中空糸膜モジュール「SEPAREL」の新製品を発売 超純水製造設備に使用される大型脱気モジュール市場へ参入

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2015年4月14日

DIC株式会社(本社:東京都千代田区、社長執行役員:中西義之)は、当社の中空糸膜を利用した脱気・給気モジュール「SEPAREL(セパレル)」で、超純水製造設備に使用される大型脱気モジュールを開発し、本年9月から同市場に本格参入します。

超純水とは、通常の水から塩類や有機物などに加え、溶存気体なども取り除いた、極めて純度の高い水のことで、逆浸透膜、イオン交換膜、脱気モジュールなどを組み合わせた設備で製造されます。微量の不純物が不良品の原因となる電子部品の洗浄工程や、溶存酸素による配管の腐食が懸念される発電所の冷却水などで使用され、そのニーズは年々高まっています。
現在、同装置に使用される大型脱気モジュール市場は寡占状態にあり、かつ電気電子向け需要の高まりにより、供給は逼迫した状態にあります。このような市場環境を受け、従来から産業用インクジェットプリンターなどに組み込まれる中小型の脱気モジュールで高い評価を得ている当社に対し、大型脱気モジュール市場への参入が望まれています。
このたび当社では、同市場参入に向け新製品を開発すると共に、今後の需要増加に対応するため、既存製品の製造拠点である千葉工場(千葉県市原市)に、9月からの本格稼動を目指し、組み立て工場の増設を進めています。

脱気は、液体が、モジュール内部に設置されたストロー状の中空糸の外側を通る際に、内外の圧力差によって溶存する気体が除去されることにより行われます。一般的な中空糸は、表面にわずかなピンホールを有するため若干の液漏れがありますが、当社製品は液漏れの許されないインクジェットインキの脱気用途で培った技術により、表面に約1μmのスキン層と呼ばれる高密度層を生成することで高い密閉性を実現します。これにより、脱気時の負荷を減らし、モジュールの寿命延長が期待できます。また、ガス透過性の高いポリメチルペンテンを中空糸の原料とすることで、効率の良い脱気が可能です。

超純水は電気電子分野、発電設備、医薬品製造分野などで使用され、市場も年々拡大しています。これに合わせ、現在、100億円と推定される脱気モジュール市場も、年率5%の成長が見込まれています。当社では、この度の新製品で2020年に売上高10億円を目指すと共に、新たな用途開拓を行い、中空糸膜モジュール市場での更なる拡大を目指します。

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