DIC 鋳造を効率的にする砂型積層3Dプリンターに対応したフェノール樹脂バインダーを開発 高強度と寸法安定性を実現する画期的な新製品

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2016年12月26日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、鋳造を効率的にする砂型積層3Dプリンター用フェノール樹脂バインダー(接着剤)を開発しました。同製品は、2016年11月に海外大手3Dプリンターメーカーの認定を取得し、12月から本格供給を開始しました。

自動車エンジンや周辺部材には鋳物が多用されており、砂型はその鋳型として利用されるものです。通常、鋳物作成時に用いる砂型は、事前に作成した木型を、樹脂バインダーを混ぜた砂で覆い固めてから木型を抜いて作成します。この方法は、熟練した技術を要する複雑な木型の作成に手間がかかるため、砂型を作るまでに数週間から1ヶ月程度の期間を要しています。
一方、3Dプリンターを利用した砂型造形は、砂の積層とインクジェットノズルからのバインダー噴霧を繰り返し、積層することで造形します。CADなどで設計データからダイレクトに砂型を造形でき、複雑化する自動車エンジン等の砂型造形において大幅な時間短縮が図れることから、次世代を担う生産システムとして大変注目されています。

現在、海外大手メーカーの砂型積層3Dプリンターで使用しているバインダーは海外品ですが、要求品質の高い日本国内の需要を更に取り込んでゆくためには、接着強度や寸法安定性を向上させる必要があります。

このたびの開発品は、当社が得意とする耐熱性の高いフェノール樹脂に、長年培ってきた樹脂設計技術を接着強度や寸法安定性の観点から展開するとともに、社内の知見としてジェットインキ開発のノウハウを活かすことで、接着強度40%向上(従来比)、寸法安定性±0.1mmの実現に成功した画期的な新製品です。

現在、3Dプリンターを利用した鋳造用砂型の市場は、試作や少量多品種が中心になっていますが、短期間かつ高精度という3Dプリンターの利便性の高さから、今後更なる市場拡大が見込まれています。

同製品は、当面国内市場のみの供給となりますが、実績を積み重ねてゆくことで、アジアを中心とした海外市場への展開を実現し、2025年には売上高5億円達成を目指す所存です。

以上

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