物流施設での熱中症危険度モニタリング
ハッテトッテ®による無線化の調査を実施!
ASKUL LOGIST株式会社のご協力の下、同社のDCM物流センターにて、ハッテトッテ®の適用調査を行わせていただきました。(実施期間:2021年6月18日~7月2日)
6階建・延床面積 約 38,700 m2
ASKUL LOGIST株式会社は、 2012年に「ASKUL LOGIST ポリシー」を制定され、「安全」をすべてに優先させることを行動指針とされております。その一環として、物流施設では熱中症危険度(温度、湿度、簡易WBGT値)のモニタリングを実施されています。その中で、現場により目視確認のみ実施されている施設もあり、集計や管理者への警告を簡単に実施出来ないかというご要望がございました。
一方、DIC株式会社では、”Value Transformation”(質的転換による事業体質強化)と“New Pillar Creation”(社会課題や社会変革に対応した新事業の創出)を基本戦略に掲げており、”New Pillar Creation”の一環として、かんたんに貼れる無線センサー ハッテトッテ®を販売しております。このハッテトッテ®を活用することで、上記の課題の解決が可能と考え、熱中症危険度モニタリングへの適用調査を行わせていただきました。
本調査のポイントは、物流施設内において、LoRaWAN®ゲートウェイ(受信機)がどれくらいの範囲のハッテトッテ®からの送信データを受信出来るか、という点です。フロアには金属製の棚が多数存在する上、上部にも下部にもコンベヤが走っており、床もしっかりしているため、電波環境的には厳しい状況が予想されました。しかし、ゲートウェイの設置数が少なく済めば、手軽に、低コストでシステムを構築することが可能になります。
今回ご協力いただいたDCM物流センターは6階建ての建物でしたので、4F の壁際にゲートウェイを設置し、複数フロアに設置したハッテトッテ®からの受信可否を確認しました。
ゲートウェイの設置位置はフロア中央部が望ましかったのですが、障害になりそうな機材・設備が周辺に多かったため、壁際に設置いたしました。
使用したゲートウェイは、kerlink社 iFemtoCell-evolution です。大変コンパクトなゲートウェイで、ほとんど邪魔になりません。今回は調査目的でしたので、施設内LANは使用せず、ノートPCを直接イーサネットで繋げて、データ集約・閲覧はそちらで行う形にしました。
気になる受信可能範囲ですが、以下の通りでした。
意外なことに、ゲートウェイと同じ4Fの水平方向の受信範囲が狭く、逆に上下方向の受信範囲が広いという結果になりました。受信可能範囲は、電波を遮る障害物の位置や大きさ、材質などにより影響を受けますので、やはり現場で受信状況を見てみないとなかなか分からない部分があります。
しかしながら、今回の調査結果から、ゲートウェイを3台程度設置すれば、全館をカバー出来るであろうということが分かりました。
< ゲートウェイ設置箇所の例 >
少ない受信機で複数フロアをカバー出来るので、システムコストを低く抑えることが出来ます。
更に、ハッテトッテ®は設置も貼るだけで簡単、工事も配線も要りませんので、設置のコストも大幅に抑えることができます。
工事・配線不要!
1つのLoRaWAN®ゲートウェイで複数フロアをカバー
少ないゲートウェイ数でシステムコスト低減!
※LoRaWAN®は LoRa Alliance®の登録商標です。