品質
品質の向上と顧客満足の追求
主な取り組みの目標と実績
品質の確保
年度 | 目標 | 実績 | 評価 |
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2024 | 新体制下での役割の浸透 | 2024年1月に組織変更を実施。本社品質組織と事業所品質保証グループの機能と役割を明確化し、円滑な運営を行った | ★★ |
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品質監査等を通じ、事業所の実態確認と修正・改善を実施した | ★★ | |
2025 | 品質部門の機能と役割の定着とさらなる漫透 | ― | ― |
潜在リスクの抽出に基づく予防措置への展開 | ― | ― |
- 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
[評価マークについて] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力
基本的な考え方
DICグループは「The DIC Way」および「サステナビリティ基本方針」に基づき、「安全・環境・健康に関する方針」と「品質に関する方針」を事業活動の両輪と位置づけ、顧客および社会の要求に合った製品・サービスを提供することを追求しています。
品質に関する方針
常に信頼される製品を提供して顧客と社会の繁栄に貢献する。(2015年5月改定)
推進体制
DICの品質組織は、生産統括本部に所属しています。
副統括本部長(品質統括)を品質トップとしつつ、2024年からは組織体制を変更しました。
- 事業所の品質保証グループは事業所長の直下で、製品品質を守ることに主眼を置いた活動に専念します。
- 本社品質保証部・品質管理部は事業所および製品本部が抱える課題を吸い上げ、品質ガバナンスの適正運用に努めます。
また、以下の会議体に品質保証部と品質管理部は積極的に参画し、課顆に対しては適切かつ迅速に対処することによって、国内DICグループ全体で製品と業務の質向上と、仕組みの適正連用ができるよう、改善活動を推進しています。
- 社長主催「品質委員会」:四半期ごとに開催。DICグループ全体を視野に入れ、国内DICグループの品質マネジメントに直接関与しています。同委員会では、品質にかかる方針や重点施策を策定し、製品本部長および各部門長はこれらの実施状況を報告します。同委員会の結果は、取締役会に報告され、適切に監督されています。
- 副統括本部長(品質統括)主催「全社品質会議」:国内DICグループの方針および重要施策をより具体的な方策に転換して伝達し、その実施状況を監督するとともに、事業所および製品本部からの品質に関する月次報告を共有しています。
- 製品本部長主催「製品本部品質会議」:お客様の満足度を追求します。お客様に対して新たな価値を提案するとともに、BCM(Business Continuity Management)や変更管理等のお客様の要望に対して真摯に取り組みます。
- 事業所長主催「事業所品質会議」:QMS※を適切に運用し、品質の改善を推進します。不適合品に対して原因を追究し、是正および再発防止、さらには未然防止等のための取り組みについて計画を策定し、その実行管理をします。
- Quality Management System(品質マネジメントシステム)
品質保証と品質向上に向けた活動
01品質保証部の主な活動
- 品質にかかる方針および重要施策の立案と展開
- 品質並びに顧客満足度の向上にかかる業務全般
- 品質保証関連システムの構築、支援および運用の徹底
- 品質の重大事案(苦情、クレーム、不正および不適切事案※)にかかる社内外対応に関する指示指導
- 不正と不適切事案
・不正とは、関連する利害関係者への意図的な不実表示、情報の隠蔽、虚偽の情報の提供など
・不適切事案とは、法令・規制もしくは顧客との取り決めに合致していない製品が出荷される事案
02品質管理部の主な活動
- 品質にかかる教育の企画立案および実行支援
- 品質管理および品質検査にかかる方針・施策の立案および展開
- 品質管理業務プロセスおよび品質検査業務プロセスの効率化および改善
DICグループはお客様が安心し、かつ満足してお使いいただける高品質な製品を提供し続けるために、製品企画から設計開発、原材料調達、製造、製品保管、販売に至るすべてのプロセスにおいて、お客様から要求された品質の実現および維持改善に取り組んでいます。
国内DICグループは定期的な品質監査および事業所の内部監査を実施し、QMSに適合した運用の遵守に向け、適切に監視と点検を行い、お客様からさらなる信頼を得るための仕組みや手順を改善・定着させる活動を継続しています。また、業務の効率化、業務の質の向上、ヒューマンエラー防止等により、品質管理および検査業務プロセスの進化を推進します。
03コンプライアンスを重視した活動
コンプライアンスは何にも勝るDICグループの優先価値という認識のもと、「お客様にご満足いただける製品」を提供し、「社会に貢献」するために、社員一人ひとりが品質を守る当事者として業務に取り組む企業風土が欠かせないと考えています。
「トップマネジメント研修」や「品質コンプライアンスに関するe-ラーニング」などを通して、概念的な研修ではなく、具体的な事例を教材として用い、生産活動には直接関与しなくとも、品質を守る当事者として考え、行動することの重要性を繰り返し共有しています。今後も、全社員が品質に関する役割を再認識し、当事者意識を高めることのできる取り組みを充実させていきます。
04グローバルDICグループの連携
2025年は、アジアパシフィック地域・中国地域との連携強化を企図した仕組みの検討並びに、Sun Chemical社(米国、以下「サンケミカル社」)との将来の連携を見据えた情報収集を継続して進めます。
サンケミカル社の活動
サンケミカル社は、QMSにフォーカスした組織を設置しています。本組織は、下記の役割を担っています。
- ISO、GMP(Good Manufacturing Practice)、食品安全など、業界認証への適合と維持に向けたサンケミカル社のグローバルな取り組みを主導しています。第三者登録機関との関係を維持しつつ、内部監査プログラムを管理することで、サンケミカル社の卓越した現場主導レベルを実現することを確実にします。
- ビジネスユニットのコマーシャルチーム、テクノロジー、品質管理、リーダーシップと連携して、是正措置、予防措置、苦情調査、顧客問い合わせなどの品質事項に対応します。
- 顧客監査を含め、顧客からの品質情報の提供依頼への対応をサポートするために、サンケミカル社の品質プログラムに基づいた文書と詳細を提供することによって、コマーシャル組織をサポートしています。
- 法規制グループ、EHS※1グループと密接に連携して、品質プログラムが適切であることを確認し、顧客をサポートするための情報が明確で一貫性があることを確認します。
2024年は主に下記の取り組みを実施しました。
- サンケミカル社のグローバルQMS運用にかかる、文書管理、監査トラッキング、変更管理、トレーニング、品質ダッシュボードを含むソフトウェアソリューションの展開
- サンケミカル社全体として
- ビジネスユニットや国によって個々に取得していたISO認証からリージョナルISO認証への移行
- 内部監査プログラムの確立
- NPS※2プロジェクトの主導(北米から各国への展開)
2025年は主に下記の取り組みを予定しています。
- サンケミカル社としてリージョナルISO認証からシングルISO認証への移行
- 第三者機関のISO認証審査に向けた内部監査の準備および実施によるビジネスサポート
- 顧客向けの品質文書の更新(GMPポリシー、変更管理ポリシー、品質に関する自己評価文書等)
- 継続的改善に向けた、業界標準に対するサンケミカル社のグローバルQMSシステムのベンチマーク
- 報告された品質問題の調査実施・サポート
- 品質調査、継続的改善(問題解決方法論、食品安全管理等)、NPS改善に関連するビジネスユニットへの定期的なトレーニングの提供
- Environment・Health・Safety(環境・衛生・安全)
- Net Promoter Score(顧客ロイヤリティを測る指標)