地球温暖化防止への取り組み(2018年度の主な活動)

2018年度の主な活動

01新たにCO2排出量削減の長期目標を設定

DICグループは、サステナビリティ活動の重要課題として「低炭素化」を掲げ、事業所における省エネルギーと再生可能エネルギー(バイオマス燃料、太陽光・風力発電、低炭素電力など)の推進によりCO2排出量の削減に注力しています。
2016年10月にはサステナビリティ委員会において「CO2排出量(絶対量)を2013年度を基準年として2020年時点に7.0%削減する」という中期目標を策定しました。目標を達成するため、これまで重点を置いてきた「事業所での省エネルギー施策のたゆまぬ実行」とともに、バイオマスボイラや太陽光発電といった「再生可能エネルギーの積極的導入」や「低炭素な電力の購入」も活動の柱に加えて取り組みを進めています。
さらに、2019年2月には、中期経営計画「DIC111」(2019年~21年)の中で、ESG 経営における長期目標として「2030年度のCO2排出量を2013年度比で30%削減」を新たに設定しました。これはパリ協定で日本が公約した「2030年度までに2013年度比26%削減」を上回る目標を達成することで、化学メーカーとしての社会的責任を果たすというDICの強い決意を示すものです。今後、DICグループは、事業所における省エネ活動の一層の推進と、太陽光発電やバイオマス燃料といった再生可能エネルギーの積極的採用を二本柱に、グループをあげて目標の完遂を目指します。

2030年度までのCO₂排出量予測(グローバル)

2030年度までのCO2排出量予測(グローバル)

2030年度までのCO₂排出量予測(2013年度比30%削減)

2030年度までのCO2排出量予測(2013年度比30%削減)

目標

02DICグループのエネルギー使用量とCO2排出量の実績(グローバル)

2018年度は生産数量が前年並みの中、エネルギー使用量は前年度比1.4%減少(2013年度比12.7%減少)しました。CO2排出量も同2.6%減少(同14.5%減少)し、生産数量1トン当たりのCO2排出量を指標化したCO2排出原単位も同2.3%減少(同11.5 減少)しました。
DICグループの生産品は、インキ・ポリマ・顔料・液晶・エンジニアリングプラスチック・コンパウンドなど多種多様です。最近の傾向として、生産工程でエネルギーを多く必要とするファインケミカル製品が増加傾向にあり、比較的エネルギーを必要としない製品が減少傾向にあります。
このような状況の中でCO2排出量を年度目標以上に削減できたのは、国内外で積極的な省エネ・低炭素化施策が進展し、特に国内DICグループ会社での排出削減量が大きく寄与しました。
特に2018年度は、①鹿島工場で1.6MWのメガソーラーと、②北陸工場で蒸発量2.5t/hのバイオマスボイラが1月から稼働しました。また、③国内一部事業所で低炭素電力の購入も大きく寄与しました。
今後も引き続き高効率設備の導入や工程改善、設備稼働率の向上といった省エネ施策を実施するとともに、クリーンな燃料への転換や太陽光発電の導入といった再生可能エネルギーの採用を増やしていく計画です。

エネルギー使用量・エネルギー原単位
CO₂排出量
地域別のCO₂排出量実績(前年比と基準年比)
地域別のCO₂排出量実績(前年比と基準年比)
再生可能エネルギーによるCO₂排出量削減量推移

03国内におけるエネルギー使用量とCO2排出量

国内DICグループ(DIC+グループ会社の52事業所)は、2018年生産数量が前年度比1.1% 減少する中、エネルギー使用量は前年比1.4%減少、エネルギー原単位も同0.3%減少しました。CO2排出量も前年比5.1%減少(244,359⇒231,820t)し、生産数量1トン当たりのCO2排出量を指標化したCO2排出原単位も同4.1%減少(221.8 ⇒ 212.7kg-CO2/t)しました。排出量を大幅に削減できた要因は、環境設備の投資基準(環境価値と減価償却のバランス等)を見直し、太陽光発電などを導入しやすい環境を整えたことと、各事業所における省エネ施策の進展によるものです。
その中で、①鹿島工場における新規導入したメガソーラーの稼働開始(同900 t-CO2減)、風力発電の運転管理ノウハウ向上(同400t-CO2減)やバイオマスボイラの保守管理の自前化(同800t-CO2 減)による稼働率の向上、熱媒ボイラの燃焼効率向上など(同400t-CO2減) ②北陸工場のバイオマスボイラの本格稼働(同1,600t-CO2減) ③各事業所の省エネ取り組み535 件実施(同6,500t-CO2減) ④購入電力はCO2排出係数の小さい低炭素電力を優先して購入(同5,000t-CO2減)などの取り組みが大きく寄与しました。これらにより生産品目の変更等によるCO2排出量の増加を吸収し、CO2排出量を約1万2,500t-CO2(国内事業所の総排出量の5.1%に相当)削減し、CO2排出原単位・エネルギー消費原単位も大幅に改善しました。
また、サプライチェーンを通じたCO2間接排出量(Scope3※)については2017年度、環境省SBT 設定支援事業を介して算定のレクチャーを受けました。その結果、DICグループ(グローバル)のCO2間接排出量に該当する全カテゴリーを把握しました。その中の「事業から出る廃棄物」については第三者検証を得ています。

