特殊形状フィラー“板状アルミナ” 『CeramNex (セラネクス)™ AP10』を開発 ー電子部材の高強度化や高い放熱性を実現し、CASEや5Gの普及に貢献ー

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2020年12月10日
#CASE #5G

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫)は、電子機器等の放熱用途で用いられるアルミナフィラー(充填材)の“板状アルミナ”『CeramNex (セラネクス)TMAP10 』を開発しました。本製品は、2021年1月より長瀬産業株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:朝倉研二)を総代理店として販売開始します。今後は品番ラインナップを拡充し、日本、中国、韓国、台湾、欧米地域の自動車部品および電子部品関連メーカーへの販売を視野に入れ、2025年までに売上高8億円を目指します。

自動車やエレクトロニクスの分野においては、CASEや次世代通信規格5Gの普及に対応するため部品の小型化や高性能化が進んでいますが、これに伴って機器の内部で発生する熱の除去が重要となっています。アルミナフィラーは熱的安定性が高く、自動車や電子機器の部材の放熱用途などで用いられる充填材です。樹脂部材に熱伝導性を付与するため、大量に用いる配合設計が行われることがありますが、大量のフィラーは成型性を低下させ、成形物の機械強度を低下させる要因にもなります。

当社が独自の合成方法で開発したアルミナフィラーは、粒状や不定形な形状を呈する一般的なアルミナフィラーとは異なり、“高い結晶性”を有し、アスペクト比が高い“板状”であることが最大の特長です。そのため、他の形状のアルミナフィラーと比べ、少量の添加で高強度化が望めるため、軽量化に貢献します。加えて、添加物表面の平滑性が向上するため、上記以外の分野でも幅広い用途で利用することが可能です。

開発品と球状アルミナフィラーを添加したコンパウンドの比較評価

DICグループは、中期経営計画「DIC111」において、社会課題や社会変革に対応した新事業の創出を目指す「New Pillar Creation」を推し進めています。当社は有機材料を基盤技術とした事業展開をしていますが、今回の製品開発を足掛かりに無機材料も基盤技術に加え、既存の基盤技術では展開が困難であった新たな領域に事業を拡大する所存です。

※CASEとは、自動車産業の変革を示すキーワードとして、自動車の次世代技術やサービスの新たな潮流を表す英語の頭文字4つ「C =Connected(つながる)」、「A=Autonomous(自動運転)」、「S=Shared(共有)」、「E=Electric(電動)」を繋げた造語です。

以上

DICは印刷インキ、有機顔料、PPS コンパウンドで世界トップシェアの化学メーカーです。1908 年、印刷インキの製造と販売で創業し、その基礎素材である有機顔料、合成樹脂をベースとして、自動車、家電、食品、住宅などの様々な分野に事業を拡大。現在、世界の60 を超える国と地域にグローバルに事業を展開しています。
社 名:DIC株式会社(DIC Corporation)
代 表 者:代表取締役 社長執行役員 猪野 薫
所 在 地:〒103-8233 東京都中央区日本橋 3-7-20 ディーアイシービル
設 立:1908 年2 月

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