地域統括会社紹介 DICチャイナ社の活動紹介

中国地域・各拠点の課題に対して必要な措置を講じ、着実な進展を遂げています
迪愛生投資有限公司 董事長
菊池 雅博
部門を横断した連携と取り組みを通じて競争力を強化
中国地域では、「多様性」、「協調性」、「創造性」という3つの力にフォーカスし、総合力を発揮すべく、部門横断型の活動に取り組んでいます。2024年度は、パフォーマンスマテリアル、プリンティングマテリアル並びにパッケージングマテリアル製品本部が横断プロジェクトチームを発足し、「インキ用機能性ポリマ」と「パッケージ用機能性コーティング剤」の2つの製品分野への重点活動を始めました。生産・技術・マーケティングでそれぞれ強みのある事業リソースを活用し、シナジーを最大限に発揮することで、 コスト削減、拡販および新規開拓を実現し、付加価値を創出することを目指しています。また、ケミトロニクス分野では、上海法人の技術部門と青島法人のR&Dセンターが連携し、市場ニーズへの迅速な対応と顧客の期待に沿った製品開発に注力しています。
技術優位性を活かしたサステナブル製品を展開
当地域では厳しい経済・市場環境に直面する中、価格競争重視の悪循環を打開するために、技術優位性を活かしたサステナブル製品の顧客展開を重点的に行っており、今後、以下の取り組みと成果を見込んでいます。
- 特定顧客に向けてトルエンフリーテープを展開し、販売比率の大幅な向上を実現
- 自動車内装用のバイオマス樹脂や3C産業※1向けのバイオマステープを2025年度中に実績化
- 軟包装リサイクルに応用される脱墨技術の伸長に伴い、VOC(揮発性有機化合物)排出量を低減する低粘度・高発色のグラビアインキのプロモーション展開を強化
拠点再編と人的資本強化を通じて、効率的な運営体制を構築
当地域は事業運営の効率化および従業員のスキルアップを重要課題とし、組織と人的資源の価値最大化に取り組んでいます。2024年度は、深圳と広州法人の業務を東莞法人に戦略的に移転し、華東、華北、華南の三大地域をカバーする「3工場+1管理本部(上海)」という効率的な事業運営体制を整えました。また、2025年度に入って、上海のPPS技術センターを張家港法人へ移転し、技術と製造のシームレスな連携による効率的体制を構築しました。人的資本強化の取り組みでは、管理職に向けて経営幹部候補者研修(Leadership Development Project)を継続的に行っている他、各社の若手管理職を対象とした研修(Manager Development Project)の導入も計画しています。当社は常に、新しい価値創造は「人」から始まるものと信じています。今後も「人材の育成、発掘、活用」を重要な課題として展開していきます。

戦略的に配置された迪爱生(東莞)油墨有限公司の拠点
多分野での省エネ・減排とグリーン転換を通じ、地球・社会のより良い未来へ
当地域では、“カーボンニュートラル社会の実現”に向け、各社において多岐にわたる分野で様々な取り組みを展開しています。
- 張家港、中山、常州の3つの合成樹脂製造会社および南通のインキ製造会社ではI-REC※2を活用することで、5,000MWhの電力消費に伴う温室効果ガスの削減を見込んでいる
- 中山法人では「ゼロ放流・循環の和」というプロジェクトを実施し、工業用水処理後の「ゼロ」排出を目指している
- 台湾の2つの法人では、ISO 14064-1:2018の温室効果ガス排出の国際認証を取得し、温室効果ガス排出量を正確に定量化、モニタリングを実施
今後も各拠点の状況に合わせ、テーマを選定しながらDICグループのサステナビリティ目標実現に貢献できるよう努めていきます。
- 3C産業:コンピュータ(Computer)、通信(Communication)、消費性電子 (Consumer electronics)の3つの分野を統合した情報家電産業
- I-REC:I-REC for Electricityの略称で、再生可能エネルギーにより発電された電気の再エネ価値を証書化したもの