  • Scope3:製造・輸送・配送・出張・通勤等の際に、企業が間接的に排出するサプライチェーンでのCO2排出量。
Scope3を含むDICグループのCO₂排出量

Scope3を含むDICグループのCO2排出量

対2013年比のエネルギー&CO₂排出量進捗率(国内ベース)

対2013年比のエネルギー&CO2排出量進捗率(国内ベース)

04国内DICグループの省エネルギー活動と取り組み実績

各事業所(工場・研究所)では下記のベースロードエネルギーの削減と、生産方法の効率化による低エネルギー化や工程時間短縮を切り口に、PDCAサイクルを回して省エネ活動に取り組むとともに、2017年度から「低炭素化」の推進にも力点を置き、取り組みを進めています。

  • 照明や空調の高効率化とムダ排除策
  • ポンプやブロアの省エネ制御の導入
  • コンプレッサーの高効率化や圧力損失低減策
  • 電気設備の力率改善策
  • 高COPチラーの採用と冷温水供給のムダ排除策
  • 排熱回収によるボイラ燃料等の低減
  • 原料類の加温時間や加温温度の適正化
  • 上記等の省エネ施策取り組み(544件実施)
  • 条件の見合う事業所への再生可能エネルギーの導入
    (鹿島メガソーラーと北陸バイオマスボイラ導入)
  • 条件の見合う事業所での低炭素電力の購入
  • 鹿島工場の再生可能エネルギーの出力向上
    (鹿島バイオマスボイラと風力発電)

2018年度は、これらの活動により約279千GJ(原油換算:約7千㎘)のエネルギーを節減しました。これは200ℓのドラム缶約35,000本分に相当し国内DICグループが使用したエネルギー総量の6.6%に相当します。
今後も継続して省エネ施策の推進を図るとともに、新たなテーマの発掘や各事業所の優秀事例の水平展開に注力します。加えて、ボイラ・チラー・コンプレッサー等のエネルギー消費主要設備について、最適性能を引き出すための管理マニュアルを強化し、国内はもとよりグローバル拠点にも展開しています。

544件の省エネ対策でドラム缶約35,000本分の原油を削減

544件の省エネ対策でドラム缶約35,000本分の原油を削減

主要省エネ施策

「省エネ推進分科会」による水平展開とさらなる活性化

DICでは、各事業所の原動グループ(エネルギー供給・用水供給・廃水処理を担う部署)のリーダーが一堂に会して「原動連携ワーキンググループ会議(WG)」を四半期ごとに開催しています。その活動の柱が「省エネ推進分科会」です。
ここでは本社の生産管理部員も交え、①省エネ活動のポイントをまとめた「省エネ推進マニュアル」の整備、②「省エネ優秀事例集」の編纂、③新たな「省エネアイテムの発掘」とトライアル、④低炭素化促進のための「再生可能エネルギーの導入検討」、⑤全事業所を対象にした「省エネ診断」の実施に取り組んでいます。
省エネ推進マニュアルには、エネルギーの見える化、推進体制、計画策定、管理標準の整備、エネルギーパフォーマンス指標の考え方、省エネ投資基準の考え方、PDCA手法による進捗管理などを明記し、全社マニュアルとして各事業所で運用しています。省エネ診断では、「省エネ推進マニュアル」に照らして実態を数値化してレーダーチャートで表し、浮き彫りになった弱点に対して改善提言を行い、対策の具現化までフォローアップします。この取り組みにより全社の省エネ活動を底上げし、その後、リスクマネジメントに基づくBCP(事業継続計画)の視点も診断項目に取り入れ、海外生産拠点にも展開していきます。

省エネ推進分科会

省エネ推進分科会

2019年度 原動連携WGの活動
省エネルギー環境診断の実施

2018年度は国内4事業所(DIC EP袖ケ浦工場、星光PMC播磨工場、DIC 千葉工場、DICグラフィックス東京工場)を対象にした省エネ環境診断を実施しました。診断の目的は、①コンプレッサー・チラー・ボイラ・受変電設備といったエネルギー変換設備のパフォーマンス向上、②エネルギー消費設備のロス低減、③エネルギー管理レベルの向上、④省エネマネジメントの向上、⑤水平展開可能な他事業所の優秀事例の紹介を着眼点にしています。診断側のメンバーは全社省エネワーキンググループのメンバーで構成し、各事業所でエネルギー管理を担う次世代の若手中堅者も同行させて育成の機会にしています。省エネ環境診断は当社の省エネ低炭素化活動の重要な柱の一つであり、関係会社とベクトルを合わせて2019年度も継続して取り組みます。

