廃棄物管理

主な取り組みの目標と実績

外部埋立処分量の削減(ゼロエミッション)
工場排出量の削減

目標の範囲 日本
2023年度 目標
  • 外部埋立量:200トン(2000年度比5%レベルを維持)
  • 発生量:45,000トン(直近の平均実績を維持)
2023年度 実績
  • 外部埋立量:167トン
  • 発生量:39,790トン
評価 ★★★
★★★
2024年度 目標
  • 外部埋立量:200トン(直近の平均実績を維持)(2000年度比5%レベルを維持)
  • 発生量:45,000トン(直近の平均実績を維持)

再資源化等の推進

目標の範囲 日本
2023年度 目標 有効利用率:80%
2023年度 実績 有効利用率:90%
評価 ★★★
2024年度 目標 有効利用率:80%
  • 有効利用率=(リサイクル量+熱回収処理量)/発生量
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

方針および推進体制

基本的な考え方

DICグループは、サーキュラーエコノミーを推進するために、資源の有効利用とともに、廃棄物処理における環境負荷の低減に努めます。

廃棄物は、不法投棄などにより環境汚染の原因となるため、排出から最終処分まで適切に管理することが必要です。DICグループでは、事業所が立地する国・地域の法律に基づき、危険性の度合いに応じて適切に管理・処理しています。
特に、サーキュラーエコノミー推進のためには、以前にも増して生産工程における廃棄物の3Rが重要です。具体的には、製造ロスの最小化により廃棄物の発生抑制に努めています。そして廃棄物の発生から、工場排出、中間処理、最終埋立に至るプロセスを把握し、埋立処分量の削減や、再資源化(マテリアルおよびケミカルリサイクル)と焼却時の熱回収処理を推進することで、有効利用率を向上しています。

  • 3R:Reuse, Reduce, Recycleのこと。
DICグループのサーキュラーエコノミー考え方

2023年度の主な活動と実績

01グローバルDICグループにおける廃棄物の実績

DICグループは、廃棄物の発生から、工場排出、中間処理、最終埋立に至るプロセスを把握・管理しています。以下に示したフロー図はDICグループにおける、2023年度の廃棄物の発生から処理の状況です。廃棄物の処理プロセスを細かく分類し把握しています。

2023 年度 廃棄物の発生・処理状況(グローバル)

02国内DICグループの取り組み

国内DICグループでは、「廃棄物の外部最終埋立処分量を2000年度比で95%削減」の目標を設定し(DICゼロエミッション活動)、2010年度に達成しました。現在は、この2000年度比5%(95%削減)である200トンの維持を目標としています。また、昨今のサーキュラーエコノミーへの要請が強まる中、外部埋立処分量に加え、発生量の維持抑制にも取り組んでおり、直近の実績値を基に発生量の目標を45,000トンと設定しています。2023年度は、国内DICグループの発生量は39,790トン(前年比96%)であり、目標を達成しました。これは各工場における廃棄物の発生抑制の取り組みの強化によるものです。また、埋立量は167トン(前年比97%)であり、目標を達成しました。これは発生量を削減できた結果として、埋め立て量も削減できたためと考えています。
今後も引き続き、「DICゼロエミッション活動」の強化を継続していきます。なお、PCB機器や廃棄物については適切な処理を継続しており、2023年上期に、廃棄処理をほぼ完了しています。

国内廃棄物発生量の品目別内訳の表

項目 発生量(トン)
燃え殻 857
汚泥 10,023
廃油 9,917
廃酸 554
廃アルカリ 1,624
廃プラスチック類 4,720
ゴムくず 0
金属くず 2,112
ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず 71
鉱さい 0
がれき類 0
ばいじん 20
紙くず 0
木くず 0
繊維くず 0
動植物性残さ 15
動物系固形不要物 0
動物のふん尿 0
動物の死体 0
水銀使用製品産業廃棄物 2
非有害廃棄物(通常産廃等)合計 31,204
有害廃棄物(特管産廃)合計 8,585
産廃合計 39,790

