廃棄物管理

主な取り組みの目標と実績

外部埋立処分量の削減(ゼロエミッション)
工場排出量の削減

目標の範囲 年度 目標 実績 評価
日本 2024
  • 外部埋立量:200トン(直近の平均実績を維持)(2000年度比5%レベルを維持)
  • 発生量:45,000トン(直近の平均実績を維持)
  • 外部埋立量:199トン
  • 発生量:34,101トン
★★★
2025
  • 外部埋立量:200トン(2000年度比5%レベルを維持)
  • 発生量:45,000トン(直近の平均実績を維持)

再資源化等の推進

目標の範囲 年度 目標 実績 評価
日本 2024 有効利用率:80% 有効利用率:84% ★★★
2025 有効利用率:80%

外部埋立処分量の削減(ゼロエミッション)
工場排出量の削減

目標の範囲 年度 目標 実績 評価
サンケミカル社 2024 2030年に廃棄物原単位を
2019年比10%削減する
廃棄物原単位0.0629
2019年度比率112%
2025 2030年に廃棄物原単位を
2019年比10%削減する
  • 有効利用率=(リサイクル量+熱回収処理量)/発生量
  • 「評価」は、進捗度に関する自己評価によるものです。
    [ 評価マークについて ] ★★★…非常に良好 ★★…順調 ★…要努力

方針および体制

基本的な考え方

DICグループは、サーキュラーエコノミーを推進するために、資源の有効利用とともに、廃棄物処理における環境負荷の低減に努めます。

廃棄物は、不法投棄などにより環境汚染の原因となるため、排出から最終処分まで適切に管理することが必要です。DICグループでは、事業所が立地する国・地域の法律に基づき、危険性の度合いに応じて適切に管理・処理しています。
特に、サーキュラーエコノミー推進のためには、以前にも増して生産工程における廃棄物の3Rが重要です。具体的には、製造ロスの最小化により廃棄物の発生抑制に努めています。そして廃棄物の発生から、工場排出、中間処理、最終埋立に至るプロセスを把握し、埋立処分量の削減や、再資源化(マテリアルおよびケミカルリサイクル)と焼却時の熱回収処理を推進することで、有効利用率を向上しています。

  • 3R:Reuse,Reduce,Recycleのこと。
DICグループのサーキュラーエコノミー考え方

2024年度の主な活動と実績

01DICグループにおける廃棄物の実績

DICグループは、廃棄物の発生から、工場排出、中間処理、最終埋立に至るプロセスを把握・管理しています。以下に示したフロー図はDICグループにおける、2024年度の廃棄物の発生から処理の状況です。廃棄物の処理プロセスを細かく分類し把握しています。

2024年度廃棄物の発生・処理状況(グローバル)

02国内DICグループの取り組み

国内DICグループでは、「廃棄物の外部最終埋立処分量を2000年度比で95%削減」の目標を設定し(DICゼロエミッション活動)、2010年度に達成しました。現在は、この2000年度比5%(95%削減)である200トンの維持を目標としています。また、昨今のサーキュラーエコノミーへの要請が強まる中、外部埋立処分量に加え、発生量の維持抑制にも取り組んでおり、直近の実績値を基に発生量の目標を45,000トンと設定しています。2024年度は、国内DICグループの発生量は34,101トン(前年比86%)であり、目標を達成しました。これは各工場における廃棄物の発生抑制の取り組みの強化によるものです。また、埋立量は199トン(前年比119%)であり、目標である200トンを達成しました。これは発生量を削減できた結果として、埋立量も削減できたためと考えています。なお、埋立量は、算定方法を見直した影響で、2023年よりも数値が増加していますが、従来の算定方法を用いると2023年よりも減少した結果となります。
今後も引き続き、「DICゼロエミッション活動」の強化を継続していきます。なお、PCB機器や廃棄物については適切な処理を継続しており、廃棄処理を2023年度内に完了しました。

