育休はキャリアの一部──男性育休取得者から見える DICがめざす「挑戦を止めない」働き方

2026.4.9 ピープル
手をつなぐ家族のシルエット
手をつなぐ家族のシルエット

DICは、育児休業をキャリアの中断ではなく成長プロセスの一部と考えています。
大切にしているのは、制度が「ある」ことではなく、誰もが安心して使えること。
上司との対話や経験者の事例共有を通じて、必要なときに育休を当たり前に選べる環境を会社全体で整えています。

なぜDICは“育休=成長プロセス”と捉えるのか

DICでは、育児休業(以下、育休)をキャリアの中断ではなく成長プロセスの一部と考えています。

制度があるだけでは意味がありません。誰もが安心して使えようにすることを大切にしてきました。迷ったときに相談できるように、上司との対話・個別ガイダンス・経験者の事例共有を整えています。昨年は社長も参加して「男性育休経験談共有会」を開催し、経験者の声を全社に届けました。制度を自然に使われるものとして根づき、育休前後でも安心して仕事に取り組める環境づくりに、会社全体で進めています。

DICがめざす男性育休100%とは、数値そのものよりも、必要なときに当たり前に育休を選べる会社であり続けることを意味しています。

(※2025年度 子育てパートナー休暇取得率90%)
DICの福利厚生・制度 | DIC採用情報

育休を当たり前にするために―現場で育つ支え合いの文化

サステナビリティ業務部 ダイバーシティ担当 梁宰恩(ヤンゼウン)さん

インタビューに応じる梁宰恩(ヤンゼウン)さん

育休を当たり前の選択肢にしていくためには、制度があるだけでなく、日々の関わり方も大切だと感じています。育休の申し出には「迷惑ではないか」「負担をかけてしまうのでは」といった不安が伴うことも少なくありません。その不安を軽くするには、気軽に声を上げられる空気や、自然に支え合えるお互いさまの関係性を日頃から育てていくことが大切だと思います。

この支え合いは育休に限らず、病気・介護といった誰にでも起こるライフイベントにも通じます。会社として業務調整の支援ももちろん必要ですが、お互いさまと思える風土があれば、制度を特別視せず、自然な協力が生まれます。

DICでは、育休経験者が相談のタイミングや引き継ぎの工夫を共有する場を設け、他部署の事例に触れる機会を広げています。これにより自分の職場ではどうできるかを考えるきっかけが生まれ、育休をより身近な選択肢として捉えられるようになってきているように感じています。

複数人でテーブルを囲み話し合う様子
「男性育休経験談共有会」の様子

決断の瞬間を支えたもの

製造現場で連続8か月の育休取得

千葉工場: 佐々木 涼さん

インタビューに応じる佐々木 涼さん

樹脂の製造現場で工程分析・運転管理、出荷業務など、現場の安全と品質を守っている佐々木さん。時間管理と業務効率化を要に、上司・同僚とのコミュニケーションを欠かさないのが持ち味です。

「夫婦2人で育児を担う現実に直面し、家庭を優先するという判断をしました。妻が安定期を過ぎたタイミングで上司に相談。千葉工場の製造現場では、長期育休は初めてでしたが、上司・同僚は理解があり、引継ぎも丁寧な支援をしていただきました」

製造現場の特性上在宅勤務は難しい環境下でしたが、連続約8カ月の育休を取得。当時の上司・杉本和男さんはこう振り返ります。

「申し出を受けたときは、同時期で女性社員からも産休・育休の相談もあり、正直驚きました。ただ日頃のコミュニケーションを通じて、家庭状況を理解しており、どうすれば現場全体が円滑に運営できるかを現場長や職場のみんなと考えました。休みやすい環境づくりの一環として進めていた2名体制を土台に、業務の細分化と定型業務の整理を行い、総務と連携して派遣社員採用で補完しました。
製造現場での長期の育休取得は初めてでしたが、本人だけでなく職場全体で話し合い段取りを重ねることが何より重要でした。こうした取り組みを積み重ねてきたことで、最近は製造部門でも男性育休の取得が確実に広がっていると聞いています」

制度の柔軟性が決断を後押しした

総合研究所 生産技術開発センター<当時>: 森川泰宏さん

森川さんご家族でカメラに向かって笑う様子

森川さんは、育休取得当時、スーパーエンプラの製造プロセス開発を担っていた。「行動すれば結果は後からついてくる」「意思決定は後からでも変えられる」といった価値観で、変化を恐れず前に進むことをモットーとしています。

「第二子の誕生が昇格試験のタイミングと重なり迷いもありましたが、育休取得を決断しました。出産前後には子育てパートナー休暇や有給休暇も組み合わせ、分割・延長ができる制度の柔軟性を活かしました」

