太陽インキ製造と共同開発した「高周波対応配線形成用新シードフィルム」が第53回日化協技術特別賞を受賞 ー5G通信における高周波伝送損失を低減できる技術として高く評価されましたー

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2021年6月7日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫)は、太陽ホールディングス株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:佐藤英志)の子会社である太陽インキ製造株式会社(本社:埼玉県比企郡嵐山町、代表取締役社長:峰岸昌司、以下、「太陽インキ」)と共同開発した「高周波対応配線形成用新シードフィルム」が、第53回日化協技術特別賞を受賞したことをお知らせします。

本開発品は、次世代通信規格5Gの高周波帯域で使用される電子機器向けに開発したもので、当社の金属ナノ粒子材料をフレキシブルプリント配線板用に展開するために開発したフィルム材料です。本フィルムに塗工されているDICの金属ナノ粒子は、銅配線形成時の銅めっきのシード層として用いられます。

5Gの普及に伴い、使用周波数帯域であるSub6やミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線技術が重要になってきています。高周波伝送では、高周波帯域になればなるほど電流が銅配線の表層にしか流れないため、表層の形状が平滑でなければ伝送損失が増大します。そのため、配線の四辺を平滑にする銅配線形成技術が求められています。本フィルム材料を用いると、金属ナノ粒子のシード層に銅めっきを行うことで、基材フィルムと銅配線の界面を極めて平滑な状態で密着させることができます。また、より精度の高い銅配線を形成する方法として従来用いられている、銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)は、シード層の銅をエッチングする際に、銅配線が同時に溶解するため、配線自体が痩せて配線の表面や側面の凹凸が大きくなる課題がありました。一方、本フィルム材料では、銅とは異なる金属をシード層に用いるためシード層のみをエッチングすることが可能となり、銅配線が痩せずに配線表面や側面が平滑なファインパターンを得ることができます。

当社グループは、2017年から太陽ホールディングス株式会社と資本業務提携を行っており、シナジー効果の発揮に向けて相互協力関係を構築および強化するための取り組みを行ってきました。今回の受賞がその具体的な成果として評価されたことを大変喜ばしく思います。今後もさらに本資本業務提携によるシナジーを活かし、更なる成長の基軸となる事業を構築し、将来にわたる発展に繋げていく所存です。

以上

一般社団法人 日本化学工業協会により毎年選定され、優れた化学技術の開発や工業化によって化学産業ならびに経済社会の発展に寄与した事業者を総合賞、技術特別賞、環境技術賞として表彰する制度です。なお、従来実施されていた表彰式は新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、中止されました。

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