戦略
SBM-1 戦略、ビジネスモデルおよびバリューチェーン
SBM:Strategy, Business Model and Value Chain
戦略
DIC Vision 2030の下で、DICは貢献する社会を「グリーン」「デジタル」「Quality of Life(QOL)」と定義し、技術的強みとグローバルネットワークにより社会的・経済的価値を最大化できる事業領域に経営資源を集中しています。併せて、経営ビジョンである「彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに - Color & Comfort -」は、化学の領域にとどまらない価値提供を通じ、日々の暮らしを豊かにしながら地球規模の環境課題にも対応していくというDICの志向を示しています。
サステナビリティはDICの戦略および意思決定に組み込まれており、特にカーボンニュートラル社会への移行への貢献を重視しています。DICは、Scope 1・2・3にわたる温室効果ガス排出削減、低炭素・バイオ由来製品の拡大、サプライヤーおよび顧客との協働によるバリューチェーン全体の脱炭素化を通じて、気候変動の緩和を推進します。
同時に、資源保全、化学物質安全、ならびに事業展開地域における規制強化への適合にも取り組んでいます。
ビジネスモデル
DICグループは、印刷インキ、接着剤、顔料、合成樹脂を中心とした製品とソリューションを提供するグローバル化学企業です。「Color & Comfort」という経営ビジョンのもと、材料科学とイノベーションを通じて、人々の生活の質の向上と持続可能な社会の実現に貢献しています。
DICグループのビジネスモデルは、技術、グローバルな調達、生産、販売体制および多様な産業における顧客との密接な連携を基盤としており、製品ライフサイクル全体を通じた価値創出を目的として構築しています。
また、継続的な研究開発活動を通じて、環境配慮、資源効率および製品安全性を含む社会的要請の変化に対応した製品、ソリューションの開発を推進しています。
ビジネスモデルを支える主要なリソースは以下のとおりです。
- 社内外への継続的な事業開発投資により蓄積された高度な技術力および研究開発能力
- 製品の安定供給を可能にするグローバルな調達・生産・販売ネットワーク
- 各地域における人的資本および専門的技術ノウハウ
- 共同開発および用途開発を支える顧客、スタートアップ、大学研究機関とのパートナーシップ
これらのリソースを活用することにより、DICグループは高付加価値の化学製品およびソリューションを提供し、グローバル市場における競争力を維持・強化しています。
バリューチェーン
DICグループは、原料調達から製品の提供に至るまで、統合されたバリューチェーン全体を通じて事業活動を展開しています。
上流(Upstream)
DICグループは、鉱物資源由来、石油化学由来およびバイオ由来の原材料、中間体、添加剤をグローバルなサプライヤーから調達しています。これらの調達にあたっては、持続可能な調達の推進とサプライヤーとのエンゲージメントを通じて、責任ある原材料調達およびサプライチェーンの安定性確保に努めています。
自社操業(Own operations)
製造活動は、世界各地の生産拠点において、配合、合成、加工および品質保証を含むプロセスとして実施しています。事業活動においては、製品品質の確保、環境負荷の低減、労働安全衛生の確保および資源の効率的利用を重視しています。
下流(Downstream)
製品は、包装、印刷、自動車、電子機器、建設、化粧品、およびヘルスケア等の幅広い産業に供給されています。これらの製品を通じて、顧客の製造プロセスを支援するとともに、最終市場における機能性、安全性およびサステナビリティ性能の向上に貢献しています。
Sun Chemicalは、DICグループ内の複数の企業で構成されており、事業モデルおよびバリューチェーン構造を共有しています。これにより、グローバル市場における事業展開の拡大と顧客エンゲージメントの強化に貢献しています。
