水質源の管理

主な取り組みの目標と実績

生産拠点の水リスクを評価し、対策を管理

目標の範囲 グローバル
2021年度 目標 水リスク評価の実施とリスク拠点の対策実施率20%
2021年度 実績 水リスク拠点の対策実施率24%
評価 ★★★
2022年度 目標 水リスク拠点の対策実施率50%
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

方針および体制

基本的な考え方

DICグループでは、事業活動に関する水リスクを把握し、水資源の有効活用に取り組んでいます。

水資源の節減・管理は世界共通の重要課題です。DICグループは、生産における設備の冷却や製品への使用、そして従業員の飲用として、複数の水源から取水しています。そして、排水する際は、国・地域の規制と同等以上の自主基準を設けて浄化処理し、河川等に排出しています。
DICグループでは、グローバルに各生産拠点における水リスクを評価し、対策を実施しています。そして、水資源の有効活用に取り組んでいます。

2021年度の活動と実績

01水リスクの評価

水リスクは渇水、洪水、水質など広範なリスクを含み、また地域により発生するリスクが異なることから、近年は、世界自然保護基金(WWF: World Wide Fund for Nature)が提唱する地域の課題を踏まえた目標設定(「Setting Site Water Targets Informed By Catchment Context: A Guide For Companies」)が求められています。一般的に、水リスクの評価方法としてはAqueductが用いられており、DICグループでも2018年度よりAqueductを用いて世界中の各事業所の評価を実施してきました。しかしながら、Aqueductの評価結果は、その事業所が位置する地域の水リスク(外部要因)だけであり、事業所における「操業上の水リスク」(内部要因)が加味されていませんでした。
そこで、DICグループでは、第三者機関の指導の下、上記2つのリスクをグローバル共通の水リスク評価方法を構築し、日本・中国・アジアパシフィックの各拠点をスクリーニング評価しました。具体的には、水リスクの種類を「渇水」「洪水」「水質」等の項目に分類しました。そして、それぞれの項目に対して、各拠点の「地域の水リスク」と「操業上の水リスク」のスコアを2軸でマッピングし、右上のゾーンに位置する拠点をリスク拠点として判定しました(下図)。「地域の水リスク」はAqueductで評価し、「操業上の水リスク」は当社の調査票により評価し、それぞれスコア化しました。このスクリーニングの結果、17拠点がリスク拠点として抽出されました。
次に、各生産拠点がDICグループ全体に与える事業インパクトをもとに優先順位化を行い、事業インパクトの上位90%に該当する4拠点を優先拠点としました。そして、2021年度は、この優先4拠点の対策を、第三者機関の指導の下、実施・確認しました(実施率24%)。今後、2024年度まですべてのリスク拠点の対策を実施していきます。この後、2025年度に水リスク評価の基準を厳格化して、よりリスクレベルが低い中リスク事業所を抽出します。そして、2030年に向けて中リスク事業所に関しても対策を順次実施する計画です。

  • 世界資源研究所(WRI)が提供する水リスクの評価ツール。世界186ヶ所の水ストレス、旱魃リスク、洪水リスクを地図上で表示している。正式名は「Aqueduct Water Risk Atlas」。
「地域の水リスク」「操業上の水リスク」マッピングの例による評価例

「地域の水リスク」「操業上の水リスク」マッピングの例による評価例

水リスクアセスメントのロードマップ(2021~2030年度)
「Aqueduct 」評価例

「Aqueduct 」評価例

02取水量・排水量の管理

DICグループでは2017年度より水資源管理に関するデータ集計項目をGRIガイドライン※に基づいて変更し、取水源および排水先ごとの水量を把握しています。
2021年度は、国内DICグループの取水量27,625千m³(前年度比103%)、排水量26,094千m³ (同103%)となり、それぞれ微増しました。
一方、海外DICグループに関しては、取水量8,632千m³(同90%)、排水量6,481 千m³ (同84%)と、それぞれ減少しました。よって、 DICグローバルで総取水量36,257千m³ (同99%)、総排水量32,574 千m³ (同99%)と、ともに前年度と同等でした。

  • 国際NGO のGRI(Global Reporting Initiative)が発行する持続可能性報告のための国際的なガイドライン。
2019~2020年度の取水量

03水使用量削減への取り組み

DICグループでは、水の用途の多くは設備の冷却であるため、クーリングタワーなどにより水のリサイクルに努めています。また、DIC総合研究所(日本・千葉県)やサイアムケミカル社(ベトナム)においては、排水においてゼロエミッションを達成し、水資源への負荷低減に努めています。
DIC総合研究所では、日量約60m³の事業所用水を地下水で賄い、2/3を生活用水として、1/3を研究(産業)用水として使用しています。使用後の生活廃水は合併浄化槽にて処理後、トイレフラッシングとして再利用する一方、研究廃水は生物処理および物理・化学処理して水質を上水レベルにまで浄化後、冷却用水、器具洗浄水等の研究中水として再利用しています。最終の余剰水は、敷地内に設置された蒸発散装置により大気放散し、敷地内での完結処理とした完全クローズドシステムを確立しています。また今後、取水量の低減を目的として、再利用水の水質向上のため、純水化設備の導入計画を進め、水資源の確保に努めてまいります。

04CDP水セキュリティ2021

CDP(Carbon Disclosure Project)は、温室効果ガス排出削減や水資源管理、森林保全を促進している国際NGOです。現在、世界の機関投資家を代表して、主要企業の環境分野に関する取り組みの情報を収集し、評価しています。DICは、2021年度のCDP水セキュリティにおいて「B」評価でした。今後も、水セキュリティ対応を強化し、評価向上を図っていきます。

TOPICS

Qingdao DIC Liquid crystal Co., Ltd.(QLC)における廃水臭気除去装置の導入

大気汚染防止や環境負荷低減、そして周辺企業からの苦情リスクを低減するため、2019年10月末にQLC社は約50万元を投資し、廃水処理場に臭気除去装置を導入しました。廃水処理場の接触酸化ピット、沈殿ピット、清水ピットなどを密閉とし、臭気を配管とファンにて収集後、生物処理で臭気を除去し、処理後の気体は既存の煙突にて排出するようにしました。2020年1月に運用を開始した結果、臭気はほとんどなくなり、周辺環境に対して大きな効果が出ました。

密閉化して臭気対策を行った中水ピット

密閉化して臭気対策を行った中水ピット