DIC、セーレン、福井県、新型炭素繊維強化プリプレグシートのサンプル提供を開始 -世界最速硬化・常温保管を実現し、省エネルギーに貢献!-
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DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫、以下「DIC」)とセーレン株式会社(本社:福井県福井市、代表取締役会長:川田達男、以下「セーレン」)および福井県工業技術センター(所在地:福井県福井市、所長:後藤基浩)は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の採択テーマである「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発(2018年7月~2021年6月の3年間)」を実施し、世界最速硬化・常温保管を実現した「速硬化炭素繊維強化プリプレグシート」を開発しました。このたび、量産プロセスを構築、セーレンにて稼働させた実証機を用いたシートサンプルの提供を2021年7月から開始いたします。
炭素繊維強化プリプレグシートは、炭素繊維の束を広げて樹脂を含浸させたシート状の中間材料です。軽量で強度が高く、低燃費・軽量化のニーズが高まる航空機や宇宙船、自動車向けに用途が広がっており、今後益々進むと見込まれています。一方、一般的にプリプレグシートを含めた炭素繊維複合材料(以下、「CFRP」)の成形加工は時間を要するため、CFRPの更なる普及には、成形時間を短縮する技術が求められています。
本開発では、DICが強みを持つ高分子設計テクノロジーを生かした「高速硬化樹脂(最短30秒以下で硬化するラジカル硬化樹脂)」の設計技術と、福井県工業技術センターが保有する繊維束を高速に薄く広げる「空気開繊技術」、セーレンが保有する樹脂成膜・塗工技術を生かした「高精度含浸技術」を組み合わせることで、最短30秒 という世界最速レベルの硬化時間のプリプレグシートを実現させています。また、一般的なエポキシ系のプリプレグシートは、保管時に冷凍・冷蔵倉庫等が必要ですが、本開発品は常温保管可能で、シート保管の設備および管理の負担も軽減することができます。
今後、DICとセーレンは、開発した新型プリプレグシートで、自動車分野をはじめ、幅広い産業への展開を検討しています。CFRPの生産性向上により、その普及を促進し、軽量化による低燃費化、省エネルギー化に貢献していきます。
以上
■「自動車搭載炭素繊維複合材料用高速硬化プリプレグの実用化開発」が、NEDOの大型研究事業に採択(2018年8月23日)
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