地域統括会社紹介 DICアジアパシフィック社の活動紹介

地政学リスクおよび不安定な経営環境に対応するための事業運営モデルの構築を進めています
DIC Asia Pacific Pte Ltd
Managing Director
Paul Koek
事業環境の変化への適応
アジアパシフィック地域では、地政学的緊張の高まり、経済の不確実性、そして貿易動向の変化といった不安定な環境で、事業を展開しています。この事業環境の中、経済制裁、貿易制限、国家政策の変更によるリスクの増大に対処するため、コンプライアンス、リスク軽減、シナリオプランニングなどの対応を重点的に強化しました。特に国境を越えた事業活動が複雑化する状況下で、これに対応すべく、最適な形で事業・機能の集中化とローカリゼーションをバランス良くした事業運営モデルを追求しています。
経済的な逆風への対応
コストの上昇、インフレ圧力、通貨の下落は、依然として消費と出荷数量の動向に影響を及ぼしています。 当地域では、財務の健全性を維持し、事業の継続性を確保するため、キャッシュフロー管理と機敏な在庫戦略への取り組みを強化してきました。 具体的には、コスト効率化とレジリエンス向上を同時に実現すべく、ジャストインタイム (JIT) とジャストインケース (JIC)の管理モデルをバランスよく組み合わせた柔軟なアプローチを採用しています。
サプライチェーンのレジリエンス構築
サプライチェーンの多様化は依然として重要な対応事項です。当地域では、単一ソースのサプライヤーへの依存減や、戦略的なハブプログラムを強化するなど、地域全体で製造プロセスを標準化することに積極的に取り組んでいます。 データとAIを活用したサプライチェーンダッシュボードは、可視性の向上、応答性の改善、意思決定の迅速化をサポートするために活用されています。
業務効率化と生産シナジーの推進
当地域では、「DIC Vision 2030」の戦略に沿って、地域標準製品の導入と統合生産システムを通じた製品ポートフォリオ管理を推進しています。これらの取り組みにより、当地域の需要が大きく変動する状況においても、拡張性と効率性が向上しています。また、シェアードサービス化とプロセスの標準化により、よりスリムで機敏なオペレーションを実現しています。
人材育成とコラボレーションの強化
私たちの変革の中心は人材です。人材発掘と育成の取り組みにより、当社の従業員は不安定な状況を切り抜け、変化をリードできるようになります。当社は、国別に設置した委員会と「One Company Buying」イニシアチブを通じて、俊敏性、部門間の連携、実行スピードを促進し、事業部門間の緊密な連携と相乗効果を実現しています。
当地域は、様々な外部課題に対し、持続可能な成長のため、引き続き取り組んでいきます。戦略的先見性、優れた業務運営、人材を第一とするリーダーシップを採用することで、「DIC Vision 2030」の目標を忠実に守りながら、複雑で急速に変化する環境の要求に応える態勢を整えていきます。
