社外取締役メッセージ

社外取締役 昌子 久仁子

スピード感のあるイノベーションで
社会課題の解決を

社外取締役
昌子 久仁子
2004年6月 テルモ株式会社 執行役員
2010年6月 同社 取締役 上席執行役員
2017年6月 同社 顧問

ガバナンスの実効性は非常に高い

2019年に社外取締役に就任し、4年目に入りました。100年以上の歴史を持つ会社ですが、当初私が予想していたよりもずっと明るくてオープンな雰囲気だったのが印象的でした。皆さんがとても誠実に業務に励み、会社をしっかり支えていることを日々実感しています。その姿勢がお客様に伝わり、お客様の信頼を得て、100年以上の歴史につながっているのだと思います。また、取締役会の場では、議題について自由闊達に意見が交わされ、議論の質も高いと思います。DICのガバナンスの実効性は非常に高いと評価しています。

スピード感を持って社会課題の解決を

物事に対して真摯に取り組む風土があることは紛れもない事実で、私はこの点を高く評価しています。その一方で、計画や目標に対して、スピード感を持ってやり遂げようとする執着心という点はやや希薄に感じられます。やり遂げてみせるという情熱があれば、そのエネルギーが社内に伝播し、ゆくゆくは大きな強みになるでしょう。また、やり遂げるためにはイノベーションが必要です。イノベーションというと、ゼロから生み出すハードルが高いものと思われがちですが、今あるもの同士を組み合わせるといった発想の転換もまたイノベーションです。
課題への情熱を醸成するには、社員一人ひとりが、DICで働くことで成長できると実感し、また、会社に貢献したいという気持ちを抱けるかどうかが鍵だと思います。「DIC Vision 2030」では“人的資本経営の強化”を謳っています。エンゲージメント向上や人材育成が重点施策になっており、これらの各種施策に賛同します。しかしながら、エンゲージメント向上や人材育成の取り組みは、一朝一夕に結果が出るものではありません。社員に対して、惜しみない教育を継続的に提供していくことが、次の世代の担い手を育成する意味でも重要です。

次の100年を視野に果敢なチャレンジを

私たちは2020年、新型コロナウイルス感染症の脅威に翻弄されました。どんな時代においても困難な状況は発生し、難しい選択を迫られます。失敗を恐れず困難を楽しむことがリーダーに求められる資質だと思います。これまでのDICの100年も、発展のために事業を拡大、あるいは、集中させるなど変化の連続でした。この先の100年を考えた時、DICが社会に対してどのような貢献ができるかという視点を持って、DICの存在理由や存在意義を社員が積極的にディスカッションして理解を深め、納得して業務に当たってほしいと思います。そして、変化を恐れずチャレンジしていくことです。
サステナビリティがますます企業価値として求められる時代です。社員が働き甲斐を持ちながら、グループ一体となって社会課題を解決していくことが肝要です。困難に直面した時こそがチャンスです。皆さんの奮闘を期待するとともに、今後も全力でサポートしていきます。