災害が発生しないよう指導に努めます。

DIC 北陸工場 安全環境グループ主任 砂田 泰

静電気災害防止の取り組み

製造現場の作業者が帯電し、蓄積された「静電気」のエネルギーが放電されて、溶剤・溶剤含有物・紛体などに引火し、火災・爆発・電撃などを引き起こすのが「静電気災害」です。
近年は帯電しやすい高分子化合物が多くの産業分野で使用され、季節や場所を問わず事故が発生しています。こうした災害を未然に防ぐには、日頃から静電気の危険性を認識し、予防策を講じることが職場安全の維持向上につながります。
そこでDICでは、2017年3月、専門家による「静電気災害とその予防」をテーマに、東京工場で講座を開催しました。講座では、講演と実技指導を行い、参加した社員106名は熱心に耳を傾けていました。
2019年度には同講座を鹿島工場で開催し、その後、インドネシアのDICグループ会社の4事業所でも開催する計画です。

講座の様子

海外グループ会社の取り組み

海外DICグループでも「安全体感機器」の導入を推進し、中国地区では「南通迪愛生色料」(インキ、有機顔料製造)、「迪愛生広州油墨」(インキ製造)、「常州華日新材(中国)」(合成樹脂製造)、「迪愛禧佳龍油墨(台湾)」(インキ製造)に設置。アジアパシフィック地区では、「DICコンパウンズマレーシア(マレーシア)」(コンパウンド製造)、「PT. DICアストラ(インドネシア)」(コンパウンド製造)に設置しました。
これらの生産拠点では、周辺グループ会社の従業員向けに安全体感講習の開催や指導者の養成にも取り組み、2016年には当体感教育を受けた人数が延べ1万人を突破しています。

タイとインドに安全体感教育設備を設置

2017年8月、サイアムケミカル社(タイ)のサムットプラカーン工場と、DICインディア社(インド)ノイダ工場に、「巻き込まれ」「転落・落下」などを疑似体験する安全体感教育設備を設置しました。
安全体感教育の海外展開は、施設の設置を含めDIC本社の指導のもと進めてきました。また、グループ会社ごとに配置したESH担当者に講師養成教育を行い、彼らが従業員を指導することで各社の安全意識は年々高まっていました。この結果、タイとインドの2社では、現地法人と従業員が主体的に教育設備の導入検討を進めて実現に至りました。

安全体感教育を受講する従業員(サイアムケミカル)

安全体感教育を受講する従業員(サイアムケミカル)

安全体感教育を受講する従業員(DICインディア)

安全体感教育を受講する従業員(DICインディア)

安全体感ルーム

安全体感ルーム

その他の取り組み

合成樹脂を製造する「常州華日新材(中国)」では、安全に関する表示を事業所の随所に設置し、労働安全衛生や保安防災を啓発するなど、安全風土を醸成する取り組みは着実に広がっています。

中国の大型電子看板

中国の大型電子看板

安全体感教育受講者数

国内 DICグループ海外 DICグループ
(中国地区 4社 /アジアパシフィック地区 4社)
合計
2018年度363人1,256人1,619人
2012年度~2018年度累計8,805人4,394人13,199人

TOPICS

事故を未然に防ぐ工夫を広める力に─ベストプラクティス賞

DICのサステナビリティ委員会では、毎年、安全操業に向けた重点取り組みを活動計画に反映しています。その中で、2018年度から国内DICグループ会社を対象に、事故を未然に防ぐための創意工夫に対して「ベストプラクティス賞」を設けて顕彰し、イントラネットを通じてグループ全体に好事例を普及させる取り組みを行っています。

具体的には、毎年、特に注意すべき災害などをテーマに設定し、職場で実施された未然防止の好事例を応募してもらい、工場の安全環境GM等の選考委員の投票で選考し、優秀な事例を表彰しました。2018年度は「転倒の部」「薬傷の部」の2テーマで募集し、転倒の部で33件、薬傷の部で39件の応募があり、各テーマで「最優秀賞」「2等」「3等」が選ばれました。