以下の図は、DICのバリューチェーンを示しています。
バリューチェーン図
インプット(Input)
1,607 kt
原材料調達量
408 億円
年間設備投資
28
R&D拠点
10,527 件
承認および適用特許数
20,932 人
従業員
168
製造拠点
163 社
グローバルネットワーク
2,646 GWh
エネルギー消費
35,270 千m³
取水量
アウトプット(Output)
10,522 億円
連結売上⾼
533,391 t CO2eq
スコープ1および2排出量
6,035,688 t CO2eq
スコープ3(カテゴリー1)排出量
118,158 t
総廃棄物発⽣量
32,400 千m3
排⽔量
3.36
TRIR: 労働災害発⽣率(100万労働時間当たり)
SBM-2 ステークホルダーと関心事・視点
ステークホルダー・エンゲージメント
ステークホルダー・エンゲージメントの目的
ステークホルダー・エンゲージメントの目的は、ステークホルダーの期待や関心事項を把握し、それらを事業活動および経営戦略に反映することです。
具体例として、以下の取り組みを実施しています。
- 投資家との対話を踏まえた情報開示および資本市場とのコミュニケーションの充実
- 顧客および取引先からのフィードバックを製品開発やサステナビリティ調達施策へ反映
- 継続的な対話を通じた経営判断の高度化
継続的なエンゲージメントを通じて、ステークホルダーとの信頼関係を構築するとともに、持続可能な企業価値の向上および社会課題の解決への貢献を目指しています。
ステークホルダー・エンゲージメントの基本方針
DICグループは、経営の透明性と公正性を確保し、ステークホルダーからの理解と信頼を得ることを目的として、適時かつ適切な情報開示と双方向のコミュニケーションを重視しています。
DICグループはステークホルダーに対する情報開示に関して、「コーポレートガバナンスに関する方針」の第8条において定めています。
DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」の基本方針に沿い、以下のような多岐にわたるコミュニケーションを通じて、世界中でステークホルダーとの対話を行っています。
- サステナビリティに関する開示およびステークホルダー調査
- 展示会、技術セミナーおよび業界イベント
- 投資家向け説明会および決算説明会
- プレスリリースおよびメディア対応
- ウェブサイト、ソーシャルメディアおよびデジタルコミュニケーション
これらの活動を通じてステークホルダーの期待や関心事項を把握し、事業活動や経営判断へ反映することに努めています。
また、ISO 26000で示されるステークホルダー・エンゲージメントの考え方を踏まえ、継続的な対話を通じて信頼関係の構築と持続可能な社会の実現に向けた取り組みを推進しています。
Sun ChemicalはDICグループの一員として、サステナビリティ、財務報告、内部監査および法務の各部門の代表者で構成されるクロスファンクショナルなワーキンググループを通じて、サステナビリティ開示およびダブル・マテリアリティ評価に関連するステークホルダー・エンゲージメントを推進しています。
マルチステークホルダー方針
当社は、事業を行う上での従業員や取引先等の様々なステークホルダーとの関係の構築の方針として、マルチステークホルダー方針を作成いたしました。
方針や具体的な取り組みについては以下のPDFファイルをご参照ください。
関連資料
主要ステークホルダー
DICグループは、事業活動に影響を与える、または影響を受ける以下の主要なステークホルダーを特定しています。
ダブル・マテリアリティ評価(DMA)において考慮されたステークホルダー:
- 顧客
- 株主・投資家
- 取引先・サプライヤー
- 従業員
その他の関係するステークホルダー:
- 地域社会
- 業界団体・外部機関
- メディア
ステークホルダー・エンゲージメントの組織体制
