Topic DICデジタルカラーガイドのダウンロード数が世界中で41万件を突破(2013年5月31日現在)
DICは2010年10月にカラーガイド(色見本帳)をデジタル化し、スマートフォン(iPhone:Apple社)向け無料アプリケーションとして配信開始。以降、対応OS(基本ソフト)やコンテンツを拡充しながらユーザーを広げています。
携帯性・検索性に優れたデジタルツールを
DICが1968年に「カラーガイド(色見本帳)」の初版を発刊以来、同カラーガイドはカラープランニングやカラーコミュニュケーションに不可欠なツールとして幅広く活用され、版を重ねてきました。そして、様々なデザインや製品開発部門にデジタル機器が普及し、携帯端末の機能も飛躍的に向上しつつあった2008年、DIC社内に「カラーガイドのデジタル化プロジェクト」が結成されました。それは「もっと携帯しやすく、手軽に色を検索できるツールはできないか」というお客様の声に応えると同時に、“色を扱う会社”としての使命感に突き動かされてのチャレンジでした。
そして、スマートフォンにデジタルカラーガイドのアプリケーションを配信し、液晶画面上で2,230色の中から自由に色を検索する方法を考案。Apple社と契約を交わし、iPhone(iPod touch)の液晶の特性を測定し、発色の再現性を追求した色変換ソフトを開発しました。
色をきちんと伝えるプラットフォームとして
2010年10月、「DICデジタルカラーガイド」が発表されると人々は驚きました。それはデジタル技術をフル活用した検索性や豊富なデータベースを備えながら、誰でも自由にダウンロードできる『無料アプリ』だったからです。そこには「色を正確に伝えるための身近なプラットフォームとして、より多くの人々に気軽に使っていただくことで、色彩の豊かさや楽しさを実感し、色の世界にもっと親しんでほしい」というDICの願いが込められていました。
主な基本機能
- すばやく色を探せ、選んだ各色を印刷で再現するためのインキ配合比(CMYK)、コンピュータ上で再現する場合の光の3原色比(RGB)、欧米や日本工業規格(JIS)で採用されている色彩基準「マンセル値」で表示
- 日本語/英語/中国語を切り替え表示
- 気に入った色を手軽に記録・保存
- 印刷する素材(厚紙・PETシート・金属・フィルムなど)による発色の特徴や違いを画像でシミュレート
- 撮影した写真画像をタッチすれば、色情報を抽出して近似するカラーガイド色を表示
「DICデジタルカラーガイド」は配信直後から世界中でダウンロードされ、建築・工業・商業・ファッション・インテリアなど幅広い分野で高く評価されました。
そして、より多様なOS環境への対応に向け、2011年5月にタブレット型端末iPad版を、11月にはアンドロイド版をリリース。さらに2013年7月には、デザイナーなどの専門家向けに色精度やシミュレーション機能を高めたMacintosh版の配信を開始しました。
こうして配信開始から2年半で累計ダウンロード数は41万件(2013年5月31日現在)以上に達しています。
カラーガイドシリーズソフトウェアの展開
- iPhone(iPod touch)、iPad、Macintoshは、Apple社の製品名です。
- アンドロイドは、Google社が2007年に発表した携帯端末向けプラットフォームです。
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COMMENT
無数の色彩を手元に
プロダクトデザインの重要な要素として注目されている色彩や素材。その魅力を引き出すための開発やプロダクトへの導入を担当しています。プロセスの一環として展示会やマーケットのリサーチを行うこともたびたびあり、その際には、現場で確認した色彩、質感を正確に記録する必要があります。デジタルカラーガイドは、素早く手軽に近似色をスマートフォンに記録し、画面上で確認できます。色彩の正確さでは従来の紙チップの方が有効ですが、より手軽にリサーチが行えるようになりました。また、いつも手元にたくさんの色彩を備えている安心感といつでも引き出せる楽しさもあります。色彩の背景や歴史、呼称などが学べることも利点の一つです。DICカラーガイド(色見本帳)とのマッチング精度など課題はあるものの、今後の展開を期待できる無料で楽しいアプリです。
ソニー株式会社 UX・商品戦略本部 クリエイティブセンター プロダクトデザイン統括グループ CMFデザインチーム シニアプロデューサー 小椋 肇 様
VOICE
活用法は無限大!これは「色のデータベースを閲覧する入口」です
直接いただくお問い合わせ、マスコミの紹介記事、ブログやツイッターなどを見ていると、デジタルカラーガイドの使われ方は、まさに十人十色、千差万別です。太陽光発電バックパネルの劣化識別、日本画修復のデータベース、ネールサロンの色見本などのユニークな事例もあります。
液晶画面に色を再現する場合、スマートフォンでもパソコンモニターでも、メーカーの機種ごとの特性に合わせて色変換ソフトを微調整する必要があり、膨大な労力を費やします。でも、私たちが想像もつかない国や場所でカラーガイドが活用されていることを知ると苦労も吹き飛びます。
重要なのは、カラーガイドは色のデータベースを閲覧するための入口という位置付けです。それだけに、色を熟知した企業ならではの技術を駆使して、データベースというインフラの質と量を高め続けていきたいと考えています。
分散第一技術本部 分散技術1グループ 主任研究員 森原 康博
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