転倒の部 最優秀賞 DICグラフィックス株式会社 東京工場 総務グループ 白飯 文人

転倒の部 最優秀賞
DICグラフィックス株式会社 東京工場
総務グループ 白飯 文人

薬傷の部 最優秀賞 DIC 株式会社 千葉工場 ポリマ製造1G 製造2課 C 現場 南條 昌幸

薬傷の部 最優秀賞
DIC 株式会社 千葉工場
ポリマ製造1G 製造2課 C 現場 南條 昌幸

労働災害の発生状況

労働災害についても各地域で目標を設定し、ゼロ災害に向けた取り組みを推進しています。
2018年度の休業災害発生件数は、DICグループでは前年度に比べて微増となりました。今後も休業災害の発生原因を徹底的に分析し、作業改善に反映するなどして事故災害の予防に努めていきます。

  • 従業員とパートタイム・契約社員および派遣社員までを対象とし、報告しています。
2016~2018年度の休業災害

安全風土醸成分科会の取り組み

安全風土醸成分科会は、DICとDICグラフィックス(株)の工場安全担当者が、安全に関する方針・施策の議論や提言を行う分科会で、2011年度の発足以来、年ごとに活発化しています。

  • 2012年度:安全の方針に関する提言を行い、職場に潜む危険源を可視化した注意喚起ステッカーを作成。
  • 2013年度:社長安全ポスター制作と「安全基本動作」の習慣化に向けた各職場での輪読を開始。
  • 2014年度:「安全基本動作」をイラスト化した輪読用の冊子を作成。
  • 2015年度:日めくり式の輪読用冊子を編集し、各職場に配布して安全風土の醸成を強化。これらの資料を英語・中国語に翻訳。

2016年度は、中国地区でも輪読が普及し、安全風土の醸成に有効活用されています。
2017年度から18年度にかけて「安全基本動作」の改訂作業に取り組み、2019年1月に改訂版(第5版)を発行しました。

安全基本動作

労働安全衛生

DICグループでは、特定化学物質や有機溶剤など多くの化学物質を取り扱っています。これらの業務に携わる従業員の健康を確保するため、各種の健康診断と作業環境測定を行い、必要に応じて作業環境の改善を実施しています。また、産業医などの専門家、または衛生管理者による職場巡視によって従業員の健康管理に努めています。

協力会社・委託事業者の労働安全衛生

DICグループでは、工場で常駐作業する協力会社・委託事業者、工事・物流に関わる請負事業者については業務委託契約を結び、その中でDICが定める「安全・環境・衛生に関する方針」および「労働安全衛生」に関わる法令遵守を義務づけています。
また、主な生産拠点では「DIC安全協力会」を組織し、事業所の安全管理部門と協力会社・委託事業者が一体となった安全パトロール、化学物質の取り扱い教育・訓練などを行い、全国安全週間(7月)・環境月間(6月)・工場が定める「安全の日」には「安全大会」を開催するなど、講演や優秀事例の発表などを通じて啓発に努めています。

保安防災

基本的な考え方と体制

化学プラントが火災・爆発・有害物質の漏えいなどの事故を起こせば、近隣住民の方々をはじめ地域社会に多大な影響を及ぼし、協力会社を含む従業員に健康被害を発生させる可能性があります。
DICグループでは、こうした事態を未然に防ぐ保安管理体制を構築し、関係法令を遵守した設備を整え、確実な運転・操作と設備の保全管理を行うとともに、万一の事態に備えた防災訓練、地震対策などを計画的に実施しています。
また、安全な生産設備を構築するため、リスクアセスメント(RA)を推進しています。2013年に「DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM)」を制定し、4つの手法と実施時期を示しました。これらを活用し、各事業所で計画的にリスクアセスメントを進めています。
一方で、リスクマネジメントにおけるBCP(事業継続計画)の観点から、2016年度に重点リスクを特定し、緊急対応訓練などで対応力の強化に努めています。