「改善力アップ研修」で省エネ・品質向上などを推進

DICでは、生産に関わる従業員一人ひとりの高い意識や改善スキルの向上こそ現場力の強化に直結すると位置づけ、2008年から「改善力アップ研修」を行っています。ここでは「省エネルギー/収率向上/品質向上/合理化」をテーマに、自ら課題を抽出して解決を図るプロフェッショナル人材の養成を目標に、1年をかけてQC手法と改善活動の進め方を習得。翌年に改善実践を行い、毎年12月に工場長や担当役員が出席する報告会で成果を披露します。
さらに2012年から改善スキルを他の従業員に指導・教育するインストラクター養成を目的に、研修修了者を対象とする「改善活動インストラクター研修」を開設。2018年度までに関連事業所の参加者を含む491人が終了し、その内81人がインストラクターの資格を得て省エネルギーなどの改善活動の推進力となっています。

改善力アップ研修受講者延べ人数

改善力アップ研修受講者延べ人数

【エネルギーの見える化の推進】

DICでは、設備ごとにエネルギー使用量をリアルタイムで計測・監視し、ムダ・ムラをなくして最適化を図る「見える化システム」を各事業所に導入しています。見える化システムは、実施した省エネ施策の効果検証にも役立てており、今では省エネを推進する上でなくてはならないツールとなっています。現在、単なる見える化にとどまらず、生産する品種やロットごとのエネル ギー使用量を工程別に解析できる見える化システムを順次導入しています。現在の進捗は、千葉V 現場・鹿島C 現場・堺工場B 現場に導入し、原料の投入量に対して収率の最適化を図る「ゴールデンバッチ」の再現を推進。2016年には、このシステムをさらに高度化して四日市工場に導入し現在に至っております。今後も導入を推進していきます。

電灯電力3ヶ年推移

電灯電力3ヶ年推移

05再生可能エネルギーの導入推進による化石エネルギーの消費削減

[国内消費エネルギーの12.1%を再生可能エネルギーで]

国内DICグループにおける再生可能エネルギーの大半は、鹿島工場の再生可能エネルギー設備(バイオマスボイラ、風力発電、太陽光発電)によるものです。国内DICグループで消費するエネルギー(熱・電気)のうち、12.1%は再生可能エネルギーで賄っており、2018年度は586千GJ(原油換算量15,123㎘)と前年度比で18%増加しました。
前年度比で増加した要因は、鹿島工場における ①既存のバイオマスボイラの安定運転 ②エネルギーソース(バイオマスボイラ、風力発電、太陽光発電、CGS、買電)のこまめなベストミックス運転 ③1.6MWソーラーの新設稼働(面積13,772㎡に278Wの太陽光パネル5,588枚設置、2018年1月稼働)や、北陸工場に新設したバイオマスボイラの本格稼働(発生蒸気2.5t/h、2018年1月稼働)といった取り組みが奏功した結果と言えます。
これら再生可能エネルギーの導入推進により、2018年度時点のCO2削減効果は36,530tとなり、国内DICグループの総CO2排出量の13.6%を再生可能エネルギーで削減した計算になります。
2019年度も新たに5事業所に計1.5MWソーラーを設置完了し、1月から発電を開始しています。特に館林工場に設置したメガソーラーは鹿島工場に次ぐ規模の1.3MWであり、館林工場で消費する年間使用電力量の約20をまかないます。
今後も「2030年度のCO2排出量を2013年度比30%削減」という長期目標に向けて、再生可能エネルギーを積極的に導入していきます。

長期目標
鹿島工場 1.6MW ソーラー

鹿島工場 1.6MW ソーラー

館林工場 1.3MW ソーラ

館林工場 1.3MW ソーラ

北陸工場 バイオマスボイラ

北陸工場 バイオマスボイラ

再生可能エネルギーによるCO₂削減量推移(国内DICグループ)

[国内消費電力の24%を自家発電で]

国内DICグループで2018年度に消費した年間電力量は28,787万kWh(前年度比1.7%増加)でした。その内の約24%(再エネ8%、コジェネ16%)は自家発電で賄っています。自家発電量は太陽光発電が増加したことにより前年度比で5%増加しました。

[購入する電力の一部を低炭素電力に置換]

購入電力量は、国内DICグループでの消費電力量が増加したことにより前年度比で約1%増加しました。購入電力量は消費する電力の約76%を占めることから、購入電力にかかるCO2排出量の削減を目的に、一部の事業所を対象に、低炭素型の電力を調達しています。2018年度におけるCO2削減効果は6,508tで、前年度比国内CO2排出量の2.7%を削減したことになります。
今後も引き続き購入電力の調達先を見直し、CO2排出係数の小さい「低炭素電力」を供給する事業者から優先購入する「購入電力のグリーン化」に取り組んでいきます。

