社員とDIC ~人材マネジメント 3 すべての人に健康と福祉を 4 質の高い教育をみんなに 5 ジェンダー平等を実現しよう 8 働きがいも経済成長も 10 人や国の不平等をなくそう

主な取り組みの目標と実績

グローバル経営のための人材育成と人事インフラ整備

2021年度 目標
    (人材育成)
  • グローバル経営体制への移行を視野に幹部人材開発の実施
  • 複数階層のグローバル人材育成の実施
2021年度 実績
  • 経営幹部候補を対象とした人材開発を実施
  • 管理職層および、選抜人材を対象としたグローバル人材育成研修の実施
評価 ★★
2022年度 目標
  • グローバル経営体制への移行を見据えたタレントマネジメントの枠組みの構築検討
  • 選抜人材を対象とした人材開発の継続
2021年度 目標
    (人事インフラ)
  • グループ人材データベース、人事システムの導入検討
2021年度 実績
  • グループ人事システムの本格導入検討を開始
評価 ★★
2022年度 目標
  • グローバル人事システムのあるべき姿およびロードマップの策定

多様性のある人材確保と活躍支援

2021年度 目標
    (女性活躍推進)
  • 多様性の理解を促進する施策の検討と実施
2021年度 実績
  • 多様性を理解するための情報発信を実施
  • 現状把握と分析を行い、施策の見直しを実施
評価 ★★
2022年度 目標
  • ダイバーシティ&インクルージョンの促進に向け、特にインクルージョンに注目した活動を推進
2021年度 目標
    (障がい者雇用推進)
  • 引き続き特別支援学校との関係強化
  • 他企業の特例子会社との情報交換
  • 障がい者雇用率2.65%維持
2021年度 実績
  • 特別支援学校との関係強化のため、各校の実習生の積極的受け入れ
  • ろう学校から初めて採用決定
  • 障がい者雇用率2.60%達成
評価 ★★★
2022年度 目標
  • 引き続き特別支援学校を中心とする各校との関係強化
  • 障がい者の方の定着支援
  • 障がい者雇用率2.60%維持

社員の人権、安全、健康施策の推進

2021年度 目標
    (人権保証)
  • 世界で発生している人権問題とそれに対応した国連や各国の人権尊重の最新動向を把握し、国内外DICグループ会社が人権侵害に加担することのないよう指導する
  • 人権リスクの想定される国に展開するDICグループ会社に人権デューデリジェンスを実施し、個別指導を通して人権リスクの低減に取り組む
2021年度 実績
  • 継続してグループ内の各社への人権方針の周知
  • マレーシアのグループ会社について人権デューデリジェンスを実施
評価 ★★
2022年度 目標
  • 世界的な人権問題への関心の高まりの中、国連や世界各国の取り組みを踏まえ、継続的にグループ内の各社への人権方針の周知
  • インド、中国のグループ会社について人権デューデリジェンスを実施
2021年度 目標
    (健康施策)
  • メンタルヘルス不調の未然防止と早期発見のための諸施策実施
  • ヘルスリテラシーを向上させる諸施策の実施
2021年度 実績
  • メンタルヘルス産業医によるメンタルヘルスケア研修の実施
  • スポーツクラブと共同の健康づくりセミナーの実施
評価 ★★★
2022年度 目標
  • メンタルヘルス不調の未然防止と早期発見のための諸施策実施
  • ヘルスリテラシーを向上させる諸施策の実施
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

人材マネジメントの基本的な考え方

DICグループは、経営ビジョン<彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに>を社員一人ひとりの業務を貫く大義として位置づけ、「社会的利益追求という共通課題解決に向けて、多様な社員が一体感を持ちながら協働していくエンゲージメントの高い組織」を目指します。そのために、人材を経営戦略実行における重要な「資本」としてとらえ、社員一人ひとりの人権・安全を保障し、多彩な人材が働き甲斐を感じられる職場環境や、自律的成長を促す制度、インフラ作りを行います。
また、会社の持続的成長のためにグループワイドに活躍できる人材の育成および、グループの組織力向上に取り組んでいます。

1. 人的資本経営の強化

1. 人的資本価1 値を最大化する戦略的人材ポートフォリオ構築

DICグループは、「The DIC Way」の理念のもと、日本に所在するDIC本社が、中国地域(DICグループでは台湾、香港も含む)、アジアパシフィック地域および、欧米・中南米・アフリカ地域に各々所在する地域統括会社と連携し、各人材マネジメント施策を推進しています。
2022年2月に発表した長期経営計画「DIC Vision 2030」では、人材を経営戦略実行における重要な「資本」としてとらえ、「人的資本価値を最大化する戦略的人材ポートフォリオ構築」実現のために、3つの重点施策と、それを支える人事機能プラットフォームの整備を打ち出しました。
具体的には「人材育成」、「人材流動性(採用・維持・サクセッション)」、「エンゲージメント向上・組織力向上」を重点施策として位置づけ、同時に「働く枠組み」、「リスクマネジメント」、「カルチャー/働き方改革」の観点から人事機能プラットフォームの整備を行い、人的資本経営の強化に取り組んでいます。

「DIC Vision 2030」の3 つの重点人事施策と人事機能プラットフォーム

「DIC Vision 2030」の3 つの重点人事施策と人事機能プラットフォーム

2. WSR2020(Work Style Revolution 2020)について

「働き甲斐向上」「生産性向上」の実現を目指し、新しいワークスタイルを形成すべく2020年にスタートしたWSR2020は、期間限定のプロジェクト体制から、2022年度より全役員がリードし全社員参加型の委員会制に移行しました。これはデジタル化社会の急速な進展、新型コロナウイルス感染拡大の現状、そしてafter/withコロナのニューノーマル等、絶え間なく変化し続ける外部環境に対応するため、既存のワークスタイルの抜本的見直しに全役員がコミットし、社員の「働き甲斐向上」と「生産性向上」を実現していくことを目的としています。委員会化に伴い、従来のワーキンググループを「働き甲斐向上改革」「ワークプレイス改革」「プロセス改革」の枠組みで再編成し、全役員が一丸となって取り組んでまいります。

委員会で取り組む改革と目指すゴール

  • 働き甲斐向上改革

    The DIC Wayを体現すべく、意欲的に様々なことに挑戦しそれが公正に評価され、互いの存在価値が認められる職場を実現する

    • 社員一人ひとりがその能力を最大限発揮できる基盤を整備する
    • 社員のチャレンジと成果を適切に評価し、最大限報いる仕組みを導入する
    • 成果主義のもと、一人ひとりのキャリア形成を支援する
  • ワークプレイス改革

    チーム・同僚・関係者と協働しながら、会社・組織・個人の目標を実現するという高いモチベーションを持ち、いつでも、どこでも、快適に、かつ生産性高く仕事ができる環境を実現する。そのために、リモートワーク環境を整備するとともに、ITテクノロジーをフル活用できるインフラ体制の構築や社員のITリテラシー向上を達成する

    プロセス改革

    これまでの仕事のやり方、業務プロセスをデジタルトランスフォーメーション(DX)により刷新し、さらには新しいビジネスモデルの構築を通じて、個人と組織、会社全体の生産性を飛躍的に向上させ、競争基盤を強化する

3. 基本的な人事データ(DIC)

基本的な人事データ(DIC)

2. 3つの重点施策

1. 人材育成

①グローバルベースのタレントマネジメント

長期経営計画「 DIC Vision 2030」 では新たな経営ビジョン実現のための基本戦略の一つに「 グローバル経営体制の強化」 を掲げています。この戦略に合わせ、次期経営幹部の登用プロセスを確立し、経営体制の高度化を図るべく、様々な制度・インフラストラクチャー、例えばグローバルベースでのタレントマネジメント委員会実施やグローバルHRシステムを使ったハイポテンシャル人材の選定やモニタリングなどの導入検討を鋭意続けています。

②人材育成体系

ビジネス環境の急激な変化に柔軟に対応しながら持続的に新たな価値を生み出していくためには、社員一人ひとりが高い能力を持ち続け、それを発揮できる環境が必要です。このようなプラットフォームを整備すべく、2020年、新たに人材育成に関する4つの基本方針を策定し、それらに紐づく育成体系を設定しました。2021年度は、これら基本方針および体系に基づき、具体的なプログラムを検討、実施しました。

方針1 「体系的なリーダーシップパイプラインの構築」では将来のリーダー候補者や若手のプロスペクト人材を選抜し、集中的な教育投資を行います。
方針2 「ジョブスキルのグローバル水準化」では多様な職務に求められる個別の専門スキル・知識を高度な水準まで向上させることを目的に、オンライン型の学習プラットフォームを使用し、必要なプログラムを必要なだけ受講できる個別最適化された学習環境を整えていきます。
方針3 「一人ひとりのキャリア実現の支援」では社員一人ひとりが自らのキャリア像を描くとともに、適所適材の観点から、キャリア実現に向けた支援を行います。
方針4 「自ら行動を起こし、変革を担える自律的な社員の育成」では各職種・各階層において求められる役割および行動を理解・習慣化し、自律的に変革を起こしていく人材を育てていきます。
人材育成体系
主な検討、実施事項

リーダーシップ養成

DICでは次の経営を担うリーダー人材の計画的な育成を目的に優秀社員を選抜し、随時、リベラルアーツ教育などの外部研修機関へ派遣しています。2021年度はスイスを本拠地とする国際経営開発研究所(IMD)を新たに派遣先に加え、オンラインながらも初めて第一号となる人材を派遣しました。
また、社内リーダーシップ研修では従来からの英語研修プログラムの内容、対象者を見直し、新たにグローバルリーダーコミュニケーション研修と位置づけ運用を開始しました。さらに経営に関する基本的知識・スキルを身に付けるグローバルリーダースキル研修についても2022年からの開催を目標に企画を進めています。