TOPICS

千葉工場における廃棄パレット有価処理の取り組み

DICでは、廃棄物費用合理化やCO₂排出削減を図るために継続して廃棄物削減に取り組んでいます。
この取り組みの一環として千葉工場では、産廃削減として廃棄パレットの有価処理を大規模に行っており、2022年は、130トンを超える木製パレット・プラスチックパレットの有価処理を行いました。
有価処理は、利用済パレットを廃棄物として出す代わりにプラスチックパレットであれば原料へリサイクル、木製パレットであればリユース(中古利用)で販売することを指します。有価処理により産業廃棄物を削減できるため、廃棄費用の合理化および廃棄に伴い発生するCO₂削減が実現できます。
2023年現在廃棄パレットの有価率は70%を超えており140トンを超える廃棄パレットを有価処理する見込みです。今では、有価処理の有効性が千葉工場に広まることで水平展開が始まり、フレコンの有価処理も開始されており、今後もさらなる廃棄物削減を目指していきます。

プラスチックパレット木製パレット

03国内におけるプラスチック廃棄物に関する取り組み

2022年4月より、国内においてプラスチック資源循環促進法が施行され、製品の設計から廃棄処理に至るまで、ライフサイクル全体でプラスチックの資源循環への取り組みが必要になります。この中で、排出事業者は、法に該当するプラスチック廃棄物の発生抑制や再資源化に取り組みます。
2023年度から法令に基づき、国内DICグループにおけるプラスチック廃棄物の発生量とリサイクル率および再資源化率を開示しています。

プラスチックのリサイクル率と有効利用率(廃棄物、有価物+廃棄物)

国内事業所 廃棄物 有価物+ 廃棄物
排出量(t) リサイクル率 有効利用率 排出量(t) リサイクル率 有効利用率
DIC 2,717 29.9% 98.6% 3,644 47.7% 99.0%
DIC グラフィックス 256 61.8% 91.7% 260 62.4% 91.9%
DIC-EP 30 17.7% 93.7% 30 17.7% 93.7%
DIC カラーコーチング 28 5.0% 100.0% 28 5.0% 100.0%
DIC 北日本ポリマ 29 27.0% 27.0% 29 27.0% 27.0%
DIC 九州ポリマ 14 5.0% 100.0% 14 5.0% 100.0%
DIC デコール 163 43.2% 44.2% 188 50.6% 44.2%
DIC プラスチック 30 45.0% 96.1% 82 80.1% 96.1%
星光PMC 65 56.1% 97.0% 84 66.0% 97.0%
KJ ケミカルズ 21 45.6% 97.3% 44 73.6% 97.3%

目標:有価物+ 廃棄物
DIC リサイクル率 48.2%(2025年)
DIC グラフィックス リサイクル率 63.0%(2025年)

04国内における電子マニフェストシステムの展開

電子マニフェストは、産業廃棄物の排出・運搬・中間処理・最終処分の流れを記録したマニフェスト情報を、電子データによりネットワーク上でやり取りするシステムです。国内DICグループでは、電子マニフェストに対応するため、2016年度から総合産業廃棄物管理システム(Genesys Eco)を導入。2019年度に国内すべての製造拠点への導入が完了し、業務の省力化と法令遵守に寄与しています。

05海外DICグループの取り組み

海外DICグループの生産拠点では、各国・地域の法規制に則した産業廃棄物の適正な処理を行うことに加え、自主的な再資源化(再使用・再利用)による産業廃棄物の発生抑制にも取り組んでいます。欧米・中国・AP地域の各生産拠点では、新型処理設備の導入や国・地域を超えて工程改善などの好事例の水平展開を図っています。
2023年度の発生量は68,815トン(前年度比90%)であり、埋立量も11,518トン(前年度比68%)となりました。今後も地域統括会社は各国の法令を遵守し、産業廃棄物の発生抑制および有効利用率の向上に注力します。