国内DICグループの電源構成

06気象予報データを活用した再生エネルギー稼働システムを開発

再生可能エネルギーは天候によって発電量が大きな影響を受けるため、購入電力やコージェネレーション発電とのバランスを取りながら利用率の最大化を図るのは容易ではありません。鹿島工場では、こうした調整作業を限られた人員で行ってきましたが、2018年に気象予報データを活用して天候に応じた電力供給を自動的に行うシステム開発に着手。エンジニアリング部PAグループと連携して独自のプログラムを開発しました。
これは気象協会が提供(有料)する、日照・気温・風力など3日前からの予測データをコンピュータに取り込み、再生可能エネルギー設備(太陽光発電・風力発電・バイオマスボイラ・メタンガスボイラ)、コージェネレーション発電、購入電力設備を結び、変化する気象条件に合わせて最適な電力配分を自動的に行うものです。
この新システムは、2018年度内に試験導入し、現在、その効果を検証しています。著しい進歩を遂げるICT(情報通信技術)を活用した業務効率化のモデルケースとしても期待されています。

VOICE

日々の電力配分を人的コントロールから自動制御へ転換

千葉工場エンジニアリング部PA エンジニアリンググループ Mohammad Farhan Bin Mohd Fauzi

DIC内で気象予想による発電量予測ができるようなシステムの導入実績はなく、参考にする情報がない状態で取り組みはじめましたので、気象情報提供会社の選定から開発するまでの過程すべてが大変でした。
EXCELのVBA(Visual Basic Applications)&マクロがメインで本プログラムの監視と管理を行いますが、今までVBAの知識がなく、今回の開発では一から独学でプログラムの構築を行いました。また、鹿島工場原動現場の設備に関する知識不足で、専門用語が多い日本語で現場員とのコミュニケーションを図りながらの情報収集にも苦労しました。そうした中でできるだけ低コストで鹿島工場のニーズと設備状況に合わせ、いつでもアレンジできるような高信頼性プログラムを提供したいと思います。
そして、DICでの業務は、様々な先進的な技術を学び色々経験を積むことができます。グロ-バルなエンジニアとして活躍し、マレーシアと日本の架け橋となり、両国だけでなく、世界中に貢献したいと考えています。

千葉工場エンジニアリング部PA エンジニアリンググループ Mohammad Farhan Bin Mohd Fauzi

気象予報データを活用した再生エネ稼働システムを開発

千葉工場PA エンジニアリンググループ GM 長田 和幸

本案件は、入社2年目の社員にとってはかなり難度の高いものでしたが、持ち前のバイタリティーとコミュニケーション力を発揮し、CO2排出量削減と業務効率化に貢献できるシステムをつくり上げてくれました。特に、要求事項を満たす気象情報提供会社の選定や計算ロジックの構築、ウェブサイトからの気象データ取得方法等、ハードルはいくつもありましたが、原動グループの皆さんや先輩の協力を取りつけながら解決を図り開発を進めたことは、目を見張るものがありました。
今後も、様々な課題解決に挑戦し成果をあげるとともに、創造的な業務遂行を通して大きく成長することを期待しています。

千葉工場PA エンジニアリンググループ GM 長田 和幸

TOPICS

平成30年度新エネ大賞「新エネルギー財団会長賞・導入活動部門」受賞

2018年12月、DICは「平成30年度新エネ大賞」(主催:一般財団法人新エネルギー財団)において、鹿島工場の再生可能エネルギー利用率の高さが評価され、「新エネルギー財団会長賞・導入活動部門」を受賞しました。この表彰制度は、新エネルギーの導入促進・普及啓発を図るため、優れた事例を表彰するものです。
鹿島工場は、バイオマス発電・メタンガスボイラ・風力発電・太陽光発電など様々な再生可能エネルギー設備を導入し、消費電力(電気)の50%と消費熱量(熱)の80%を再生可能エネルギーで賄い、年間3万6,000t以上のCO2排出量を削減しています。
工場のエネルギー供給部署では、バイオマスおよびメタンガスボイラなどの燃焼効率の向上を目指し、保守管理技術のレベルアップとノウハウの蓄積に継続的に取り組んでいます。
今回の受賞は、こうした地道な努力が成果に結びついたもので、今後も鹿島工場で培ったノウハウを国内外の事業所へ展開し、再生可能エネルギー導入と利用率向上により温室効果ガスの排出量を削減していきます。