グローバル人材育成

DICではグローバル人材の育成(英語教育)にも力を入れています。従来からのグローバルコミュニケーション研修を新体系においても重要な研修と位置づけ、プログラム内容や開講形式を見直し、グローバルスタンダードなコミュニケーションスキルをより実践的に短期集中で習得できる研修として継続実施しています。また、これまで英語力の指標として一般的にも定評のあるTOEICを用いていましたが、実際の業務場面での能力としてより強く求められるスピーキング力を評価する指標として、2021年度より新たにVERSANTを併用導入しました。その他、英語学習啓蒙コンテンツの充実や自己啓発支援プログラムの改善等の活動を行っています。

海外トレーニーとGCDプログラム

グローバルに活躍できる社員を養成する手段として、若手社員を海外関係会社に派遣し、現地でのOJTを通じて、語学・コミュニケーション力を向上させる海外トレーニー制度を設けています。また、海外のDICグループのナショナルスタッフを日本に迎え、一定期間の業務経験を通してグローバル人材として育成するGCDプログラム(Global Capability Development プログラム)も設けています。残念ながら、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、いずれの制度も現在は新規の派遣、受け入れを停止しています。新型コロナウイルス感染の状況が改善され次第、再開する予定です。

VOICE

第2回ネクストグローバル人材養成研修に参加して得たもの

パフォーマンスマテリアル製品本部 パフォーマンスマテリアルCSグループ GM 坂本 賢吾

入社以来、英語の必要性を感じ、苦手な英語を克服したいと常に考えていましたが、いつの間にか20年が経過していました。そんな中、第2回ネクストグローバル人材養成研修に参加する機会をいただき、本気で英語を勉強するラストチャンスと覚悟してこの研修に臨みました。
約10ヶ月にわたる本研修の約8割が英語での講義で、毎回、戸惑いと緊張の連続でとても厳しい研修でしたが、知識・経験そして情熱を持った講師のもと、単なる英語研修ではなく、グローバルビジネスにおける必要なスキルを学ぶことができました。特に英語でのプレゼンテーション、ネゴシエーション、コミュニケーションのスキルは、計3回の「グローバルコミュニケーション能力アセスメント」を通じてレベルアップを実感できました。また、研修中の情熱と勉強量は誰にも負けていなかったと自負しています。
スキル以外でも得たものがあります。本研修がハードだったが故に、異なる部門のメンバーと苦労を共有し、良い関係性を構築できました。この社内ネットワークは研修に参加した全員の財産になることでしょう。近い将来、海外で働くチャンスが巡ってくるまで、本研修で学習したスキルのブラッシュアップ、そして英語学習を継続したいと思います。

パフォーマンスマテリアル製品本部 パフォーマンスマテリアルCSグループ GM 坂本 賢吾

自身の視野を広げることで、仕事への意欲も高まりました

ポリマ製品本部高機能化学品営業1グループ 佐治 桂介

私は2017年に1年間、海外トレーニーとして広州迪愛生貿易有限公司(DIC (Guangzhou) Co., Ltd.)に赴任しました。出張では何度も中国を訪れていましたが、現地に赴任して生活することで、これまで気づくことのできなかった中国人の考え方やその背景・文化を肌で感じることができ、ビジネス面においてもより深くコミュニケーションを取ることができるようになったと実感しています。
現地社内においては、ローカルスタッフとともに部署の垣根を超え、レクリエーション活動を企画しました。活動を通じ、公私ともに互いに相談ができる人間関係を構築し、一緒に仕事をしていく醍醐味を体験できました。
また、休日には社外活動で積極的に日本人同士の異業種交流に参加しました。同じ境遇で中国に来ている日本人は多く、日本では知り合うことのできない様々な業種・業界や各立場での話は非常に勉強になり、改めて自社および自分自身のことを見つめ直すことができる良い機会となりました。
海外トレーニー制度は、自分自身の視野が広がる非常に有益な制度であることを強く感じ、是非今後も多くの人に積極的にチャレンジしてほしいと考えます。

ポリマ製品本部高機能化学品営業1グループ 佐治 桂介

インドで学んだ多様性

本社 総務人事部 グローバル人事企画担当 藤澤 雄宇一

海外トレーニーとして、DIC India Ltd.で1年間勤務しました。40℃を超える気温、3車線の道路に6台の車が走る交通事情等、日本と異なるインドの姿に戸惑うことばかりでしたが、中でも、インド特有の早口な英語とトップダウン中心の仕事の進め方は業務面での大きなハードルでした。また、ビジネス環境の前提が異なるインドの人々に日本の人事制度の考え方を理解してもらうのは難しく、説明しても、「こんな制度はグローバルスタンダードではない」と却下され、何度も躓き悔しい思いをしました。最終的には、くり返しの議論を通じてしか相互の理解は促進できないことに気づき、英語の運用能力を高めることはもとより、信頼関係の構築、ロジカルな説明能力、議論好きなインド人から納得を得るための粘り強さを身につけることに努めました。まだまだ不十分ですが、1年間の勤務でこれらの力が伸びたことを実感しています。多様性を身につけるというのは、ビジネス、生活文化の違いを「良い・悪い」のものさしで判断することではなく、その違いを埋められるように自らを調整していく能力であり、譲れない部分については相手に歩み寄ってもらえるよう相手を動かす力であることを経験から学びました。また、自分ひとりで完結できる仕事などないことにも改めて気づかされました。特にトップダウンが中心であるインドでは上司の力を借りないと何も物事が進みません。今では、チームとして最も効率の良い仕事の進め方が何かという視点で仕事を考えるようになりました。
トレーニー制度は若手人材の視野を広げ、DICの一層のグローバル化に寄与すると信じていますし、今後も多くの人がチャレンジできることを願っています。

本社 総務人事部 グローバル人事企画担当 藤澤 雄宇一

リスキリングを通じた人材活用

DICでは社員一人ひとりが自らのキャリア像を描き、自律的にスキルを研鑽する土壌を醸成するべく、キャリア形成支援活動を展開しています。この活動として、2021年度は50歳を迎える社員を対象にキャリア研修とカウンセリングをセットにしたセルフ・キャリアドックを試験的に開催しました。
自己啓発プログラムにおいてもリスキリングの一環として、GLOBIS学び放題やUdemy for Businessなど、従来の提供形式とは異なり、豊富な講座群から必要な講座を必要なだけ自由に選択して受講可能な、いわゆるサブスクリプション型のプログラムの提供を新たに始めました。

2. 人材流動性

グループの人材ポートフォリオを多様化し、ビジネスニーズに合わせて効果的に運用していくためには、人材が国・地域や部門の枠組みを超えて活躍できる仕組みを整備し、グループ内の人材の流動性を高めていく必要があります。
DICではそのための重点施策として、①異業種出身者、デジタル人材の積極獲得、②キャリアコースの多様化、③計画的サクセッションの推進に取り組んでいます。

人材流動性

①異業種出身者、デジタル人材の積極獲得

DICでは人材ポートフォリオの多様化を加速するため、異業種出身者を中心に経験者採用に力を入れて取り組んでおり、過去3年間の経験者採用の新規採用全体に占める割合(経験者採用/(新卒採用+経験者採用))は4割を超える水準で推移しています。また、グループのデジタルトランスフォーメーションの推進が期待されるデジタル人材の獲得については、即戦力が期待される経験者採用に加え、2023年度入社予定の新卒学生の職種別採用を実施し、中長期的な視点で人材の育成・底上げを進めていきます。

②キャリアコースの多様化

DICは2022年より、従来のジェネラリストを想定した画一的なキャリアコースを改め、特定の専門領域において活躍が期待されるスペシャリスト職、プロフェッショナル職のキャリアコースを新設しました。キャリアコースが多様化されたことにより、社員一人ひとりの強みを活かした柔軟な登用が可能となり、社員の仕事を通した自己実現の可能性が広がると同時に、ビジネスニーズが合致した人材配置が可能となります。

③計画的サクセッションの推進

DICは2018年よりグループの主要ポジションを定義し、同ポジションへの計画的な人材登用のため、数年単位の人材開発を含めた計画的なサクセッションマネジメントを実施しています。今後、サクセッションマネジメントの対象ポジション、および対象人材を拡大し、グループ内の人材の流動性を高め、グループ全体の適所適材の実現に取り組んでいきます。

3. エンゲージメント向上・組織力強化

プロジェクトWSR2020におけるエンゲージメント向上、組織力強化に資する活動の一環として、国内グループ会社を対象にエンゲージメントサーベイを実施しました。2021年度はサーベイの結果に基づき、エンゲージメント向上施策として1on1ミーティングの制度化や業務におけるチャレンジの促進などを検討、実施しました。

①コミュニケーション促進、共感と信頼による一体感醸成

2021年度に実施したエンゲージメントサーベイでは上司-部下間のコミュニケーション不足が課題として浮き彫りになりました。これを受け、1on1ミーティングを上司-部下間のコミュニケーション促進策の一つとして、2022年度より制度導入を決定しました。2021年度は制度の具体化作業と合わせ、社員への事前教育として、役付資格社員を対象としたマネジャーコミュニケーション教育、全社員を対象とした部下向け1on1ミーティング教育を展開しました。上司・部下が信頼関係を築き、一人ひとりと向き合い、一人ひとりの理解を深める新たな場となるよう、今後も1on1ミーティングの定着、有効活用に向けた取り組みを継続していきます。
2022年度は、上司・部下間のコミュニケーションにとどまらず、組織内のコミュニケーションのさらなる活性化を目指し、社員一人ひとりの“強み”にフォーカスした新機軸でのコミュニケーション活性化策を展開する予定です。

②イノベーション創出のためのチャレンジ促進

DICでは2022年度に人事制度を大幅に改定しました。一般社員の資格賃金制度では、従来の職能資格制から能力発揮等級制へ変更しました。また評価制度でも、役付資格社員と同様、業務目標の明確化、数値化を図り、評価時により実績を重視するよう実績評価・プロセス評価のウェイトを変更しました。また役付資格社員、一般社員ともに業務上のチャレンジに対し加点をする仕組みを導入しました。

