DIC 食品用天然系青色素「リナブルー®」の生産能力をさらに増強 欧米認可のスピルリナ青色素、原料からの一貫生産体制の強化で事業の磐石化を図る

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2016年11月16日

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:中西義之)は、米国子会社アースライズ社(Earthrise Nutritionals, LLC、カリフォルニア州)において、食用藍藻スピルリナ(注1)から抽出した食品用天然系青色素「リナブルー®」の生産能力の増強を決定しました。このたびの投資は、2013年11月に実施した投資(約10億円)に続くもので、金額は約13億円、生産能力は非公開、2018年稼働開始予定です。

当社グループでは、消費者の健康志向を背景にした食の安全・安心への関心の高まりや、欧米の大手食品メーカーによる人工色素撤廃宣言などを受け、食品用天然系青色素市場は、2020年まで年率50%伸長すると見込んでいます。
スピルリナから抽出した「フィコシアニン」は、2013年に米国食品医薬品局(FDA)より食品用天然系青色素として初めて認可されて以降、天然色素化が急速に進む欧米市場を中心に需要が飛躍的に高まっています。これに伴い、従来から、当社グループが高シェアを誇る同色素を製品化した「リナブルー®」も氷菓や菓子類向けを中心として急速に拡販が進んでいます。更に鮮やかな青が特徴である「リナブルー®」と、天然系黄色素や赤色素を混ぜることで、従来よりも鮮やかな緑や紫を発色するため、その原料としての需要も急拡大しています。

同社は、スピルリナの培養から色素の抽出までを一貫生産できる強みを生かし、「食の安全・品質・安心」の観点から特に重要なトレーサビリティーを確保しています。また、2016年には食品安全のための国際的な認証規格である「FSSC22000(注2)」を取得するなど、国際的にも認められた管理を実現しています。なお、同規格に関しては、同じくスピルリナ関連の事業を行う中国・海南島の子会社でも取得に向けた取り組みを進めています。

フィコシアニンに限れば、当社グループはその高品質を背景に90%以上のシェアを有しています。このたびの生産能力増強によりグローバルリーダーの地位を更に強固なものとする基盤を築き、急速に拡大する同市場での売上高を2020年までに2015年度比4倍にすることで圧倒的なシェアも維持していきます。

当社グループは、スピルリナ研究のパイオニアとして、青色素抽出後のスピルリナ残渣から他色素を抽出する研究や、飼料としての活用なども検討しています。今年から始まった中期経営計画「DIC108」の事業施策の一つ「次世代事業の創出」の中でも取り上げられているこれらのテーマを早期に事業化すべく、DIC/Earthrise藻類研究センター(米国)及びDIC研究チーム(日本)が共同で研究開発に取り組んでいきます。

注1)スピルリナとは、カルシウム、鉄などのミネラル類やビタミン類など50種類以上の健康・栄養成分を豊富に含んだ、アフリカや中南米の湖に自生する藻の一種。DICは世界で初めて管理培養に成功した。

注2)食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO 22000と、それを発展させたISO/TS 22002-1(またはISO/TS 22002-4)を統合し、国際食品安全イニシアチブ(GFSI)が制定したベンチマーク承認規格。

DICの100%子会社。本社は米国カリフォルニア州アーバイン市。健康食品向けの藻類(スピルリナ)の生産・販売を行う。年間500トンのスピルリナを生産。藻類の屋外プラントの規模としては世界最大級(総面積18万㎡)となるスピルリナ培養施設を有す。米国本土で唯一、屋外池で藻類の大量培養を成功させており、世界から注目されている。

以上

工場所在地 113 E. Hoober Rd., Calipatria, California 92233, U.S.A.
投資額 約13億円
生産能力 非公開
完成予定 2018年

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