DICグループは、継続的な対話および確立されたコミュニケーションチャネルを通じてステークホルダーとのエンゲージメントを実施しています。これにより、ステークホルダーの期待を把握するとともに、関連する社会課題および事業課題を特定し、意思決定に反映しています。これらのステークホルダーとのエンゲージメントは、当社グループの包括的なサステナビリティへの取り組みの基盤となり、環境や社会に関する様々なテーマについての情報開示を支えています。
DICグループでは、ステークホルダーとの対話を組織的に管理する体制を整備しています。
- 株主・投資家との対話は、社長執行役員、副社長執行役員、CFO、経営戦略部門長、総務法務部門長、IR担当部署などが中心となって実施しています。対話の内容は経営層および取締役会に定期的に報告され、経営判断に活用されています。
- 顧客とのコミュニケーションは各事業部門が主体となり、展示会やイベント、ウェブサイトなどを通じて実施しています。
- サプライヤーとの対話はSCM部門が担当し、サステナビリティ調達ガイドラインやアンケートなどを活用して実施しています。
- 地域社会とのコミュニケーションについては各事業所が主体となり、地域活動や教育プログラムなどを通じて関係構築を進めています。
- 従業員エンゲージメントに関する取り組みは、人事部門が中心となって推進しており、社内コミュニケーションおよび企業文化の醸成に向けた施策を通じて支援されています。
このように、各部門が役割を分担しながら、グループ全体でステークホルダー・エンゲージメントを推進しています。
顧客
展⽰会、技術イベント、オンライン展⽰会、ウェブサイト、SNSなどを通じて、製品・技術情報の提供や市場ニーズの把握を⾏なっています。
株主・投資家
決算説明会、スモールミーティング、個別面談、社外取締役との対話などを通じて、企業戦略や財務情報に関する説明を行うとともに、投資家からの意見を経営に反映しています。
取引先・サプライヤー
サステナビリティ調達ガイドラインや調達アンケート、訪問調査などを通じて、持続可能なサプライチェーンの構築に向けた対話を行っています。
従業員
社内コミュニケーションプラットフォーム、デジタルツール、および社内報などを活⽤し、グローバルに展開する当社グループ全体における情報共有、従業員エンゲージメントの向上、および組織的⼀体性の強化を推進しています。
DICグループでは、社内チャットシステム、イントラネット、および各種デジタルコミュニケーションツールを活⽤し、従業員間の連携促進ならびに企業活動・価値観に対する理解浸透を図っています。
また、2025年には、「The DIC Way」の浸透および企業⽂化の強化を⽬的として、グループの価値観に沿った⾏動を実践した従業員の表彰を実施するとともに、ニュースレターを通じて、戦略、事業運営、および組織施策に関する情報を本社および各地域チーム間で共有しました。
地域社会
地域社会との交流活動、環境教育プログラム、地域貢献活動ならびレスポンシブル・ケア活動に関する対話を通じて、社会およびステークホルダーとの相互理解を深めるとともに、エンゲージメントの促進に取り組んでいます。
メディアおよび企業広告
DICグループでは、お客様、株主・投資家、地域・社会などのステークホルダーに対する情報の伝達⼿段として、パブリシティ活動を強化しています。⾃社からの積極的な情報開⽰を客観的視点である報道につなげることにより、ステークホルダーの理解深化に加えて、社員の⼀体感醸成につながることを期待しています。
2025年は経営戦略の実⾏、新製品の開発・上市、他社との協業、業績発表、サステナビリティへの取り組みなどのニュースリリースを配信するとともに、DIC Vision 2030で思い描く⻑期ビジョンを、取材等を通じて積極的に発信することで、化学の領域を超えた価値の提供により、豊かさと持続可能性の両⽴を⽬指す当社グループの姿をご理解いただくことに努めました。当報告年において、当社グループは70件の記者取材対応を実施するとともに、51件の記者発表を発信しました。