3. 働く枠組み:人事制度・グローバル人事システム・働き方改革

1. 自律的・複線的なキャリア形成を促す人事制度改革

DICでは2022年度1月に、事業の質的転換・新事業の実績化を支える組織能力(ケイパビリティ)の向上を目的に役付社員、一般社員ともに人事制度を改定しました。制度の改定に当たっては、付加価値・生産性向上、成果志向・チャレンジ志向、キャリア形成支援など、組織能力向上に向けて注力すべき7つの重点方針を定め、方針に則る形で資格賃金制度、評価制度の抜本的な見直しを行いました。改定後も人事制度の適切な運用に努め、社員がチャレンジするカルチャーを醸成し、社員一人ひとりの成長を通して、会社の成長を実現すべく努めてまいります。

①資格賃金制度:一人ひとりの自律的なキャリアを促進し、成果を最大化する資格賃金制度

● ジョブ志向、成果志向の資格賃金制度

社員一人ひとりが会社におけるミッションを明確に認識し、能力の発揮を最大化できるよう、役付、一般社員に求められる役割/発揮能力と期待される成果を等級、職種ごとに定義しました。同時に、上位等級に求められる役割、能力を開示することで一人ひとりが具体的なキャリア展望を描けるジョブ志向の資格制度へ改定しました。また、成果を創出した人材はこれまで以上に早期に昇格することも可能となり、賃金制度でもより成果志向に重きを置いた制度変更を実施しています。

● 複線的キャリア形成の促進

複線的キャリア形成の促進策として資格賃金制度改定の中で、幅広い業務を担当するジェネラリストに対し、専門性・希少性の高い社員を適正に処遇するスペシャリスト体系を新設しました。また、役付社員の役割種別に応じ、ピープルマネジャー、プロフェッショナルの区分を設け、社員一人ひとりの強みと適性に即した登用が可能な仕組みとしました。

主な検討、実施事項

②評価制度:一人ひとりの成果創出とチャレンジを促進する評価制度

● 一層の成果志向型評価制度への改定

成果志向をさらに進め、社員のチャレンジを評価することをねらいとして、業務目標設定・評価シートを一部改定し、成果をより定量的に測定する仕組みに改定するとともに、行動評価、プロセス評価を見直し、より自律的な行動を促す仕組みへと改定しました。さらに、短期的な成果のみならず、中長期的な成果につながる「チャレンジングな行動」を加点する仕組みを導入することで、社員のチャレンジを一層促進します。

● キャリア目標シートの導入

一般社員が現在のキャリアの棚卸しや、1年後、3年後のありたい姿を考え、自身のキャリア開発に活用する「キャリア目標シート」を導入しました。目標設定時に本人が希望する自身のキャリアを設定し、上司がコメントを行う他、1on1ミーティングなどで活用することを想定しており、社員一人ひとりが希望するキャリア形成を会社として支援する仕組みとして、今後、ジョブローテーションや研修に活用していく予定です。

● 評価者会議の導入

評価の納得性、優秀人材の可視化を目的に、一般社員を対象に、評価者による評価者会議の開催を2022年度から実施します。この会議は、各部門における評価制度の公平、公正な運用を促進し、また、社員のジョブローテーションや人材開発等のキャリア形成支援に活用していく予定です。

2. グローバル人事システムによる人事フレームワーク標準化

事業のグローバル展開が加速する中、グループ全体の人的資本価値を高め、経営戦略を遂行していくためには、国や地域を超えた人材の育成・登用を行い、グループ全体で適所適材を実現する統合的な人材マネジメントが必要となります。
DICグループではグループ・グローバル共通の人事制度・施策の導入を進めています。国内では2018年1月、DICおよびDICグラフィックス株式会社の役付資格社員(マネジャー級約1,300名)を対象に、従来の能力ベースから役割ベースに等級基準を改めました。これにより欧米・アジアパシフィック・中国・日本の大半のマネジャー以上の等級が職務・役割ベースの基準に統一されました。
一方、グループ人材を管理するHRシステムについては一部を除き統一されておらず、グループワイドで人材マネジメントを進める際に、多大な労力を要していることが喫緊の課題となっています。また、ESG投資の高まりから、非財務情報である人的資本に関する情報開示が求められるなか、グループ内の人材情報を一元的に管理していく必要性も高まっています。
これらの問題に対応するため、DICはグローバルHRシステムの導入および、人事フレームワークのさらなる標準化に取り組んでいきます。

3. 働き方改革:働き甲斐向上・生産性向上

①働き甲斐向上改革

「働き甲斐の向上」と「生産性の向上」を目指し、全役員がリードし全社員参加型のWSR2020委員会では、働き甲斐を感じられるDICの職場像を「The DIC Wayを体現すべく、意欲的に様々なことに挑戦し、それが公正に評価され、互いの存在価値が認められる職場」と定義しました。そして、その実現に向け、同委員会の働き甲斐向上改革ワーキンググループが中心となり、「ダイバーシティ」、「インナーブランディング」、「コミュニケーション」、「キャリア支援」、「帰属意識」の5つの視点から様々な施策を展開しています。

働き甲斐向上改革
有賀執行役員によるメッセージ ~ 新しいレールを引こう! ~

インナーブランディング活動の一例として、「挑戦者たちの想い」と題し、各役員およびグループの経営リーダーの「自身の働き甲斐・モチベーションを感じる瞬間」について、リレー形式のビデオメッセージとして社員向けに定期配信を行っています。社員一人ひとりが「DICらしい働き甲斐」をより身近に、より深く考え、感じられる施策として好評を得ています。

②ワークプレイス改革を通じた生産性向上

DICでは、2018年1月から職種・職場による例外を設けず、全社員・全職場を適用対象とする「DICテレワーク勤務制度」をスタートしました。2020年の新型コロナウイルス感染拡大を発端に、それまでの週2回までという利用回数の上限を撤廃し、現在に至るまで、withコロナを前提とした働き方としてテレワークを推進しています。
また、2021年には、Afterコロナ時代も見据え、オフィス勤務とテレワークの適切な組み合わせによる多様な働き方を目指して、WSR2020の傘下に「オフィス改革ワーキンググループ」を発足させ、機能的で合理性の高い働き方への転換に向けて、まず本社を対象としたオフィス改革に着手しました。そのコンセプトには、本社機能に相応しい先進的なオフィス設計の要素も取り込み、社員一人ひとりが業務内容に応じてもっとも働きやすい機能を持ったワークプレイスを選ぶといった、自律性の高い働き方を志向しています。

また、柔軟に働く環境の前提となるペーパレス推進活動なども通じ、働き手側の「働き方」というソフトの面からの業務プロセスのスマート化も並行して推進しております。
さらに2022年3月より、本社・支店・営業所での勤務時の服装を自由化する「Casual DIC」の運用を開始しました。TPOに合わせて自身で服装を判断することにより社員の自主性・自律性を一層促進していくことが目的です。導入に際してはリーフレットを発行し、社員自身が相応しいと考える服装例を掲載し、浸透を図っています。来る2023年には新しい本社オフィスを実現し、業務内容に適した場所・機能・環境を社員一人ひとりが自ら選択できる働き方を通じ、生産性の一層の向上に向けて邁進してまいります。

ワークプレイス改革を通じた生産性向上

4. ダイバーシティ&インクルージョン

競争優位の源泉としてのダイバーシティ& 多様性を強みに転換するインクルージョンの推進

DICグループは、性別、国籍、障がいの有無、年齢などが異なる人材の積極的な雇用や適所への配置を行っています。多様性を互いに理解・尊重することにより、創造的な思考を生む企業文化を醸成し、新しい価値観を経営に反映させる「ダイバーシティ経営」を志向しています。具体的には、WSR2020委員会を通じて、コミュニケーションの促進、キャリア支援を目的とした施策を行い、共感と信頼による一体感を醸成し、すべての社員にとって働きがいのある職場づくりを推進しています。また、2021年度は、社員のエンゲージメント状況の可視化を目的に、エンゲージメントサーベイを実施しました。サーベイ結果の分析を通して社員のエンゲージメント状況および課題の現状把握を行い、2022年度からのダイバーシティ活動計画の策定に反映しております。具体的には、これまで職場に多様性をもたらすことに注力してきましたが、さらにダイバーシティを浸透させ、生産性や働き甲斐の向上につなげるためには、各職場でのインクルージョン(受容)が不可欠であることを再認識し、今後、インクルージョンをより意識した活動を行ってまいります。
長期経営計画DIC Vision 2030においては、ダイバーシティ&インクルージョンを人事機能プラットフォームの一部ととらえ、競争優位の源泉として推進し、多様性を強みに転換します。
さらにESG経営の推進(経営基盤の高度化)でも、役員や社員のダイバーシティの達成数値目標に加え、ダイバーシティを促進するためのワークライフバランスに関連する数値目標(男性社員育児休業取得率など)も設定・公表し、取り組みを加速させています。具体的には下記のKPIを置いてダイバーシティの浸透を測っております。前中期経営計画「DIC111」ではダイバーシティへの高い期待から挑戦的な目標値を設定しましたが、女性管理職数については漸増したものの、目標値を下回る結果となりました。

また、外国人社員比率に関してもコロナウイルス感染拡大の影響もあり、想定していた採用数の達成が困難な状況となりました。今般DIC Vision 2030の策定に当たり、目標値を再設定し、インクルージョン(受容)の部分で一人ひとりに多様性の重要性を意識してもらうことを通じて、目標達成に向け、一歩一歩確実に前進してまいります。

