活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤が「2025年度高分子学会賞(技術部門)」を受賞 ー次世代高速通信と生成AI時代の高速通信基盤の高度化に貢献ー
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DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:池田尚志、以下「DIC」)が開発・商業化した活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤(MFAE, Multi-functional active-ester)が、公益社団法人高分子学会より「2025年度高分子学会賞(技術部門)」を受賞しました。
この活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤の開発は、「水酸基を生じさせない硬化化学」という独創的な発想に基づき、高機能分子設計によって実現しました。事業化にまで結実させた点で、学術的・産業的インパクトが大きく、高分子学*1の発展と社会実装に貢献したことが高く評価されました。
特に、DICが長年製造販売してきた従来の活性エステル型エポキシ樹脂硬化剤に対して、フェノール成分を独自の分子デザインとして取り入れた新型MFAEは、電気信号の伝送損失を抑え高速伝送に適した特性(低誘電率・低誘電正接)と高い耐熱性を両立させました。5G/6Gなどの次世代高速通信だけでなく、生成AI時代の高周波・大容量データ処理を担うサーバーやデータセンター用途にも貢献しています。
活性エステル型エポキシ硬化反応(Fig.1)は20年以上前に学術的に提唱されていましたが、実用化は進んでいませんでした。DICは全芳香族系の多官能オリゴマー型硬化剤のコンセプトモデル(Fig.2)を独自に設計することで、分子量制御、溶剤溶解性、耐加水分解性、高耐熱性を同時に成立させ、高速通信機器用プリント配線板材料として世界で初めて実用化しました。さらに独自理論に基づく二価フェノール骨格設計により、電気信号の伝わりやすさ(誘電特性)・耐熱性・難燃性を一段と高め、生成AI時代の超高速通信基盤を支える材料技術となっています。
本技術は、高速・高周波通信分野で、高い耐熱性を維持しつつ、電気信号の伝送損失を減らす材料技術を提供し、通信インフラや情報端末機器の高性能化、高信頼化に貢献しています。汎用有機溶媒に溶けるため、既存のプリント配線板プロセスに適用可能です。特別な設備を必要とせず、高付加価値基板を量産できることから、5G通信や生成AI時代の大容量・高速通信の早期普及を支える技術です。
公益社団法人高分子学会、高分子学会賞について
公益社団法人高分子学会は、高分子に関する科学および技術の基礎的研究、実際的応用の進歩、学術文化の発展、人材育成を図り、社会の発展に寄与することを目的としています。同会は、高分子科学の基礎的分野のほか、機能性および高性能材料などの応用分野の幅広い研究分野の会員約8000名を擁し、情報交換や会員間の交流の機会を提供しています。
高分子学会賞は、高分子科学および技術に関する独創的かつ優れた業績を挙げた会員に授与される、同会を代表する賞です。
*1 高分子学は、プラスチックや繊維、ゴム、タンパク質に代表される「高分子(ポリマー)」の構造・性質・機能を研究し、その応用までを扱う学問分野。
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