海南nobinos(ノビノス) 伝統色とふれあう彩りと快適の図書館 <かいてきへの挑戦編>

2021.04.13 事業を通じた社会貢献
彩と快適の図書館 海南nobinos
彩と快適の図書館 海南nobinos

2020年6月に和歌山県海南市にオープンした「海南nobinos(ノビノス)」。前回は「いろどり編」として施設が誕生した背景やコンセプト、DICカラーガイド「日本の伝統色®」から選ばれた海南の伝統色を取り入れたことを紹介しました。
今回は快適で居心地の良い空間作りのアイデアについて、前回に引き続き、宇尾崇俊さん(海南市教育委員会 生涯学習課 文化振興係 ※取材当時)にお話を伺いました。
(聞き手DICグラフィックス株式会社 事業+α推進本部 企画開発グループ 浅利英里奈)

自然音に包まれる窓辺のラウンジ

4階のメインライブラリー

4階のメインライブラリーでは日本の小説が並ぶ本棚の横に閲覧ラウンジが設けられている。Wifi、電源も使え、海南nobinosでも1、2を争う人気の席だ。

自然光が気持ちの良い窓辺の閲覧席

自然光が気持ちの良い窓辺の閲覧席は前後がゆったりした設計がなされている。鳥の鳴き声と水の流れる音に包まれる癒しの空間でもある。

4階の閲覧ラウンジはじっくりと本に親しめる空間ですね。

宇尾 このラウンジにはある仕掛けをしています。それは自然音のBGM。鳥の声を頭の上から、足元からは水の流れる音を流しています。この席に座っていると、いつのまにか自然の中に身を置いているような気分に浸れる…そんなことを狙っています。ちなみに鳥の鳴き声は夜になるとフクロウに変わるんですよ(笑)。

トイレにはDICカラーガイドに対応した色を用いた不燃化粧板「DIC フネン ソリッドカラー」を採用。男性用にはグリーン系、女性用にはピンク系のカラーがそれぞれ選ばれている。

海南nobinosを作るにあたり、宇尾さんは計画段階でどんなことを心掛けましたか。

宇尾 まずは、何百人もの市民の方に「海南にどんな図書館(施設)が欲しいですか」「どんな場所だったら行きたいですか」と2カ月かけてリサーチしました。ある女子大生からは公共図書館には常に統一感のない貼り紙がしてある、「公共施設はダサい」と言われました。彼女の目には、そんな場所に通うという行為自体がダサく映っていたのかもしれません。また、小学生の男の子は、「図書館に入るときは、静かに! といつも大人に注意される」とつまらなそうに言いました。同じく「小学生の女の子からは「海南の図書館におしゃれなカフェが欲しい」と言われました。ちなみに、その子はコーヒーが飲めないらしいのですが、海南にはなかったおしゃれなカフェに憧れがあったのかもしれませんね。こうした市民の皆さんとの対話から、「本のある空間に親しんでもらう」という考えに導かれました。
 今では、図書館入口に併設したカフェでの給仕音が、子どもの笑い声や赤ちゃんの泣き声とも調和して、この図書館らしい雰囲気を出すのに一役も二役も買ってくれています。

図書館入口に併設したカフェ

図書館入口に併設したカフェはほっと一息つける空間だ

今日はどの席に座ろう? お気に入りの席を見つける楽しみも

4階のメインライブラリー

4階のメインライブラリーに上がるとすぐに目に飛び込んでくる円形の閲覧席。インテリジェンスな空気感の漂う落ち着いた空間だ。

海南nobinosには子どもも大人も楽しめる空間を感じます。

宇尾 4階の「メインライブラリー」は、さまざまな色にあふれた2階や3階とはグッと雰囲気を変え、シックなトーンでまとめ、本に集中できるよう落ち着いた空間を作りました。頭上にレトロな照明がともる丸テーブル、吹き抜けに挟まれていろいろなチェアが並ぶ長い学習席、自然音のBGMに包まれる閲覧ラウンジなど、来館者がその日の気分でお気に入りの席を選べるよう、バラエティーに富んだ空間を作ったつもりです。椅子の座り心地にもこだわりました。また、図書館機能のほかにも、ボルダリングや卓球ができる部屋やバンドの練習ができる防音設備のある音楽室もあるんですよ。

メインライブラリーにはライトノベルや10代を対象にした本や漫画コーナーも充実。学習席のほか、大判プリントができるプリンターやスキャナー、パソコンなどが使えるITラボもある。

本の検索機

本の検索機は、既存のアイコンを入れ替えたnobinos仕様。こんな細かなところにもこだわった。「最近では、和歌山市内に通学する有田の高校生が海南nobinosに来るため、JR海南駅でわざわざ途中下車するようになったそうです」(宇尾さん)。

マガジンライブラリーの本棚

マガジンライブラリーの本棚は茶系統の色味で統一されている。カテゴリー別に雑誌が置かれた本棚の前で、大人たちが目を輝かせているという。

2階の「マガジンライブラリー」では、書棚に並ぶ雑誌の種類に圧倒されます。

宇尾 実は国内で刊行される雑誌の最新号を100種以上そろえています。バイクや音楽、パソコンなど専門性の高い、ある意味マニアックな雑誌もたくさん置いていることもあり、特に男性の来館者たちからは「若い頃、愛読していた雑誌がまだ続いていたことを知り、また読み始めるきっかけになりました」など、好評のようです。ぜひ、雑誌を読みに来ていただきたいですね。

マガジンライブラリーの脇には美しいビジュアルの大型本が並んでいる。大人にも子どもにも好評だ。

【所在地】
〒642-0002 和歌山県海南市日方1525-6
【TEL】
073-483-8739
【オフィシャルウェブサイト】
https://kainan-nobinos.jp

※最新情報や詳細はオフィシャルウェブサイトでご確認ください

海南nobinos