ダイバーシティ
ダイバーシティ

VOICE

DICグループとダイバーシティ

ESG 部門長・ダイバーシティ担当 執行役員 虎山 邦子

2021年12月31日時点におけるDICグループの社員数22,474人であり、DIC本体の社員数は3,345人と、グループ全体の約15%に過ぎません。DICグループは世界62ヶ国で事業を行っており、グループ内は多様性に満ちています。その多様性をビジネスのイノベーションにつなげるべく様々な形で、グループ社員間の交流を進めていきます。
また、男女比率の観点では、女性社員数は男性社員数よりも圧倒的に少なくなっており、日本を含む多くの地域で2割程度となっています。一方、管理職における男女比率は、日本以外の国では女性の管理職が2割以上を占めている地域がほとんどであり、日本が大きく遅れを取っている状況です。今後、2022年度の6.3%という数字を少しでも改善すべく努力をしてまいります。

ESG 部門長・ダイバーシティ担当 執行役員 虎山 邦子

1. ダイバーシティロードマップ

ダイバーシティロードマップ

2. 外国人社員の採用

DICでは、グローバルなマインドや高い専門能力・語学力などを持つ人材として、日本の大学・大学院を卒業した外国人留学生、海外の大学を卒業した日本人留学生、外国人学生、職務経験・専門知識の豊富な経験者を積極的に採用しています。現在、43名の外国人社員が様々な職種で活躍しています。外国人社員の活躍支援のために、主要な社内情報の英語化を行いました。また、人事制度・処遇・環境整備のサポートもスタートさせ、環境整備においては、定期的に外国人社員同士のネットワーク会議を開催しています。今後も外国人社員向けにアンケートやヒアリングを定期的に実施し、外国人社員の生の声や職場環境の実態を意識した施策の実施に向け本活動を続けていきます。また、2022年度はインクルージョンをより意識した活動をさらに取り入れていく予定です。

職種別外国籍社員数
外国人社員数(嘱託含む)

VOICE

成長意欲とチャレンジ精神を持ち、社会課題の解決に挑みます

本社 新事業統括本部 次世代パッケージングBU P-1 プロジェクト 趙 忻

私は就職活動をしていた頃、グローバル企業で財務・経理関連の業務に携わりたいと考えていましたが、DICの海外拠点の多さ、特定領域での世界シェアの大きさに惹かれ、入社することを決意しました。入社後は、財務部での業務のみならず、マーケティング統括本部、新事業統括本部と、複数部門で幅広い仕事が経験でき、様々なバックグラウンドを持つ国内外の社員と出会って、日々学び、成長を実感しています。また、近年のフレックス勤務やテレワークの推進、社内ジョブチャレンジ制度の施行、外国人社員ネットワークの構築など、様々な施策が展開され、自分のような外国人社員、また仕事と子育てを両立している女性社員にとって、ますます働きやすい環境になってきたと実感しています。特に、2022年からの人事制度の改定により、若手社員や育休から復帰した社員の、昇格試験の早期受験も可能になりました。これらの取り組みは、社員一人ひとりの働き甲斐やチャレンジ精神の向上、能力発揮の機会の増大に確実につながっていると感じています。 

本社 新事業統括本部 次世代パッケージングBU P-1 プロジェクト 趙 忻

多様性を進める一員として、DICと社会の発展に貢献していきたいと思います

総合研究所 カラー技術本部 ティムトンナルモン

私は博士課程在学中に日本で就職活動をしていましたが、日本語が得意でない学生を積極的に採用する企業は多くありませんでした。そのような中で、DICは海外出身の学生の採用を推進している企業でした。DICは複数の事業領域を持ち、世界に数多くの拠点や関連会社を有する点で傑出した会社です。私は入社以来、3つの職場でそれぞれ異なる製品の開発を経験してきましたが、様々な経歴を持つエキスパートたちから学び成長することができました。またDICは数ある企業の中でも特に、女性が継続的に働ける環境づくりを実現できていると感じます。このようにダイバーシティを重視する企業であるからこそ、DICは激変する世界情勢にも柔軟に対応できるのだと考えています。例えばこのコロナ禍において、迅速に職場の感染対策を強化し、抗ウイルス機能を持つ製品を開発しています。私はこれからも多様性を進める一員として、DICと社会の発展に貢献していきたいと思います。

総合研究所 カラー技術本部 ティムトンナルモン

時代のニーズを満たすために絶え間なく変化し続ける会社です

鹿島工場 SC プロジェクト フー シオンワン

DICは果敢に夢とイノベーションを追求し、時代のニーズを満たすために絶え間なく変化し続ける会社です。近年、一緒に働く女性管理職や外国籍の同僚が目を見張るほど増えてきていますが、これはダイバーシティの実践の成果だと考えています。多様な経歴や長所、そして短所を持つ社員が協働することで、今後発生しうる、様々な厳しいビジネスシナリオに対応可能な包括的なチームを作り出しています。私は、DICがこれらに積極的な取り組みをしていることに感銘を受けています。このことが、創業100年を超える数ある企業の中で、DICをより際立たせている要因であると考えます。私は、DICの一員であることを嬉しく思います。

鹿島工場 SC プロジェクト フー シオンワン

業務計画に合わせたフレキシブルな仕事環境が認められています

成形加工技術本部 成形加工技術2 グループ Sia-Er Tan

就職活動をしていた頃、国際人材として成長できるような企業を探し、海外拠点の多いDICに決めました。配属された部署は車載部品によく使われるエンジニアリングプラスチックスPPSの開発部隊です。日本を含め、5つのグローバル製造拠点を有する事業のため、海外のスタッフや顧客とのやりとりが少なくありません。海外勤務経験のあるスタッフが何人もいて、個性豊かで活発な職場です。また、DICはフレックス勤務や在宅勤務などの多様な働き方を導入しているため、自分の業務計画に合わせて、出退勤の時間調整や、集中するためにイヤホンをつけながらデスクワークをすることもでき、日本企業ではできないとされている自由な仕事環境に恵まれています。技術職でよく提唱される「固定概念にとらわれない」ということも、自分の職場の働き方改革の中で徐々に浸透しているのではないかと感じています。

成形加工技術本部 成形加工技術2 グループ Sia-Er Tan

上司・同僚のサポートで仕事の醍醐味を感じることができました

東京工場 分散技術1グループ 張 琴姫

大学院時代に学会で知り合ったDIC社員の積極的な姿勢、豊富な知識に惹かれ、就職活動の時にDICを第一志望し入社できました。入社当初は大学の専門分野と異なる液晶製品の開発部署に配属され、関連する専門知識・ノウハウが全く分かりませんでしたが、上司や同僚の温かいサポートのお蔭様で難局を乗り越え、新製品の開発で成果をあげることができ仕事の醍醐味を感じました。若手に大事な仕事を任せて成長させること、仕事も生活も困ったことがあったら相談に乗ってくれる同僚がたくさんいることは私にとってDICの魅力のポイントです。2018年の4月からグラビアインキ部門に異動し、新しいスタートラインに立っています。これからも大変なことがあるかと思いますが、新しいことを吸収しながら自分なりに努力し、新しい職場で早く役に立てるように頑張っていきたいと思います。

東京工場 分散技術1グループ 張 琴姫

外国人社員の活躍に向けた施策2019年~

TOPICS

外国人社員ネットワーク会議を定期的に開催しています

2021年度は、7月と12月に外国人社員同士のネットワーク強化を目的とする「外国人社員ネットワーク会議」を開催しました。当日は、「外国人社員のキャリアについて」を勉強会テーマに取り上げ、外国人社員3名による自身のキャリア紹介や、各職場で文化の違いを理解し、多様性の受容を促進することを目的としたウェルカムパッケージや、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)について、参加者同士による討議を実施しました。
参加者からは、「自身のキャリアプランを立てるに当たって大変参考になった」、「相互理解を深める良い機会になった」などの感想が寄せられました。
2021年度はコロナウイルスの影響により、すべてオンラインでの実施となりましたが、疎外感や孤独感を感じている社員の励みとしてもらうためにも、今後はより気軽にコミュニケーションが取れる対面での実施も検討していきます。

外国人社員ネットワーク会議を開催

2020年12月、外国人社員同士のネットワーク強化を目的とする「外国人社員ネットワーク会議」を開催しました。社内に同じ悩みを抱えている存在がいることを知ることで、疎外感や孤独感を感じている社員の励みとしてもらうために、今後も定期開催を予定しています。
当日は、「日本の公的年金・企業年金の仕組みの勉強会」、「人事制度に関する一問一答」のセッション後、参加者同士でのフリーディスカッションが行われました。参加者からは、「年金制度について勉強になった」、「人脈を広げるいい機会になった」、「次回は外国人社員のキャリアプランのイメージが知りたい」などの感想が寄せられました。

ダイバーシティ役員ラウンドテーブルを実施

猪野薫社長をはじめとする日本在勤の全役員を対象にダイバーシティ役員ラウンドテーブルを実施しました。これは、ダイバーシティに関する各部門の試みを共有し、今後のよりよい取り組みにつなげるための企画です。総務法務部門長委嘱・ダイバーシティ担当の中藤正哉常務がファシリテーターを務め、これまでの女性活躍推進施策や、ダイバーシティ推進活動のロードマップに沿った活動についてディスカッションが行われました。当日は、生産部門における女性社員を対象としたインタビューセミナーなど各部門の具体的な取り組み事例や広義のダイバーシティ推進の上で多様な特性・属性を持つメンバーとの協働で生じた効果などが紹介されました。

ラウンドテーブルの様子

ラウンドテーブルの様子

3. 女性社員の活躍推進

DICでは、ダイバーシティ推進の一環として「女性活躍推進」に取り組んでいます。2007年より仕事と育児の両立支援を推進する活動を開始し、2016年から女性がさらに活躍できる会社にするため、社員の意識改革や企業風土の変革、女性のチャレンジ意欲向上を目的とする研修、職務領域の拡大などを進めています。2021年度は、コロナウイルスの影響により活動に制限がありましたが、多様な働き方をサポートする会社の各種制度の紹介や、女性のキャリアアップに対する意識醸成のための研修や情報発信、社外人脈構築のための異業種合同研修等を実施しました。また、エンゲージメントサーベイの分析結果から、これまでの施策の課題点等を把握することができました。2022年度については、サーベイで明らかになった課題の解決に向けた施策を実施し、女性活躍推進活動を積極的に行ってまいります。

