Topic シュリンク包装用ラベルを通じた、リサイクル社会への貢献

- サンケミカルグループが社会課題の解決に向けて取り組む事業活動 -

サンケミカルグループ(米国)はDICグループの一員として主に欧州・米州で、世界NO.1シェアの印刷インキ事業を展開し、同時に様々な社会課題の解決に貢献する製品の開発と供給に取り組んでいます。

社会の課題

シュリンク包装とは、熱収縮性プラスチックで被包装物を包みその形状に密着させる包装形態で、近年PETボトル等の用途で幅広く使用されています。パッケージ外観のデザイン性という点で高い評価を得ているシュリンクラベル(包装容器の胴体部分に密着させたラベル)の需要も、シュリンク包装市場の拡大とともに近年急成長している分野です。しかし、強粘着剤が主流の米国およびヨーロッパでは、このシュリンクラベルを施したPET容器にはリサイクルの観点で欠点があると認識されています。

リサイクル・プロセスの過程でPETボトルは粒状化されて、分離用のタンクを通ってキャップやラベル等の異物を取り除くわけですが、その際には水との比重差を用いて分離を行います。

欧米の伝統的な粘着剤とシュリンクラベルでは完全な分離は難しく、インキや粘着剤などの付着物がPETボトルに残ることがあります。一部の食品グレードのPETボトルは、リサイクルのルートも確立してきていますが、一般的な用途に用いられるPETについては、最初の用途よりラフな用途(カーペット用のパッキング材や、パレットの剥離剤など)に用いるしかなく、これでは外部埋立廃棄物となる前に1回しか再生利用ができません。

サンケミカルグループの対応

サンケミカルグループは、シュリンクラベルを完全にPETボトルから剥離することを可能にする画期的な方法を見出しました。PETボトルから容易に剥離する性能を持つ構成物を新製品として開発したのです。この開発品をシュリンクラベル構成に導入することで、廃棄されたPETボトルのまま熱処理工程でラベル全体が容易に剥がれ、熱風工程で飛ばすことが可能になります。これにより従来の裁断工程だけでなく、分離タンクによる層分離工程まで不要となります。さらに、リサイクル工程で、従来の粘着剤等も一切残らず分離できることにより、PETの純度も著しく向上し、抜本的な合理化、品質向上、他用途への再利用可能など、PET容器業界に対して画期的な環境対策貢献をアピールできる製品になります。

シュリンクラベルを施したPETボトルのストック

シュリンクラベルを施したPETボトルのストック

VOICE from DICグループ

私たちの製品でPETボトルのリサイクルを推進します

Field Marketing Manager, Sun Chemical Corporation Jeremy Teachman

PET ボトルのリサイクルについては従来より浮動性のシュリンクラベルを用いた方法など、様々な試行錯誤がなされてきましたが、工程中での課題もありました。今回の開発品により印刷から加工を1つの工程で行うことが可能となり、それも検討しています。これが実現すれば、別工程で塗工している粘着剤、接着剤、コーテイング剤の従来工程も簡略化され、グローバルに展開できる可能性が一気に高まると考えています。

Field Marketing Manager, Sun Chemical Corporation
Jeremy Teachman

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