産業廃棄物 外部埋立処分量の推移

国内廃棄物発生量の品目別内訳の表

項目 発生量(トン)
燃え殻 937
汚泥 8016
廃油 6826
廃酸 387
廃アルカリ 2252
廃プラスチック類 1912
廃プラスチック類(プラ法非該当) 2973
ゴムくず 0
金属くず 1915
ガラスくず、コンクリートくずおよび陶磁器くず 47
鉱さい 0
がれき類 0
ばいじん 26
紙くず 714
木くず 611
繊維くず 0
動植物性残さ 19
動物系固形不要物 0
動物のふん尿 0
動物の死体 0
水銀使用製品産業廃棄物 1
有害廃棄物(特官産廃)合計 7465
産廃合計 34101

VOICE

四日市市との連携で始まった環境教育にかける思い

DIC エステート 丸尾 真司

DICでは、2023年に四日市市と脱炭素社会の実現および継続的な産業振興の両立に向けた取り組みの促進を目的に包括連携協定を締結し、その一環として小学生を対象とした環境教育などを行っています。
私はプラントオペレーターとして日々業務に携わる一方、2024年8月に行われた『四日市こども科学セミナー』(近隣の企業13社とともに小学生を対象とした環境教育イベント)の運営メンバーとして参加しました。
ポリスチレンを使用したプラバンづくりでは、子どもたち一人ひとりの彩り豊かな個性を感じました。また、環境クイズでは、出題中に答えを言ってしまう子がいるなど、環境問題に対する意識の高さに驚かされました。子どもたちから家庭内にリサイクル知識を広めてほしいと思いましたし、私自身もリサイクルの行動が変わりました。またリサイクルの原料となる資源を適切な状態で提供しなければならないと再認識しました。
今後も継続的な取り組みを通じて環境問題への理解を深め、次世代に向けた教育活動を展開していく予定です。

四日市工場ポリスチレン製造課 東 七海

03国内におけるプラスチック廃棄物に関する取り組み

2022年4月より、国内においてプラスチック資源循環促進法が施行され、製品の設計から廃棄処理に至るまで、ライフサイクル全体でプラスチックの資源循環への取り組みが必要になっています。排出事業者は、法に該当するプラスチック廃棄物の発生抑制や再資源化に取り組みます。
国内DICグループは、2023年度から法令に基づきプラスチック廃棄物の発生量とリサイクル率および再資源化率を開示しています。

プラスチックのリサイクル率と有効利用率(廃棄物、有価物+廃棄物)

国内事業所 廃棄物 有価物+ 廃棄物
排出量(t) リサイクル率 有効利用率 排出量(t) リサイクル率 有効利用率
DIC 3,206 31% 92.4% 4,219 47.6% 94.2%
DICグラフィックス 243 59.9% 86.9% 246 60.4% 87.1%
DIC-EP 31 16% 96.9% 31 16% 96.9%
DICカラーコーチング 28 5% 100% 28 5% 100%
DIC北日本ポリマ 33 29% 58.6% 33 29% 58.6%
DIC九州ポリマ 14 100% 100% 14 100% 100%
DICデコール 158 38.1% 49.1% 232 55.4% 62.9%
DICプラスチック 27 59.6% 93.8% 100 89% 98.3%

目標:有価物+廃棄物
DIC リサイクル率48.2%(2025年)
DICグラフィックス リサイクル率63.0%(2025年)

04国内における電子マニフェストシステムの展開

電子マニフェストは、産業廃棄物の排出・運搬・中間処理・最終処分の流れを記録したマニフェスト情報を、電子データによりネットワーク上でやり取りするシステムです。国内DICグループでは、電子マニフェストに対応するため、2016年度から総合産業廃棄物管理システム(Genesys Eco)を導入。2019年度に国内すべての製造拠点への導入が完了し、業務の省力化と法令遵守に寄与しています。

05海外DICグループの取り組み

海外DICグループの生産拠点では、各国・地域の法規制に則した産業廃棄物の適正な処理を行うことに加え、自主的な再資源化(再生利用)による産業廃棄物の発生抑制にも取り組んでいます。欧米・中国・AP地域の各生産拠点では、新型処理設備の導入や国・地域を超えて工程改善などの好事例の水平展開を図っています。
2024年度の発生量は79,739トン(前年度115%)であり、埋立量は12,687トン(前年度比110%)となりました。生産数量の増加により産業廃棄物排出量と埋立量が増加しました。今後も地域統括会社は各国の法令を遵守し、産業廃棄物の発生抑制および有効利用率の向上に注力します。