⽇本では、「DIC岡⾥帆シリーズ」等の取り組みを通じて、社会課題の解決および持続可能な社会の実現に向けた当社グループの姿勢を発信しています。また、デジタル広告や交通広告を活⽤し、当社グループのビジョンおよび成⻑可能性に関する情報発信を⾏っています。
展⽰会
2025年は、国内外において対⾯形式での展⽰会出展を積極的に進めるとともに、新たな形式として定着したオンラインでの出展も引き続き⾏いました。
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国内展⽰会
- ドローン専⾨の展⽰会「Japan Drone 2025」(6⽉)に全⽅位マル チコプタ-を初出展、デモフライトを 初公開
- 世界最⼤級の半導体産業国際展⽰会 「SEMICON JAPAN 2025」 (12⽉)に初出展
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海外展⽰会
- 世界最⼤級のテクノロジー⾒本市 「CES 2025」(1⽉) に、CES Innovation Awards を受賞した全⽅ 位マルチコプタ-を初出展
- 欧州・⽶州地域の事業を統括するSun Chemicalがオランダ・アムステルム で開催「in-cosmetics global 2025」(4⽉)で、化粧品・美容業 界に向けて新しいエフェクト顔料を 紹介
- 中国・上海で開催された「CHINACOAT 2025」(11⽉)に 出展し、⾃動⾞⽤、⼯業⽤、そして サステナブルな塗料分野における最新 の樹脂および顔料のテクノロジーを 紹介
ウェブサイト
お客様との⼤事な接点であるウェブサイトに関しては、グローバル、中国地域、アジアパシフィック地域のサイトの拡充を実施しました。世界中のお客様に、DICが配信すべき情報を適切に伝えるために、それらのサイトを運営しました。
また、サステナビリティ⽅針や定量的なESGデータなど、IRおよびESG関連の開⽰を強化するため、ウェブサイトのコンテンツを拡充するとともに、ウェブアクセシビリティの向上に向けた取り組みも継続しています。
また、Sun Chemicalのウェブサイトとも、グローバルで販売する製品に関する情報リンクの強化、問い合わせ対応の連携を図り、グローバルでのお客様満⾜度の向上を図りました。
さらにウェブサイトへのお客様の誘導を⽬的に、X(旧Twitter)、LinkedIn、Instagram、WeChat等のSNSも活⽤しました。
社会貢献活動および地域社会との関係構築
DICグループは、地域社会との調和ある関係の構築および持続可能な社会の発展への貢献を目的として、社会貢献活動を推進しています。
グローバル各拠点において、環境保全活動、教育プログラム、理科実験授業、文化活動、および従業員によるボランティア活動など、地域の特性およびニーズに応じた取り組みを行っています。
これらの活動は、地域社会との相互理解の深化および次世代支援を目的とするとともに、事業活動の枠を超えた社会的価値の創出に寄与するものです。
なお、地域社会とのエンゲージメントは主として各事業拠点単位で実施しており、地域ごとの期待に応じた柔軟な対応を行うとともに、グループ全体のサステナビリティ方針との整合性を確保しています。
DICグループの社会貢献活動は、2009年に制定した「社会貢献活動ガイドライン」に基づき推進しており、グループ経営ビジョンである「Color & Comfort」との整合を図っています。
当該ガイドラインのもと、当社グループは以下の3つの重点領域において取り組みを推進しています。
- 事業活動:持続可能な社会の発展と地球環境の保護に貢献する製品やサービスの提供
- 文化・教育:色彩、化学、文化、芸術、教育に関する支援ならびに次世代育成に資する活動の推進
- 地域・社会:従業員による自主的な社会貢献活動への参加支援および地域ニーズに応じた取り組みの推進