育休中は業務連絡が入らない明確なルールがありました。仕事と育児が混ざらない環境が整っていたことで、安心して育休に踏み出すことができました。森川さんは、当初4カ月の計画を状況に応じ2カ月延長しました。

二人が育休を選んだ背景は、必要性でした。DICではそのような時に対話を起点に「どう実現するか」を一緒に考えます。先例が少ない現場でも、「まずやってみよう」を支える段取り力がある。対話から解決策を生む姿勢こそ、DICの現場文化の一側面です。

育休が仕事を強くする

佐々木さん: 「乳児の機嫌や体調、生活リズムは毎日変わります。興味の幅も広く、常に動きまわるので目を離すことができません。少し目を離すだけで危険があると学びました。育児はまさに24時間の安全管理だと実感しました」

赤ちゃんが生まれてうれしい姉弟の様子

育児を経験することによって、限られた時間で確実に業務を進める意識が強まり、段取りや標準化への意識が一段と高まったといいます。その結果、安全・品質に関わる小さな変化への気づきが向上し、日々の仕事にも良い影響が生まれています。

森川さん: 「育休期間中に、新生児に緊急入院・手術が必要に。育休がなければ家族や職場への負担は大きかった。今振り返ると会社と家族に生じる予測不可能な事態の一種の保険だったかもしれません」

桜の木の下で並んで歩く家族の様子

復帰後は、マネジャーとして定時退社を前提に優先順位を再設計。チームで支え合う環境があったからこそ働き方のアップデートが進められた。家庭での子どもの入浴を担うなどの役割分担が日常のリズムを整え、育休はブランクではなく、集中すべき時間に集中する働き方への再構築の時間でした。

迷う人へのメッセージ

佐々木さん:子どもの成長はかけがえのない時間。後の人生の大きな財産になります」

森川さん: 「育休取得を迷っているなら、ぜひ申請してほしいです。産前産後、妻や子どもをサポートすることの必要性を今回あらためて実感しました。言葉の上では育児「休業」ですが、実際は子どもと一日中向きあう大切な役割です。キャリアの進み方は多少変わるかもしれませんが、その変化以上に、今しかできない経験から得られる学びや気づきが必ずあります。ぜひ、長い人生の視点で考えてみてください

DICでなら、実現できる

DICでなら、実現できる

執行役員 ESG部門長 ダイバーシティ担当 虎山邦子さん

インタビューに応じる虎山邦子さん

男性育休は、DICにとって重要な経営テーマの一つです。2030年までに男性育休取得率100%をめざすという目標は、単なる数値ではなく、「誰もが安心して育休を選択できる職場を実現する」という明確な意思の表れです。

近年、男性育休への関心は社内外で高まり、働き方や家庭との両立に対する価値観も大きく変化しています。しかし、制度を整えるだけでは十分ではありません。実際に安心して活用できる環境があってこそ、制度は真に機能すると考えています。

その実現のためには、現場における理解と協力が欠かせません。DICでは、担当業務の調整や丁寧な引き継ぎなど、日々の業務の中で工夫を重ね、支え合いながら取り組む文化が着実に広がっています。こうした一つひとつの積み重ねこそが、育休を“特別なこと”ではなく“当たり前の選択肢”へと変えていく土台になると感じています。

また、経験者の知見を共有する機会を設けるなど、育休を取りやすい風土づくりにも継続して取り組んでいます。育休はキャリアの中断ではなく、長期的に能力を発揮し続けるための前向きな選択肢です。今後もダイバーシティ担当として、現場の取り組みを支えながら、男性育休を自然に選択できる環境を整えていきます。

それが、社員一人ひとりの活躍と、組織の持続的な成長の両立につながるものと考えています。

笑顔で話をする様子

キャリアの節目に、相談できる・選べる・前に進める。――DICなら、実現できる。
DICは、制度の整備と、解決策を一緒に考える現場文化の両輪で、育休を当たり前の選択肢にしていきます。

プロフィール

森川泰宏(もりかわやすひろ) コーポレートエンジニアリング部・マネジャー
入社後、鹿島工場顔料生産技術配属。2006~2021年迄総合研究所にて、印刷インキ、顔料の生産技術開発に従事。東京工場、本社勤務を経て、2026年より現職。1男1女(2019年、2021年誕生)の父。趣味:スキューバダイビング、釣り、ガーデニング。

佐々木涼(ささきりょう) ケミトロニクス生産部千葉工場製造2グループポリマ製造5課
2017年7月に中途入社し、千葉工場製造2グループへ配属。2018年3月より現職、ホルマリン製造に従事しています。 製造現場では設備・DCSの担当として業務を行う一方、家庭では4歳の長女と、昨年のクリスマスイブに誕生した長男に元気いっぱい遊ばれる“担当”も務めています。

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