DIC 三井金属計測機工株式会社とともに近赤外光を利用した食品中の異物検出システムを開発中 食の安全へのニーズに応える新しい技術

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2016年9月13日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、三井金属計測機工株式会社(本社:愛知県小牧市、代表取締役社長:田中俊彦)とともに、近赤外線の発光を利用する安全性の高い食品内部の異物検出システムについて共同開発を進めています。

食品中への異物混入は、消費者の食の安全を脅かす重大な事故につながる恐れがあり、ひとたび事故が発生した場合には、企業の存続に関わる大きな問題に発展することもあります。そのため、メーカーでは食品に異物を混入させないための様々な手段を講ずるとともに、万が一、異物が混入した場合であってもそれらを市場に流通させないようにするため、製造工程に様々な異物検出装置を導入しています。
検出装置として、現在は磁力線やX線を利用した装置が普及しています。これらの装置は、金属や小石など高密度の異物の検出には優れますが、プラスチックやゴムなど比重の小さい材料に関しては一部検出が難しいことから、これらの材料の混入を検知するための新しい検出技術が求められています。

今般、共同で開発を進めているシステムで「近赤外線発光する色素」と「近赤外線発光を検出する装置」とを組み合わせることにより、従来難しいとされてきたプラスチックなどの検出が可能になると期待しています。近赤外線は、人体や食品に対しても影響が少なく安全性が高いことに加え、物質透過性が高いことから、透過光を検出するシステム(近赤外分光法)がすでに食品検査などに利用されています。そのため、食品内部に混入した異物の検出にも適用できる可能性が高いと想定されます。
当発光色素が食品加工ラインで用いるプラスチック部品などに混練されることで、同部品が加工食品中などに混入した場合であっても、混入した樹脂の食品内部での発光を開発装置で可視化することができ、高感度に異物を検出することが可能になります。
共同研究において当社は近赤外線発光色素の開発を担い、既存の色素に比べ発光強度が大きく、かつ樹脂への溶融混練に耐えうる高耐熱性の色素を開発します。さらに、当社独自のコンパウンディング技術により色素を樹脂に練り込んだマスターバッチやコンパウンドを製品化することにより、成型や加工を実現します。
三井金属計測機工社では、当社の材料を使用し、青果物などの検査で用いる近赤外分光法の知見を基に近赤外光の特徴を生かしながら、高感度で精度の高い近赤外発光検出装置の設計を行います。さらに、既存製造ラインにも組み込めるようにインラインで検査可能なシステムの開発を目指します。

このシステムを既存の金属検出装置やX線検出装置と併用することで、異物混入リスクを大幅に削減することが可能となり、より一層、食の安心安全に貢献できるものになると期待しています。
両社では、9月28日(水)~30日(金)に東京ビックサイト(東ホール)で開催される「フードセーフティジャパン2016」に同システムを共同出展し、『食の安心安全へのソリューション』を提案していきます。是非とも、ブースにお立ち寄りください。

以上

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