鹿島工場での再生可能エネルギーによるCO2排出削減量

鹿島工場での再生可能エネルギーによるCO₂排出削減量

VOICE

鹿島工場におけるエネルギー供給の最適化に向けて

鹿島工場 鹿島工場原動グループ 河野 莉奈

私は鹿島工場で消費される各種エネルギーのデータ管理、省エネ推進、原動設備の運転管理補助等を担当しています。鹿島工場はDICの国内事業所の中でもっとも多くのエネルギーを消費しており、一方で多様な発電、ボイラ設備を保有している特殊な事業所です。そのため現場の稼働状況に合わせて、最善のエネルギーの組み合わせを選択する必要があります。このような運転管理は他の事業所ではできない経験です。また省エネについても現場のエネルギーの使用状況も様々なので、その現場の設備や操作方法に合わせた合理化を進めなければなりません。大変ですがやりがいのある点でもあります。今後は、IoT、AI技術の活用や需要の平滑化で、より頑健なエネルギーネットワークを構築し、さらなるCO2排出量の削減を目指します。

鹿島工場 鹿島工場原動グループ 河野 莉奈

鹿島工場 鹿島工場原動グループ GM 河瀬 一郎

河野さんは鹿島工場原動グループ初の女性社員としてこの春2年目を迎えました。グループ内ではエネルギー関連データの取りまとめをメインに担当しています。鹿島はDICの中でも以前からエネルギーミックスを実践している事業所です。他所を知らないと鹿島の特殊性がなかなか理解できないかと思います。今後は持ち前の明るさを武器に、いろいろな経験を積んで、エネルギーウーマンの先駆者を目指してほしいと思います。

鹿島工場 鹿島工場原動グループ GM 河瀬 一郎

07オゾン層対策

代替フロンの「HFC(ハイドロフルオロカーボン)」は、機器・設備の冷媒として広く普及しています。しかし、HFCはオゾン層破壊物質ではないとはいえ、CO2の100倍~10,000倍以上の温室効果があり、HFCによる影響で今世紀末までの平均気温上昇は、摂氏約0.5℃分と推計されています。
このような中で、2016年10月、ルワンダのキガリで開催された「モントリオール議定書」の第28回締約国会議においてHFCの生産および消費量の段階的削減義務を定める改正(キガリ改正)が行われました。これに伴い、日本でもオゾン層保護法が改正されました。キガリ改正は日本を含む65ヶ国が締結(2019年1月10日現在)。20ヶ国以上の締結という発効条件を満たしているため、2019年1月1日に発効されました。

漏えいフロン量(CO₂換算値)

漏えいフロン量(CO2換算値)

日本国内においては、2015年4月にフロン回収・破壊法が改正され、フロン排出抑制法が施行され、漏えい量把握と報告が義務化されています。
DICグループの2018年度の漏えいフロン量はCO2排出量換算値で356t(1事業所または1企業の漏えい量が1,000t以上で国に報告義務あり)でした。フロン排出抑制法が施行された2015年度の漏えいフロン量(566t)と対比した場合37%削減したことになります。DICグループは、空調機器選定時においてノンフロンなど環境負荷の低い冷媒を選定することに努め、漏えいフロン量の削減に取り組んでまいります。

08海外DICグループにおけるCO2排出量とCO2排出原単位

2018年度の海外DICグループは、生産数量が前年度比微増(0.4%増加)でした。その中でエネルギー使用量は同1.4%減少(2013年度比17.8%減少)し、エネルギー消費原単位も同1.8%減少(2013年度比9.2%減少)しました。
また、CO2排出量も同1.1%減少(2013年度比19.3%減少)し、CO2排出原単位も同1.5%減少(2013年度比10.9%減少)しました。
CO2排出量が減少した要因は、①各社がDICグループのCO2排出量削減目標をブレークダウンして省エネ低炭素化活動を推進したこと ②中国においては「海南DICのバイオマスボイラ」と「青島DIC精細化学の太陽光発電設備」の稼働が寄与したこと ③アジアパシフィックにおいては、タイの「サイアムケミカルでの太陽光発電設備」の稼働やPT. DIC グラフィックス カラワン工場(インドネシア)での「石炭燃料の一部をヤシ殻燃料に置換量アップ」したこと ④欧米では「太陽光発電設備の追加導入や生産効率化のさらなる取り組み」などが大きく寄与しました。

国内DICグループの電源構成

海外における省エネルギー活動の推進

海外DICグループでは、各国・地域のインフラ事情や法規制が異なる中で、化学工業界の先進的な事例となるようエネルギーの削減・効率的な運用に取り組んでいます。
海外DICグループの事業所では着実に省エネ活動が定着してきており、①生産効率化 ②ベースロードの削減 ③設備更新時における高効率機種の選定 ④照明のLED化推進など、省エネ活動が活発化しています。加えて、再生可能エネルギーの導入事例も増加し、2019年度以降の新規案件も数件検討中です。
一方、DIC本社では、省エネ診断や個別プロジェクトの支援を通じて、海外DICグループ会社との連携をさらに強化しています。2018年度はAP地区の5事業所(インドネシア:PT. DICグラフィックス カラワン工場、タイ:サイアムケミカル、台湾:DICカラーランツ、中国:南通色料・常州華日)を訪問し、省エネ診断と同時に独自に考案された優れた事例を「グッド・ジョブ」と認定して国内DICグループ会社に水平展開するプロジェクトをスタートしました。この取り組みでは、好事例を自らの工場に導入するプロセスを若手人材育成(人づくり)の場としても活用しています。

