イスラエルVaxa社の水産養殖業界向け微細藻類餌料
『UltraNanno™』を国内で販売開始 ー高品質且つサステナブルな水産養殖用の生藻体餌料の供給により稚魚の安定生産に貢献ー

ＤＩＣ株式会社（本社：東京都中央区、社長執行役員：猪野薫）の100%子会社「DICライフテック株式会社」（本社：東京都中央区、代表取締役社長：竹見孝弘）は、水産養殖業界向け微細藻類餌料『UltraNanno™』を、2022年11月16日から国内で販売開始しましたので、お知らせします。
『UltraNanno™』は当社の出資先であるイスラエルのバイオベンチャー企業「バクサ・テクノロジーズ社」（英名：Vaxa Technologies Ltd.、以下「Vaxa社」）が開発した高品質且つサステナブルなワムシ*用餌料です。

*ワムシとは動物プランクトンの一種で、海水魚の稚魚養殖における生物餌料として多く使用されています

■UltraNanno™開発の背景
グローバルな人口増加に起因した将来的なタンパク不足が懸念されるなか、当社は、水産養殖がその一つの解決策と考えています。水産養殖の安定生産のためには、その餌の品質安定性が重要であることから、高品質かつ安定な藻類飼料の供給に取り組んでいます。

海産の微細藻類であるナンノクロロプシスは、水産養殖業界で稚魚の餌であるワムシの餌として長年にわたり使用されてきました。一方で、屋外池で生産されるナンノクロロプシスは、特に近年は地球温暖化の影響もあり、高温の夏期に品質が落ちるという課題に直面しています。この課題を解決するために、Vaxa社はアイスランドの生産拠点において、独自の閉鎖系培養技術を用いることで年間を通じて均一で、高品質なナンノクロロプシス『UltraNanno™』の開発と量産化に成功し、既に欧州で多くの実績があります。

このたび、DICライフテックが同社の『UltraNanno™』の国内販売を開始し、年間を通じて養殖魚の稚魚の餌であるワムシの活力を高めることで、稚魚の成育が良くなり、生残率が改善することが期待されます。その結果、養殖業者の収益改善に繋がることを目指します。

■製品の特長
・高品質
Vaxa社独自のLED閉鎖系培養装置で製造されたナンノクロロプシスは、一般的な屋外生産品に比べて必須脂肪酸であるエイコサペンタエン酸（EPA）の含有量が6%程度と、業界最高水準を誇ります。また、他社競合品のナンノクロロプシスに比べて、高いワムシ増殖速度を示します。

・年間を通じた安定品質
『UltraNanno™』は閉鎖系培養を行うことで、異物混入が抑えられ、均一な条件で生産されるため、年間を通じて安定した品質が保たれます。

・サステナブルな生産プロセス
工場に隣接するアイスランドの地熱発電所から供給される安価でクリーンな電力と二酸化炭素をそれぞれエネルギー源・炭素源として利用し、地球環境に優しいサステナブルな生産プロセスが用いられています。

■製品の概要
名称　　　　　　： 『UltraNanno™』（UltraNanno™は、Vaxa社の商標です）
発売開始日　　　： 2022年11月16日
サイズ・重量　　： 79cm x 39.2cm x 22.6cmの発泡スチロール容器・約30kgのなかに5Lの製品が4つ入っています。
販売者　　　　　： DIC ライフテック株式会社
URL 　　　　　　： https://www.dlt-spl.co.jp/product/ultrananno/index.html

ＤＩＣグループは長期経営計画「DIC Vision 2030」において、「ヘルスケア領域」を重点事業領域と定め、各種ヘルスケア素材を取り込むことで事業の強化を図っています。今後も、当社グループの藻類関連技術とネットワークを使いつつ、Vaxa社をはじめとした関連協業先との連携を更に深めることで、水産業界の発展ひいては人類のタンパク不足の課題解決に貢献していくとともに、新たな社会的価値の創出を実現します。

以上