お客様とDIC ~社会課題のビジネス展開 8 働きがいも経済成長も 9 産業と技術革新の基盤をつくろう 11 住み続けられるまちづくりを

主な取り組みの目標と実績

ソリューション事業の提案

2018年度 目標 バリューチェーンを常に意識した的確なマーケティング活動の実行と当社の製品軸および顧客・地域軸でのビジネス基盤を拡大し、連結売上高拡大に貢献
2018年度 実績 バイオベンチャー企業との連携および、熱伝導性フィラー、環境センサの開発などの次世代事業の構築を推進することで、新規有望市場への参入が着実に進捗
評価 ★★★
2019年度 目標 サステナビリティを高める次世代事業の構築と、サプライチェーンを意識したソリューション提案強化に向け、外部連携を強化し早期事業化に臨む
2018年度 目標 国内外で関連業界向けの展示会に出展し、DICブランド力向上に取り組むとともに、デジタル化を推進し、その効率化を図る
2018年度 実績 TOKYO PACK 2018、ファインテックジャパンやChinaPlus 2018などに出展。顧客向けプライベート展示会を実施
評価 ★★★
2019年度 目標 国内外で関連業界向けの展示会に出展し、DICブランド力向上に取り組むとともに、デジタル化を推進し、その効率化を図る
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

社会的ニーズに答える新事業の推進“New Pillar Creation”

DICグループは、気候変動や、デジタル社会、都市化、長寿社会など数多くの社会課題に対し、当社が果たすべき領域を特定し、課題の解決へと結びつける製品を世の中に提供することで、社会とDICグループ双方の持続的発展を追い求めることが使命であると考えています。
この使命をより明確に具現化すべく、新中期経営計画「DIC111」では新たに“Value Transformation”と“New Pillar Creation”という2つの事業開発ベクトルを導入します。“Value Transformation”では、より差別化された高付加価値事業へのシフトや社会的価値を意識した事業への転換を通じ、基盤事業の質的転換を図るためのベクトルです。
一方“New Pillar Creation”は、社会課題と社会変革を起点に新たな事業を創出するために、これらとDICグループのコンピタンスとが交わる領域にフォーカスし、新事業のターゲットを定めるためのベクトルです。以下、社会課題を解決する新事業(社会課題のビジネス展開)の推進、“New Pillar Creation”の活動について紹介します。

“New Pillar Creation”を実現する新たな体制

デジタリゼーションを代表とする社会変革が叫ばれる昨今、目まぐるしいマクロ環境の変化を見据えた新事業の柱を早急に構築するには、事業創出プロセスを最大限高速回転させる、さらなる機動力の強化が必要です。一つの事業を創出し、かつ完遂させる部隊として、企画・開発から製造・販売までのすべての事業プロセスを担う新たな体制を構築しました。
DICグループは、この実施部隊として新事業統括本部を新設し、4つの重点領域を特定し、DICの独創性で社会に役立つ製品による次世代事業の柱を築いていきます。
4つの重点領域には、各々の技術や業界に精通した精鋭を集結しました。専門性とコミュニケーションを高度化するとともに、産学連携や有力ベンチャーなどとのオープンイノベーションを積極的に活用し、新事業の早期樹立を推進していきます。

新事業統括本部の4つの重点領域

社会要請に貢献する“New Pillar Creation”製品

01エレクトロニクス分野で安心と快適な社会に貢献(コンパウンド技術で熱マネジメント材料)

デジタル機器が小型化、高速化することで我々の生活が便利になっている反面、安全性を確保するための熱マネジメントの重要性が益々高まっています。
DICは、熱を素早く発散・放熱させる機能を持つ熱伝導性フィラーの開発を進め、従来よりも簡便に無機酸化物の単結晶を合成できる独自の技術を応用することで、無機フィラーの結晶性を向上させるとともに、その形状、大きさの制御を可能としています。フィラー粒子の特徴ある形状と高い結晶性は、優れた機械的特性を得ることも期待できます。

特殊形状熱伝導性フィラー(開発品)

