特 集 印刷インキ製品の環境対応への取り組み
地球規模での環境保全活動が広がる中、印刷インキについても、有害物質を使用しないインキ、石油系溶剤を抑制した、大豆油インキ、植物油インキなどが開発されています。さらに石油系溶剤を全く含まない「ノンVOCインキ」も増えつつあります。また、湿し水を排出しない水なし印刷用インキは印刷工程全体のVOC削減に、LED-UV照射装置を利用し乾燥工程での消費電力を削減するLED-UV用インキや、リサイクル性を考慮したタイプなど、印刷物としての環境保全に対応した各種の製品を揃えております。お客様のニーズに応じた環境対応型印刷インキを、選択していただくことが可能です。
LED-UV用オフセットインキ
UVインキは、紫外線のエネルギーで光化学反応を起こすことにより瞬間的に硬化するインキで、自然乾燥の油性インキと比べて生産性が高く、VOCを含まない環境調和型のインキとなっています。これらの特長から、UVインキを使用する印刷は、加工工程が多く物性要求の厳しいパッケージ印刷を中心に広く利用されてきました。近年は、UV印刷の高生産性と高付加価値性が、一般商業印刷分野でも注目されて一層の需要拡大が見込まれています。
枚葉インキ用プロセスインキ
印刷インキおよび有機顔料の世界トップシェアー※である当社グループは、インキの生産・供給体制の最適化をグローバルに進めています。環境調和型枚葉プロセスインキ「SunLitTMDiamond」をインド西部のグジャラート州ダヘジ経済特別区に新設したグローバル・マザープラントで昨年末より生産を開始し、今後、グローバルに供給を行っていきます。同プラントは、ヨーロッパ製の設備を中心とした最新鋭の自動化プラントで、高品質な枚葉プロセスインキを効率よく生産することができます。今後、段階的に生産規模を拡大し、最終的には年産約3万tの大規模プラントとなる予定です。
同プラントから世界各地に供給される枚葉プロセスインキは、Non-VOC型としてカーボンオフセットに寄与するだけでなく、RoHS・REACH・EN71/3など国際規格に準拠した環境調和型製品です。今回のグローバル・マザープラントは中国・南通市の拠点に続き2箇所目となりますが、DICグループでは、今後も各種インキの生産・供給体制の最適化に向けて取り組んでいきます。
- 世界シェアは、印刷インキで約30%、有機顔料で約25%。有機顔料は印刷インキの主要原料。

2012年度以前の特集

DICグループは、持続可能な社会に向けて化学の力で課題を解決し、新たな価値を創造しています
輸送・情報・住宅・食品…暮らしを支える産業分野には解決すべき様々な課題があります。DICグループは独創的な製品開発を通じて、これらの課題解決に貢献するとともに、新たな価値を創造しています。

化学製品の有益性を最大限に引き出しながら「安全・環境・健康の確保」を最優先に取り組んでいます
DICグループは多彩な化学製品を通じて暮らしを支えるとともに、製品サイクルの全過程を通じて「安全・環境・健康の確保」に努めています。

印刷インキ製品の環境対応への取り組み
有害物質を使用しないインキ、石油系溶剤を抑制した、大豆油インキ、植物油インキなどを開発しています。

合成皮革用ウレタン樹脂製品
車室内のVOC低減への要求に応えるため、トルエンフリー化や、水性化など、環境対応型製品の開発にも注力しています。

ハロゲンフリーPPS樹脂
独自の重合技術とアロイ化技術を融合することにより、PPS樹脂に含まれるハロゲン(塩素)量を低減させた、低ハロゲン化PPSコンパウンドのラインナップです。

食品包装材用環境対応型接着剤
有機溶剤の使用量を削減したハイソリッド型、水道水での希釈が可能な水性型など、VOCの発生を回避できる接着剤を開発しています。