高知大学と「藍藻スピルリナ由来多糖のアンチエイジング作用」に関する共同論文を発表 ―アンチエイジングにつながる「抗酸化作用」を科学的に証明、化粧品や健康食品への活用に期待―

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2023年8月22日
#アンチエイジング #スピルリナ #抗酸化作用 #化粧品 #健康食品 #高知大学

DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫)は、国立大学法人高知大学(以下「高知大学」)と「藍藻スピルリナ由来多糖が持つアンチエイジング作用」に関する共同論文を発表し、7月21日付の米国科学誌「 iScience(アイサイエンス)」に掲載されたことをお知らせします。本共同論文では、スピルリナに由来する多糖類が持つアンチエイジングにつながる「抗酸化作用」を科学的に証明しました。

<研究成果のポイント>
・線維芽細胞*¹(本研究では皮膚線維芽細胞)を用いて、スピルリナの熱水抽出エキス(多糖含む)及びスピルリナ由来の多糖におけるアンチエイジングにつながる
 抗酸化作用について検討。
・線維芽細胞を人工的に老化させると、抗酸化タンパク質SOD2*²が減少し、ミトコンドリア*³の機能は低下、細胞のコラーゲン産生も低下することを確認。
・スピルリナ由来多糖は、細胞の老化により減少したSOD2を増加させ、コラーゲン生成を誘導することでミトコンドリアの機能を回復させることを発見。
・これまでに知られているSOD2を増加させる素材は、炎症反応を引き起こすものがほとんどであったが、スピルリナ多糖は炎症性シグナル伝達を介さず、抗炎症作用のある
 転写因子Nrf2*⁴を活性化させることでSOD2を誘導させる効果があり、炎症反応を抑制しつつ細胞の抗酸化作用を高めることを証明。

本研究成果により、サステナブルな素材であるスピルリナが、アンチエイジングを目指した化粧品や健康食品として活用されることが期待されます。

<掲載概要>
掲載雑誌 :「iScience」
論文タイトル:Restoration of mitochondrial function by Spirulina polysaccharide via upregulated SOD2 in aging fibroblasts
掲載URL :https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2589004223011902

当社は、1970年代より50種以上の健康・栄養成分を含む食用藍藻類「スピルリナ」の培養研究に取り組み、世界で初めて屋外培養に成功しました。以来、藻類研究のパイオニアとして、健康食品や食用色素、食品素材、飼料分野へ展開してきました。

DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」において、” Quality of Life(QOL)社会 ”に貢献するため、「ヘルスケア領域」を重点事業領域の1つに定め、ヘルスケア分野の事業拡大を掲げています。消費者の健康志向を背景に、今後も“食の安全・安心”に注力した食品やサプリメントなどの製品開発を進めていきます。

*¹ 線維芽細胞:全ての臓器に存在する細胞の1つ。皮膚では真皮に存在し、コラーゲン・ヒアルロン酸・エラスチンを作り出す細胞。
*² SOD2(スーパーオキシドディスムターゼ2):細胞の老化を促進する活性酸素を分解する酵素で、ミトコンドリアに局在。
*³ ミトコンドリア:細胞内に存在する細胞内小器官。エネルギー産生に関与。
*⁴ Nrf2(NF-E2-related factor):SOD2誘導性転写因子の1つ。ストレス応答により活性化され、IL-6やTNF-αなどの炎症性サイトカインを抑制することが報告されている。

以上

【関連ウェブページ】
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-DIC株式会社について
DICは日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DICグループの中核企業です。DICグループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む190以上の子会社によって構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高1兆円を超え、世界全体で22,000名以上の従業員を有するなか、グローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。

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