DICとDATAFLUCT、プラスチック包装容器の完全循環型リサイクルの実現を目指し、生活者の行動変容の実証実験に向け協業開始 -個人のCO2排出量を可視化することで、リサイクル製品の購入・回収協力を促進ー

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2022年8月30日
#DX #リサイクル #プラスチック #循環社会 #サーキュラーエコノミー #パッケージ

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野 薫、以下「DIC」)は、データサイエンスで企業と社会の課題を解決する株式会社DATAFLUCT(本社所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:久米村 隼人、以下「DATAFLUCT」)と、プラスチック包装容器のリサイクル製品の購入および回収協力を促すアプリケーションサービスの開発を通じた生活者の行動変容に向け協業を開始しました。

今回の協業で両社は、循環型社会の共創のため、生活者がプラスチック包装容器などのリサイクル製品の購入およびリサイクルのための資源回収を促進するためのアプリケーションサービスの開発を目指します。具体的には、DICが保有するプラスチックリサイクルに関する先進的な技術やノウハウと、DATAFLUCTが保有する生活者向けのCO2排出量の可視化(管理・削減・カーボンオフセットできる)サービスおよび生活者の行動変容に関する分析データなどを相互に活用したサービスを開発します。

実証実験に向けた協業の背景
DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」において、持続可能な社会実現のための重要施策として、サーキュラーエコノミーへの対応をサステナビリティ戦略として掲げています。食品パッケージ市場においては、当社の注力市場として循環型社会の実現を目指しサプライチェーンと協業しプラスチック包装容器のリサイクルの取り組みを加速しています。加えて、2022年7月には、SAPと連携しブロックチェーン(分散型台帳)技術を使用した廃プラスチックのトレーサビリティ(生産流通履歴の追跡)システム構築の実証実験も開始しています。

DATAFLUCTは、誰もがデータ活用できる持続可能な社会を作ることをミッションに、生活者を含むあらゆるステークホルダーがカーボンニュートラルに向けた取り組みに参加するための“環境価値*”流通プラットフォーム『becoz』を展開しています。2022年6月2日には個人向けのCO2排出量可視化・オフセットサービス『becoz wallet』および決済データからCO2排出量を可視化できる国内初のクレジットカード「SAISON CARD Digital for becoz」の提供を開始し、サステナブルな社会を実現するためのデータ活用事業を積極的に進めています。

このたびの協業は、「循環型リサイクルの取り組みを、生活者に働きかけることで加速させ、循環型社会を実現したい」という両社の思いが一致し、両社の知見・実績・プロダクトを合わせることによって相互補完・シナジー効果が見込めることから実現しました。

今後の展開
小売店で資源回収対象となっている各種包装容器について、「リサイクルで製造された包装容器に入った商品」の購入促進と、使用済み包装容器の回収促進につながる生活者向けアプリケーションサービスの開発に取り組みます。

同取り組みでは、リサイクル素材を採用した包装容器などに入った商品を購入した場合に、その購買行動をデータとして記録し、個人の貢献を「環境価値」としてアプリケーション上で可視化します。また、使用済み包装容器を廃棄せず、各店舗の回収ボックスへ各種包装容器を入れた行動も記録し、購入時の仕組みと同じく、個人のリサイクルへの貢献を環境価値としてアプリケーション上で可視化します。廃棄した場合に排出されるCO2をどれだけ削減できたかなどの情報も表示します。
生活に身近な行動がどのようにCO2排出と結びついているのか可視化し、簡単に見られるようにすることで、生活者が環境に配慮した商品を購入、容器の回収に協力というアクションを起こしたくなるアプリケーションサービスの開発を目指します。

DIC株式会社執行役員、パッケージングマテリアル製品本部長 森長祐二からのコメント
「資源循環を推進するためには、ライフサイクル全体で取り組んでいくことが大切です。特に生活者の意識変容や協力は欠かせないものであり、生活者がサーキュラーエコノミーをより身近に感じるための仕組みが必要です。DATAFLUCTのソリューションは、生活者に「環境価値」という”新しいものさし”を提案するものであり、今回の協業が、当社が目指すプラスチック包装容器の完全循環型リサイクルを実現するための推進力になると期待しています。」

株式会社DATAFLUCT 代表取締役 久米村 隼人氏からのコメント
「当社が描くbecoz のvision「impact wallet for all, impact wallet for the future」すなわち、脱炭素目標のためには「誰もが簡単に環境価値を可視化・流通できる“impact wallet”を生活者に普及させ、未来にはCO2排出の削減量のみならず、水使用削減量やプラスチック使用の削減量含む、「環境価値」を社会に浸透させること」が不可欠です。DATAFLUCTとDICの2社が手を組むことで、国内ではどこよりも早く、プラスチックリサイクルに関する個人の貢献を定量化および促進することができると信じております。まずは、スーパーマーケットでの本実証実験に巻き込み、将来的には世界で当たり前に使われるサーキュラーエコノミーサービスの構築を進めていきたいと思います。」

DICグループは、プラスチックリサイクル製品の資源循環のプラットフォームを構築し、顧客やサプライヤー、さらに生活者にまでエコシステムを広げ、サプライチェーン全体をつないだ完全循環型リサイクルの社会実装を目指します。

*DATAFLUCTが定める「環境価値」は、CO2排出削減量のみならず、取引可能な形にされたカーボンクレジット、リサイクル量、水使用削減量など「地球のサステナビリティを担保するための、モノやコトが有する価値」のこと

以上

DICは日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DICグループの中核企業です。DICグループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む約190の子会社によって構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料 、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料 、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高8,000億円を超え、世界全体で22,000名以上の従業員を有するなか、DICグループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。
詳しくは、 https://www.dic-global.com/をご覧下さい。

株式会社DATAFLUCTは「データを商いに」をビジョンに掲げ、埋もれていたデータから新たな価値を生み出し、社会課題を解決するデータビジネスパートナーです。非構造化データをはじめ、データの形式にとらわれない「マルチモーダルデータ活用」に強みを持ち、データの収集・蓄積・加工・分析を一気通貫で実現します。需要予測によるロスの削減、持続可能な都市計画、脱炭素に向けた行動変容など世界基準の課題に着目した自社サービスも展開し、誰もがデータを有効活用することで持続可能な意思決定をすることができる世界の実現を目指しています。2019年JAXAベンチャー*認定企業。(  https://datafluct.com/
*宇宙航空研究開発機構(JAXA)の知的財産・業務での知見を利用して事業を行う、JAXA職員が出資・設立したベンチャー企業。

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