①女性の職域拡大

DICでは、2008年に全社で初めて千葉工場の交替勤務現場に女性社員4名を配属して以降、着実に製造や原動の現場で活躍する女性社員の数が増えており、係長や班長を担う女性社員も増加しております。今では、7工場14現場で交替勤務者5名を含む27名が勤務しています。女性用休憩室やロッカールームの新設など職場環境の改善に向けた取り組みを既に進めておりますが、事業所にいる女性のさらなる職域拡大を推進するためにも、引き続き職場環境整備に努めてまいります。

事業所製造グループの女性職制数
女性の職域拡大

②これまでの女性活躍推進活動の経過

これまでの女性活躍推進活動の経過

③なでしこ銘柄に4年連続で選定

DICは、女性活躍推進に優れた企業として経済産業省と東京証券取引所が共同で主催する「令和3年度なでしこ銘柄」に選定されました。当社が「なでしこ銘柄」に選ばれたのは、4年連続になります。
「なでしこ銘柄」は、「中長期の企業価値向上」を重視する投資家に対し、「女性活躍推進」に優れた上場企業を、魅力ある銘柄として紹介することにより、企業への投資を促進し、各社の取り組みを加速化することをねらいとしています。「なでしこ銘柄」は、東京証券取引所の全上場企業約3,700社のダイバーシティ経営への取り組みとその開示状況の評価に基づき選定されています。「令和3年度なでしこ銘柄」には50社が選定され、そのうち、化学業種の企業は当社を含め4社が選定されました。

なでしこ銘柄に4年連続で選定

TOPICS

猪野社長と女性リーダー育成プログラム受講生による「ランチタイムラウンドテーブル」開催

2019年5月、本社において猪野薫社長と女性リーダー育成プログラム(W-LDP)の受講生によるランチタイムラウンドテーブルが開催されました。当日は、猪野社長がDICの取り組むダイバーシティ推進について話したほか、「少子高齢化や共働き社会においての環境整備」、「次世代の子育て世代の両立支援に向けて必要なこと」、「ダイバーシティ推進にあたり、今のDICに不足しているもの」などについてディスカッションが行われました。参加者からは、「経営トップの考えを聞く貴重な機会となった」、「ダイバーシティ推進について正しく理解することができた」などの感想が寄せられました。

ラウンドテーブルの様子

ラウンドテーブルの様子

VOICE

J-Win のプログラムに参加して得たこと

本社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ パブリシティ担当マネジャー 矢野由紀恵

23人が属し「他社協業」をテーマとした当分科会では、文献調査や企業訪問、ケーススタディを通じて知識と経験を深めました。その中でもっともエネルギーを要したのは、メンバー間で「互いが腹落ちするまで話し合う」ことでした。「企業に属する女性のビジネスパーソン」という以外は共通点のない個人が、活動を通じてチームビルディングを体現し、ベクトルを合わせていく過程は得難い体験でした。また、所属企業の取り組みや制度などの情報交換は新鮮で、自社を振り返るきっかけともなりました。研修で得たネットワークは私にとって宝物です。この貴重な体験と縁を自社に持ち帰り、より有機的なものにすることが、これからの私のテーマです。

本社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ パブリシティ担当マネジャー 矢野由紀恵

④障がい者の雇用推進

DICでは、障がい者の方が自立し、いきいきと働ける職場環境づくりと雇用の促進に取り組んでいます。その施策の一環として、特別支援学校から障がい者の方をインターンシップにて広く受け入れ、社員として採用しています。例年4月の定期採用および各事業所における随時採用が奏功し、2021年12月末時点の障がい者雇用率は2.6%を達成、法定雇用率の2.3%を大幅に上回っております。2022年4月も3名の定期採用を予定しています。DICは今後もハローワークや特別支援学校、障がい者就労支援センターと連携し、継続して職場環境の整備に努めるとともに、就業可能な職場の拡充を図っていきます。

障がい者雇用率の推移(DIC)

VOICE

これからも業務の幅を広げ、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいと思います

堺工場 製造1グループポリマ生産計画課 平尾 清吾

私は在学中にDICの堺工場で2回の現場実習を行い、2019年4月1日に堺工場製造1グループポリマ生産計画課に入社しました。しっかりと働くためには、まずは健康です。早寝早起きをして、朝食を毎日会社の食堂で食べること、そして体力づくりを継続して行うことを心がけてきました。その結果、仕事もバリバリ行えるようになり、始めはコンテナ洗浄が主な仕事でしたが、今では詰め替え業務や書類の整理・保管作業など広範な業務を手伝えるようになりました。業務に対しては、「安全基本動作を着実に実行すること」、品質不良を発生させないよう、どんな小さな事でも「報連相を徹底すること」を実践していますが、まるで自分のおじいちゃんのようにやさしく教えてくれる再雇用の方や、なんでも相談に乗ってくれる上司や同僚の方にも囲まれ、毎日楽しく働くことができています。さらに最近は、現場作業だけではなく、デスクワークも行えるようにパソコンを使いSOPを作成する教育も受け始めました。
今後の目標は、パソコンを使いこなし、分かりやすい、見やすい、みんなが活用できるSOPを作成できるようになること、詰め替え業務の範囲を増やすことなど、いろいろな仕事にチャレンジしていきたいと思っています。

堺工場 製造1グループポリマ生産計画課 平尾 清吾

学んできた基本動作の大切さを新入社員や実習生に伝えていきたいと思います

DICエステート株式会社 業務サポート部 丸山諒介

私は2020年4月1日にDICエステート株式会社 業務サポート部に入社をしました。
しかし新型コロナが蔓延し緊急事態宣言が出され、メール室全体で通常どおりの業務を行うことが難しくなりました。コロナの感染が増えるたびに今後どうなっていくのだろうという不安な気持ちになりながら集配と宅配業務をやり続けていく中で、私は2つのことを意識して業務に取り組み今も続けています。1つ目は「気持ちのこもった明るい挨拶」をすることです。メールバッグの交換時に毎回、明るい挨拶を続けることで、各部署からは「ありがとうございます」や「お願いします」と返してもらえ自分に自信がつきやりがいを感じます。2つ目は基本動作である「指差し呼称」を行い、社内便や郵便物を正しく仕分け届けることに取り組んでいます。「どこの部署(事業所)の誰から来たのか」、「どの部署(事業所)の誰宛てに送るのか」という2つの点を注意しながらチェックし、責任感を持って誤配や遅配がないように業務を行っています。
今後の目標は、1年を通して学んできた基本動作の大切さを新入社員や実習生に伝えていきたいと思います。またメール室内で基本動作を怠らないように自ら声をかけていきたいと思います。

DICエステート株式会社 業務サポート部 丸山諒介

感謝の言葉が業務への励み・やりがいになっています。

DIC エステート株式会社 業務サポート部 中川 凌

私は2017年4月3日にDICエステート株式会社 業務サポート部 メール室に入社しました。担当している業務は「集配業務・宅配業務・給茶機保全業務」です。それぞれの業務では次のことを意識して作業をしています。
1つ目は集配業務で、社内便や郵便物を部署へ正確にお届けするだけでなく、安全確認を行いながら業務を行うことです。
2つ目は宅配業務でも、荷物の重さ・数等を考慮し安全に運ぶことを常に意識して業務を行っています。
3つ目の給茶機保全業務では、清潔な状態を維持するために、水滴や汚れを見逃さないようにしています。
それぞれの業務を行っている時に、社員の皆様からいただく感謝のお言葉が、私にとってとても励みになっていますし、やりがいを感じる部分でもあります。
今後は、メール室のリーダー達のように、常に周りを見て行動し誰にでも気遣いができる人間になることが目標です。そのような人間になるために今後も頑張っていきます。

DIC エステート株式会社 業務サポート部 中川 凌

温かな声をかけていただくことは業務のやりがいにつながります

DIC エステート株式会社 業務サポート部 田中 星

私は2017年2月にDICエステートに入社しました。主な仕事は日本橋ビルの呈茶業務と各フロアにある給茶機の保全業務です。給茶機保全業務では、給茶ステージやスノコの洗浄、お茶や砂糖などの備品の補充を行っています。呈茶業務では3階役員応接室のお茶出しと終了後の部屋の清掃・片づけを行っています。この2つの仕事でやりがいを感じることは、作業中に社員の方から「いつも給茶機の清掃してくれてありがとう」や、「呈茶している姿を見ていたお客様からの評判が良かったよ」と温かく声をかけてもらった時です。これからも社員の方に気持ちよく使っていただけるように給茶機をきれいに管理していきたいです。そして呈茶業務では、お客様に美味しいと言ってもらえるようなお茶を淹れられるように努力していきたいです。

DIC エステート株式会社 業務サポート部 田中 星

TOPICS

「障がい者就労支援フォーラム」で講演しました

DICエステートは2021年7月29日に開催された東京都ビジネスサービス株式会社とリコージャパン株式会社の共催ウェビナー「事例から考える障がい者雇用の仕組みづくり ~障がい者就労支援フォーラム~」において講演しました。
DIC本社ビルにおける、DICエステートの社員が“ いきいきと働くことができる仕組みづくり”が高く評価され、「個人の成長と組織の拡大~コロナ禍におけるダイバーシティ&インクルージョン~」と題した講演では、各業務の動画マニュアルによる業務紹介や、業務の拡大、人材育成など現在取り組んでいる具体的な事例を紹介し、企業担当者や学校関係者65名が聴講しました。
ウェブ上でも質疑応答が活発に行われ、講演後のアンケートでも多数の質問が寄せられ、DICエステートの取り組みへの関心の高さが伺えました。