「カラーユニバーサルデザイン」による彩りと快適の提案
DICグループは、上記の経営ビジョンのもとカラーユニバーサルデザインの研究・開発に取り組み、様々な分野で彩りある暮らしに貢献しています。
- 2025年の取り組み︓2025年7⽉、公益社団法⼈⽇本パッケージデザイン協会(JPDA)主催セミナー「わかりやすさとは何か ー ユニバーサルコミュニケーションデザインを学ぶ」に協⼒しました。セミナーはDIC⽇本橋本社で開催され、DICグラフィックスとDICカラーデザインから、「ユニバーサルカラーデザインを知る」をテーマに、⾊覚特性に関わらず、情報が「伝わりやすい」デザインのための配⾊のコツの解説、また、DICグラフィックスから⾊指定で必要な⾊だけが欲しい時に活⽤できる、インクジェット出⼒⾊⾒本紹介をしました。さらに、DICカラーデザインから、DICカラーガイドを活⽤した配⾊ワークショップを提供しました。
- 2024年︓⾊覚多様性への配慮と安全性向上を⽬的として、国内DICグループ⼯場の電気設備設計基準を改訂。カラーユニバーサルデザインに基づく表⽰灯や配線⾊の標準化を進め、社員が安⼼して働ける環境づくりを推進。
- 2023年︓視認性と景観調和を両⽴した視覚障がい者⽤点字誘導ブロック「ルシダ®」のブランドロゴタイプと使⽤マニュアルの、誘導ブロックメーカーへの無償提供を開始。
- 2023年︓視認性と景観調和を両⽴した視覚障がい者⽤点字誘導ブロック「ルシダ®」のブランドロゴタイプと使⽤マニュアルの、誘導ブロックメーカーへの無償提供を開始。
- 2022年︓DICグループウェブサイトのコラム記事として、「⾊彩を通じたDICの社会貢献」を公開。暮らしやすい社会を実現するためにDICグループがこれまで取り組んできた⾊覚の多様性への対応について、社内・社外の関係者の皆様の声とともに、ステークホルダーに向けて発信。
- 2019年以降︓防災情報の配⾊の策定に協⼒。2020年に内閣府から発表された「⼤⾬の警戒レベルをわかりやすく伝えるための5⾊配⾊」では、画⾯表⽰⽤RGB値を策定する検証に参加。2021年発表の同配⾊のCMYK値策定では、候補⾊の検証だけでなく、DICグラフィックスが検証⽤カラーチャートの印刷にも協⼒。
- 2018年以降︓「カラーユニバーサルデザイン推奨配⾊セット」は、約10年の使⽤実績を踏まえて⾊彩値を⾒直し、使⽤法をまとめたガイドブックは第2版に改定し、ユーザビリティの向上を企画。2018年に公⽰された「JIS安全⾊(JIS Z 9103)」は、ユニバーサルデザインの観点から世界に先駆けて多様な⾊覚の⼈々が識別しやすいよう⾊合いを改正。国内DICグループは原案作成委員会に参画し、印刷⽤のCMYK推奨値の策定を中⼼となって⾏うとともに、普及活動にも協⼒。
- 2015〜2017年︓産学連携の共同研究を実施。千葉⼤学、DIC総合研究所、DICカラーデザインの3者で包装印刷の注意表記等に⽤いられる特⾊⾚⾊インキの⾒分けに関する研究や、⾼齢者の可読性を対象とした印刷物の配⾊に関する研究に取り組み、国内外の学会で発表。
- 2011年以降︓東京⼤学や建築家の隈研吾⽒らと、景観調和とロービジョンの⽅の視認性の両⽴を⽬指した「視覚障がい者⽤誘導ブロック」を開発。2018年春に各社から製品化されたウォームイエローとクールイエローは、「ルシダ®」という名称で商標登録され、様々な建築物や駅などで設置。
- 2007年以降︓東京⼤学監修のもと⼀般社団法⼈⽇本塗料⼯業会、⽯川県⼯業試験場、NPO法⼈カラーユニバーサルデザイン機構と「カラーユニバーサルデザイン推奨配⾊セット」を開発。
今後のアートに関わる活動⽅針
DICは「⾊」に関わる企業にふさわしい社会貢献活動として、美術館運営を通じた⽂化発信に取り組んできました。2025年3⽉末にDIC川村記念美術館を休館した後も、その理念を継承・発展させる新たな取り組みとして、公益財団法⼈国際⽂化会館との協業を開始しました。本協業では、戦後アメリカ美術を中⼼とする20世紀美術のコレクション等を中核に、国際⽂化会館と共にアートと建築を起点とした新たな⽂化発信拠点の創出を⽬指しています。