02デジタルトランスフォーメーションで快適空間に貢献(複合化技術で環境センサー)

低炭素社会の実現に向けたオフィスビルの電力最適化(スマートビルディング)、人々の健康や快適さの向上(ウェルビルディング)が、都市空間の持続性に不可欠です。
DICグループは、商業施設やオフィスビルなど施設内の温度や湿度、照度のセンシングに用いる環境センサーを開発し、2018年秋より複数企業との実証実験を開始しました。DICグループが素材複合化で実現したこの環境センサー(薄さ5mm・重さ20g)は、薄い・軽い・柔らかい・曲げられる筐体を実現し、これまでにない設置場所の自由度をもたらします。この筐体を実現するため、環境センサーの中に搭載されているフレキブル回路基板には、当社グループ製品である配線用導電性インキ「SunTronicTM」(サントロニック)を使用。また、設置時に固定する方法として、再剥離可能な粘着テープ「DAITAC®」(ダイタック)を採用、「貼る、剥がす」という簡単な設置・撤去方法で、設置作業の簡便化と、設置後の移設性を実現しました。

環境センサーの外観とフレキシブル配線基板

03ライフサイエンス分野で効率性と利便性に貢献(融合技術で光造形3Dプリンタ用材料“TrinDyTM”)

高齢者の歯科治療受診者が増加している中、歯科技工物を作成する技工士が不足する問題があり、対策の一つとしてデジタル活用での歯科技工物作成プロセスの効率化が進められています。その中で3Dプリンタを使用した歯科技工物の作成が浸透しはじめています。
3Dプリンタはスキャンしたデータを忠実に立体形状に造形できる事から、細かな形状が必要な分野での活用が進んでいます。
DICは、独自のポリマ技術とコンパウンド技術の融合により、精密形状を造形できる光造形用3Dプリンタ材料TrinDyTMを開発しました。歯科用途向けのサージカルガイド(インプラント手術ガイド)用材料、歯科模型用材料等の製品ラインナップを揃え、ISO13485(医療機器品質マネジメント国際規格)の取得に向けて取り組み、デジタル化に適合させた製品によって社会構造の変化に対応した製品提供を進めています。

TrinDyTMでつくった3D成型物

DICグループの材料を身近に

DICグループの製品および開発品を、ステークホルダーに間近にご覧いただくため、毎年、主要な展示会に出展しております。
2018年は、ファインテックジャパン(幕張)、JPCAショー(東京ビッグサイト)、ケミカルマテリアル(横浜)で快適なデジタル社会をテーマにした新素材の提案、TOKYO PACK 2018(東京ビッグサイト)では海洋プラスチック問題をテーマにした新材料、外食FOOD TABLE(幕張)では健康・安全をテーマにした製品を出展しました。また海外では、自動車軽量化に訴求したプラスチック材料をPLASTINDIA 2018(ガンディーナガル)、China Plus 2018(上海)にて出展、その他にPaint India 2018(ムンバイ)、Security Printers 2018(ダブリン)、In-Cosmetic 2018(アムステルダム)等、特定セグメントに絞った数々の展示会にも出展し、マルチステークホルダーとの対話を促進いたしました。
今年も同様に、展示会を通じ、DICグループの製品、開発品、要素技術を紹介し、マルチステークホルダーの意見を吸収し、“DICならでは(DIC独自)”で解決し、社会に役立つ材料を提案していきます。

ファインテックジャパン

ファインテックジャパン

VOICE

あらゆる人々の持続可能な将来に向けた、次世代事業構築を推進

新事業統括本部 マネジャー 小林 伸生

新中期経営計画「DIC111」策定において、SDGsに代表されるサステナビリティを、如何に次世代事業の構築に組み込むか、多くの議論を重ねました。その結論の一つが、事業を評価する一つの軸、サステナビリティ指標の新たな導入です。サステナビリティと表現される持続可能性とは、誰にとってのものなのか。それは顧客のためだけでなく、CSRと呼ばれる社会に対する責任だけでもなく、それは製品を生み出す従業員を含む我々DIC グループと、製品をお使いになる顧客の皆様と、そして製品が最終的に貢献するこの社会、いずれもが、持続可能な将来に向かうものでなければなりません。DIC グループは、この考えに則った次世代事業の構築を推進します。