  • DICプロセスリスクマネジメントガイドライン(PRM):生産および研究開発業務におけるリスクの包括的把握と継続的な低減を目的に、取り扱う化学物質や生産工程・生産フォーミュラー、機械設備、作業行動に関わるリスクアセスメントの実施時期や実施体制を示したもの。

プロセス安全管理

プロセス安全事故については、ICCA(国際化学工業協会協議会)ガイドラインに基づき国内事業所を対象に発生件数を測定しています。2018年度は16件発生し、20万労働時間あたりの発生の件数は1.70件でした。
また、国内グループ会社で爆発による死亡災害が1件発生しました。

設備の安全性評価

01設備の安全性評価

DICグループの工場では、化学反応を行うプラントからプレス機などの加工系設備まで種々の装置が稼働しています。工程変更や装置の改造・更新の際には、より安全な工程や生産設備を構築するために、フォーミュラー・工程のRAガイドラインと機械設備のRAガイドラインをもとに、工程の設計・建設、運転・維持、廃棄に至るまで各段階で安全性評価を行っています。2015年度には、機械設備のRAガイドラインの理解深化と利便性向上のため見直し・改訂を行うとともに、静電気による災障害を予防するための教育資料の整備を進めました。

02事故災害分析とタイムリーな情報提供

DICでは、社内外で発生した様々な事故・災害、トラブル事例を収集・分類し、「事故事例集」「労働災害事例集」としてデータベース化しています。事例集では、事故・トラブルの原因、安全のチェックポイントを整理し、DICおよび国内外DICグループ各社に配信して安全教育の場で広く活用しています。

03保安力向上の取り組み

保安力とは、事業所の安全レベルを保つ力のことです。「保安力評価システム」は「安全基盤」(技術的項目)と「安全文化」(組織文化運営管理)に関する質問で構成されています。DICは、自らの保安力を客観的に評価して改善・強化に結びつけるツールとして、2013年度から「保安力評価システム」の運用を開始しています。これは安全工学会と化学産業に携わる技術者が、業界共通のモノサシとして活用するために開発したもので、「保安力向上センター」の会員会社が運用しています。
「保安力向上センター」では、保安力評価システムの普及を促進するため、2015年に加工系事業所用の評価システムと、評価作業の合理化を図るための重点版評価システムを作成。また、2016年には安全基盤と安全文化の評価項目の見直し改訂を行い、化学以外の業種でも保安力評価システムが活用されています。
2017年には、四日市工場と埼玉工場が「保安力向上センター」による保安力評価の審査を受け、2018年には小牧工場と堺工場が審査を受けました。いずれの工場も評価結果をさらなる改善の取り組みに結びつけています。

堺工場

堺工場

小牧工場

小牧工場

VOICE

客観的な評価を愚直に受け入れ、安全レベルのスパイラルアップを

堺工場 工場長 井上 唯之

保安力評価システムは、第三者機関の評価により、自社事業所の安全レベルを客観的に把握し、主体的に安全レベルをスパイラルアップすることを目的としています。
堺工場サステナビリティ活動方針のトップに掲げる「安全操業の確保と労働衛生向上」を達成するためには、工場現場の弱点を克服し、自ら「現場力」を向上させ、現場の安全は自分たちで確保するという意識づけが不可欠です。
強み、弱みとされる指摘、指導結果の内容について、堺工場各担当部署、本社レスポンシブルケア部と精査し、堺工場で対応すべき項目はもちろんのこと、単独の工場のみならず全社として取り組むべき項目についても是正の方向性を見極め、各部署にて実行に移しています。