国際⽂化会館が建設する新⻄館には、建築ユニットSANAAが設計する常設展⽰室「ロスコ・ルーム」を開設し、マーク・ロスコの《シーグラム壁画》7点を移設・公開します。都⼼にありながら緑豊かな環境と歴史ある建築が調和する空間において、作品・建築・⾃然が融合する体験の提供を⽬指します。
また、ロスコ・チャペルとの連携や、美術品修復⽀援組織「IACC」の活動を通じて、⽂化資産の保護と次世代への継承にも取り組んでいます。
これらの活動を通じて、DICは⼈々の⼼に「彩りと快適」を届けるとともに、企業と社会の共⽣の在り⽅を体現し、国際社会における新たな価値創造に貢献していきます。
関連リンク
国内DICグループ理科実験授業
DICは、⽂部科学省が振興を図る理科教育の⼀環として、社会貢献活動「理科実験授業」を実施しています。DIC理科実験授業の歴史は⻑く、2010年より延べ50施設(⼩学校や⼤学イベント)約3,400⼈にDICならではの実験を提供してきました。2025年は、「東北⼤学サイエンスキャンパス 体験型科学教室」において、⼩学⽣および中学⽣を対象に、印刷技術、顔料、機能性材料などをテーマとして体験型プログラムを実施し、実践的な学びの機会を提供しました。また、本活動には若⼿社員が講師として参加することで、社員エンゲージメントの向上にもつながっています。
3x3プロバスケットボールチーム「北総ライノス」を支援
DICは、千葉県北総地域を拠点とする3人制プロバスケットボールチーム「北総ライノス」を支援するため、2025年にスポンサー契約を締結しました。「北総ライノス」は地域に根ざしたチームとして、若者を中心とした競技力の向上と地域コミュニティの活性化を目指しています。2025年3月にはプレシーズン大会で初優勝し、日本代表として世界大会への出場が決定。ホームタウンを千葉県印西市から北総地域へ拡大し、チーム名を「印西ライノス」から「北総ライノス」に改称しました。
DICは、千葉県佐倉市に研究拠点である総合研究所を有しており、同地域で活躍する「北総ライノス」が国内外の強豪チームと競い合い、大舞台へと挑む姿勢に共感し、地域貢献およびスポーツ振興の一環として本協賛を決定しました。DICは「北総ライノス」のユニフォームへのロゴ掲出などを通じて、チームとともに地域の盛り上げに貢献していきます。
関連リンク
グループ各拠点の取り組み
DICエステートの取り組み(日本)
DICエステートは、「ダイバーシティ&インクルージョン」を組織マネジメントの基本理念と位置づけ、DICグループの多様な人材の個性や特性を活かした職場作りを目指しています。障がい者の積極的な採用だけでなく人材育成の観点で職域拡大や成長を促す仕組みを整備し、いきいきと働ける職場環境づくりにも積極的に取り組んでいます。2025年は特別支援学校からのインターンシップ受け入れ(8校9名)を実施するとともに、職場見学として学校関係者(8校10名)および福祉関係者(39団体51名)を受け入れました。さらに、東京都の聴覚障がい者支援事業所からの会社見学として、職員3名および利用者6名を受け入れるなど、多様な背景を持つ方々に対する理解促進と就業機会の創出に取り組んでいます。
DICプラスチックの取り組み(日本)
DICプラスチックでは、資源循環の推進と環境負荷低減を目的に、ペットボトルキャップの回収活動を実施しています。回収したキャップは、リサイクル事業者に引き渡され、再生資源として有効活用されています。本取り組みにより、GHG排出量の削減に加え、マイクロプラスチックによる海洋汚染の抑制にも貢献しています。
DIC グループ中国地域での取り組み
海南迪爱生微藻有限公司では、地域社会との共生を目的に、工場周辺の住民への支援活動を実施しています。2025年以降、年間を通じて工場周辺の住民に対し無償で飲料水を提供しています。また、海口地域の乾季においては、近隣住民からの要請を受け、農作物の栽培に必要な灌漑用水を供給しました。これらの取り組みを通じて、地域の生活環境の向上および持続可能な農業活動の支援に貢献しています。
