社会との共生・社会貢献
彩りのある快適な暮らしのために
社会貢献の基本的な考え方
DICグループは、地域や社会の皆様と共生を図り、社会との良好な関係作りを重視し、2009年度に定めた「社会貢献活動ガイドライン」に基づいて、事業所のある各地で社会貢献活動を進めています。
社会貢献活動ガイドライン
DICグループは、経営ビジョン「彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに‒ Color & Comfort ‒」により、色彩の文化と快適な暮らしの向上に貢献するために、事業活動、文化・教育、地域・社会の3つの領域において社会貢献活動に取り組んでいきます。
事業活動
DICグループは、「事業活動を通じてのサステナビリティ」という観点から、持続可能な社会の発展と地球環境の保護に貢献する製品やサービスを提供していきます。
文化・教育
DICグループは、色彩の文化および化学の分野において、次世代を担う人材育成など、文化・芸術、学術・教育の振興・発展に寄与する活動を行います。
地域・社会
DICグループは、地域社会との共生を図り、相互の信頼関係の構築に努めます。また、社員が地域社会への自発的貢献活動を積極的に行える環境を整備します。
主な社会貢献の取り組み
「カラーユニバーサルデザイン」による彩りと快適の提案
DICグループは、上記の経営ビジョンのもとカラーユニバーサルデザインの研究・開発に取り組み、様々な分野で彩りある暮らしに貢献しています。
2024年の取り組み
従業員の色覚多様性への対応、情報の視認性向上を目的に、国内DICグループの各工場で使用している電気設備に関する設計基準を8月に改訂しました。モデル工場の現地調査で課題を抽出し、電気技術分科会にて検討の上、カラーユニバーサルデザインに対応するための項追加や推奨色の番号指定などを行いました。使用器具の選定に対する見直し、表示灯の色・順番の指定、盤内配線色の指定の他、今後導入する装置・設備への適用を進めるとともに、既存設備の修繕などの際にも適合を図ります。DICグループ全体の事故・誤操作の防止や安全性向上を目指し、社員が安心して働きやすい環境づくりを推進しています。
2007年~
東京大学監修のもと一般社団法人日本塗料工業会、石川県工業試験場、NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構と「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット」を開発。
2011年~
東京大学や建築家の隈研吾氏らと、景観調和とロービジョンの方の視認性の両立を目指した「視覚障がい者用誘導ブロック」を開発。2018年春に誘導ブロックメーカー各社から製品化されたウォームイエローとクールイエローは、「ルシダ®」という名称で商標登録され、様々な建築物や駅などで設置。2024年には「ルシダ®」のブランドロゴタイプと使用マニュアルを各社へ無償提供し、統一されたブランドイメージのもとでの展開を開始しました。
2015~2017年
産学連携の共同研究を実施。千葉大学、DIC総合研究所、DICカラーデザインの3者で包装印刷の注意表記等に用いられる特色赤色インキの見分けに関する研究や、高齢者の可読性を対象とした印刷物の配色に関する研究に取り組み、国内外の学会で発表。
2018年〜
「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット」の色彩値を見直し、使用法をまとめたガイドブックを第2版に改訂。ユーザビリティの向上を図りました。
2018年に公示された「JIS安全色(JIS Z 9103)」は、ユニバーサルデザインの観点から世界に先駆けて多様な色覚の人々が識別しやすいよう色合いを改訂。DICグループは原案作成委員会に参画し、印刷用のCMYK推奨値の策定を中心となって行うとともに、普及活動にも協力。
2019年〜
防災情報の配色の策定に協力。2020年に内閣府から発表された「大雨の警戒レベルをわかりやすく伝えるための5色配色」では、画面表示用RGB値を策定する検証に参加。2021年発表の同配色のCMYK値策定では、候補色の検証だけでなく、DICグラフィックスが検証用カラーチャートの印刷にも協力。
2022年
DICグループウェブサイトのコラム記事として、「色彩を通じたDICの社会貢献」を公開。暮らしやすい社会を実現するためにDICグループがこれまで取り組んできた色覚の多様性への対応について、ステークホルダーに向けて発信。
2023年
視認性と景観調和を両立した視覚障がい者用点字誘導ブロック「ルシダ®」のブランドロゴタイプと使用マニュアルの、誘導ブロックメーカーへの無償提供を開始。
DIC川村記念美術館
DICは「色」に関わる企業にふさわしい社会貢献活動として、DIC川村記念美術館を運営してきました。1990年に千葉県佐倉市の総合研究所敷地内に開館した同館は、ヨーロッパ近代美術、日本の現代美術など幅広いジャンルの作品を所蔵しています。特にロスコなど20世紀アメリカ美術のコレクションには定評があります。常設展でよりすぐりの作品を紹介するとともに、コレクションへの理解を深めるための企画展を年に数回開催してきました。