堺工場 工場長 井上 唯之

緊急対応訓練の実施

DICグループでは、国内外の生産拠点を中心に、日常の保安パトロールや設備の定期点検に加え、万一の事態を想定して様々な緊急対応訓練を計画的に実施しています。

小牧工場防災訓練

小牧工場防災訓練

関西工場防災訓練

関西工場防災訓練

千葉工場 特別防災区域協議会防災訓練

千葉工場 特別防災区域協議会防災訓練

TOPICS

DICグラフィックス宇都宮工場が「栃木地区危険物保安協会・消火技術大会」で初優勝

2018年11月、栃木市大平運動公園で「第20回栃木地区危険物保安協会・消火技術大会」が開催されました。この大会は火災発生時の消火技術向上と日頃の消火訓練の成果を計ることを目的に2年に1回開催されます。
競技は、3部門で行われ2人1組・指揮者と消火者に分かれ、20m先の燃焼皿に燃料を投入・点火し、合図後に消火器で消火を行います。1チームには200点が付与され、指揮者の指示内容・消火器基本操作・消火方法・タイム・態度などが審査され、減点方式で競います。
当日は同協会の加入事業所から26チーム、52人が参加。DICグラフィックス宇都宮工場製造課チームでは、危険物保安協会の部9チームが総合得点175点で初優勝しました。

初優勝の宇都宮工場製造課チーム

初優勝の宇都宮工場製造課チーム

堺工場が中央労働災害防止協会より感謝状を授与

DIC堺工場(大阪府)は、2017年11月に神戸市で開催された「全国産業安全衛生大会」において、中央労働災害防止協会より感謝状を授与されました。堺工場では、職場の潜在的な危険性・有害性を見つけ出し、これを除去・低減するためのリスクアセスメント、新人・転入者やトレーナーの研修など人材育成にも尽力し、ゼロ災害運動を推進したことが高く評価されました。式典には、長年、活動の向上に努めてきた安全環境グループの大川課長が出席しました。

四日市工場が「消防庁長官賞」を受賞

四日市工場(三重県)は、2017年6月に開催された「平成29年度危険物安全大会」において「優良危険物関係事業所 消防庁長官賞」を受賞しました。同工場は、1974年に四日市コンビナートで操業を開始し、食品容器や日用品などの原料に使われるポリスチレンを製造しています。同工場では、危険物保全に係る法令に基づく規程の策定、設備面でのリスクアセスメント、プラント災害や巨大地震を想定した訓練など、危険物の保安管理や社員への保安教育に注力。2004年7月から休業災害がなく、2017年3月末時点で4,649 日の無災害を継続しています。こうした実績が評価され、国民生活の安全確保に顕著な功績があった危険物関係事業所として賞を授与されました。

星光PMC 千葉工場が日化協「安全優秀特別賞」を受賞

DICグループの星光PMC株式会社千葉工場は、2017年5月に開催された一般社団法人日本化学工業協会(以下、日化協)の定時総会において、平成29年度「日化協安全優秀特別賞」を受賞しました。日化協では毎年優れた安全活動を実施し模範となる事業所を表彰しています。星光PMC千葉工場は、「法令とルールの遵守」「作業前の危険予知と指差呼称」「保護具の確実な着用」「化学物質のリスクアセスメント」を重点実施項目として活動し、1973年2月以降44年間無災害を継続していることが高く評価されました。

日本化学工業協会「レスポンシブル・ケア審査員特別賞」を受賞

2016年5月、DICが進めている「安全風土醸成分科会の活動」が労働災害発生件数減少に寄与したことが評価され、一般社団法人日本化学工業協会(日化協)の「第10回 日化協 レスポンシブル・ケア(RC)賞」の「審査員特別賞」を受賞しました。日化協では毎年、RC活動のさらなる進展・拡大を図るため、優れた功績や貢献をあげた事業所・部門・グループまたは個人を表彰しています。

DIC社員が中央労働災害防止協会「緑十字賞」を受賞

DIC小牧工場 安全環境グループの守田グループリーダーが、中央労働災害防止協会の「緑十字賞」を受賞し、2016年10月に開催された全国産業安全衛生大会で表彰されました。
緑十字賞は、長年にわたり産業安全や労働衛生の推進向上に尽力し、顕著な功績が認められた個人およびグループに贈られるものです。守田グループリーダーは、16年間にわたり労働安全・保安防災の業務に従事し、全員参加型の安全活動を展開するとともに、リスクアセスメントガイドラインの制定・整備や体感教育をDIC小牧工場などで推進しました。今回、これらの業績が評価され、一般社団法人日本化学工業協会より推薦され受賞しました。