⑤定年再雇用者の再雇用とライフプランの支援

DICでは、定年(60歳)を迎えた社員が継続して活躍できるよう、再雇用を希望する社員全員に業務を提示し、最長65歳まで雇用する、再雇用制度を導入しています。フルタイム、短時間勤務、ワークシェアリングなど、多彩な勤務形態のもと、再雇用者は、それまでの経験や培ってきた高い技術・専門性を発揮して、企業の持続的成長、後進の育成の一端を担っています。
また、定年を1年後に控えた社員を対象に、定年後の生活設計支援を目的とした「年金教室」を開催し、年金制度の解説や年金生活のシミュレーションなどを行っています。

定年再雇用者の経年推移(DIC グループ出向者含む)

5. リスクマネジメント:ガバナンス・コンプライアンス

1. 人事ガバナンスの強化

DICグループでは、グループの人事ガバナンス強化の取り組みとして、グループの主要ポジションを定義し、その任免権、評価権および報酬決定権の所在を明確にし、DIC本社がその決定に関与しています。また、グループを日本、中国地域、アジアパシフィック、欧米の4地域に分け、DIC本社は日本地域を直接統括するとともに、他3地域については各地域を管掌する統括会社と連携してグループ全体の人事ガバナンスの強化に取り組んでいます。

グループの主要ポジションに対する人事ガバナンス

2. 人権の尊重

DICグループは、人権に関する国際規範※1を支持し、その内容に則り、2018年に「DICグループ人権方針」を定め、人権尊重の取り組みを推進しています。また、社員の統一的規範である「DICグループ行動規範」にも、企業活動におけるあらゆる人権侵害を排除し、多様性を尊重することを明示し、その理念に基づき事業活動を推進しています。DICグループ社員は、この行動規範の内容を理解した上で、確認書を提出し、本規範遵守を念頭に業務を行っています。また、2010年から国連グローバル・コンパクトに賛同し、「人権」、「労働基準」など10原則を支持するとともに、企業活動全般に反映するべく継続的に取り組むことで、DICグループ各社の人材マネジメントにおける人権尊重の認識の強化と問題発生の未然防止に努めています。さらに、2015年に施行された「英国現代奴隷法(Modern Slavery Act 2015)」※2への対応については、英国でもビジネスを展開する事業者として重要なリスク要因と認識し、サプライチェーンにおける人権デューデリジェンス※3に関する研修強化、DICグループ会社経営幹部への啓発、グローバル本社の点検・監視体制の拡充を図り、継続的にマネジメントレベルの向上に努めています。

  • 人権に関する国際規範:国際人権章典(世界人権宣言と国際人権規約(社会権規約・自由権規約))、国際労働機関(ILO)「労働における基本的原則および権利に関する宣言」、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、国連グローバル・コンパクトの10原則等を指します。
  • 「英国現代奴隷法」:企業のサプライチェーン上に、強制労働や人身取引などの人権侵害の有無やリスクを確認させ根絶することを目的とする英国法。対象は英国で活動する企業。現代における奴隷の定義は、①奴隷・隷属・強制労働、②人身取引、③搾取(性的搾取、臓器提供の強制等)。
  • 人権デューデリジェンス:企業が社会に与え得る人権への負の影響を防止または軽減するために、予防的に調査・把握を行い、適正な手段を通じて是正し、その進捗並びに結果について外部に開示する

① DICグループ人権方針

DICグループ(以下「DIC」)は、社会の一員として、人権尊重の重要性を認識し、顧客、取引先、従業員を含むあらゆるステーク ホルダーの基本的人権を尊重し、本方針に基づき、DICの役員および従業員一人ひとりが人権意識を高め、人権を尊重した事業活 動を行います。

  • 位置づけ

    本方針は、国際規範に則った人権尊重に関するDICの取り組み姿勢を示します。

  • 適用範囲

    本方針は、DICのすべての役員および従業員に適用されます。
    DICは、本方針をDICのビジネスパートナーやサプライヤーに対しても働きかけ、協働して人権尊重を推進します。

  • 人権尊重の責任

    DICは、ステークホルダーすべての人権を侵害しないとともに、自らの事業活動上生じる人権への負の影響を未然に防ぐことにより、人権尊重の責任を果たせるよう取り組みます。また、DICが直接人権への負の影響を助長していない場合でも、事業、製品またはサービスを通じて、ビジネスパートナーやサプライヤーが人権への負の影響を及ぼしている場合、DICは、当該関係者に対し人権を侵害しないよう働きかけます。

  • 人権デューデリジェンス

    DICは、人権尊重の責任を果たすため、リスクの抽出・対策に関する人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、これを継続的に実施します。

  • 是正・救済

    DICが人権に対する負の影響を引き起こした場合、または負の影響を助長したことが明らかになった場合、適切な手段を通じて、その是正・救済に取り組みます。

  • 適用法令の遵守

    DICは、事業活動を行う各国・地域で適用される法令と規則を遵守するとともに、国際的な人権の原則を尊重し、積極的に取り組みます。

  • 情報開示および教育・訓練

    DICは、本方針に基づく人権尊重の取り組みの推進状況について、対外的に開示します。また、DICは、本方針の実効性を確保するため、役員および従業員に対し、適切な教育・訓練を行います。

  • ステークホルダーとの対話・協議

    DICは、本方針に関する一連の取り組みにおいて、関連するステークホルダーとの対話の機会を確保し、誠意をもって協議を行います。

  • 人権に関する重点課題の設定

    DICは、人権に関する重点課題を別に設定し、これらについて、本方針に基づき人権デューデリジェンスを適切に実施します。なお、重点課題については、社会の変化や事業の動向などを踏まえ、適宜見直しを行います。

DIC株式会社

② 2021年度の活動

DICでは、国内・海外グループ会社(58社)で定期的に人権および労働に関する自主点検を行っています。2021年度も継続してDICグループ各社への人権方針の周知を行いました。また、これまでに実施した自主点検結果を分析・検証し、重点地域の補足調査も行いつつ、必要に応じて、調査と改善指導、意識啓発活動を行いました。さらに、マレーシアのグループ会社3社について人権デューデリジェンスを実施し、問題のないことを確認し、リスクの発現を抑制するための留意事項について指導を行いました。

③ DICグループの人権に関する重点課題

DICグループは、人権に関する国際規範に則り、重点課題を以下のとおり設定し、これらについてDICグループ人権方針に基づき、 人権デューデリジェンスを適切に実施します。本重点課題については、社会の変化や事業の動向などを踏まえ、適宜見直しを行います。

  • 差別の排除

    DICグループにおいて、あらゆる差別やハラスメント等個人の尊厳を傷つける行為を行っていません。この対象としては、グループ社員、女性、子ども、先住民、移住労働者、取引先、地域社会などを想定しています。

  • 児童労働、強制労働の禁止

    DICグループにおいて、児童労働、強制労働・奴隷労働、および人身売買による労働を認めません。

  • 労働基本権の尊重

    DICグループにおいて、結社の自由、並びに労働者の団結権および団体交渉をする権利をはじめとする労働基本権を尊重します。

  • 紛争鉱物への対応

    DICグループは、紛争鉱物を使用しません。原材料調達において紛争鉱物の使用が判明した場合、それらを含有する原材料の調達を速やかに停止するなどの措置を取ります。

  • 同一報酬の尊重

    DICグループにおいては、男女労働者の同一価値労働に対する同一報酬を原則としています。

④ DICグループの人権デューデリジェンスの仕組み

DICは、人権尊重の責任を果たすため、人権デューデリジェンスの仕組みを構築し、継続的に実施していきます。

DIC の人権デューデリジェンスの仕組み

⑤重点課題についてのデューデリジェンスの取り組み

  • 購買部門によるサプライチェーンにおけるデューデリジェンスを推進

    購買部門によるサプライチェーンにおけるデューデリジェンスを推進するDICグループでは、サプライチェーンにおける社会的責任を果たすために、「DICグループ購買に関する方針」(2008年制定)および、これに基づき定めた「購買管理規程」と、各取引先への要請事項を明記した「DICグループサステナビリティ調達ガイドブック」(2020年2月改訂Ver.3)を用いて、持続可能な調達に向けた改善・取り組みを推進し、サプライチェーンにおける人権尊重や紛争鉱物調査など人権リスクへの対応を実施しています。

  • インドの雲母(マイカ)採掘の健全化に関する取り組み

    塗料・化粧品・電子材料・切削油などの素材として幅広く利用されている雲母は世界各地で生産されており、インドも主な生産国の一つですが、採掘作業における児童労働が指摘されていました。欧米地域でインキ・樹脂・化粧品顔料などを事業展開しているDICグループのサンケミカル社は、2017年2月よりインドでの雲母採掘に関わる児童労働問題の解決を目指す「責任ある雲母イニシアチブ(Responsible Mica Initiative)」の創設メンバーとして参画し、多くの素材企業および化粧品会社とともにインドの雲母採掘産業の健全化に取り組んでいます。

  • インドネシア、マレーシアのグループ会社への人権デューデリジェンスの実施

    人権デューデリジェンスをインドネシア(2020)やマレーシア(2021)のグループ会社へ実施し、問題のないことを確認し、リスクの発現を抑制するための留意事項について指導を行っています。

  • コンプライアンス部門による社内通報窓口設置と是正措置

    DICグループでは、グループ社員向けに社内通報窓口を設置しており、2021年度はパワハラ、差別等の人権関係の通報が18件寄せられました。社内調査の結果、深刻な事案はありませんでした。なお、社内調査の後、適切に業務改善などの是正措置を行いました。

  • お問い合わせ・苦情窓口設置と対応

    社外のサプライヤー、顧客、地域社会などステークホルダーに対しては、電話やウェブサイトにお問い合わせ先を設置し、問い合わせや苦情に対して、迅速な対応を心がけています。なお、2021年度に人権に関する苦情はありませんでした。

3. 労働組合との信頼関係

労働組合との健全な労使関係の維持・向上に向けて、定期的に労使協議会を開催し、対話に基づく信頼関係の醸成に努めています。さらに、労使経営協議会や経営懇談会では、経営情報やビジョンの共有を図り、労働組合から経営への提言を受けるなど率直な意見交換を行っています。DIC労働組合加入率は71.7% となっています(対象となる一般社員の99.2%)。