散策を楽しめる庭園の自然環境は、作品・建物と並んで当館が大切にしている要素です。緑豊かな3万坪の敷地では、10種250本の桜をはじめとした四季折々の草花を楽しむことができ、人々の憩いの場となっています。
なお、佐倉の地で長年運営してきたDIC川村記念美術館は2025年3月末日をもって休館し、その規模を縮小した上で東京に作品を移設します。当社が所有する作品を、さらに多くの方に鑑賞していただくことで、人々の心に「彩と快適」を届ける機会として、また企業と社会の共生のあり方を体現することを継続していきます。
DIC本社での取り組み
DICは、文部科学省が振興を図る理科教育の一環として、社会貢献活動「理科実験授業」を実施しています。DIC理科実験授業の歴史は長く、2010年より延べ49施設(小学校や大学イベント)で約3,400名にDICならではの実験を提供してきました。
2024年は、「東北大学サイエンスキャンパス 体験型科学教室」において、小学5、6年生を中心に総勢40名を対象に授業を実施しました。経営ビジョンにある「Color & Comfort」をテーマに、カラー印刷の仕組みや藻類からの天然色素抽出、リサイクルできる接着剤の溶解実験といった、人と地球の未来をより良いものにする“化学”に触れる授業内容です。2024年は本活動への興味・関心度の高い入社2、3年目の社員8名が講師・アシスタントを務め、社員のエンゲージメント向上にも寄与しました。
パッケージングマテリアル製品本部での取り組み
パッケージングマテリアル製品本部では、2024年9月に埼玉県ふじみ野市立大井小学校で、5年生3クラス約90名を対象に総合教育の一環として「リサイクル環境教育」を実施しました。授業では、児童たちと一緒にCO₂を減らすためにどのようなことができるかを考え、食品トレーなどの容器包装プラスチックをルールにしたがって分別することや、DICが考えるポリスチレンの完全循環型リサイクルの説明を行いました。児童たちは、色・柄食品トレーを再び食品トレーにリサイクルするための新たな技術(溶解分離リサイクル:Dic法)にとても興味を示し、「研究開発にかかった時間は?」、「どのような原理なのか?」など積極的に質問していました。
Sun Chemical社での取り組み
Sun Chemical社(米国、以下「サンケミカル社」)のITチームは、工場があるシンシナティのスプリンググローブにて、地元のサイバーセキュリティプログラムをサポートしています。ITディレクターを務めるChimdi Ifeakanwa氏が複数の授業を受け持ち、その受講生はサンケミカル社を訪問し、授業での学びを化学企業の実務に応用する機会を得ました。
このプログラムは高校生向けに設計されており、地元の複数の企業がスポンサーとなって、高校生がサイバーセキュリティの資格を取得することでITキャリアを有利にスタートできるように支援しています。
DIC Asia Pacific社での取り組み
2024年12月、DIC Asia Pacific社(シンガポール、以下「DICアジアパシフィック社」)はSSA Culinary Institute(シンガポール最大のハラール料理学校)と提携し、Chen Su Lan Methodist Children's Homeの子どもたちのためにサステナビリティ活動を主催しました。コミュニティへの還元を目的としたこの取り組みは、子どもたちがDICアジアパシフィック社ボランティアグループとのつながりを育みながら料理のスキルを探求するユニークな機会を提供しました。
この料理学校で開催されたイベントは、恵まれない地域の子どもたちに喜びと学びをもたらすように設計されました。調理をともにすることは単なる授業以上のものであり、チームワーク、創造性、個人の成長を促す経験でした。子どもたちとボランティアは一緒に作業し、料理学校のインストラクターの専門的な指導のもと、楽しくインタラクティブな環境でおいしいお菓子を作りました。
海外DICグループ会社(インドネシア)での取り組み
3x3プロバスケットボールチーム「北総ライノス」を支援
DICは、千葉県北総地域を拠点とする3人制プロバスケットボールチーム「北総ライノス」を支援するため、2025年にスポンサー契約を締結しました。「北総ライノス」は地域に根ざしたチームとして、若者を中心とした競技力の向上と地域コミュニティの活性化を目指しています。2025年3月にはプレシーズン大会で初優勝し、日本代表として世界大会への出場が決定。ホームタウンを千葉県印西市から北総地域へ拡大し、チーム名を「印西ライノス」から「北総ライノス」に改称しました。
DICは、千葉県佐倉市に研究拠点である総合研究所を有しており、同地域で活躍する「北総ライノス」が国内外の強豪チームと競い合い、大舞台へと挑む姿勢に共感し、地域貢献およびスポーツ振興の一環として本協賛を決定しました。DICは「北総ライノス」のユニフォームへのロゴ掲出などを通じて、チームとともに地域の盛り上げに貢献していきます。
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