社外取締役メッセージ

DICには、正直、誠実、優しさみたいなところがあって、良い文化を持っていると思います。

社外取締役 塚原 一男

社外取締役
塚原 一男
2008年4月 株式会社IHI 取締役 
常務執行役員
2012年4月 同社 代表取締役副社長
2014年6月 同社 顧問

豊かな企業風土

2017年に社外取締役に就任して、まず、「Color & Comfort by Chemistry」という経営ビジョンに心惹かれました。文明の発展とともに、豊かさの価値が、物質的なものから精神的なものへと移行しつつある今の時代に良く合っていますし、独自性の高いビジョンだと思います。このビジョンに向かって、当社の技術軸と事業軸とが明確に整合する経営戦略、例えば、顔料とポリマの技術をさらに深掘りし、事業を展開していく取り組みが大変良いと思います。この戦略を実行に移す推進力は、まさに当社の豊かな企業風土から育まれているのだと感じます。それは、ESG経営への取り組みでも明らかなように社会動向への「柔軟性」と、安全・品質を重んじる文化から醸成される仕事に打ち込む「真面目」さだと思います。

機能的に整備されたガバナンス体制

取締役会では、活発な議論が行われており、その実効性を高く評価します。社外取締役からの時には厳しい意見を受け入れ、経営に活かそうとする懐の深さを感じます。また、従前より、委員長を社外取締役が務める役員指名委員会と役員報酬委員会を設置しており、それぞれ社外取締役が過半数を占め、ガバナンスは正しく機能していると考えます。

さらなる飛躍を目指すために

出版・広告媒体の需要低減など変化する外部環境を真摯に受け入れ、印刷インキから新しいビジネスを貪欲に探索することが肝要です。この点、当社には強いマーケティング力と技術力があり、Value TransformationとNew Pillar Creationという2つの基本戦略を切り口に推進していけば、次世代にも貢献できる会社になり続ける資質があると思います。
その中で特に配慮しておきたいことを2つあげておきます。今注力しているデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進では、まだ個々の事業組織の断片的な変革にとどまっているように見えます。DXが実現された世の中を想定し、ビジネスのあり方そのものを変えるくらい総合的かつ体系的に取り組むことが必要だと思います。
また、既存領域の深掘りは得意なのですが、もっと他業界の動向に関心を持ち視野を広げることが重要です。現在、自動車のEV化、自動運転、AIを活用したロボティクスが注目されています。当社は、自動車業界にはアンテナを張っていますが、ロボットなどの機械業界にも是非目を向けてほしいと思います。介護や医療など人と共存する民生ロボット分野にも、ビジネスチャンスは必ずあると確信しています。

スパイスの効いた化学会社に

100年以上の歴史を持ち、高い技術力と営業力を持つDICではありますが、企業は変わっていかなければなりません。M&Aにも積極的ですし、組織に新しい風が吹き込み、“印刷インキのDIC”からどのようなDICに変革していくのか、大変興味深いです。今後は、経営ビジョン「Color & Comfort by Chemistry」に根ざした、ユニークでピリッとした製品を生み出す、スパイスの効いた化学会社になっていくことを期待します。その実現に向けて、私のこれまでの経験を活かしながら、全力でサポートしていきたいと思います。