アジアパシフィック(AP)

AP地区の22事業所が排出するCO2排出量は、DICグループ全体の19%を占め、2018年度は、生産数量が9.1%減少(2013年度比5.3%増加)しました。前年度比減少した要因はインドの1事業所を他のバウンダリに移管したためです。一方、エネルギー使用量は2.6%減少(2013年度比11.8%増加)し、CO2排出量は2.1%減少(2013年度比3.5%増加)しました。AP地区ではエネルギー原単位が比較的高い顔料製品のマザープラントがインドネシアにあり、年々生産量が増加しています。この顔料生産事業所のエネルギー使用量とCO2排出量はAP地区全体の50%を超えるウエイトゆえに、当事業所のAP全体の影響度は非常に大きいといえます。そのため当事業所では、使用する石炭をバイオマス燃料であるヤシ殻に一部転換するなどの省エネ低炭素対策を推進しています。加え て、DIC省エネ分科会による省エネ診断の実施や、外部省エネコンサルの指導(東京電力)などの施策を実施しました。この他にもAP地区では、特にインド(DIC Indiaの4事業所)の関係会社での省エネ成果が大きく寄与しました。
AP地区では毎年シンガポール(DIC-APオフィス)で、各国のESH代表者と本社担当者(RC部、生産管理部)によるESHカントリーヘッド会議を開催しています。会議では、主に安全・環境面の次年度活動方針の説明と具体的な活動計画をすり合わせ、地球温暖化防止についても取り組み方針(省エネ・低炭素化による削減目標)の説明と活動計画を決定します。
DIC本社はCO2排出量削減目標達成に向けて①各事業所の省エネ計画の立案と実行 ②省エネ診断の継続実施(省エネテーマの発掘と実行支援) ③エネルギー管理の実用マニュアルと省エネ事例集の展開(管理定着と水平展開) ④条件の適した事業 所を対象にした省エネ・低炭素化プロジェクトの立ち上げを促し、その支援を行っています。

2018年6月インドネシアPT. DICグラフィックス カラワン工場 外部省エネコンサルティング

2018年6月インドネシアPT. DICグラフィックス カラワン工場 外部省エネコンサルティング

2018年6月インドネシアPT. DICグラフィックス カラワン工場 省エネ診断実施

2018年6月インドネシアPT. DICグラフィックス カラワン工場 省エネ診断実施

PT. DIC グラフィックス カラワン工場 省エネ診断結果

PT. DIC グラフィックス カラワン工場 省エネ診断結果

中 国

中国地区の18事業所(研究所含む)のCO2排出量は、DICグループ全体の10%を占め、2018年度は、生産数量が6.2%増加(2013年度比7.6%増加)した中で6.9%減少(2013年度比7.8%増加)しました。CO2排出量の減少要因は、①高原単位製品製造工場の稼働減(顔料) ②バウンダリの変化(広州立大樹脂を参入) ③各事業所における地道な省エネ活動と生産性向上策の効果が表れています。増加要因としては、①生産数量の増加 ②エネルギー多消費型製品の増加(顔料、液晶材料等) ③研究施設の増床やクリーンルーム稼働など生産に寄与しないベースロードエネルギー消費の増加があげられます。
中国地区では毎年、各事業所のエネルギー担当者および安全環境担当者と本社担当者(RC部、生産管理部)が一堂に会し、省エネ環境安全合同会議を開催しています。会議では、地球温暖化防止の年度取り組み方針(省エネ・低炭素化による削減目標)を説明し、中国地区におけるCO2排出量の削減目標を決め、事例紹介や今後の計画を発表します。会議のねらいは、各社のエネルギー管理状況や省エネ活動を参考に自社のレベル向上に役立てることにあります。
また、各社のエネルギー管理状況やエネルギー設備のパフォーマンスを点検する「省エネ診断」では、DIC省エネマスターが「省エネ推進体制」「エネルギー使用量の把握状況」「方針策定と目標管理の状況」「主要設備のパフォーマンス」等を現地確認し、レーダーチャートで強みと弱みを可視化して改善に反映しています。

改善指導風景

改善指導風景

中国常州華日化工省エネ診断

中国常州華日化工省エネ診断

中国常州華日化工省エネ診断結果

中国常州華日化工省エネ診断結果

海外DICグループでも導入が進む再生可能エネルギー

世界的な脱炭素社会への潮流を背景に各国とも再生可能エネルギーの普及に力を注ぎ、アジアパシフィック・中国に展開するDICグループ各社は、各国の助成・支援制度も活用してバイオマスボイラや太陽光発電などの導入に取り組んでいます。2018年度のグローバルでの再生可能エネルギーは、728,183GJ(前年度608,502GJ)となり、前年度比19.7%増加となりました。

