地域統括会社紹介 DICチャイナ社の活動紹介

“成長”と“効率化”にバランスよく取り組むことで、存在価値を一層高めていきます
迪愛生投資有限公司 総経理
毛堅偉
ソリューションプロバイダーへの転換に向けた取り組み・事業展開
中国地域における“モノからコトへ”を重視した「ソリューションプロバイダーへの転換」に向けては、社会課題にダイレクトに訴求できるエンドユーザーに近いポジションを得ることで、より川下で課題解決のソリューションを提供することが重要と考えており、各事業部門でそのための取り組みを進めています。パッケージング&グラフィック事業部門では顧客のコストダウンや材料単一化のニーズに応じ、サプライチェーンを含めたソリューションを提供しています。ファンクショナルプロダクツ事業部門では、PPS製品において、世界へ拡張する中国EV市場に向けて、日欧で培った用途技術に基づきつつ、中国国内の原料・製造リソースを活用しながら、市場要求に見合った高機能製品を開発・提供しています。カラー&ディスプレイ事業部門では、関連業界のカラートレンドの変化や安全・健康に関わる国際・国内規制の状況を研究し、顧客のニーズに応じた新たな色材・カラーソリューションを提案することで、よりサステナビリティに適合した製品開発を進めています。
生産性のさらなる向上への取り組み
中国地域では、近年人件費が急速に上昇する中、市場競争力を維持または高めるために、労働生産性を向上させることが重要であると認識しています。
迪愛生投資有限公司(中国、以下「DICチャイナ社」)は地域統括会社として、域内の各現地法人、各事業部門の労働時間と生産数量の関係性を示す指標を定期的に集計し経営陣に提供することで、労働生産性への意識を高めています。
また、技能研修やコンペ等を企画・実行し、従業員の作業スキルを高めると同時に、“エンゲージメント”調査および各種“成果主義”に基づくインセンティブ制度を導入し、調和的な労働環境を整備することで、従業員の潜在能力を高める取り組みを進めています。
労働生産性を向上させることは、ここ数年の工場の統廃合や業務フローの見直し等の取り組みを通じ、マネジメントのみならず、地域全体の重点課題として浸透しています。
域内における樹脂製品の拡販に向けた戦略的取り組み
2022年7月に買収した広東迪愛生彤徳樹脂有限公司(中国、以下「広東TOD社」)により、アジアにおいてDIC樹脂製品のプレゼンスを高めることを目指す「インダストリアルアジアドミナント戦略」は、中国地域でも大きく進捗しました。具体的には、広東TOD社の韶関翁源工場の既存の溶剤型樹脂生産設備に加え、2024年度中に水性型樹脂生産のための新たな生産設備を完工することで、工業用塗料樹脂サプライヤーとしての地位向上に向けた準備が整う予定です。今後、重点拡大地域と定める華東および華北エリアへの様々な拡販施策を次々と展開していく計画です。
サステナビリティ関連の取り組み
中国地域各社では、2030年度グループ目標に向けたCO₂排出量削減のための様々な施策を進めています。例えば、DICチャイナ社では、エネルギー消費データを毎月集計し、CO₂排出状況を継続的にモニターすることで、“グリーンオフィス”推進に向けた省エネ・排出量削減状況を周知するための資料を定期的に発行しています。
また、各社においては、石炭焚きボイラーから天然ガス焚きボイラーに置き換えることによる、蒸気生産を自家生産から外部調達に変更する計画、バイオマスボイラーに代わる電気式熱風ストーブの使用によるCO₂排出削減、冷水機、電動機などのエネルギー消費設備の省エネ改造実施など、ボイラーに関連した省エネ改修プロジェクトなどを推進しています。また、既存の太陽光発電施設の運営に注力し、太陽光発電などのグリーン電力の利用拡大を推進しています。