6. ワークライフバランス・安全・健康

1. ワークライフバランス

DICでは、良好なワークライフバランスを「個人の自己実現」と「企業の持続的成長」を同時に実現するための必須要素ととらえ、健康経営の観点からも制度の拡充に努めています。日本では、少子高齢化に対応する仕事と育児・介護の両立、労働生産性の向上、健康経営の実現に向けた「働き方改革」を国が提唱し、企業への浸透・定着を促しています。
DICでは、こうした動きに先行し、誰もが働きやすい職場は生産性を向上させるという考えの下、すべての社員が多様なライフスタイルを選択し、いきいきと働くことができるための取り組みを進めています。

  • 従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること。

①仕事と家庭の両立支援

DICは、1986 年に化学業界で初めて育児休業制度を導入、2007年より「仕事と育児の両立支援」に取り組み、法定を上回る様々な制度を導入し、利用促進を図っています。2008年には、次世代育成支援対策を積極的に推進する企業として、次世代認定マーク「くるみん」を取得しています。
また、一般社員の転居を伴う転勤の有無を選択できる制度に加え、2012年には、管理職が出産・育児、介護などの理由で転居を伴う転勤が困難な場合に対処可能な「勤務地域限定制度」を導入しています。

くるみん

DICは次世代育成支援対策を積極的に推進する企業として、厚生労働省から「2008年認定事業主」に認定されています。

②介護離職の防止に注力

日本では高齢化に伴う介護離職者の増加が社会の課題となっていることから、国は2016年に育児・介護休業法を改正し、休業・休暇を取得しやすくし休業給付金も引き上げるなどの対策を講じました。
DICは制度利用を促進するにはその周知が重要だと考え、2017年6月から『仕事と介護の両立支援Handbook 』を全社員に配布しました。運用ルールも見直し、介護休業の分割取得や介護休暇の時間単位での取得、勤務時間短縮の期間延長(1年⇒3年)など、より利用しやすい制度に改めました。

仕事と介護の両立支援Handbook

③フレックスタイムを大幅拡大

DICは柔軟で多様な働き方の推進に向け、2017年にフレックスタイム制度の大幅な拡大を決め、2018年4月から製造現場など一部を除く全職場への適用を開始しました。業務効率に支障を来たさない範囲で、私用による個別始業・終業時刻の設定を可とし、テレワークとの併用による、自主的・自律的な業務の遂行と社員のセルフマネジメント能力向上を図ります。

VOICE

テレワークの活用で仕事もプライベートも充実しています

コンポジットマテリアル製品本部 東京EP営業グループ マネジャー 三上 卓朗

営業の働き方が昔とは変わってきており、今はお客様先に出向く以外の仕事がどんどん増えています。社内資料の他にも、環境・法規制関連の調査対応などで、週に1~2日はデスクワークの日が発生するため、テレワークで行える仕事も少なからずあります。営業職は出張や外出の合間にも仕事をすることが多いので、例えば出張の前後に自宅で集中してデスクワークを行うことで、より効率的に仕事ができるようになっています。これからもテレワークを活用し、自分なりのワークライフバランスを図り、仕事もプライベートも充実させたいと思います。

コンポジットマテリアル製品本部 東京EP営業グループ マネジャー 三上 卓朗

④配偶者同行休業制度を新設

優秀人材の確保および社員のワークライフバランスの拡充をねらいとして、2019年1月から社員が配偶者の海外赴任に同行することができる「配偶者同行休業制度」を導入しました。本制度により、離職することなくライフプランと仕事の両立を実現することができるようになりました。

⑤治療と仕事の両立支援制度を新設

治療を受けながら働く意欲のある社員に対する支援を目的とした「治療と仕事の両立支援制度」を、2020年1月に導入しました。本制度の適切な運用のため、「治療と仕事の両立支援ガイドライン」を策定し、治療と仕事の両立のために継続的に必要となる、就業上の措置および治療への配慮を受けることができるようになりました。

⑥仕事と家庭の両立支援制度の一覧

育児休業制度 最長で法定を1年上回る「子どもが2歳6ヶ月になるまで」の期間、休業することが可能
妊娠~育児に係る有給休暇制度 通院休暇:定期検診や保健指導を受けるために通院休暇を取得することができる
母性保護特別休暇:妊娠中および産後1年以内の女性社員は、10日間を限度とする母性保護特別休暇を取得することができる(産後取得分は無給)
子育てパートナー休暇:育児への参画を目的に、子が生後8週間の期間にある男性社員は連続5日間の休暇を取得することができる
小児看護休暇:取得期間については、法定を超えて子が小学校3年生まで取得することができる(1休暇年度5日まで有給)
育児勤務制度 子どもが小学校3年の年度末に至るまでの期間、勤務時間を短縮する、または、勤務時間をずらすことができる
経済的支援制度の整備 不妊治療や保育施設利用などで、高額な支払いが生じた際に融資を受けることができる
また、育児休業中の無給期間、賞与の一部の貸与を受けることができる
原職復帰制度 育児休業者が復帰する際、職場を原職またはその相当職とする
利用促進のための情報提供 イントラネット上に、DICの両立支援への考え方、諸制度の概要、利用方法などを分かりやすく解説したウェブサイトを開設
介護休業制度 介護のための休業期間を最長で法定の93日を上回る「1年間」に設定、
また6回までの分割取得も可能(2018年1月~)
介護勤務制度 休業せずに介護する社員は、3年間まで最大2時間勤務を短縮でき、残業時間の免除は本人の申し出があるまで無制限に可能(2018年1月~)
配偶者同行休業制度 1年以上海外に滞在する予定のある配偶者に同行するために、休業することができる
休業期間は1年以上、3年間を限度として、在職中1回限り取得可能
勤務地域限定制度 管理職が出産・育児、介護などの理由から、転居を伴う転勤に対応不可である場合、勤務地域を限定することができる
治療と仕事の両立支援制度 治療と仕事の両立のために継続的に必要な、就業上の措置や治療への配慮を受けることができる
半日・時間単位の年次有給休暇制度 年次有給休暇を半日単位で取得することができる。また、5日分を限度として時間単位で取得することができる
保存有給休暇制度 時効消滅する年次有給休暇を上限30日まで保存し、本人の傷病および家族の介護や子の看護、不妊治療等に使用することができる

⑦育児休業制度・子育てパートナー休暇制度利用実績

DICでは、両立支援制度の整備と、その活用のための環境整備を推進した結果、育児休業制度を利用する社員の復職率はここ数年100%となっています。また、出産した配偶者がいる社員の取得する「子育てパートナー休暇」についても利用者の増加が進んでいます。
これらの制度の充実により、女性社員の勤続年数が伸び、男性社員のそれを上回る傾向が続いています。2022年度からは男性育児休暇や育児パートナー休暇のより積極的な取得を推進してまいります。

2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
育児休業制度利用者 2016年度: 35人
(0人)
2017年度: 35人
(0人)
2018年度: 21人
(4人)
2019年度: 28人
(4人)
2020年度: 22人
(3人)
2021年度: 25人
(4人)
子育てパートナー休暇制度利用者 2016年度: 62人 2017年度: 77人 2018年度: 81人 2019年度: 86人 2020年度: 84人 2021年度: 77人

( )は育児休暇制度を利用した男性の人数です

VOICE

仕事と子育てへの挑戦には充実感と楽しさがあります

アドバンストテクノロジーマーケティング部 中島 直子

営業職として入社した当初は、女性であることへの注目が予想以上で戸惑いましたが、実際には仕事のやりにくさを感じたことはありません。それよりも、結婚後の妊娠、産休育休、復帰が入社以来一番の難関でした。妊娠時には体調の予期せぬ変化に戸惑い、休暇中は育児に追われて仕事から離れることに焦りを感じていました。復帰後の現在は、限られた条件の中で仕事をするプレッシャーがあります。しかし、部署、家族はじめ周囲の方々の理解協力を得ながら、育児と仕事を両立していくことは、自分が挑戦したかったことであり、充実感、そして楽しさがあります。この環境に感謝しながら、これからも頑張りたいと思います。

アドバンストテクノロジーマーケティング部 中島 直子

⑧社員平均勤続年数の推移(DICグループ会社出向者含む)

社員平均勤続年数の推移(DICグループ会社出向者含む)

⑨長時間労働の防止と年次有給休暇の取得促進

DICでは、勤務管理システムを導入し、ICカードによる入退場の記録をもとに労働時間の適切な管理を行っています。また、長時間労働を防止するために、労使が目安とする一定の残業時間(休日労働含む)に接近した場合、または残業時間が月間70時間を超過した場合、上司である管理職および担当役員にアラートを発信。業務内容の確認や長時間労働の原因、具体的な改善策などの報告を受け、労働組合と情報共有する体制を構築して長時間労働の抑制・削減につなげています。
この他毎週水曜日と給与支払日を全社一斉の「定時退社デー」に設定し(事業所ごとに柔軟な設定が可能)、効率的な仕事の進め方や生産性の向上につなげています。
また、年次有給休暇については、各事業所で取得奨励日や計画取得日を設けるなど、全社的に取得の促進を実施しています。

⑩月平均残業時間と有給休暇取得状況

月平均残業時間と有給休暇取得状況

2. 社員の安全

①コロナ禍における感染予防対策の取り組みについて

2020年2月の新型コロナウイル感染拡大が発生して以降「新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止の対応について」として、2021年12月末までの間に延べ31報にのぼる社内向けの通達を発信し、社内における感染予防対策の推進から社員一人ひとりの行動に至るまできめ細かな注意喚起を随時行い、新型コロナウイルス感染防止に努めています。