新事業統括本部 マネジャー 小林 伸生

TOPICS

DICの製品、知見をタイの交通安全に

WHO(世界保健機関)の統計(2015年)によると、タイの10万人当たりの交通事故死者数は36.2人で世界第2位、日本の約8倍にもおよびます。日本では、道路の安全対策の一つとして、ドライバーの視認性を高めるカラー舗装が多く用いられ、交通事故低減に効果を発揮しています。タイでも空港周辺や観光地周辺はカラー舗装が見られるようになりましたが、特に雨天時には対スリップ性が十分でないとの報告があります。そこでサイアムケミカル社(タイ)は、日系フォーミュレーターと共同で、カラー舗装の中でも日本で実績のある2つの機能を両立した「遮熱滑り止め舗装」を検証し、タイ政府機関への紹介を開始しました。2つの機能とは、1.スリップ抑制効果がある滑り止め機能、2.ヒートアイランド対策や道路の耐久性向上が期待できる遮熱機能です。
サイアムケミカル社(タイ)は、日本で培った技術をタイに展開する事により、タイにおける交通事故低減、さらにはヒートアイランド対策に貢献していきます。

遮熱滑り止め舗装

遮熱滑り止め舗装

サイアムケミカル社(タイ) 橋上施工部(空撮)

サイアムケミカル社(タイ) 橋上施工部(空撮)

遮熱滑り止め舗装の構成図

お客様とのつながり

DICグループでは、将来を見据えた事業ドメインに経営資源を集中させるとした中期経営計画の基本方針のもと、2018年も国内外の展示会を通じてお客様とのコミュニケーションを図りました。
国内では、ケミカルマテリアルJapan 2018(5月)で蓄熱シートなど最新技術を、TOKYO PACK2018-2018東京国際包装展-(10月)で、社会課題に対するDICのソリューション提案として食品紙器内面用耐水・耐油性コーティング剤などの環境対応製品を出展し、お客様へDICグループの提供する新しい価値をご説明しました。海外では、インド最大級の塗料関連材料展示会 Paint India 2018(3月)に出展し、発展著しいアジア市場のお客様とのコミュニケーション強化を図りました。
創業110周年を迎えた2月には、東京、名古屋、大阪の3ケ所でお客様、取引先様約1,000名を招待して「110周年 感謝の会」を開催しました。今後もお客様、お取引先様とともに発展していくことが目指すべき姿であることを約束しました。
4月には、東京工場内にDICパッケージソリューションセンターを開設し、主に食品や日用品向けに使用されるパッケージにおいて企画・デザインから商品化までをお客様とともに創り出す場をご提供していきます。
5月には、アジアカラートレンドブック2019–20の発刊を記念して、本社にて新刊披露交流会を開催し、DICグループのColor&Comfortを体現するユニークな取り組みをご紹介すると同時に、様々な異業種の皆様の接点をつくり、新たな価値を創出する場となりました。
また、顧客満足度を示す指標のひとつとして、2013年より運用している基幹システムを用いて、顧客が継続的にDICの製品を使用している割合を測定しています。顧客満足度の把握とその改善については継続的に取り組んでいます。

CITE Japan

CITE Japan

創業110周年感謝の会

創業110周年感謝の会

デジタルマーケティング

DICグループではデジタルマーケティング活動に注力してきました。従来は、お客様とのコミュニケーションは、営業の訪問活動等の対面での対応が中心でした。しかし、電子メール、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ウェブサイト等の電子コミュニケーションの発達・浸透とともに、お客様からのご要望がそれらの媒体を通してのものに急速に変化してきました。そこで、DICグループは、お客様のご要望にいち早く対応するために、これらの電子コミュニケーションを活用したマーケティングオートメーションを導入しました。
ご要望にタイムリーに対応することで、お客様とのコミュニケーションの強化を図りました。

関連リンク