グローバル運営体制(GOM)における人事戦略
グローバルHRCoE
(Global Human Resources Center of Excellence)
Strategy & Special Projects ディレクター
関森 裕子
DICグループがグローバルな事業運営を強化する中で、人事部門の役割も変化しています。これまで人事施策は各地域の要件や慣行を踏まえ、主に地域単位で企画・運用されてきました。このアプローチは地域ニーズへの迅速かつ柔軟な対応を可能にする一方、タレントマネジメントの分断やグローバル全体の人材情報の可視化不足といった課題もありました。
こうした背景のもと、DICグループはグローバル運営体制(GOM)を推進しています。
GOMは各地域の特性を尊重しつつ、グローバルで一貫性のある事業運営を実現するため、戦略的優先事項や意思決定プロセス、組織能力を地域横断で整合させる枠組みです。この方針のもと、人事も地域中心・オペレーション主体の役割から、グローバル連携を強化することで、事業成長と組織を支える戦略的パートナーへと進化しています。
現在の重点領域の一つが戦略的ワークフォース・プランニングです。事業活動が国境を越えて拡大・高度化する中、将来必要となる人材やスキルを見通すことが不可欠です。人事はGOMのもと、中長期戦略の実行に必要な重要ポジションやケイパビリティの明確化に向け、事業部門と連携を進めています。地域横断で人員需給を把握し、採用・育成・社内人材異動の意思決定を高度化することで、適切な人材配置を目指しています。
また、グローバル人材育成の取り組みとして、グローバルマネジメントアクセラレーター(GMA)プログラムを推進しています。本プログラムは次世代リーダー育成を目的に2024年に開始され、第1期卒業生を輩出しました。今後も人事はグローバル連携を深め、DICグループの競争力向上を人材面から支えていきます。
人を育て、企業を育てる
グローバルHRCoE
Talent Management Vice President
Sun Chemical Corporation
Jennifer Dewey
DICグループでは、多様性とインクルージョン、そして戦略的な人材計画を、人材の確保・育成・定着を支える重要な基盤と位置づけています。様々な世代、文化、ライフステージから成るグローバルな従業員構成を踏まえ、グローバルで一貫した方針と地域の実情に応じた柔軟な運用を両立させ、すべての従業員が能力を発揮し成長できる環境づくりを進めています。
その中核を成すのが、柔軟な働き方とワークライフバランスの推進です。職種や勤務地、ライフステージに応じて、ハイブリッドワーク、柔軟な勤務時間、地域特性に即した休暇制度を導入し、生産性とウェルビーイングの両立を図っています。育児休暇や介護支援、職場復帰プログラムなどを通じて、人生の重要な局面にある従業員を支え、長期的なキャリア形成を可能にしています。
また、持続可能な人材基盤の構築に向けて、新卒採用やアプレンティスシッププログラムを通じ、多様な背景を持つ若手人材を育成しています。これらの取り組みは、スキル開発や知識継承を促進するとともに、将来のリーダー層に向けた人材パイプラインの強化にもつながっています。
人材育成とリーダーシップ開発は戦略的な重点分野であり、タレントレビューや後継者計画を通じ、多様な候補者を公平かつ透明性のある形で育成しています。ジェンダー平等や同一労働同一賃金は、欧州の企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に基づく重要なテーマとして位置づけ、女性や過小評価グループの登用を支援しています。
これらの取り組みは、グローバル人事基盤とデータに基づく人事管理によって支えられており、各地域の多様な労働環境や文化的背景に配慮しながら、DICグループは、インクルージョンと人材開発を通じて、持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
