回収ペットボトルを原料とした軟包装材用接着剤「ディックドライ LX-RPシリーズ」を開発 -使用済みペットボトルの有効活用により循環型社会の実現に貢献-
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DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫)は、回収ペットボトルを原料とする軟包装材用ドライラミネート接着剤「ディックドライ LX-RPシリーズ」を開発しました。本開発品は、一般消費者から回収したペットボトル(FDA認証※1対応の回収ペットボトル)をケミカルリサイクルにより接着剤の原料とした環境調和型の製品で、主にパーソナルケア製品向けの軟包装材料用途として2021年7月~9月より販売予定です。
プラスチックは高い利便性から多くの用途で利用される一方で、発生する廃プラスチックによる環境負荷が問題視されており、この有効活用が国際的な課題となっています。海洋プラスチックごみ問題の一因にもなっている廃棄ペットボトルは、炭素循環の観点からエネルギー使用量や二酸化炭素排出を削減する効果のあるリサイクルによる有効活用の取り組みが加速しています。包装資材業界では、リサイクルフィルムの開発など環境対応への取り組みを推進しており、この流れを受けて軟包装材に用いられる接着剤においても同様の取り組みを進めていますが、ペットボトルを用いた樹脂は硬く強靭な物性を有するため、柔軟な性質が要求される接着剤への適用は従来困難とされてきました。
このたび当社は、溶剤系ドライラミネート用接着剤の樹脂設計において、独自の高分子合成技術により、回収ペットボトルのケミカルリサイクルを行い、接着剤樹脂原料としての適用を可能にしました。さらに樹脂組成の最適化により溶媒への溶解性と接着物性を両立した接着剤の開発に成功しました。「LX-RPシリーズ」は、回収ペットボトルを製品中に25%(固形分比)含むもので、従来の「LXシリーズ」と同様に軽包装材料や詰替包材に至るまで幅広いパッケージに適用することが可能です。
今後は、日本や海外のパーソナルケア製品などの軟包装材料用途として提供を開始し、2023年度に約1,000トンの販売を目指します。加えて、回収ペットボトルを原料とする接着剤製品のラインアップを環境に配慮した無溶剤型の接着剤にも拡充し、接着剤製品全体に展開する予定です。当社は接着剤ビジネスを通じて使用済みプラスチックの有効活用を推進し、包装材料のライフサイクルにおける石油由来原料の使用率低下と廃プラスチックの焼却ゴミの低減を進め、二酸化炭素(CO2)排出量の削減に貢献します。
DICグループは、中期経営計画「DIC111」において地球環境のサステナビリティに貢献するパッケージソリューションを提供することを目指しています。パッケージングマテリアル事業においては、プラスチックの3R※2を切り口に今後もリサイクルや環境面に配慮した代替素材の開発に注力し、循環型社会の実現に貢献する所存です。
注釈)
※1 FDA(Food and Drug Administration)とは、「米国食品医薬品局」のことで日本の厚生労働省にあたる公的機関。FDA 認証は、米国内で食品や医薬品、化粧品などの商品を販売する際に必要な認証。
※2 3Rとは、リデュース(ごみの発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(ごみの再生利用)の3つの頭文字をとった環境配慮に関するキーワード。
以上
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