CFOメッセージ

健全な財務体質を維持しつつ「攻め」の経営へ。
大型M&Aの実施と新事業創出により事業ポートフォリオ転換を加速します。

Sun Chemical Corporation President & Chief Executive Officer Myron Petruch

最高財務責任者、
執行役員財務経理部門長
古田 修司

基本方針

当社は、健全な「財務体質」を維持しつつ、事業ポートフォリオ再構築のための「成長投資」と利益成長に応じた安定的な「株主還元」の3つの政策をバランス良く実行していくことを目指します。また、経営指標として、D/Cレシオ※1(財務健全性)、ROE(資本効率)、配当性向(株主還元)、EBITDA※2(キャッシュフロー創出力)を設定、株主価値の最大化を図ります。

Sun Chemical Corporation President & Chief Executive Officer Myron Petruch

健全な財務体質

当社は、財務健全性の評価指標として、D/Cレシオを50%程度以下に維持することを目標にしております。2011年度末に73%まで悪化していたD/Cレシオは、事業活動からのキャッシュフローと着実な利益蓄積に加えて、グローバルベースで資金効率向上に取り組んだ結果、2020年度末には43%まで改善。2021年度末は、欧州化学メーカー最大手のドイツBASF社が保有するグローバル顔料事業の買収により、有利子負債が増加しますが、財務方針であるD/Cレシオ50%程度を維持する見込みです。さらに資本性の認められる劣後借入(600億円)の実施や資産の売却、運転資本管理の強化を通じて、健全な財務体質を目指します。
また、当社は、資本効率を測定するために、ROEを評価指標として設定、事業部門ごとのROICを可視化し社内に浸透させております。新たな成長投資に加えて、低成長・低収益事業からの撤退基準を設け、積極的に資産売却を実施、低収益性事業から高収益性事業へのポートフォリオ転換を推進、資本効率の向上を目指します。
キャッシュフローの創出力の測定としては、EBITDAとCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を評価指標としております。従来の収益性を中心とした評価指標にEBITDAを加え、CCCの短縮化に取り組むことでよりキャッシュフローを意識した経営を行い、株主価値向上を図ります。

財務体質

成長加速のための投資

当社は、基本戦略である事業の競争力を高め、持続的なキャッシュの創出を目指す「Value Transformation」と社会課題や社会変革に対応し、社会課題の解決に貢献する新事業の創出を目指す「New Pillar Creation」を推し進め、事業ポートフォリオの転換を図ります。「Value Transformation」に係る投資戦略の一環として、前中期経営計画「DIC108」では、2017年に太陽ホールディングスと資本業務提携しエレクトロニクス分野の基盤を強化、2018年には貨幣等に使用されるセキュリティ印刷用インキメーカーの買収や、化粧品用顔料の原料メーカーの買収を行うなど、事業ポートフォリオの転換を進めてまいりました。
さらに成長を加速させるために、「DIC111」では、2019年に、過去最大規模の買収案件となる985百万ユーロ(約1,248億円)※3で、BASF社顔料事業を買収することで最終合意し、2020年には米国Sensient社よりテキスタイル用ジェットインキ事業を営む子会社を買収しました。事業の高付加価値領域への質的転換により事業体質の強化を図ります。
また、「New Pillar Creation」においては、社内に新事業統括本部を設置、エレクトロニクス、オートモーティブ、次世代パッケージング、ヘルスケアの4つを重点領域とし、コーポレートベンチャーキャピタルへの投資などオープンイノベーションも活用し、新事業創出や先端技術へのアクセスを加速してまいります。

サステナブルな事業推進に向けて

当社は、ESG評価に基づく融資契約を締結し、ファイナンスの側面からもSDGs目標の達成に貢献してまいります。2019年9月には、グローバルでの気候変動に対する当社の取り組みが評価され、株式会社みずほ銀行との間で、みずほ情報総研株式会社の環境評価モデルに基づく融資商品である「Mizuho ECO Finance」契約を化学業界で初めて締結しました。2020年9月には三井住友信託銀行株式会社との間で、資金用途を特定しない事業会社向けポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)に関する契約を締結しました。PIFは企業活動が環境・社会・経済に及ぼすインパクトを包括的に分析・評価し、当該活動の継続的な支援を目的とした融資です。

安定的な株主還元

当社は、安定した株主還元をベースとして、利益成長に応じた配当支払いを実行してまいります。「DIC111」で連結配当性向30%を掲げており、中期的な配当水準の目安としております。2020年度の配当については、中間配当50円、期末配当50円、通期100円(対前年同額)となりました。2021年度については、通年100円を見込んでいます。

  • D/Cレシオ=有利子負債/(有利子負債+純資産)。
  • EBITDA=親会社株主に帰属する当期純利益+法人税等合計+支払利息-受取利息+減価償却費+のれん償却額。
  • 上記取得金額は、対象事業の企業価値(1,150百万円ユーロ)から2018年度末時点の現預金・借入金等の残高を調整した金額(参考値)です。円換算レートは1ユーロ=126.75円です。