DIC 米・Nanosysとともにインクジェット印刷方式によるディスプレイ向け量子ドットカラーフィルタ用インキを共同開発中

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2017年12月6日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、Nanosys, Inc.(本社:米国カリフォルニア州ミルピタス、CEO:Jason Hartlove)とともにインクジェット印刷方式によるディスプレイ向け量子ドットカラーフィルタ用インキを共同開発しています。共同開発の最新の成果は、12月6日から12月8日に仙台国際センターで開催される「2017 International Display Workshop」(https://www.idw.or.jp/)のセッションMEET4で発表する予定です。

“量子ドット(Quantum dot:QD)”とは、発光性の無機半導体ナノ粒子です。粒子径を変えることで発光色を自在に制御できることから、次世代ディスプレイ材料として注目を集めています。その中でも、“量子ドットカラーフィルタ(QD-CF)”は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイと組合わせることで、既存のディスプレイと比較して、低消費電力化、色再現範囲拡大、視野角拡大が実現できるデバイスです。また、QD-CFを大型ディスプレイへ適用するためには、既存のカラーフィルタの主要製法であるフォトレジスト方式よりも、QD材料のロスを最小化できるインクジェット印刷方式が理想的です。最先端材料であるQDは、その製造コストが高価であることも需要拡大へのハードルとなっていますが、インクジェット印刷方式であれば、より低コストでQD-CFを製造することができます。

QDのディスプレイへの応用は、カドミウム系材料で先行していましたが、サステナビリティの観点から、カドミウムフリーQDの開発が強く望まれています。Nanosysは世界有数のカドミウムフリーQDメーカーであるとともに、QD材料のノウハウ、特許を多数所有しているトップQDメーカーです。当社は、世界最大のインキメーカーであり、これまで培った分散技術、配合技術、樹脂をはじめとした豊富なインキ材料リソースなどのインキ設計に必要な技術を多数所有しています。今般、NanosysのカドミウムフリーQDと、当社のインキ設計技術をコラボレーションすることで、世界初のカドミウムフリーQDインクジェットインキの開発を目指します。QDインキ設計に際して、現在、さまざまなインクジェットヘッドの種類や生産ラインに対応できるよう、熱硬化型インキおよびUV硬化型インキでの開発を進めています。

当社では、このQDインクジェットインキを、液晶材料、カラーフィルタ用有機顔料に続くディスプレイ材料として、2020年の上市を目指して開発を進めてまいります。

以上

米国シリコンバレーに本社を構えるディスプレイ向けQD材料のトップ企業。2001年創業で、世界最大のQD生産工場(生産能力25トン/年)を有する。独占使用権を含めて現在300件以上の特許を所有。NanosysのQD材料を使用したディスプレイ用フィルムQDEF®は、鮮明な色彩、高輝度、省電力に貢献し、タブレットからテレビまで多くのディスプレイに採用されている。

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