2023年度入社式 社長式辞要旨

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2023年4月3日
#入社式 #新入社員 #社長メッセージ

DIC株式会社(本社:東京都中央区)社長執行役員 猪野薫が、本日の入社式において行った挨拶の要旨を下記の通りお知らせします。

皆さん、入社おめでとうございます。本日は92名の新入社員を迎えることができました。数あるなかで、DICグループを選んでいただき、大変嬉しく深く感謝するとともに心から歓迎します。コロナ禍が漸く落ち着き、全新入社員が参集する入社式は3年ぶりです。学生時は制限された生活を送られていたと思いますが、引き続き感染に気を付けながら、徐々に通常の生活を取り戻しましょう。
この良き日にあたり、皆さんに対する歓迎の意を伝えるべく、私なりに「心に響く価値観」の発信を心がけたいと思います。

皆さんにとって「働きがい」とは何でしょうか。就職活動を通じて「働くことの意義やビジョン」を一生懸命考えられたことでしょう。特に、若い世代には社会的価値に共感する人たちが増えており、また同じ会社で一生働くことを想定していない比率も増えているそうです。ましてや、性別を問わず働く期間が長くなる時代になります。従って、生活と仕事の両立を考えた所謂ワークライフバランスはもちろんのこと、職場は「能動的に取り組めて、働きがいある」場所でなければなりません。私は、「働きがい」とは、“やりがい“と”働きやすさ“の掛け算だと考えています。

コロナ禍を経てリモートワークが定着するなか、本社では今年2月に機能向上とスペース最適化のためにオフィスフロア改革を行いました。国内外の事業所やグループ会社とのハイブリッド会議や隙間時間の部署を跨いだコミュニケーションなど、グループ社員同士が交流しやすい空間となりました。DICでやりたいことや自己実現のためのプラットフォームを見つける場として、ゆくゆくはイノベーションが生まれることを期待しています。ここに居る執行役員もオープンフロアで働いていますので、見かけたときは是非話しかけてください。

今後もリモートワークは定着し続けるでしょう。然しながら、私は、どんなにデジタル化が進もうとも仕事は「人」が進め、「人」同士がつながる中で進む、という意味では「働き」の本質は変わらないと思います。
従って、リモートであろうとリアルとのハイブリッドであろうが、「つながる」を探ることに知恵と工夫が必要になるでしょう。上司、先輩、あるいは同僚の方々との間での「信頼関係」の構築のために、コミュニケーション能力がこれまで以上に重要になります。特にリモートでは、表情と雰囲気が探れない中でのコミュニケーションは難しいものです。だからこそ、臆することのない自らの発信と、真摯に耳を傾ける姿勢が重要です。

スペシャリストと企業をつなぐ会社を起業した端羽英子(はしば えいこ)さんの記事から「信頼貯金」という言葉があることを知りました。
“信頼貯金が不足すると、正論を聞いてもらえない場合があることを若い人たちに知ってほしい”と、彼女は言っています。更に、”失敗を恐れることはありません。失敗は、自分がへこむ為でなく、次に何をすれば良くなるかを知る為のもの”だと。この「信頼貯金」は、ともするとコミュニケーションが欠如すると残高が減ってしまうリスクがあります。然しながら、コミュニケーション能力を身に着ける努力を怠らなければ、倍返しで殖やせるものなのではないか、と考えます。

地球・社会の持続的繁栄を目指し、企業として持つべき視点は「“財務的利益の極大化”だけにとらわれない“社会的意義の極大化”」と考え、昨年2月、これまでの経営ビジョン“Color & Comfort”を進化させた新経営ビジョン「彩りと快適を提供し、人と地球の未来をより良いものに -Color & Comfort-」を発表しました。
この経営ビジョンを実現するために、長期経営計画「DIC Vision 2030」を策定し、取り組みを開始しました。具体的には、2030年に向けて、“DICが貢献する社会”を「グリーン」「デジタル」「Quality of Life(QOL)」とし、長期的視点から設定した5つの重点事業領域を中心に“社会の持続的繁栄に貢献する事業ポートフォリオの構築”と“地球環境と社会のサステナビリティ実現への貢献”を目指すものです。

会社においても、「信頼貯金」が大事であります。メーカーとして、そして社会に貢献するグローバル企業として尊敬される為には、様々な社会課題に取り組む姿勢と正しい企業姿勢が大事です。

毎年、新入社員の方々に「会社は誰の為のものか?」について考えることをお願いしています。世界が、企業活動を通じての利益追求だけでなく、社会的価値の向上に益々目を向け始めている中、DICパーソンの一員となる皆さんも、「働き」を通じて、この問いかけに対して自ら答えを見出していくことが大変重要だと信じているからです。

「会社は、“個人が活躍する場”」です。
組織をないがしろにするという意味ではありません。パスを回すだけではなかなか得点につながりませんが、果敢にドリブルで切り込んでキラーパスを出すことで、得点のチャンスが増えることに似ています。

私が常日頃、「個の多様性の結集」という言葉を多用している所以でもあります。
これを実現する為に、会社経営の在り方として2つのことが大切だと考えています。
まず、「意欲と能力のあるすべての個人に対して“活躍の場”を提供すること」
次に、「正しいことを正しく行う企業風土を醸成すること」です。

こうしたことを踏まえて、これから真のDICパーソンになるために3つのお願いをして締めくくりたいと思います。
一つ目は、「異文化を受け入れる懐の深さと柔軟性を持つこと」
二つ目は、「多様性(異なる性、国籍、意見を持つ人間)とのコミュニケーション能力を身につけること」
三つ目は、「常に、“社会から信頼されるDICブランド”を意識すること」です。

本日は、誠におめでとうございます。

以上

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