インドネシア PT. DIC Graphics
石炭に代わる燃料でCO2排出量を削減する「ヤシ殻プロジェクト」

PT. DIC Graphicsカラワン工場は、食品パッケージ用インキや塗料・プラスチック等に多用される顔料の主力工場で、多くの熱エネルギー(ボイラ)と洗浄水を使用しています。主な燃料は石炭で、これは経済性(重油価格の1/5、天然ガスの1/3)と入手しやすさによるものです。しかし、カラワン工場だけでDICグループ全体のCO2排出量の1割を占め、生産数量も上昇し続けているため省エネ・低炭素化が重要課題でした。
そこでDIC本社とカラワン工場はCO2排出量削減プロジェクトを発足し、石炭に代わる燃料として「ヤシ殻」に着目。インドネシアは世界第二のパームオイル生産国で、オイル抽出後のヤシ殻が豊富にあり、日本にも輸入されて石炭火力発電所やバイオマス発電の燃料として活用されています。プロジェクトチームがヤシ殻を調べてみると、1kgあたりの熱量は約4,000kcalと、カラワン工場で使う石炭のカロリーと同等なことが分かりました。

燃料となるヤシ殻

燃料となるヤシ殻

そして2017年、カラワン工場はエネルギーマネジメントシステムの国際規格「ISO-50001」認証を取得するとともに、石炭使用量の約12%をヤシ殻に置換して年間約5,000tのCO2排出量を削減しました。2018年から稼働を本格化し、ヤシ殻の比率を25%まで引き上げ、CO2排出量を年間約10,000t(2016年比15%)削減し、DICグループ全体の約2%削減に寄与しています。
ヤシ殻と石炭は燃焼速度が異なるため混錬の調合が難しいうえ、燃焼後にできるクリンカ(焼塊)の除去にも多大な労力を必要とします。DIC本社では、現場の負荷軽減を図るためクリンカを除去しやすい薬品の効果を国内工場で検証し、実証試験を完了次第、カラワン工場に展開する計画です。
さらに、日本の電力系コンサルタントを現地に派遣し、インドネシアのエネルギー情勢や燃料コストなどを多角的に分析し、長期視点から燃料転換による自家発電設備によるCO2排出量削減を提言するなどの支援も実施しています。

タイ サイアムケミカル社
太陽光発電設備を新設してCO2を削減

サイアムケミカル社は、合成樹脂など多様なポリマ製品を製造し、特に塗料用アクリル樹脂は自動車の生産増加に伴い需要が高まっています。また、タイでは天然ガス火力発電から電源の多様化を図るため、税制優遇措置を設けて再生可能エネルギーの普及に力を注いでいます。こうした中で、同社はサムットプラカーン県の工場建屋・倉庫に発電能力704kW(年間発電量:1,049MWh)の太陽光パネルを設置。2017年7月から稼働を開始し、電力を製造現場やオフィス用に活用しています。

太陽光発電設備を導入した工場

太陽光発電設備を導入した工場

屋上に設置されたソーラーパネル

屋上に設置されたソーラーパネル

VOICE

再生可能エネルギーの導入を積極的に継続していきます

サイアムケミカルインダストリー社 Solar Cell Project Engineer, Maintenances Chief Kiatisak Malasita

私は、タイのサイアムケミカルで約13年間メンテナンス部門に勤務しています。
2017年、私は責任者として太陽光発電プロジェクトを指揮しました。国内でも製造工場への導入事例が少ない状況の中で、設置方法や設置場所の検討に苦労しました。
しかし、多方面の皆さんの協力のおかげでプロジェクトを完了し、これにより2018年度は電力使用量の14%を太陽光発電で賄い、年間500tのCO2排出量削減を実現しました。タイは日照時間が長いため、太陽光発電にとても適した環境にあります。タイの最新電力開発計画では、再生可能エネルギー発電容量は2037年までに合計18,176MWにする予定です。このうち太陽光発電の容量は10,000MWと計画しており、太陽光発電の比重は増加していきます。SCIでは、今後もこの動向に注視し、再生可能エネルギーの導入を検討していきます。

サイアムケミカルインダストリー社
Solar Cell Project Engineer, Maintenances Chief Kiatisak Malasita

中国 DIC海南迪愛生微藻
軽油からバイオマスボイラに切り替え

海南DICは、藻の一種「スピルリナ」を生産し、栄養補助食品(スーパーフード)や天然着色料として加工しています。その製造工程で必要な蒸気を得るため、従来は軽油によるボイラを使用していましたが、2016年10月、ゴムの木の間伐材を燃料とするバイオマスボイラに切り替えました。
2018年度は年間を通じてフル稼働し、工場のCO2排出量680t/ 年を削減し(年間排出量の30%)、中国地区全体のCO2排出量の約1.1%分の削減に寄与しました。