DIC佳龍が台湾の「国家職業安全衛生賞」を受賞

台湾の迪愛禧佳龍油墨股份有限公司では2016年11月8日、行政院労働部より国家職業安全衛生賞「伝統産業安全衛生投資特別賞」を受賞しました。
この特別賞は、火災爆発防止、作業環境改善、職場環境改善等の安全衛生に投資する活動並びに企業安全文化養成が民間会社では唯一認められたものです。
今後も従業員一同、今回の栄誉を心の励みとし安全衛生管理の向上に向け、さらに改善を進めていきます。

国家職業安全衛生賞の特別賞を受賞したDIC佳龍

国家職業安全衛生賞の特別賞を受賞したDIC佳龍

「伝統産業安全衛生投資特別賞」の盾

「伝統産業安全衛生投資特別賞」の盾

アジア・パシフィック地区で「ESH Country Head Meeting」、中国地区にて「安全環境省エネ会議」を開催

2016年10月24日からの2日間、DIC Asia Pacific Pte Ltd(シンガポール) において、安全・環境への取り組みに関するESH Country Head Meeting が開催されました。当会議には、DIC本社より生産統括担当役員、実務担当部署の責任者を含む5名、DIC-APからは地域統括会社社長、並びにESH担当者4名、各カントリーヘッド3名の計12名が参加し、2017年度のESH活動方針について討議されました。今回は、COP21パリ協定の批准による要請が予想されるCO2排出量削減への今後の取り組みについての目標や課題、並びに省エネ投資等に関して積極的な意見がかわされました。また、労働安全衛生については、安全成績状況や、ベストプラクティスの紹介、安全訓練・教育の有効性について等、幅広い論議がなされました。
また、中国地区においても11月22日から2日間にわたり南通迪爱生色料有限公司において、DIC本社より生産統括担当役員、実務担当部署の責任者を含む5名、DIC-China、DIC-APより、DIC-China董事長、並びに各事業場から43名、DIC-AP ESH担当者2名の計50名が参加し、安全環境省エネ会議が開催され、グローバル・ベースで上記内容について議論されました。

ESH Country Head Meetingを開催

ESH Country Head Meetingを開催

2015年度から中国地区、アジアパシフィック地区の「安全担当者会議」を拡充

DICでは、海外グループ会社への安全支援活動として、中国地区とアジアパシフィック地区の担当者が集結して課題や情報共有を図る「安全担当者会議」を各地区で隔年開催してきました。
会議では、安全成績、マネジメントシステムの導入状況、好事例の紹介、安全訓練・教育の有効性を高める方法や環境保全活動などについて意見交換を行い、安全体感教育も受講して自社に水平展開を図っています。
2014年度はマレーシアで16社24名(日本からの参加を含む)が参加し、「アジアパシフィック地区安全担当者会議」を開催しましたが、各社から「隔年ではなく毎年開催を」との要望が高まり、2015年度から中国地区・アジアパシフィック地区ともに毎年開催することになりました。
特に2015年度からリスクアセスメントに基づく具体的な数値目標を設定して取り組むことから、重点項目や行動計画の進捗報告、自己評価のためのチェックシートの活用、ポスターセッションによる好事例の発表、テーマごとのグループディスカッションなどが予定され、従来にも増して活発な議論やテーマの深耕が期待されます。
安全感度の高い人材育成や安全文化の醸成を鋭意推進するため、「安全担当者会議」を開催し、各グループ会社が着実に実力を高め、レスポンシブル・ケア活動の自律・現地化に向けてステップアップする仕組みを整えていきます。

