NAGASHIMA Yukoさん DIC株式会社 館林工場 総務グループ
「総務のプロとして、みんなの“当たり前”を支えたい」
総務グループ(以下総務G)で働く永島さんは、働きやすい工場づくりを進めている。社員全員が休憩時間も含めて気持ちよく過ごせるように、工場の課題を吸い上げるだけでなく、さまざまなところに目を配っている。「郵便事務や消火器点検、皆さんが安全かつ楽しく過ごすための空間づくりなど、いろいろなことに取り組んでいます」と永島さんは話す。
その他、全ての人が自分らしく働くためのサポートも、永島さんをはじめとする総務Gの役目である。自身も障がいを持つ永島さんは、“障害者職業生活相談員資格”の取得を検討している。
「多様な社員が集い、その全ての社員が個々の能力を高め、最大限に能力を発揮することができる会社」を目指すDICグループにおいて、永島さんは館林工場で必要不可欠な人材だ。
「温かい職場を、自分の手でさらに温かくしたい」
永島さんは失語症を抱えている。職場では、永島さんの失語症が働く上での障壁とならないよう、いろいろな工夫をしている。
「障がいがあるからというわけではなく、お互いのできないところを助け合うのは当然のことです」と上司の長安さんは話した。
永島さん自身も「皆さんが事あるごとに助けてくださるので、すごく働きやすいです」と言いながら、こう続ける。「私にとって働きやすい職場なので、他の方々にとっても働きやすい職場にしたいです。温かい職場を、私自身も温めていきたいと思っています」。
「自分らしく働く、その夢をかなえたかった」
永島さんは2016年の冬に、脳梗塞で倒れた。「なんとか一命は取り留めたものの、当時の職は失ってしまいました」。
いち早く職を見つける必要があったが、自分らしく働ける職場はなかなか見つからない。でも自分の力を仕事で発揮したいという思いを諦めたくはなかった。そんなときに出会ったのがDICだった。
「私にしかできない仕事も与えてくれて、やりたい仕事にチャレンジさせてくれる会社です」と話す。
同僚の小堀さんは「永島さんは優秀で勉強熱心で、新しい仕事もどんどん身に付けてくれます」と語る。上司の長安さんは「彼女自身がやりたいと思う仕事にはぜひ挑戦してほしいし、応援したいと思っています。頑張りすぎず、自分のペースで成長してほしい」とエールを送った。
「やっぱりうれしいのは“ありがとう”」
多くの社員にとっては、何かあればまず相談に向かう総務G。「皆さんが訪れやすくするために、笑顔での対応や積極的な声掛けを心掛けています」と永島さんは語る。永島さんが作成する改善シートは、いつも職場の仲間への思いやりであふれている。
働きやすい職場づくりのために日々奔走しているが、総務Gの性質上、誰にも気づかれない仕事も多い。その一方で、「開けづらかった更衣室の扉、直してくれたんだね。ありがとう!」とお礼を言われることもある。感謝されるために働いているわけではなくとも、大きな喜びを感じる瞬間だ。
「色で例えると、ベージュのような人でありたい」
「目立たないけど、いると助かる。そういう存在でありたいです」と永島さんは話し、自分自身をDICカラーガイドのベージュ系の「くるみ色」と重ね合わせる。
「派手な色ではないけど暖かみがあり、他の色とも合わせやすい『くるみ色』が大好きです」
「障がいで苦手なことも確かにありますが、できることは何でも頑張っていこうと思います」と永島さんは言う。将来の目標は、お世話になっている先輩方のように、幅広い仕事を一人でこなすことだそうだ。
目の前の仕事に誠実に向き合いつつ、新たな仕事へも挑戦していきたいと締めくくった。
永島さんが働く館林工場はどんなところ?
館林工場は1993年に樹脂着色剤事業のマザープラントとして操業を開始しました。現在では機能性コンパウンドと呼ばれる、プラスチックに高付加価値な機能を持たせる素材やコンテナやヘルメットをはじめとするプラスチック製品づくりを中心に操業しています。
安全や環境に配慮しつつ、DICの中でも新しい取り組みを率先して行っています。ドローンも導入しており、現在は専ら広報用の写真撮影に使っていますが、今後は建物やソーラーパネルの保守点検にも利用できないか検討を重ねているところです。環境面では工場内にメガソーラーを建設し、工場で使用する電力の約2割を賄うことでCO2削減に貢献しています。
管理部門を含めても80名弱の小規模な事業所です。永島さんのように明るくて社交的な社員が多いこともあり、風通しのよい環境だと思います。今後も温かい関係性を保ちつつ、熱い心を持って仕事に取り組んでいきます。