DIC グループアジアパシフィック地域での取り組み
DIC Philippinesでは、次世代人材の育成を目的に、地元高校生を対象とした就業体験プログラムを実施しました。2025年1月22日から2月5日にかけて、Taguig Science High Schoolの生徒6名を受け入れ、実務に触れる機会を提供しました。本プログラムを通じて、生徒の職業理解の促進と実践的な学びの機会創出に貢献するとともに、地域社会との連携強化に取り組んでいます。
Sun Chemicalでの取り組み
Sun Chemicalでは、従業員主導の募金活動、教育支援、ボランティア活動、環境プログラムなど、複数の地域において社会貢献活動および地域社会とのエンゲージメントに取り組んでいます。報告期間中に実施した主な取り組みは以下のとおりです。
- 教育・青少年支援活動:米国では、カンザスシティのFrontier Local Schoolsに対し、地域の学校からの要請に基づき、従業員が授業で使用する備品や教材などの学用品の寄付活動を実施しました。また、米国NAPG Plant Managers Meetingにおいて、従業員がフリース製ブランケットとバックパック80組を作成し、イリノイ州の里親制度下にある子どもたちに寄付しました。EMEA地域の各拠点では、従業員や研修生が「Girls' Day」の活動に参加し、若い女性のSTEM(科学・技術・工学・数学)関連職種への関心を高めることを目的として、実験室での体験会や施設見学を提供しました。コロンビアのSun Chemicalは、スキルの開発やキャリア形成を目的として、寄付、ワークショップ、地域活動を通じて、幼児期の発達支援や青少年教育プログラムを支援しました。
- STEM・教育関連の取り組み:EMEA地域の各拠点では、従業員や研修⽣が「Girlsʼ Day」の活動に参加し、若い⼥性のSTEM(科学・技術・⼯学・数学)関連職種への関⼼を⾼めることを⽬的として、実験室での体験会や施設⾒学を提供しました。コロンビアのSun Chemicalは、スキルの開発やキャリア形成を⽬的として、寄付、ワークショップ、地域活動を通じて、幼児期の発達⽀援や⻘少年教育プログラムを⽀援しました。。
- 従業員による募金活動と地域支援:英国では、従業員がMacmillan Cancer Support、Sporting Chance、Cancer Research UK、Conductive Education Bristol、Suicide Prevention UK、Noah's Charity Golf Dayなどの団体を支援する募金活動や慈善活動に参加しました。これらの活動を通じて、医療、メンタルヘルス、ホスピスケア、地域のウェルビーイングに関する取り組みを支援しました。
- 環境・地域社会に関する活動:トルコの各拠点では、従業員が植樹寄付活動、リサイクルキャンペーン、季節ごとの寄付プログラム、地域の慈善団体を支援する従業員主導の募金活動やボランティア活動など、環境保全および地域社会とのエンゲージメントに関する取り組みに参加しました。
これらの取り組みを通じて、Sun Chemicalは地域社会を支援するとともに、従業員による社会貢献活動および地域社会とのエンゲージメントを促進しています。
グローバルな安全環境活動における地域社会との連携
DICグループは、工場周辺住民の方々へ向けて、定期的に安全環境に関する説明会を実施しています。
コンビナート地区の工場(千葉、鹿島、堺、四日市)に関しては、2年に1度近隣工場の関係者とレスポンシブル・ケア地域対話集会を開催しています。また、住宅地付近に特に近接して位置する埼玉工場では、毎年環境説明会を実施しています。
他にも、中学・高校生の体験学習の受け入れ、地域防災訓練への参画、祭りなど地域イベントへの協力など、工場の地域特性に応じた取り組みを通じ、社会とのコミュニケーションを深めています。
