国内グリーンバイオベンチャー企業と資本業務提携契約を締結 ー藻類培養ビジネスを強化し、ヘルスケアやパーソナルケア分野の事業を拡大-

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2021年3月25日
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DIC株式会社(本社:東京都中央区、社長執行役員:猪野薫)は、藍藻類であるスイゼンジノリ由来多糖類のサクランを用いた事業を展開するグリーンバイオベンチャー企業であるグリーンサイエンス・マテリアル株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役:金子慎一郎、以下「GSⅯ社」)と資本業務提携を開始しました。

GSⅯ社は、国立大学法人北陸先端科学技術大学院大学の岡島麻衣子・金子達雄らにより新規に発見された物質である「サクラン」の研究成果を活用した北陸先端科学技術大学院大学発のベンチャー企業であり、世界で初めてサクランを商用化しました。サクランは、日本固有の淡水藍藻類であるスイゼンジノリから抽出される多糖類であり、高い保湿性、抗炎症効果やバリヤ性などを生かして様々なスキンケア製品へ応用されています。該社は、現在、スイゼンジノリの人工的な養殖や培養技術の開発を行い、サクランの量産性を上げてグローバル展開を目指しています。加えて、スイゼンジノリが唯一天然で生育・養殖されている黄金川(福岡県朝倉市)の保全活動にも積極的に取り組んでいます。

DICグループは、1970年代にスピルリナ(藻類)の商業生産に世界で初めて成功して以来、スピルリナ研究のパイオニアとして安全かつ高品質なスピルリナ粉末やスピルリナ由来食用色素『リナブルー®』を健康食品、食品素材や飼料分野等へグローバルに展開しています。

当社は、本提携により、食用藍藻類のスピルリナ事業で培った大量培養技術や機能成分の抽出技術を該社と共有し、同じ藍藻類であるスイゼンジノリの人工培養技術の確立を目指します。さらに、DICグループで欧米地域を統括するSun Chemical Corporation(所在地:米国ニュージャージー州)と連携し、GSM社とスイゼンジノリやサクランの販売をグローバルに展開するとともに、新規アプリケーションの開発も行います。

DICグループは、藻類培養ビジネスの強化を通じ、今後もヘルスケア分野やパーソナルケア分野でお客様にとって価値のある製品を提供していく所存です。

スイゼンジノリは、九州の阿蘇山系の伏流水のみで育ち、食することのできる非常に珍しい藍藻です。江戸時代には、細川藩や秋月藩が幕府へ献上しており、藩の財政を支えていたと言われております。オランダの学者であるスリンガー氏により、その生育環境の素晴らしさから「聖なる」という意味をもつ「sacrum」という学名をつけられました。サクランは、この素晴らしい水環境で育つスイゼンジノリが自らの細胞を守るために分泌すると考えられています。
2006年、北陸先端科学技術大学院大学の岡島麻衣子・金子達雄らは、日本固有の食用藍藻であり、淡水性の光合成微生物スイゼンジノリ(水前寺海苔、学名:Aphanothece sacrum)が極めて大量の寒天状物質を細胞外マトリックスに分泌することに注目し、スイゼンジノリからこの寒天状物質、サクランを抽出することに成功しました。

高保湿力
サクランの大きな特徴の一つはその驚異の保水力にあります。化粧品の保湿剤として一般的なヒアルロン酸と比較すると、純水では約6倍、塩水では約10倍の保水性を示します。


抗炎症効果
アトピー性皮膚炎患者への塗布実験で、サクランの持つ皮膜形成能により外部刺激等から保護された炎症部位は、ステロイド塗布よりも症状が緩和されるという結果が出ております。


被膜形成能
サクランは非常に高分子量(分子サイズはマイクロサイズ)であるため、結果としてナノの厚さの極めて緻密な膜を形成します。サクラン集合体が肌の上で網目バリヤを作ることで皮膚内部から蒸散される水分を吸着し薄い水の皮膜層を形成することで(サクランの第二の皮膜形成能)、皮膚細胞を外部刺激やアレルゲンから守ることが出来ると考えられています。他にも、高粘性や逆チキソトロピー性を有し、肌に乗せた瞬間にしっかりとしたつけ心地を感じることができます。

(GSM社ホームページより抜粋と一部追記)

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