DICとエフピコがケミカルリサイクルによるポリスチレンの完全循環型リサイクルの社会実装に向けて協業の検討を開始

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2020年11月16日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫、以下「DIC」)と株式会社エフピコ(本社:広島県福山市、代表取締役社長:佐藤守正、以下「エフピコ」)は、プラスチック食品包装容器などの素材であるポリスチレン(以下「PS」)の完全循環型リサイクルの社会実装に向けた検討を本格化したことをお知らせします。

DICは、プラスチックの高度資源循環の社会実装に貢献するため、産官学連携で廃プラスチックの材料再生プロセス開発のプロジェクトに参画しマテリアルリサイクルの研究を進めています。また、食品包装などのパッケージ素材として使用されるPS、フィルム、インキ、接着剤などの素材がプラスチックのマテリアルリサイクル特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行い、環境負荷の少ないパッケージ素材の製品開発を行っています。

エフピコグループでは、一般家庭から排出される使用済み発泡PS食品容器をマテリアルリサイクルによって再生利用する「エフピコ方式のリサイクル」を積極的に推進しています。現行のリサイクルは、使用済みの白色発泡PS容器を粉砕し、再度溶融した上で製品化するマテリアルリサイクルです。白色発泡PS容器はエコトレーとして再生し、色柄付きの発泡PS容器はハンガーなど日用雑貨品に再生利用しています。(エフピコ方式リサイクルについては以下URLをご参照ください)

PSは制御された加熱条件下で容易にモノマー還元(ポリスチレンの原料であるスチレンモノマーにもどる)される性質があるため、今回検討しているケミカルリサイクルに適しています。ケミカルリサイクルで得られたスチレンを用いて生産されたPSは、従来から生産されている石油原料から生産されたPSと同等の性能、並びに、安全性を有しているため、使用用途が限定されずに幅広い用途で利用可能です。

DICとエフピコは、ケミカルリサイクルに関する合弁会社を含めた共同事業体設立などの協業を視野に、モノマー還元技術を外部から導入することで、従来食品包装容器として再生利用していなかった色柄付きの発泡PS容器の再生を実現し、PS製品の完全循環型リサイクルを目指します。なお、DIC四日市工場での実証実験プラントの建設も検討しています。
ケミカルリサイクルによるPS製品の完全循環型リサイクルでは、エフピコが既に運用している「エフピコ方式のリサイクル」に加え、更にそれを活用し、使用済み食品容器を市場から回収(回収拠点9,600ヶ所)して、色柄付きの発泡PS容器を両社の共同事業体などでリサイクルスチレンモノマーに再生したものからDICでポリスチレンを生産し、エフピコでエコトレーなどへの製品利用を目指します。

DICとエフピコは、様々なリサイクル技術を活用することで完全循環型リサイクルを実現し、使用済みプラスチックの有効活用および食品包装容器のライフサイクルにおける二酸化炭素(C02)排出量の削減に貢献する所存です。

以上

DICは印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドで世界トップシェアの化学メーカーです。1908年、印刷インキの製造と販売で創業し、その基礎素材である有機顔料、合成樹脂をベースとして、自動車、家電、食品、住宅などの様々な分野に事業を拡大。現在、世界の60を超える国と地域にグローバルに事業を展開しています。

社名:DIC株式会社(DIC Corporation)
代表者:代表取締役 社長執行役員 猪野 薫
所在地:〒103-8233 東京都中央区日本橋 3-7-20 ディーアイシービル
設立:1908年2月
URL:https://www.dic-global.com/

エフピコは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで使用される簡易食品容器の国内最大手メーカーです。創業以来、お客様のニーズに応える製品開発とサービスの提供を実践しております。エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルtoトレー」による廃棄物削減及びCO2排出量削減、環境負荷の低い容器の開発による省資源化などを通じて、持続可能な社会の実現を目指しております。

社名:株式会社エフピコ(FP Corporation)
代表者:代表取締役社長 佐藤 守正
所在地:〒721-8607 広島県福山市曙町1-13-15
設立:1962年7月
URL:https://www.fpco.jp/

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