②本社社員食堂の運用・感染予防の取り組みについて

DICでは、利用者が安心して社員食堂を利用できるよう、以下の感染予防対策を行った上で運営しています。

DIC本社社員食堂での対応事例

③新型コロナウイルスワクチンの職域接種の実施

2021年6月から8月にかけ、本社および一部事業所で新型コロナウイルスのワクチン接種(職域接種)を実施しました。これは、ワクチン接種によるコロナウイルスへの感染予防および、感染した場合の重症化予防の期待効果を目的としたもので、希望する社員約2,800人が2回の接種を行いました。

新型コロナウイルスワクチンの職域接種の実施

3. 健康経営

健康経営の取り組みについて

DICグループでは、健康経営宣言のもと、社員が心身ともに健康でいきいきと働くことのできる環境の整備を積極的に推進しています。社員の健康はDICグループの持続的な成長を力強く実現していくための重要なテーマであると考えており、今後も創意工夫による施策を展開していきます。

メンタルヘルスケアの推進

DICでは、社員が心身ともに健康で、安心して働ける環境づくりに取り組み、コンプライアンスにも配慮した適切な労務管理に努めています。特に“心の健康づくり”を重視し、精神科専門医との産業医契約、メンタル疾病の未然防止活動、早期の円滑な回復支援など、総合的なメンタルヘルス対策を講じています。中でも精神科専門医による的確なカウンセリングは、疾病の治療や早期の職場復帰に大きく寄与しています。
また、ストレスチェックについては、2016年の法制化前となる2013年より自主的に取り組みを開始し、メンタルヘルス不調の未然防止に活用しています。特に、ストレス診断結果に基づくメンタルヘルス専門産業医による研修を積極的に開催し、上司・同僚・家族とのより良いコミュニケーションの構築方法や、セルフケアによるストレス耐性向上などの助言・指導を継続的に行っています。
なお、2021年はストレスマネジメントをテーマとしたオンラインセルフケア研修や、スポーツジムとのコラボレーションによる睡眠セミナーなども開催しました。
今後もこれらの取り組みを継続的・計画的に進めていきます。

メンタルヘルスケアの推進

社員の健康づくり

DICは、従来から定期健康診断の結果を分析し、改善が必要な社員に医療機関の紹介や生活習慣の改善に向けた個別指導を行っています。また、食を通じた健康づくりとして、本社の社員食堂では、本社健康管理室と食堂運営会社が共同開発した健康サポートメニュー「DIC Irodori Care+(イロドリケアプラス)」を提供しています。またその献立作成やメニュー提供場面においても、本社総務人事部と健康管理室、食堂運営会社の三者が連携し、社員のニーズも踏まえ、選ばれるメニューの提供に努めています。具体的には、識別しやすいオリジナルサインの設置や、メニュー名においても肥満予防やコレステロール対策など、テーマが分かるネーミングを行うなど、工夫を凝らして提供しています。さらに、健康課題と関連性のある栄養素に着目した「サプリメント小鉢」では、小鉢という気軽さを活かし、健康意識のレベルアップにつながるような取り組みも行っています。
DICは、今後も様々な施策を講じて従業員の心身の健康増進を図ることを通じ、一人ひとりが能力を発揮できる環境の整備に努めていきます。

健康サポートメニューの一例

健康サポートメニューの一例

事業所の社員食堂が「スマートミール」に認証

DIC本社・大阪支店・堺工場が、2018年度「健康な食事・食環境」認証制度の「給食部門」で、最高ランクの「3つ星」を取得しました。これは日本栄養改善学会・日本給食経営管理学会など13の学協会で構成する「健康な食事・食環境」コンソーシアムが、健康に資する要素を含む栄養バランスのとれた食事(通称:スマートミール)を継続的かつ健康的な空間で提供する店舗・事業所などを認証するものです。
同制度では、スマートミールの基準を満たすメニューの提供、運営体制の整備、分かりやすいプロモーションなどの必須項目と「健康な食事・食環境」の推進に関するオプション項目のうち10以上を満たした店舗・事業所等が「3つ星」として認証されます。
認証には、通称「ちゃんと」(1食当たり450~650 kcal)と「しっかり」(同650~850kcal)の2段階があり、本社は「ちゃんと」と「しっかり」、大阪支店と堺工場は「ちゃんと」と認められました。
この他にも本社では社員の健康診断結果を考慮したメニューづくり、大阪支店では健康啓発のため年代ごとの消費エネルギーの明記、堺工場では社員投票や地域食材を活かしたメニューなど、事業所と食堂運営会社が連携し、より良い社員食堂を目指しています。

Smart Meal

TOPICS

「令和元年度 特定給食施設事例報告会」にて講演

東京都では、都内給食施設の栄養管理や給食業務の向上を図り、都民の健康づくりを推進することを目的に、給食関係者や飲食店(定員250名)を対 象とした「特定給食施設事例報告会」を開催しています。DICは2019年度「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞したことに伴い、2020年2月、都民ホールにて開催された「特定給食施設事例報告会」において、受賞優良施設(10施設)の代表として、活動事例の講演を行いました。講演では、 「社員の健康をサポートする食堂づくり」と題し、本社社員食堂で提供する健康サポートメニュー「DIC Irodori Care+ 」や、栄養素に着目した「サプリメ ント小鉢」などの取り組みを紹介しました。

TOPICS

「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を受賞

DICは東京都知事小池百合子氏より、2019年度「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」を授与されました。「東京都特定給食施設等栄養改善知事賞」とは、東京都で毎年、栄養指導の実施状況や給食への配慮、栄養管理面の改善状況を審査し、健康の保持増進に著しく寄与した優良な特定給食施設に対して知事賞として「感謝状」を授与するものです。例年、10施設前後が受賞しておりますが病院や介護施設等が多く、企業の事業所における受賞は、昨年度11施設中0件、本年は10施設中3件となっております。当社本社12階のIrodori Caféで提供する健康サポートメニュー「DIC Irodori Care+」や、栄養素に着目した「サプリメント小鉢」、食材の色に着目した「カラフルデリ® 」などの取り組みが栄養改善として高く評価され、中央区保健所から「優良施設」として推薦を受けたものです。

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コロナ禍での本社社員食堂の運営および感染予防の取り組みについて

エームサービス株式会社 マネジャー太田栄美様

弊社は2015年のDIC新本社ビル開設以来、本社社員食堂の運営を担当しております。おかげさまでご好評をいただき、2020年2月頃までは1日の利用者は約900名、メニューもヘルシーセットを含めた計7品をご提供しておりました。しかし、その後は新型コロナウイルスの感染が拡大し、その対応として、日本の社会でも在宅勤務が急速に普及した結果、DIC様では同年3月末には利用者数が半減、さらに、4月に出された1回目の緊急事態宣言後は、利用者は1日50名程度まで減少しました。こうした食堂運営環境の大きな変化により、弊社従業員も従前の約半数に削減せざるを得ないなど、現場を預かる立場としては様々な葛藤もございましたが、笑顔で仕事を頑張ってくれているスタッフを見て、私自身、励まされる日も少なくありませんでした。
厳しい環境の中でも、DIC社員の皆様の健康や元気の源である社員食堂の運営継続に向けて、DICご担当者様との幾度とないお打ち合わせや様々な試みの結果、現在では1日4品のメニューを日替わりで安定的にご提供させていただける体制にたどり着くことができました。また、その取り組みの過程では、新型コロナウイルス感染対策は必須の対応であり、以下の対策に鋭意取り組んでまいりました。

喫食数予測も従来の実績データでは難しくなりましたが、毎朝の在館人数の連絡をいただくことにより、当日の調理数を調整し、食材ロスや工程のムダを極力削減する努力を続けております。
多くの方のご理解・ご協力により、DIC様の本社社員食堂を現在の新しい運営方式にすることができましたが、今後も、感染対策を十分に行った安心・安全な社員食堂を維持しつつ、限られた提供コーナーの中であっても、利用者の皆様に「美味しい」、「楽しい」と思ってもらえるようなメニューやイベント等の企画を、日々探究し続けてまいりたいと思います。

エームサービス株式会社 マネジャー太田栄美様

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DICならではの企画を考案し、毎日の食事を通じて社員の健康づくりに貢献したい

Registered dietician, Aim Services Co., Ltd. Makoto Mikame

カフェテリアでは、スマートミール、Irodori Care+、サプリメント小鉢など、毎日、栄養素や健康テーマに着目したメニューを提供しております。新しいメニューの提供やイベントの実施など工夫を凝らし、おいしい食事を楽しんで召し上がっていただき、皆様の健康につながればと日々考えております。
2019年10月には、血管年齢測定会を初めて実施し、多くの方にご利用いただきました。食事からだけでなく、皆様にご自身の身体について意識していただける機会となったのではないかと実感しております。
今後も、食事や健康測定会、さらに新たな取り組みを行い、社員の健康づくりに貢献してまいりたいと思っております。

エームサービス株式会社 管理栄養士三瓶真琴様

社員とのつながり

DICグループでは、デジタルインフラ上で新たなコミュニケーションチャンネル(グループ内チャット、イントラネット等)を開設して、グループ社員とのコミュニケーションの活性化に努めました。

グローバルコミュニケーション

海外のDICグループ社員にもより分かりやすいように改訂を行いました。DICのフィロソフィーである「The DIC Way」に関する説明会を、ビデオを活用してDICグループ全体で実施し、浸透・実践の促進とグループとしての一体感の醸成を推し進めました。また、社員の優れた取り組みや行動をグローバルに伝えるためのデジタルコミュニケーションチャンネルを構築しました。
一方、グローバルでブランドをコントロールするためのブランドガイドラインをグループで纏めた。さらに世界中のステークホルダーとの接点の一つである資料テンプレートの統一を図りました。

社内報

DICグループのグローバル・インターナルコミュニケーションツールとして、デジタル社内報”Better Tomorrows”を月1報以上発行しています。日本だけでなく海外関連会社からの配信も共有し、グローバルに広がるDICグループの技術・製品・ビジネス。人・企業文化を共有して社員同士のコミュニケーションに役立てています。