また、国内DICの各工場では、工場の安全環境活動に関する報告書(サイトレポート)を発行し、地域住民の皆様への情報公開に努めています。
海外DICグループ会社の事業所においても、地球温暖化防止や生物多様性の保全に寄与する植樹活動などを通じて、地域社会との対話・交流に努めています。
株主・投資家の皆様とのつながり
株主との建設的な対話に関する方針
DICグループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するよう、株主との建設的な対話を推進します。また、株主の意見・懸念や要望は経営陣と共有し、適切に会社の運営に活かします。
IR活動の主な対応者
対応者:社長執行役員、副社長執行役員、CFO、経営戦略部門長、総務法務部門長、IR担当部門、社外取締役
実施状況
- 決算説明会4回:2Q、4Qは社長が登壇
- スモールミーティング2回:社長スモールミーティング 2回
- 個別面談141件(内、マネジメントによる対応35件):海外投資家との面談77件、国内投資家との面談36件、セルサイドアナリストとの面談12件、SR面談16件
- 個人投資家向けオンライン説明会(社長スピーカー):社長インタビュー動画や事業紹介動画のウェブサイト掲載
経営陣や取締役会に対するフィードバック状況
- 株主・投資家との対話内容を取締役会へ報告(年2回)
- 経営層に対し、株主・投資家との対話内容を報告(毎月)
対話の主なテーマや関心事項
- 事業ポートフォリオ変革の進捗
- カラー&ディスプレイの中長期的な改善見通し
- これからの成長事業の明確化
- セグメント別ROIC目標の開示
- 資本効率改善のための取り組みの進捗
- 美術品を含む資産見直しの進捗
- 株主還元方針に関する説明の充実
- ガバナンス強化の取り組み
対話を踏まえて取り入れた事項の例
- 2026年2月16日に発表した長期経営計画「DIC Vision 2030」Phase2計画(2026年〜2030年)において、事業ポートフォリオ変革の進捗と今後の方針を開示
- ROEやROICの目標値と改善に向けた方針を開示
- 2030年のセグメント別ROIC計画を参考値として開示
- 資産見直しの進捗を適時に開示
- 定量的な株主還元方針を設定(総還元性向40%以上)
- 株主(機関投資家)と社外取締役の1on1ミーティングを実施
- 業務執行取締役の株式報酬の比率引き上げ(2026年1月〜)
社外からの評価
社外からの評価
DICグループは、世界最大規模の年金運用機関であるGPIFでの採用指数をはじめ、各ESG評価機関より評価を得ています(2025年12月現在)。最新情報については、こちらをご覧ください。
参加イニシアチブについて
DICグループは以下の活動を行い、持続可能な発展に向けた取り組みを推進しています。
- 国連グローバル・コンパクトが提唱する10原則に賛同し、国連グローバル・コンパクトに署名
- TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言への賛同
- 排出削減目標についてSBTi(Science Based Targets initiative)認定を取得
- 社会的責任に関する国際規格であるISO 26000(2010年11月発行)のガイドラインを尊重
- 海洋プラスチックごみの問題解決を目的に設立された「CLOMA(クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス)会員
- 経済産業省および金融庁をオブザーバーとする「人的資本経営コンソーシアム」会員
- レスポンシブル・ケア世界憲章
国連グローバル・コンパクト
グローバルに信頼され誇りある企業市民であり続けるために
グローバルに信頼され誇りある企業市民であり続けるためにグローバルな化学メーカーとして、国連グローバル・コンパクトを支持しています。詳細については、こちらをご覧ください。