中国 青島迪愛生精細化学
太陽光発電で大幅に省エネ&CO2排出量削減

中国の液晶パネルメーカー向けにTFT(薄膜トランジスタ)液晶を生産する「青島DIC精細化学」は、プラント建屋の屋上に発電能力440kWの太陽光発電設備を設置し、2017年9月より稼働を開始しました。同設備の導入により、2018年度はほぼ計画どおりの490MWhを発電しました。これは青島DIC精細化学の電力使用量の約15%を占め、太陽光発電により事業所のCO2排出量を年間約5.5%削減しました。

青島DIC精細化学有限公司(440kW太陽光発電)

青島DIC精細化学有限公司(440kW太陽光発電)

VOICE

「現場主義」で次代を担う省エネ人材を育成

生産管理部 エネルギー管理 担当マネジャー 阿部 智

省エネルギー活動の推進でもっとも重要なのは、まず現場の実情を知り、現場と一体となって改善施策を実行することです。こうした現場主義は、生産管理部だけでなく各事業所の省エネ担当の人材育成にも反映され、AP地区の省エネ診断に分科会の若手メンバーを同行させ、「グッド・ジョブ水平展開プロジェクト」のメンバーも意識的に若手社員を起用するなどしています。事業所の生産工程は、業種によって多種多様のため、ひと口に水平展開するといっても容易ではなく、海外ならエネルギー事情も違うためなおさらです。しかし、現場のスタッフと一つになって目標を達成した時の喜びは格別で、そんな経験を積み重ねることで見える景色も違ってくると思います。

生産管理部 エネルギー管理 担当マネジャー 阿部 智

欧 米

欧米(アフリカ含む)地区の113事業所におけるCO2排出量は、DICグループ全体の約33%を占め、2018年度のCO2排出量(前年度比)は、生産数量が3%増加(2013年度比3.4%増加)した中で1.4%増加(2013年度比23.1%減少)にとどまりました。その増減要因として、①さらなる生産集約化や生産効率化の実施 ②太陽光発電設備の追加導入 ③省エネ活動と生産性向上策の実施があげられます。
欧米では、これまで①バイオマス燃料(ランドフィルのバイオガス)の活用 ②太陽光発電・小水力発電の活用 ③省エネコンサルティングなどアウトソーシング手法を用いた省エネ推進、といった施策を実施してきているばかりではなく、世界各地に点在する生産拠点の集約化や生産効率化に取り組んでおり、その成果(2013年度比CO2排出量は23.1%減少)はDICグループ全体に大きく寄与しています。今後も引き続き省エネ低炭素化活動に取り組みます。

欧米

欧米

生産活動以外の取り組み

2018年度もクールビズ・ウォームビズを励行しました。また、オフィス・事業所では古くなった照明器具や空調機器をトップランナー基準に準拠した高効率タイプにリプレイスする一方、照明の不要時消灯やエアコンの温度設定を夏28℃・冬22℃に徹底するなど、ビル管理会社と協働で「こまめな」省エネ活動に取り組みました。

TCFD提言の支持と取り組み

DICグループは、パリ協定以降の低炭素社会への移行に向けた国際社会の状況を十分に認識し、化学企業として生産活動を通じたCO2排出量削減に取り組むと同時に、気候変動に伴うリスクおよび機会を適切に評価し、低炭素社会に貢献する製品開発も含めグループ全体として気候変動への対応を進めています。2019年5月にはTCFD※提言への支持を表明し、今後同提言に沿った情報開示にも取り組んでいきます。

  • TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures(気候関連財務情報開示タスクフォース、金融安定理事会(FSB)の直下に設置され、2017年7月に提言を報告)。
TCFD提言の支持と取り組み

VOICE

将来のエネルギー社会を見据えて温室効果ガス排出量の削減を推進

生産管理部 効率化担当マネジャー(エネルギー管理企画推進者) 川口 和男

ビジネスを取り巻くエネルギー事情の変遷は目まぐるしく「低炭素化」へのアプローチも一様ではありません。温室効果ガス排出量を削減するには、化石燃料から電化へのシフトが自明の理であっても、電力の由来が天然ガスか再生可能エネルギーかでCO2排出係数が異なり、エネルギーミックスの最適化を図るのも容易ではありません。また、水素エネルギーを取り巻く技術の進展によって再生可能エネルギーの導入戦略も変わってきます。DICは「2030年度にCO2排出量を2013年度比で30%削減」という目標を掲げていますが、そこに至る約10年間にもっとも合理的かつ効率的にアプローチすることが私たちの使命です。それには将来のエネルギー社会を長期的・客観的な視点で見据え、技術の進展や各国の施策も注視しながら戦略に反映したいと考えています。

生産管理部 効率化担当マネジャー(エネルギー管理企画推進者) 川口 和男