廃棄軟包装フィルムのマテリアルリサイクル拡大に向けて大手製パンメーカーと協業開始 -脱インキ技術を導入した軟包材の高度な再資源化によりプラスチック資源の循環社会実現を目指す-

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2021年5月25日
#マテリアルリサイクル #サステナビリティ #SDGs #廃プラスチック #他社協業 #循環社会

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫、以下「DIC」)は、大手製パンメーカーと共同でパン包装に使用するプラスチック由来の廃棄軟包装フィルムの再生資源化に向けて、マテリアルリサイクルの実際のプラントへの実装による再利用取組みの検証を今夏より開始予定です。

プラスチックは高い利便性から多くの用途で利用される一方、発生する廃プラスチックによる環境負荷が問題視されており、その有効活用が国際的な課題になっています。廃プラスチックを焼却せず、モノとして再利用するマテリアルリサイクルは、世界的に推進されていますが、日本においては廃プラスチック総排出量891万トン(2018年度)に対して208万トン/23%に留まっています。

軟包装フィルムは、包装材としての機能を満たすため印刷インキや接着剤など複層構造で成形されています。従来のマテリアルリサイクルの手法では、印刷インキなどが着色されたペレット(プラスチック樹脂)に再生加工されるため、リサイクルにより再利用可能な用途が限定されていました。

当社は、軟包装フィルムの加工および印刷工程で発生する廃棄軟包装フィルムを対象に、新たに導入する印刷インキ除去技術を用いて、着色されていないリサイクルペレットに戻し、新たな用途へ再生させる資源化検証を大手製パンメーカーと共同で開始します。プラント検証は、プラスチックリサイクルを手掛けている外部の協業パートナーと共に実際のプラントへの再生工程に実装し、脱インキ・原料化(造粒)・成形加工・再利用の各工程での最適化に取り組みます。これにより高度なマテリアルリサイクルを実現し廃棄フィルムの再生用途を拡大します。

DICグループは、世界的な社会課題である廃プラスチックや海洋プラスチック問題に対し、サステナビリティ戦略として当社が対応すべき領域を定め、取り組みを強化しています。食品包装などのパッケージ素材については、ポリスチレン、フィルム、インキ、接着剤などの素材がプラスチックのマテリアルリサイクル特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行い、地球環境のサステナビリティに貢献するパッケージソリューションの提供を目指しています。再資源化の取り組みについては、株式会社エフピコとのケミカルリサイクルの協業検討を開始するなど、関連する他業界との連携も強化しています。
当社は、本協業により軟包装フィルムの高度な再資源化を図り、社会課題であるプラスチックごみ問題の解決やプラスチック資源の循環社会の実現を目指します。

マテリアルリサイクルとは、使用後の製品を同じ製品の材料や原料として再利用する、または元の製品類から別の分類の材料や原料へ生成し直し再利用すること

以上

■DICとエフピコがケミカルリサイクルによるポリスチレンの完全循環型リサイクルの社会実装に向けて協業の検討を開始(2020年11月16日)

DICは日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DICグループの中核企業です。DICグループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む170以上の子会社によって構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料 、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料 、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高7,000億円を超え、世界全体で22,000名以上の従業員を有するなか、DICグループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。その他詳細は以下URLをご覧ください。

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