2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議(マレーシア)全体会議

2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議(マレーシア)全体会議

2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議の安全体感教育

2014年度アジアパシフィック地区安全担当者会議の安全体感教育

2015年3月中国地区安全会議の「なぜなぜ分析事例研修」

2015年3月中国地区安全会議の「なぜなぜ分析事例研修」

局所排気装置の改善レクチャーを開催

DICグループの生産拠点では、有機溶剤などを扱う工程も多数あり、随所に局所排気装置を設置して吸引→燃焼→排気によって換気し、職場の安全衛生を確保しています。しかし、排気ダクトの位置や形状によって十分に機能が発揮されていないケースもありました。
そこで、レスポンシブルケア部では、ブロワ(送風機)・排気ダクト・フードからなる小型モデル機を考案し、2013年度から安全体感教育の一環として国内10工場に設置し、局所排気装置の構造、機能、特徴の理解に活用しています。フランジを装着した場合に吸引効果(風速・臭気など)が数十%高まることを工学的な見地から解説して従業員に改善を促しました。
そして、2015年度には中国地区・アジアパシフィック地区の「安全担当者会議」でもモデル機を披露して原理を解説。現在、青島・南通・広州…と順次、各拠点を巡回しています。

局所排気装置
デモンストレーション用の小型モデル機(フランジ取りつけ済み)

デモンストレーション用の小型モデル機(フランジ取りつけ済み)

中国地区での巡回レクチャー(青島)

中国地区での巡回レクチャー(青島)

設備の高所点検にドローンを活用して保安防災を向上

2017年、DICは樹脂着色剤などを製造する館林工場(群馬県)で、高所設備の点検用にドローンの試験運用を始めました。保全のための設備点検は、建屋の屋根や屋上の配管も含まれ、通常は点検箇所周辺に足場を組み、目視で修繕箇所を特定しています。ただ、この方法では事前に修繕箇所が絞り込めず広範囲に足場を組む必要があり、多大な費用と時間を要します。
そこで上空からドローンで撮影し、修繕箇所の絞り込みや損傷レベルを事前に確認し、高所の点検作業を大幅に効率化するのがねらいです。ドローンの飛行には様々な規制が設けられていますが、同工場は人口集中地域やコンビナート地区に該当しないことから幅広い用途を検討しています。
4月に行った同工場での防災訓練でも、ドローンによる観察の効果が確認できました。上空から撮影することで、従業員の避難行動や避難動線の把握、消火訓練の様子を離れた場所に設置される防災本部でもリアルタイムで確認でき、映像分析によって改善点を発見する取り組みにも役立っています。

ドローン「Phantom 4Pro+」

ドローン「Phantom 4Pro+」

ドローンによる上空からの撮影(上部の錆を確認)

ドローンによる上空からの撮影(上部の錆を確認)

ドローンによる撮影 防災訓練の様子

ドローンによる撮影 防災訓練の様子

DIC社員が中央労働災害防止協会「緑十字賞」を受賞

レスポンシブルケア部環境安全担当の大平部長は、中央労働災害防止協会(以下、中災防)の「緑十字賞」を受賞し、2014年10月22日に開催された全国産業安全衛生大会において表彰されました。
中災防は、企業が行う安全衛生活動を支援し、毎年、長年にわたり産業安全や労働衛生の推進向上に尽力し、顕著な功績が認められた個人およびグループなどに緑十字賞を贈り、表彰しています。
大平部長は、27年間にわたり労働安全・保安防災の業務に従事し、全員参加型の安全活動を展開するとともに、リスクアセスメントガイドラインの制定・整備や体感教育をDICグループ内で推進しました。
また、安全工学会(非特定営利団体)の保安力向上センターで、事業所の保安力を評価し向上を図るための評価システムの構築や普及活動に参画しました。
併せて、中国とアジア・パシフィック地区のグループ会社によるグローバル安全会議を開催し、海外事業所の安全管理水準向上とレスポンシブル・ケア活動の浸透を図りました。今回、これらのことが評価され、一般社団法人日本化学工業協会より推薦を受け、受賞に至りました。

緑十字賞を受賞した大平部長

緑十字賞を受賞した大平部長