DIC 蒸着フィルムの酸素バリア性を補強するドライラミネート用接着剤「PASLIM VMシリーズ」を新発売 食品の廃棄ロス削減や包装材料の層構成簡素化に寄与

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2017年1月12日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、食品用の包装材料(以下、包材)などで使用する、蒸着フィルムの酸素バリア性を補強するドライラミネート用接着剤「PASLIM VMシリーズ」を開発しました。海外において複数社で採用されるとともに、引き続き国内外で販売活動を強化しています。同開発品は、蒸着フィルムを使用した包材のバリア性を向上させ、食品の廃棄ロス削減や包材の層構造簡素化に寄与する画期的な製品です。

世界における食料資源の有効活用が問題視されるなか、先進国の「食品ロス」や新興国の「収穫後ロス」などを削減するため、「食料・食品の消費・賞味期限延長」に有効な手段である酸素などのガスや水蒸気を遮蔽する高機能な包材のニーズが高まっています。

従来、酸素バリア性を有する包材は、ガスバリア性に優れるアルミ箔を、PET(二軸延伸ポリエステル)、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)などのフィルムに接着剤を用いて重層に貼り合わせた積層フィルムが使用されています。同フィルムは、膨大なエネルギーを要する環境負荷の高いアルミ箔を使用すること、また、アルミ箔とフィルムの分離・廃棄に手間がかかることやそれら廃棄物削減の観点から、近年ではアルミなどの無機材料を上記の各種フィルムに蒸着したバリア性フィルムがそれらを解決する手段として多用されるようになってきました。しかしながら、この蒸着層は製造工程におけるピンホールや曲げ・こすれなどで亀裂が生じやすく、それら欠陥部分からガスの漏れが発生しバリア性が低下するため、その対策が求められています。

このたび当社では、溶剤系ドライラミネート用接着剤の樹脂設計において独自のポリマ設計技術を生かし、原料となる樹脂を構造から見直すことで酸素を通しにくい構造とし、蒸着フィルムと併用することでバリア機能を補強する、画期的な接着剤の開発に成功しました。蒸着フィルムに接着剤として塗布された同開発品が、蒸着層に発生していたキズや亀裂を補填することにより、蒸着フィルムが本来持っているバリア性能を引き上げ、アルミ箔に近い性能を示すようになります。
加えて、同開発品は既存製品同様の優れたハンドリング性でありながらハイソリッド設計となっているため、VOC(揮発性有機化合物)排出量を従来よりも50%程度削減(当社製品比)できる環境対応製品でもあります。
なお、同製品は安全性において、容器包装に対する食品衛生の第18条に基づいた規格基準「厚生省告示第370号」に適合するとともに、米国食品医薬品局(FDA)§175.105に準拠しています。

当社グループでは、昨年度よりスタートした中期経営計画「DIC108」において、インキ、フィルム、接着剤といったパッケージ関連材料を成長牽引事業と位置付けており、2018年に売上高3,200億円(2015年比+500億円)を目指しています。同計画を達成するため、接着剤事業においても次世代製品と位置付けるバリア材料などの独自技術による差別化製品を鋭意開発し、2020年までに売上高を2015年比の2倍まで高める所存です。

以上

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